241 / 355
第十二章 日本旅行編
第234話 寡男
しおりを挟む
「青洲さん。今日からよろしくお願いします」
「…………」
日本へ出立する当日。
飛行機が用意された港へ向かったモーズは、既に港で待機をしていた青洲へ頭を下げて挨拶をした。
青洲は言葉は返さなかったものの軽く会釈はしてくれて、そのままネグラの方へ視線を向けている。同行者であるアトロピン達が来るのを待っているのだろう。
そんな青洲は、布に包まれた荷物を両手で抱えて持っていた。菊の花の刺繍が施され、白い飾り紐が付けられた布に覆われた荷物。モーズは最初それが日本人が荷物の持ち運びに使うという『風呂敷』かと思ったが、荷物の底を持ってとても大事そうに抱えており、日用品を収納する普段使いの鞄には見えなかった。
「あの、つかぬ事をお訊きしますが、お持ちになっているものは何でしょうか?」
「…………」
モーズが訊ねてみるが青洲は顔を向けてくれない。答えたくない代物だったかと、モーズは答えを知る事を諦めたその時、
「…………。妻だ」
「えっ」
想定外の言葉が返ってきて、思考が停止した。
そして思考が停止している間にネグラの方から同行者を連れたアトロピンがやって来て、港でモーズらと合流を果たした。
「大変お待たせ致しました、青洲先生。同行者を連れて参りました」
「ご苦労、アトロピン……」
事前に話に聞いていた通り、ウミヘビの同行者はニコチンにアセトアルデヒド、そしてパラチオン。そこに飛行機のパイロットであるヒドラジンも加わる。
面子が揃ったのを飛行機の操縦席の窓から確認したらしいヒドラジンは、機体に設置された出入り口を開けて階段を下ろしてくれた。そして誘導の為に地上へ降りてくる。
「ヒドラジン、世話になる」
モーズは前回の搭乗ではできなかった挨拶をヒドラジンへ交わした。
「おっけおっけ。快適な空の旅を約束するよ~」
「お、おぉ……。これがヒコウキというやつか。意外と硬そうだ」
「あ、ちょっとちょっとパラチオン。機体に触るのは遠慮して欲しいワケ。操縦前に壊されたら堪らない」
パラチオンは初めて飛行機を見るようで、機体へ繋がる階段よりも機体そのものや翼に視線が向いている。何なら触れようと手を伸ばして、ヒドラジンに止められていた。
そもそもパラチオンは港に来るまでの道のりも上の空気味だったというか、視界に入るもの全てに目移りし、きょろきょろ忙しなく首を動かしていて落ち着かない様子だった。
戦闘狂の面がある彼が同行すると知った時は、以前激しい戦闘を繰り広げていたニコチンと喧嘩をしてしまわないか、とモーズは懸念していたのだが、杞憂だったというか、パラチオンはそれどころでないらしい。
「ちぇー。俺も飛行機の運転覚えようかなー」
そこで飛行機の搭乗の準備をする面々をずっと見ていたテトラミックスが、不満げな声をあげた。
彼は飛行機を凝視しているパラチオンへ軽快な足取りで歩み寄ると、その背中に遠慮なくのしかかる。
突然のスキンシップながら同じ第三課故に親しいのか、パラチオンはさして気にしていないようだった。
「パラチオンーお土産買ってきてー。俺ミニカーが欲しいミニカー」
「テトラミックスは、来ないのか?」
「んー? 俺は留守番だよ、残念ながら」
「あ、あぁ……」
それどころかテトラミックスは搭乗しないと知って、パラチオンは少し動揺しているようだ。
(外に出るのが久し振り、というレベルではなく、初めてのように見えるな。そして知った顔なのだろうテトラミックスが来ない事に怯えている……?)
