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第十一章 キノコの国のアリス編
番外編 タロット占い
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この番外編は、琴葉 刀火著作
『Web小説の主人公、占ってみた! ~波乱万丈です! タロットで紹介する主人公とその物語~』https://kakuyomu.jp/works/16818093077936178172
にて、主人公であるモーズを占って貰った結果を元に執筆したお話です。
占いの詳細はリンク先にあるので、よかったら先にリンク先を読んでね。
◇
西暦2320年、5月。早朝。
パラス国のエールコレ街道沿いに建てられたアパート、その中の210号室。
そこからフェイスマスクで顔を覆った若い医師、モーズが外へ出る。
向かう先は勤務先である感染病棟だ。
(最近、トーマスさんの来院頻度が下がってきている。そろそろ入院の勧めと……安楽死とコールドスリープの件を、話さなくてはならないというのに。しかし私もまだ、可能性を諦めたくない。どうにか手を考えなくては)
彼の近頃の悩みは、仕事の忙しさを理由に来院を渋っている自身の担当患者、トーマスである。
彼の珊瑚症の進行具合は酷く、ステージ4に近い。次に来院した時には入院を勧めざるを得ない。彼もそれを薄々わかっているから病棟に来ないのかもしれない。
しかし来院をしなくとも、治療経過を示した『自分は正気である』という証明たる診断書の更新を怠れば、いずれ行政から強制措置が取られる。
よくて拘束、悪くて射殺。その後は焼却処分。
それが嫌ならば、近い内に来院するはず。
(先週、オフィウクス・ラボが製薬した新薬の発表があった。その薬の投薬を検討するか。だがパラス感染病棟が入手できるのはいつ頃……)
「お兄さん、そこのお兄さん」
頭の中でぐるぐると思考を巡らせながら歩いていると、不意に声が聞こえてきて、足を止める。若い女性の声だ。
一体どこからとモーズが辺りを見回してみると、ビルとビルの間、狭い路地を塞ぐように置かれた黒いテーブルの奥に、ローブを纏った女性が座っている。
銀の刺繍が施された宵闇色のフェイスベールを付け、浮世離れした神秘的な装いをした彼女の手には、タロットカード。
占い師だと、モーズは直ぐに察する事ができた。
「何だろうか? すまないが、私はこれから仕事で……」
「お兄さん、囚われているものがあるね? ずっとずっと昔に、出会ったものに。けれどそれが、貴方の原動力になっている」
告げられた占い師の言葉に、モーズの肩がぎくりと強張る。
ずっと昔に出会った、囚われているもの。原動力。
脳裏に浮かぶのは、昔馴染みのフランチェスコだ。
「思い当たる所、あったかい?」
そう言って、占い師は逆さまのカードを見せてきた。そこに大きく描かれているのは、甲冑を着込み白馬に跨った――骸。
死神のカード。
「一枚目に出るカードは人の根本、問題の原因、過去の出来事を示していてね」
「……私に死相でも、出ていると?」
「死神という名が付いてはいるが、このカードの持つ意味は『死』そのものではないんだ。正位置なら『終わり』を暗示する。反対に、今回出た逆位置は『だらだらと続く、諦らめきれない、長く続く苦しみ』を――」
「私は、占いを頼んだ記憶は、ないのだが」
内心、動揺しながらも、モーズは勝手に占いの結果を語る彼女の言葉を遮る。
「お代はいらないよ。ただあまりにも面白い結果が出たから、伝えたくなってしまってね」
「面白いと言われてもだな、それを聞く義理は……」
「二枚目はこいつだ。杯の2」
モーズを無視し、占い師は次のカードを見せてくる。
描かれているのは各々杯を持って向き合う男性と女性。その2人の間には、木の枝に絡まる2匹の蛇がいる。
蛇。
咄嗟に、蛇遣い座が思い浮かんだ。
「二枚目は現在か、間もなく起きる出来事などが示される」
「……。いや、まさか、そんな事……」
