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乗合馬車の珍道中
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がたがたがた
町の近くを走っていた乗合馬車を見付けたアタシたちは、御者に声をかけて乗せて貰っていた。先に二人乗っていたけど、席に余裕があって助かったぁ。乗合馬車はこのまま大きな橋を渡って商業都市として有名な《ボムフォード》に寄るんだって。
女の子向けの服屋さんも沢山あるって聞いたことあるから、足を運ぶの楽しみだなぁ。……まぁ服って荷物になるし、節約もしなきゃだからウィンドウショッピングしかできないだろうけど、それでも楽しみ!
「ねぇねぇカイル、商業都市だよ商業都市。カイルはどこ寄る?」
「どこっつっても、俺は店とかろくに入ったことないから想像もできないんだが」
「そっかぁ。それじゃ一日くらい探索しようっ」
隣に座るカイルにうきうき話しかけていると、対面の席に座っているローブを着たお兄さんに声をかけられた。あわわ、うるさかったかな?
「そこの銀髪、もしや【水の踊り子】か?」
でもお兄さんは騒いでいたアタシじゃなくて、カイルの方を睨み付けている。
「……そうだと言ったら?」
「チッ! おい御者、何でそんな野蛮人を乗せたんだっ!」
「お金を払ってくれる人は誰でもお客さまなんで~」
「何だと!? こんな蛮族、とっとと降ろせ! 気分が悪くなる!」
お兄さんはカイルを指さして怒鳴ってきて、アタシはぴゃっと肩をはねさせてしまう。
でもカイルは何も言い返さないで黙っている。何だか慣れているみたい。慣れているからって、暴言を見逃していい理由にはならないのに!
「ちょ、ちょっと、彼は何もしてないのに降ろすのは横暴じゃない!?」
「あぁ? お前にゃ関係ないだろが!」
「関係あるよ!」
「何だと? じゃあお前はそいつの何なんだ!?」
「何って、ええと」
カイルはええと、パーティの一員、なのかな?
いやちょっと違うなぁ。今のところカイルにお金出してあげているのアタシだし、どっちかっていうと雇用主と従業員? でも明確に雇用契約結んでいる訳じゃないし、えーっと、あーっと。
「彼はアタシの、その、手下です!」
「ぶふっ! 面白いこと言うな嬢ちゃん!」
精一杯考えて答えた回答に、ローブのお兄さんの隣に座っていたムキムキおじさんが吹き出しちゃった。
あとカイルは死んだ目でアタシを見ている。他に思いつかなかったんだから、しょうがないでしょっ!?
「おめぇも落ち着けって! 目の形にしている奴が乗り合わせたのが面白くないのはわかるけどよぉ!」
おじさんはそう言うとローブのお兄さんを拳骨で小突いた。どうやら二人は知り合いみたい。
「えーっと、お二人の関係を伺っても?」
「あぁ、俺たちゃ幼馴染だ」
幼馴染、って、同世代ってこと!?