水銀曰く、パラチオンは造られてから僅か5年しか生きていない。しかも【檻】の中で過ごす事を強制されている身。外の世界に全く慣れていないらしい。
しかしこれで日本行きのメンバーが集合した。よって寡黙な青洲に代わり、アトロピンが統率を取る。
「では搭乗者の確認を致します。操縦者のヒドラジン、青洲先生、モーズ殿、ニコチン、アセトアルデヒド、パラチオン、そしてわたくしアトロピン。以上の7名で日本へ向かいます。搭乗中は勿論、旅先での粗相もなさらないようご注意ください」
◇
「鉄の塊が、飛んでいる……」
「パラチオン、原理が気になりますか? わたくしが説明してもいいですが、ヒドラジンの方が詳しい。無事に日本に着きましたら、彼から学ぶとよいでしょう」
「あ、あぁ。その、アトロピン、ここに生物はいないのか? 空には『鳥』という生き物がいると聞いているのだが」
「確かに鳥は空を飛べますが、雲の上までは飛べません。アバトンには渡り鳥も通過しませんから、知らないのも無理はない。種類によって異なりますが、鳥の飛べる最高高度はおおよそ……」
ヒドラジンの操縦により、無事に飛行機が港を離陸してから10分後。
窓側の座席に座ったパラチオンは、ずっと外の空の景色を凝視し、不思議に思った事を隣に座るアトロピンに細かく訊ねていた。
今回アトロピンは彼の指導役を担っているようで、搭乗してからは青洲ではなくパラチオンに付きっきりになっている。
(パラチオンは空陸両用車にも乗った事がないのか? ウミヘビはラボに来る『以前』が存在すると聞いているが、ラボで造られた者もいるのだろうか)
2人の様子を見ていたモーズは疑問が浮かび、ちらりと、今回のメンバーの中で最も交流のあるニコチンの方へ視線を向ける。
彼はパラチオンの座る機体の右側とは反対の左側の座席列、窓側の席に座るアセトアルデヒドの隣に座り、ずっとアセトアルデヒドを見守っている。
「わぁ~。僕も飛行機乗るの初めてだから、何だか新鮮だねぇ」
「おう。滅多にねぇ機会だ、じっくり見とけ」
飛行機機内という事で普段ならば手離さないタバコを吸えていないにも関わらず、いつになく、穏やかな表情を浮かべて。
平素ならば島外に連れ出せないアセトアルデヒドと共にいられる事が、本当に嬉しいのだろう。
貴重な2人の時間を邪魔してしまうのは忍びない。そう思ったモーズは、今度はテーブルのあるボックス席に座っている青洲の様子を伺った。彼はずっとテーブルに置いた荷物へ顔を向け、微動だにしていない。
モーズは暫し迷ったが、日本に到着すれば2人でウミヘビの目付け役をこなさねばならぬのだし、と、今の内に交流を深める事を決め、席を立ち通路を移動した。
そして青洲の元まで向かうと、声をかける。
「あの、青洲さん。搭乗前の話の続きなのですが、よろしいでしょうか?」
「…………」
返事はない。が、青洲は無言で向かいの席へ手を差し向けて、対面で座るように促してくれた。
モーズはそれに従い、青洲の正面の席に座る。
「こちらの荷物、妻と仰ってましたが……。もしや中にあるのは、『骨壷』ですか?」
「…………。そうだ」
青洲は坦々と肯定をする。
「これは、小生の妻『加恵』が納められた……骨壷、だ」
予想は、していた。
青洲が荷物を『妻』だと答えてくれた時、その大きさと形状からして、中身は骨壷だろうと。
土葬文化が根強かった欧州。しかし感染爆発以降、感染者の焼却処分の必要性に迫られ火葬が急速に普及した。
ましてモーズは教会の孤児院の出。骨壷は、見慣れていた。
「……クスシは成人男性しかなれず、アバトンには女性がいないと聞いています。しかしコールドスリープ患者としてなら、女性でも子供でも訪れる事ができる。つまり……」
「あぁ……。妻は、加恵は……仮死状態でずっと、眠っていた。だが、三ヶ月前……」
亡くなった。
ぐっと、モーズは膝の上に置いた拳を握り締める。
「すみません、辛い話をさせてしまいましたね」
「……別に。いずれ、話さねばならない事だった……」
「…………」
日本へ出立する当日。
飛行機が用意された港へ向かったモーズは、既に港で待機をしていた青洲へ頭を下げて挨拶をした。
青洲は言葉は返さなかったものの軽く会釈はしてくれて、そのままネグラの方へ視線を向けている。同行者であるアトロピン達が来るのを待っているのだろう。