つい先程、思考していたオフィウクス・ラボ。珊瑚症の研究に特化した研究所。そこへの入所はモーズが目指している所だが、ラボは機密だらけの特殊な組織。
具体的な入所方法も不明で、感染病棟勤務一年にも満たないただの若造が、すんなり入れるとは思えない。
「杯の2は『相棒、パートナー』を示すカードでね。恋愛に関係する事が多い」
占い師の解説からしても、ぬか喜びだとわかる。仕事や転職に関するカードではなく、恋愛に関するカードとなれば、ラボは無関係だろう。
そしてモーズは仕事と研究に忙殺され、恋人を作る暇などない。このカードとは縁が薄いように思えた。
(所詮は占い。として一線を引き、下手に心酔せず、背中を押して貰う程度に留めておく方が健全……)
「けど、仕事などの相棒も指す事があるよ」
「……。相棒……」
「きっと近い内に、貴方を手助けしてくれる人が現れる。またその人にとっても、貴方は大切な人物となる」
フランチェスコの行方を探し各国を転々としてきたモーズに、相棒などできる気がしない。
そもそもモーズに残された時間は、あと僅か。その短い時間で果たして関係を深められるのか、甚だ疑問であった。
やはり自分は杯の2のカードとは縁が薄い。モーズはそう結論付けた。
「このカード、医師である貴方にぴったりだよ。医療の象徴である『ヘルメスの杖』が描かれているし、杖に巻き付いた2匹の蛇はまるで……」
「そろそろ、いいだろうか? 確かに面白い話だったが、仕事の時間が差し迫っていてね」
「あぁっ! もう少しだけ付き合っておくれ。これで最後だ」
杯の2のカードを手に、興奮気味に話す占い師の前から立ち去ろうとしたモーズであったが、どうしてもと引き留められてしまい、最後のカードを見せられた。
正位置の皇帝。
名の通り、王冠を被り、玉座に腰を下ろした男性が描かれたカードだ。
「三枚目に出たカードは未来の出来事を示す。今後の参考にしておくれ」
「そうか」
「意味は決断力、行動力、実行力、我が道を行く。そして、英雄」
「『英雄』……」
自分に行動力や実行力があるのは、モーズも多少は自覚している。
珊瑚症の治療薬を見付ける。フランチェスコを探し出す。それらを達成するには、立ち止まっている時間などないからだ。
しかし最後に告げられた『英雄』は何だか自分らしくない。あまりに仰々しい。
(タロットカードには多くの意味が込められているのだし、全てを自分の結果として当て嵌めて考える事はないか)
「三枚目にこのカードが出ている貴方は、きっととてつもなく大きなことを成すだろうね。ひょっとすると、『英雄』なんて呼ばれるかも」
「私が? まさか」
自分から最も程遠い。と思っていた意味をピンポイントでピックアップしてきた占い師に、モーズは思わず失笑してしまう。
「確かに私は私にできる事を成して行きたいとは考えているが、英雄だなんて。そんな柄ではないな」
「そうかい? この皇帝にはある英雄の怪物退治の物語が組み込まれているんだ。不死殺しの鎌と、戦女神から与えられた防具で武装し、不死の怪物を打ち取った英雄のね」
「怪物退治? しかも不死の? 神話の出来事か。ますます私らしくない」
「ぴったりだよ」
そう言って、占い師は目を細め不敵に笑った。
空想に浸る事なく勉学に打ち込んできたモーズに神話を当て嵌められても、困惑する他ないが。
「そう思うに至った理由はわからないが……いい息抜きにはなったな。折角だ、払おうか」
「だからお代はいらないよ。ほら、お兄さんお仕事があるんだろう? 行った行った」
「えぇ……。話を聞かせるだけ聞かせて追い払うとは……」
占いを伝え終えた占い師は手をシッシッと払うジェスチャーをしてきて、モーズを遠去けにかかった。
先に引き留めたのは占い師だというのに、何だか理不尽である。
釈然としない思いを抱きつつ、始業時間が迫っているのは事実なので、モーズは彼女に軽く別れを告げてから再び病棟へ向け歩き出す。
(……あれ。そういえば、私は彼女に自分の職業を伝えていただろうか?)