年が全く違ってみえるけど、人を見た目で判断したらダメってことだよね。わかってはいるけど気を付けなきゃ。
「こいつ魔法使いなんだが、水のを扱うのがド下手でなぁ! 生まれ付き水魔法のエキスパートってされている【水の踊り子】に嫌悪感を持ってるのよ」
おじさんはお兄さんの頭を拳でぐりぐりしながら説明してくれた。お兄さんは「言うな馬鹿っ!」って怒っているけどお構いなしだ。
でも嫌な気持ちになるのはちょっとわかるなぁ。アタシだって必死に勉強して身に付けた魔法を生まれ付き使えるって聞いた時は、努力しないで出来るなんて不公平~っ! ってイラついちゃったものね。
「俺からすれば、複数の属性を何もない所で生み出す方が異常で、羨ましいがな」
カイルは淡々とそう言った。
「水を出現させるのだって俺がやろうと思えば相当な魔力と技術が必要だが、魔法使いはぽんぽん作れるんだ。しかも他の属性も扱えるオールマイティさがある。それこそ妬ましい」
「ほ~う、お互いないものねだりってことか。意外と似た者同士なのかもな~」
「うう、うるさい!」
ガハハと豪快に笑いながらローブのお兄さんの背中をバシバシ叩くおじさん。幼馴染って言ってた通り、気の置けない仲なんだろうなぁ。
「兄ちゃんに噛み付くんじゃなくて、嬢ちゃんに頭下げて教えを請うた方がいいんじゃないか? 同じ魔法使いだろう?」
「あんな子供に頭を下げるなんて……!」
「プライドだけ高くっても成長せんぞ」
「あ、あのぅ。アタシは今、占い師をしてまして……。でも元魔法使いですし、お話聞きますっ!」
一応、職業詐称はよくないかなと思って訂正を入れておく。
横目でアタシのことを見ているカイルが「訂正するほどの情報じゃないだろ」とでも言いたげだけど、無視無視っ。
「一回10ガルでいかがですかっ!?」
あとちゃっかり支払いを催促しておく。今は占い師だもん、相談料は貰わないとね。
「お、安いじゃないか! どうだいお前さん、このぐらいケチるほど狭量じゃねぇだろ?」
「……っ。なら話をした後、後払いでいいなら払ってやる!」
やけに上から目線だし後払いって言われちゃったけど、お金を払う気があるんならお客さんだ。きちんと対応しなきゃだね。
「水魔法が下手と幼馴染さんが言っていましたが、お兄さんはどのレベルの魔法が使えるんですか?」
「……中級」
「えっ!? それで下手ってことないんじゃ!?」
魔法は難易度別にざっくり上級、中級、下級に分けられていて、魔法使いは下級魔法を一通り扱えるようになれば一人前扱いになる。だから中級魔法が扱えるお兄さんはなかなかの実力者ってことになる。
「話で聞くより見せた方が早いんじゃねぇか? ほれ、さっさと見せてみな」
「急かすな、馬鹿」
おじさんにせっつかれて、お兄さんは渋々ローブの中から魔石の水晶を取り出して、詠唱を唱えて水魔法を使った。
そうして出現したのは、手のひらに収まるサイズの小さな水の塊。
「何回やってもまんじゅうサイズしか出せないんだよ、こいつ。ガハハハ!」
「笑うなっ!」
中級魔法でこのサイズかぁ。確かにちょっと小さいけど、すごく透明感があって不純物のない綺麗な水を出せているみたいだし、無理に質量にこだわることもないと思うな。
「水は問題なく出せていると思いますよ。あ、コントロールが難しいとか?」
「動かすのは問題なく出来ているつもりだ。ただこのサイズから大きくならないのが不満で」
「一度に出せる魔力の出力は時間をかけて増やしていくか、質のいい魔石に強化して貰うかになりますけど、それはお兄さんも知っていますよね?」
「勿論だ。この水晶もいい物だが、《ボムフォード》でより質のいい魔石を購入する予定なんだ。他に何か手はあるか?」
「う~ん。じゃあ何度も詠唱して増量する力技が手っ取り早いかなぁ」
「それだと魔力の効率が悪い上に時間がかかるだろう! 僕とこいつの故郷は最近、《マナ災害》による干ばつに悩まされている。だからなるべく早く水魔法を極めたいんだ!」
……そっか、そうなんだ。お兄さんにも真剣な悩みがあって、それを解決したくて、でもうまくいかなくて苛々しているんだ。