そんな青洲は、布に包まれた荷物を両手で抱えて持っていた。菊の花の刺繍が施され、白い飾り紐が付けられた布に覆われた荷物。モーズは最初それが日本人が荷物の持ち運びに使うという『風呂敷』かと思ったが、荷物の底を持ってとても大事そうに抱えており、日用品を収納する普段使いの鞄には見えなかった。
「あの、つかぬ事をお訊きしますが、お持ちになっているものは何でしょうか?」
「…………」
モーズが訊ねてみるが青洲は顔を向けてくれない。答えたくない代物だったかと、モーズは答えを知る事を諦めたその時、
「…………。妻だ」
「えっ」
想定外の言葉が返ってきて、思考が停止した。
そして思考が停止している間にネグラの方から同行者を連れたアトロピンがやって来て、港でモーズらと合流を果たした。
「大変お待たせ致しました、青洲先生。同行者を連れて参りました」
「ご苦労、アトロピン……」
事前に話に聞いていた通り、ウミヘビの同行者はニコチンにアセトアルデヒド、そしてパラチオン。そこに飛行機のパイロットであるヒドラジンも加わる。
面子が揃ったのを飛行機の操縦席の窓から確認したらしいヒドラジンは、機体に設置された出入り口を開けて階段を下ろしてくれた。そして誘導の為に地上へ降りてくる。
「ヒドラジン、世話になる」
モーズは前回の搭乗ではできなかった挨拶をヒドラジンへ交わした。
「おっけおっけ。快適な空の旅を約束するよ~」
「お、おぉ……。これがヒコウキというやつか。意外と硬そうだ」
「あ、ちょっとちょっとパラチオン。機体に触るのは遠慮して欲しいワケ。操縦前に壊されたら堪らない」
パラチオンは初めて飛行機を見るようで、機体へ繋がる階段よりも機体そのものや翼に視線が向いている。何なら触れようと手を伸ばして、ヒドラジンに止められていた。
そもそもパラチオンは港に来るまでの道のりも上の空気味だったというか、視界に入るもの全てに目移りし、きょろきょろ忙しなく首を動かしていて落ち着かない様子だった。
戦闘狂の面がある彼が同行すると知った時は、以前激しい戦闘を繰り広げていたニコチンと喧嘩をしてしまわないか、とモーズは懸念していたのだが、杞憂だったというか、パラチオンはそれどころでないらしい。
「ちぇー。俺も飛行機の運転覚えようかなー」
そこで飛行機の搭乗の準備をする面々をずっと見ていたテトラミックスが、不満げな声をあげた。
彼は飛行機を凝視しているパラチオンへ軽快な足取りで歩み寄ると、その背中に遠慮なくのしかかる。
突然のスキンシップながら同じ第三課故に親しいのか、パラチオンはさして気にしていないようだった。
「パラチオンーお土産買ってきてー。俺ミニカーが欲しいミニカー」
「テトラミックスは、来ないのか?」
「んー? 俺は留守番だよ、残念ながら」
「あ、あぁ……」
それどころかテトラミックスは搭乗しないと知って、パラチオンは少し動揺しているようだ。
(外に出るのが久し振り、というレベルではなく、初めてのように見えるな。そして知った顔なのだろうテトラミックスが来ない事に怯えている……?)
水銀曰く、パラチオンは造られてから僅か5年しか生きていない。しかも【檻】の中で過ごす事を強制されている身。外の世界に全く慣れていないらしい。
しかしこれで日本行きのメンバーが集合した。よって寡黙な青洲に代わり、アトロピンが統率を取る。
「では搭乗者の確認を致します。操縦者のヒドラジン、青洲先生、モーズ殿、ニコチン、アセトアルデヒド、パラチオン、そしてわたくしアトロピン。以上の7名で日本へ向かいます。搭乗中は勿論、旅先での粗相もなさらないようご注意ください」
◇
「鉄の塊が、飛んでいる……」
「パラチオン、原理が気になりますか? わたくしが説明してもいいですが、ヒドラジンの方が詳しい。無事に日本に着きましたら、彼から学ぶとよいでしょう」
「あ、あぁ。その、アトロピン、ここに生物はいないのか? 空には『鳥』という生き物がいると聞いているのだが」
「確かに鳥は空を飛べますが、雲の上までは飛べません。アバトンには渡り鳥も通過しませんから、知らないのも無理はない。種類によって異なりますが、鳥の飛べる最高高度はおおよそ……」
ヒドラジンの操縦により、無事に飛行機が港を離陸してから10分後。
窓側の座席に座ったパラチオンは、ずっと外の空の景色を凝視し、不思議に思った事を隣に座るアトロピンに細かく訊ねていた。