自分が医師である事は当たり前過ぎてスルーしてしまっていたが、通勤時のモーズの服装はスーツ。医者と見た目でわかる要素はない。感染対策用のフェイスマスクから、感染意識が高い職業だと思ったのだろうか。という考えも浮かんだが、フェイスマスクだけで医者と断言はできまい。
しかし彼女は自信満々だったと言うか、当然の事のようにモーズを『医師』だと認識していた。もしかしたらフェイスベールの下は、モーズが診たことのある患者の顔をしていたのかもしれない。
どれもこれも憶測の域を出ないが。
(考えていても仕方がない。さぁ、仕事だ。切り替えなければ)
「あぁ、本当にぴったりなカードが出てくれた」
背中が遠退いていくモーズを一瞥した後、占い師は再び手元のカードへ視線を移す。
「病という終われない苦しみに」
一枚目、逆位置の死神。
「共に『珊瑚』と戦う、ウミヘビとクスシヘビを思い起こさせる2匹の蛇に」
二枚目、正位置の杯の2。
「後に王様となった英雄ペルセウス」
三枚目、正位置の皇帝。
「……またロシアでは、『皇帝の宝石』と呼ばれている宝石がある。日中の陽の元ではエメラルドのように、夜の明かりの元ではルビーのように、光によって色が変わる宝石。その宝石は、発見された当時の皇帝の名前を付けられた……」
――アレキサンドライト――
「果たして彼は『英雄の医師』となるのか、『皇帝の石』となってしまうのか。はたまた未だ占いには示されない第三の道を歩むのか……。楽しみだねぇ、とても」
くつくつと喉を鳴らし、ほくそ笑む占い師。
その次の瞬間には、彼女は路地裏から姿を消していた。
『Web小説の主人公、占ってみた! ~波乱万丈です! タロットで紹介する主人公とその物語~』https://kakuyomu.jp/works/16818093077936178172
にて、主人公であるモーズを占って貰った結果を元に執筆したお話です。
占いの詳細はリンク先にあるので、よかったら先にリンク先を読んでね。
◇
西暦2320年、5月。早朝。
パラス国のエールコレ街道沿いに建てられたアパート、その中の210号室。
そこからフェイスマスクで顔を覆った若い医師、モーズが外へ出る。
向かう先は勤務先である感染病棟だ。
(最近、トーマスさんの来院頻度が下がってきている。そろそろ入院の勧めと……安楽死とコールドスリープの件を、話さなくてはならないというのに。しかし私もまだ、可能性を諦めたくない。どうにか手を考えなくては)
彼の近頃の悩みは、仕事の忙しさを理由に来院を渋っている自身の担当患者、トーマスである。
彼の珊瑚症の進行具合は酷く、ステージ4に近い。次に来院した時には入院を勧めざるを得ない。彼もそれを薄々わかっているから病棟に来ないのかもしれない。
しかし来院をしなくとも、治療経過を示した『自分は正気である』という証明たる診断書の更新を怠れば、いずれ行政から強制措置が取られる。
よくて拘束、悪くて射殺。その後は焼却処分。
それが嫌ならば、近い内に来院するはず。
(先週、オフィウクス・ラボが製薬した新薬の発表があった。その薬の投薬を検討するか。だがパラス感染病棟が入手できるのはいつ頃……)
「お兄さん、そこのお兄さん」
頭の中でぐるぐると思考を巡らせながら歩いていると、不意に声が聞こえてきて、足を止める。若い女性の声だ。
一体どこからとモーズが辺りを見回してみると、ビルとビルの間、狭い路地を塞ぐように置かれた黒いテーブルの奥に、ローブを纏った女性が座っている。
銀の刺繍が施された宵闇色のフェイスベールを付け、浮世離れした神秘的な装いをした彼女の手には、タロットカード。
占い師だと、モーズは直ぐに察する事ができた。
「何だろうか? すまないが、私はこれから仕事で……」
「お兄さん、囚われているものがあるね? ずっとずっと昔に、出会ったものに。けれどそれが、貴方の原動力になっている」
告げられた占い師の言葉に、モーズの肩がぎくりと強張る。
ずっと昔に出会った、囚われているもの。原動力。
脳裏に浮かぶのは、昔馴染みのフランチェスコだ。
「思い当たる所、あったかい?」
そう言って、占い師は逆さまのカードを見せてきた。そこに大きく描かれているのは、甲冑を着込み白馬に跨った――骸。
死神のカード。
「一枚目に出るカードは人の根本、問題の原因、過去の出来事を示していてね」
「……私に死相でも、出ていると?」
「死神という名が付いてはいるが、このカードの持つ意味は『死』そのものではないんだ。正位置なら『終わり』を暗示する。反対に、今回出た逆位置は『だらだらと続く、諦らめきれない、長く続く苦しみ』を――」
「私は、占いを頼んだ記憶は、ないのだが」
内心、動揺しながらも、モーズは勝手に占いの結果を語る彼女の言葉を遮る。
「お代はいらないよ。ただあまりにも面白い結果が出たから、伝えたくなってしまってね」
「面白いと言われてもだな、それを聞く義理は……」
「二枚目はこいつだ。杯の2」
モーズを無視し、占い師は次のカードを見せてくる。
描かれているのは各々杯を持って向き合う男性と女性。その2人の間には、木の枝に絡まる2匹の蛇がいる。
蛇。
咄嗟に、蛇遣い座が思い浮かんだ。
「二枚目は現在か、間もなく起きる出来事などが示される」
「……。いや、まさか、そんな事……」
つい先程、思考していたオフィウクス・ラボ。珊瑚症の研究に特化した研究所。そこへの入所はモーズが目指している所だが、ラボは機密だらけの特殊な組織。
具体的な入所方法も不明で、感染病棟勤務一年にも満たないただの若造が、すんなり入れるとは思えない。
「杯の2は『相棒、パートナー』を示すカードでね。恋愛に関係する事が多い」
占い師の解説からしても、ぬか喜びだとわかる。仕事や転職に関するカードではなく、恋愛に関するカードとなれば、ラボは無関係だろう。
そしてモーズは仕事と研究に忙殺され、恋人を作る暇などない。このカードとは縁が薄いように思えた。
(所詮は占い。として一線を引き、下手に心酔せず、背中を押して貰う程度に留めておく方が健全……)
「けど、仕事などの相棒も指す事があるよ」
「……。相棒……」
「きっと近い内に、貴方を手助けしてくれる人が現れる。またその人にとっても、貴方は大切な人物となる」
フランチェスコの行方を探し各国を転々としてきたモーズに、相棒などできる気がしない。
そもそもモーズに残された時間は、あと僅か。その短い時間で果たして関係を深められるのか、甚だ疑問であった。
やはり自分は杯の2のカードとは縁が薄い。モーズはそう結論付けた。
「このカード、医師である貴方にぴったりだよ。医療の象徴である『ヘルメスの杖』が描かれているし、杖に巻き付いた2匹の蛇はまるで……」
「そろそろ、いいだろうか? 確かに面白い話だったが、仕事の時間が差し迫っていてね」
「あぁっ! もう少しだけ付き合っておくれ。これで最後だ」
杯の2のカードを手に、興奮気味に話す占い師の前から立ち去ろうとしたモーズであったが、どうしてもと引き留められてしまい、最後のカードを見せられた。
正位置の皇帝。
名の通り、王冠を被り、玉座に腰を下ろした男性が描かれたカードだ。
「三枚目に出たカードは未来の出来事を示す。今後の参考にしておくれ」
「そうか」
「意味は決断力、行動力、実行力、我が道を行く。そして、英雄」
「『英雄』……」
自分に行動力や実行力があるのは、モーズも多少は自覚している。
珊瑚症の治療薬を見付ける。フランチェスコを探し出す。それらを達成するには、立ち止まっている時間などないからだ。
しかし最後に告げられた『英雄』は何だか自分らしくない。あまりに仰々しい。
(タロットカードには多くの意味が込められているのだし、全てを自分の結果として当て嵌めて考える事はないか)
「三枚目にこのカードが出ている貴方は、きっととてつもなく大きなことを成すだろうね。ひょっとすると、『英雄』なんて呼ばれるかも」
「私が? まさか」
自分から最も程遠い。と思っていた意味をピンポイントでピックアップしてきた占い師に、モーズは思わず失笑してしまう。
「確かに私は私にできる事を成して行きたいとは考えているが、英雄だなんて。そんな柄ではないな」
「そうかい? この皇帝にはある英雄の怪物退治の物語が組み込まれているんだ。不死殺しの鎌と、戦女神から与えられた防具で武装し、不死の怪物を打ち取った英雄のね」
「怪物退治? しかも不死の? 神話の出来事か。ますます私らしくない」
「ぴったりだよ」
そう言って、占い師は目を細め不敵に笑った。
空想に浸る事なく勉学に打ち込んできたモーズに神話を当て嵌められても、困惑する他ないが。
「そう思うに至った理由はわからないが……いい息抜きにはなったな。折角だ、払おうか」
「だからお代はいらないよ。ほら、お兄さんお仕事があるんだろう? 行った行った」
「えぇ……。話を聞かせるだけ聞かせて追い払うとは……」
占いを伝え終えた占い師は手をシッシッと払うジェスチャーをしてきて、モーズを遠去けにかかった。
先に引き留めたのは占い師だというのに、何だか理不尽である。
釈然としない思いを抱きつつ、始業時間が迫っているのは事実なので、モーズは彼女に軽く別れを告げてから再び病棟へ向け歩き出す。
(……あれ。そういえば、私は彼女に自分の職業を伝えていただろうか?)
自分が医師である事は当たり前過ぎてスルーしてしまっていたが、通勤時のモーズの服装はスーツ。医者と見た目でわかる要素はない。感染対策用のフェイスマスクから、感染意識が高い職業だと思ったのだろうか。という考えも浮かんだが、フェイスマスクだけで医者と断言はできまい。
しかし彼女は自信満々だったと言うか、当然の事のようにモーズを『医師』だと認識していた。もしかしたらフェイスベールの下は、モーズが診たことのある患者の顔をしていたのかもしれない。
どれもこれも憶測の域を出ないが。
(考えていても仕方がない。さぁ、仕事だ。切り替えなければ)
「あぁ、本当にぴったりなカードが出てくれた」
背中が遠退いていくモーズを一瞥した後、占い師は再び手元のカードへ視線を移す。
「病という終われない苦しみに」
一枚目、逆位置の死神。
「共に『珊瑚』と戦う、ウミヘビとクスシヘビを思い起こさせる2匹の蛇に」
二枚目、正位置の杯の2。
「後に王様となった英雄ペルセウス」
三枚目、正位置の皇帝。
「……またロシアでは、『皇帝の宝石』と呼ばれている宝石がある。日中の陽の元ではエメラルドのように、夜の明かりの元ではルビーのように、光によって色が変わる宝石。その宝石は、発見された当時の皇帝の名前を付けられた……」
――アレキサンドライト――
「果たして彼は『英雄の医師』となるのか、『皇帝の石』となってしまうのか。はたまた未だ占いには示されない第三の道を歩むのか……。楽しみだねぇ、とても」
くつくつと喉を鳴らし、ほくそ笑む占い師。
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