おじさんは付き添い兼ストッパーで、お兄さんを宥めながら一緒に有用な魔石や魔導書がないか手分けしたりして、解決策を探しているんだとか。
「マーシャ、《マナ災害》ってなんだ? マナという言葉は聞いたことはあるが……」
カイルがちょいちょいってアタシの肩をつついて、お兄さんが口にしていた単語の今を小声で訊いてくる。
「大気や地脈に流れている自然の魔力を《マナ》って一括りに呼ぶんだけど、そのマナが乱れちゃって起きる災害を《マナ災害》って言うの。台風とか地震も《マナ災害》として扱われるけど、知らない?」
「あぁ、知らん」
「そっかぁ。魔法使いの用語だからかなぁ」
御伽話や大昔の伝説に出てくるような大魔法使いはその《マナ》を自在に操って、天変地異を意のままに起こして、自然の摂理をねじ曲げることさえ出来るって伝えられている。
現代の魔法使いが扱える自然、《マナ》は極一部で、それも狭い範囲で一時的にしか扱えないから、作り話なんだろうなぁとは思うけど。
「《マナ》を魔法使いの魔力で刺激したり、流れを変えさせて利用するのが魔法なんだけど、魔力を増やしたり魔法を強くするには時間をかけて鍛えるのが定石で、一朝一夕でどうにかするのは難しいんだよね」
それでも何かアドバイス出来ることがないかなとうんうん頭を悩ませていると、カイルがまたちょいちょいとアタシの肩をつついてきた。
「思ったんだが……。手っ取り早く力をつける方法、あるんじゃないか?」
「えっ、なぁにそれ?」
でもカイルの視線はアタシでなくて馬車の外、荒れ気味の川にかかった大きい橋に向いている。あの橋を渡った先に目的地の商業都市《ボムフォード》がある
それにしても川、荒れすぎてない? 今日は晴天だし、昨日も一昨日と大雨降ったとかないのにどうして?
なんて考えていたら、乗合場所が橋を渡り始めた途端、川が盛り上がってザパァって大きな水飛沫をあげて、コウモリの羽が生えた大型のヒキガエルのモンスター《ウォーターリーパー》が姿を現した!
「人間、極限状態に追い込まれると急成長するって、興行師が言ってた」
「ちょ、ちょ、気付いてたんなら早く言ってぇええっ! あと剣闘士のスパルタ常識を外に持ち出さないでぇっ!!」
ウォーターリーパーは人間を食べる凶悪なモンスター、水辺を自在に動けるだけじゃなく空も飛べる厄介なやつ!
突然のことに御者やお兄さんたちの悲鳴が飛び交う中、アタシたちは戦闘に入るはめになったのだった。
町の近くを走っていた乗合馬車を見付けたアタシたちは、御者に声をかけて乗せて貰っていた。先に二人乗っていたけど、席に余裕があって助かったぁ。乗合馬車はこのまま大きな橋を渡って商業都市として有名な《ボムフォード》に寄るんだって。
女の子向けの服屋さんも沢山あるって聞いたことあるから、足を運ぶの楽しみだなぁ。……まぁ服って荷物になるし、節約もしなきゃだからウィンドウショッピングしかできないだろうけど、それでも楽しみ!
「ねぇねぇカイル、商業都市だよ商業都市。カイルはどこ寄る?」
「どこっつっても、俺は店とかろくに入ったことないから想像もできないんだが」
「そっかぁ。それじゃ一日くらい探索しようっ」
隣に座るカイルにうきうき話しかけていると、対面の席に座っているローブを着たお兄さんに声をかけられた。あわわ、うるさかったかな?
「そこの銀髪、もしや【水の踊り子】か?」
でもお兄さんは騒いでいたアタシじゃなくて、カイルの方を睨み付けている。
「……そうだと言ったら?」
「チッ! おい御者、何でそんな野蛮人を乗せたんだっ!」
「お金を払ってくれる人は誰でもお客さまなんで~」
「何だと!? こんな蛮族、とっとと降ろせ! 気分が悪くなる!」
お兄さんはカイルを指さして怒鳴ってきて、アタシはぴゃっと肩をはねさせてしまう。
でもカイルは何も言い返さないで黙っている。何だか慣れているみたい。慣れているからって、暴言を見逃していい理由にはならないのに!
「ちょ、ちょっと、彼は何もしてないのに降ろすのは横暴じゃない!?」
「あぁ? お前にゃ関係ないだろが!」
「関係あるよ!」
「何だと? じゃあお前はそいつの何なんだ!?」
「何って、ええと」
カイルはええと、パーティの一員、なのかな?
いやちょっと違うなぁ。今のところカイルにお金出してあげているのアタシだし、どっちかっていうと雇用主と従業員? でも明確に雇用契約結んでいる訳じゃないし、えーっと、あーっと。
「彼はアタシの、その、手下です!」
「ぶふっ! 面白いこと言うな嬢ちゃん!」
精一杯考えて答えた回答に、ローブのお兄さんの隣に座っていたムキムキおじさんが吹き出しちゃった。
あとカイルは死んだ目でアタシを見ている。他に思いつかなかったんだから、しょうがないでしょっ!?
「おめぇも落ち着けって! 目の形にしている奴が乗り合わせたのが面白くないのはわかるけどよぉ!」
おじさんはそう言うとローブのお兄さんを拳骨で小突いた。どうやら二人は知り合いみたい。
「えーっと、お二人の関係を伺っても?」
「あぁ、俺たちゃ幼馴染だ」
幼馴染、って、同世代ってこと!?
年が全く違ってみえるけど、人を見た目で判断したらダメってことだよね。わかってはいるけど気を付けなきゃ。
「こいつ魔法使いなんだが、水のを扱うのがド下手でなぁ! 生まれ付き水魔法のエキスパートってされている【水の踊り子】に嫌悪感を持ってるのよ」
おじさんはお兄さんの頭を拳でぐりぐりしながら説明してくれた。お兄さんは「言うな馬鹿っ!」って怒っているけどお構いなしだ。
でも嫌な気持ちになるのはちょっとわかるなぁ。アタシだって必死に勉強して身に付けた魔法を生まれ付き使えるって聞いた時は、努力しないで出来るなんて不公平~っ! ってイラついちゃったものね。
「俺からすれば、複数の属性を何もない所で生み出す方が異常で、羨ましいがな」
カイルは淡々とそう言った。
「水を出現させるのだって俺がやろうと思えば相当な魔力と技術が必要だが、魔法使いはぽんぽん作れるんだ。しかも他の属性も扱えるオールマイティさがある。それこそ妬ましい」
「ほ~う、お互いないものねだりってことか。意外と似た者同士なのかもな~」
「うう、うるさい!」
ガハハと豪快に笑いながらローブのお兄さんの背中をバシバシ叩くおじさん。幼馴染って言ってた通り、気の置けない仲なんだろうなぁ。
「兄ちゃんに噛み付くんじゃなくて、嬢ちゃんに頭下げて教えを請うた方がいいんじゃないか? 同じ魔法使いだろう?」
「あんな子供に頭を下げるなんて……!」
「プライドだけ高くっても成長せんぞ」
「あ、あのぅ。アタシは今、占い師をしてまして……。でも元魔法使いですし、お話聞きますっ!」
一応、職業詐称はよくないかなと思って訂正を入れておく。
横目でアタシのことを見ているカイルが「訂正するほどの情報じゃないだろ」とでも言いたげだけど、無視無視っ。
「一回10ガルでいかがですかっ!?」
あとちゃっかり支払いを催促しておく。今は占い師だもん、相談料は貰わないとね。
「お、安いじゃないか! どうだいお前さん、このぐらいケチるほど狭量じゃねぇだろ?」
「……っ。なら話をした後、後払いでいいなら払ってやる!」
やけに上から目線だし後払いって言われちゃったけど、お金を払う気があるんならお客さんだ。きちんと対応しなきゃだね。
「水魔法が下手と幼馴染さんが言っていましたが、お兄さんはどのレベルの魔法が使えるんですか?」
「……中級」
「えっ!? それで下手ってことないんじゃ!?」
魔法は難易度別にざっくり上級、中級、下級に分けられていて、魔法使いは下級魔法を一通り扱えるようになれば一人前扱いになる。だから中級魔法が扱えるお兄さんはなかなかの実力者ってことになる。
「話で聞くより見せた方が早いんじゃねぇか? ほれ、さっさと見せてみな」
「急かすな、馬鹿」
おじさんにせっつかれて、お兄さんは渋々ローブの中から魔石の水晶を取り出して、詠唱を唱えて水魔法を使った。
そうして出現したのは、手のひらに収まるサイズの小さな水の塊。
「何回やってもまんじゅうサイズしか出せないんだよ、こいつ。ガハハハ!」
「笑うなっ!」
中級魔法でこのサイズかぁ。確かにちょっと小さいけど、すごく透明感があって不純物のない綺麗な水を出せているみたいだし、無理に質量にこだわることもないと思うな。
「水は問題なく出せていると思いますよ。あ、コントロールが難しいとか?」
「動かすのは問題なく出来ているつもりだ。ただこのサイズから大きくならないのが不満で」
「一度に出せる魔力の出力は時間をかけて増やしていくか、質のいい魔石に強化して貰うかになりますけど、それはお兄さんも知っていますよね?」
「勿論だ。この水晶もいい物だが、《ボムフォード》でより質のいい魔石を購入する予定なんだ。他に何か手はあるか?」
「う~ん。じゃあ何度も詠唱して増量する力技が手っ取り早いかなぁ」
「それだと魔力の効率が悪い上に時間がかかるだろう! 僕とこいつの故郷は最近、《マナ災害》による干ばつに悩まされている。だからなるべく早く水魔法を極めたいんだ!」
……そっか、そうなんだ。お兄さんにも真剣な悩みがあって、それを解決したくて、でもうまくいかなくて苛々しているんだ。
おじさんは付き添い兼ストッパーで、お兄さんを宥めながら一緒に有用な魔石や魔導書がないか手分けしたりして、解決策を探しているんだとか。
「マーシャ、《マナ災害》ってなんだ? マナという言葉は聞いたことはあるが……」
カイルがちょいちょいってアタシの肩をつついて、お兄さんが口にしていた単語の今を小声で訊いてくる。
「大気や地脈に流れている自然の魔力を《マナ》って一括りに呼ぶんだけど、そのマナが乱れちゃって起きる災害を《マナ災害》って言うの。台風とか地震も《マナ災害》として扱われるけど、知らない?」
「あぁ、知らん」
「そっかぁ。魔法使いの用語だからかなぁ」
御伽話や大昔の伝説に出てくるような大魔法使いはその《マナ》を自在に操って、天変地異を意のままに起こして、自然の摂理をねじ曲げることさえ出来るって伝えられている。
現代の魔法使いが扱える自然、《マナ》は極一部で、それも狭い範囲で一時的にしか扱えないから、作り話なんだろうなぁとは思うけど。
「《マナ》を魔法使いの魔力で刺激したり、流れを変えさせて利用するのが魔法なんだけど、魔力を増やしたり魔法を強くするには時間をかけて鍛えるのが定石で、一朝一夕でどうにかするのは難しいんだよね」
それでも何かアドバイス出来ることがないかなとうんうん頭を悩ませていると、カイルがまたちょいちょいとアタシの肩をつついてきた。
「思ったんだが……。手っ取り早く力をつける方法、あるんじゃないか?」
「えっ、なぁにそれ?」
でもカイルの視線はアタシでなくて馬車の外、荒れ気味の川にかかった大きい橋に向いている。あの橋を渡った先に目的地の商業都市《ボムフォード》がある
それにしても川、荒れすぎてない? 今日は晴天だし、昨日も一昨日と大雨降ったとかないのにどうして?
なんて考えていたら、乗合場所が橋を渡り始めた途端、川が盛り上がってザパァって大きな水飛沫をあげて、コウモリの羽が生えた大型のヒキガエルのモンスター《ウォーターリーパー》が姿を現した!
「人間、極限状態に追い込まれると急成長するって、興行師が言ってた」
「ちょ、ちょ、気付いてたんなら早く言ってぇええっ! あと剣闘士のスパルタ常識を外に持ち出さないでぇっ!!」
ウォーターリーパーは人間を食べる凶悪なモンスター、水辺を自在に動けるだけじゃなく空も飛べる厄介なやつ!
突然のことに御者やお兄さんたちの悲鳴が飛び交う中、アタシたちは戦闘に入るはめになったのだった。
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