今回アトロピンは彼の指導役を担っているようで、搭乗してからは青洲ではなくパラチオンに付きっきりになっている。
(パラチオンは空陸両用車にも乗った事がないのか? ウミヘビはラボに来る『以前』が存在すると聞いているが、ラボで造られた者もいるのだろうか)
2人の様子を見ていたモーズは疑問が浮かび、ちらりと、今回のメンバーの中で最も交流のあるニコチンの方へ視線を向ける。
彼はパラチオンの座る機体の右側とは反対の左側の座席列、窓側の席に座るアセトアルデヒドの隣に座り、ずっとアセトアルデヒドを見守っている。
「わぁ~。僕も飛行機乗るの初めてだから、何だか新鮮だねぇ」
「おう。滅多にねぇ機会だ、じっくり見とけ」
飛行機機内という事で普段ならば手離さないタバコを吸えていないにも関わらず、いつになく、穏やかな表情を浮かべて。
平素ならば島外に連れ出せないアセトアルデヒドと共にいられる事が、本当に嬉しいのだろう。
貴重な2人の時間を邪魔してしまうのは忍びない。そう思ったモーズは、今度はテーブルのあるボックス席に座っている青洲の様子を伺った。彼はずっとテーブルに置いた荷物へ顔を向け、微動だにしていない。
モーズは暫し迷ったが、日本に到着すれば2人でウミヘビの目付け役をこなさねばならぬのだし、と、今の内に交流を深める事を決め、席を立ち通路を移動した。
そして青洲の元まで向かうと、声をかける。
「あの、青洲さん。搭乗前の話の続きなのですが、よろしいでしょうか?」
「…………」
返事はない。が、青洲は無言で向かいの席へ手を差し向けて、対面で座るように促してくれた。
モーズはそれに従い、青洲の正面の席に座る。
「こちらの荷物、妻と仰ってましたが……。もしや中にあるのは、『骨壷』ですか?」
「…………。そうだ」
青洲は坦々と肯定をする。
「これは、小生の妻『加恵』が納められた……骨壷、だ」
予想は、していた。
青洲が荷物を『妻』だと答えてくれた時、その大きさと形状からして、中身は骨壷だろうと。
土葬文化が根強かった欧州。しかし感染爆発以降、感染者の焼却処分の必要性に迫られ火葬が急速に普及した。
ましてモーズは教会の孤児院の出。骨壷は、見慣れていた。
「……クスシは成人男性しかなれず、アバトンには女性がいないと聞いています。しかしコールドスリープ患者としてなら、女性でも子供でも訪れる事ができる。つまり……」
「あぁ……。妻は、加恵は……仮死状態でずっと、眠っていた。だが、三ヶ月前……」
亡くなった。
ぐっと、モーズは膝の上に置いた拳を握り締める。
「すみません、辛い話をさせてしまいましたね」
「……別に。いずれ、話さねばならない事だった……」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

「日本人」最後の花嫁 少女と富豪の二十二世紀
さんかく ひかる
SF
22世紀後半。人類は太陽系に散らばり、人口は90億人を超えた。
畜産は制限され、人々はもっぱら大豆ミートや昆虫からたんぱく質を摂取していた。
日本は前世紀からの課題だった少子化を克服し、人口1億3千万人を維持していた。
しかし日本語を話せる人間、つまり昔ながらの「日本人」は鈴木夫妻と娘のひみこ3人だけ。
鈴木一家以外の日本国民は外国からの移民。公用語は「国際共通語」。政府高官すら日本の文字は読めない。日本語が絶滅するのは時間の問題だった。
温暖化のため首都となった札幌へ、大富豪の息子アレックス・ダヤルが来日した。
彼の母は、この世界を造ったとされる天才技術者であり実業家、ラニカ・ダヤル。
一方、最後の「日本人」鈴木ひみこは、両親に捨てられてしまう。
アレックスは、捨てられた少女の保護者となった。二人は、温暖化のため首都となった札幌のホテルで暮らしはじめる。
ひみこは、自分を捨てた親を見返そうと決意した。
やがて彼女は、アレックスのサポートで国民のアイドルになっていく……。
両親はなぜ、娘を捨てたのか? 富豪と少女の関係は?
これは、最後の「日本人」少女が、天才技術者の息子と過ごした五年間の物語。
完結しています。エブリスタ・小説家になろうにも掲載してます。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる