上 下
57 / 115
可愛い勇者が好き

光明の聖女様と歴史の先生

しおりを挟む

 グラディウス大陸。

 世界地図は、この大きな大陸の中に幾つかの国境線をひく。
 北の大国。
 東に広がるゆるやかな土地の2つの大国。
 西に河川で分断された3つの国。
 そして大陸の中心には、魔女の土地。
 メルド湖沼地帯と呼ばれる、魔物が出現する湿原が広がっている。

 魔女が魔物を駆使し、恐怖で国々を抑圧することおよそ300年。
 人々は、こう認識している。
 『この世界は、魔女によって支配されている』 ―――と。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 遥か昔、地上を照らす光は、ふたつありました。
 昼間の太陽。
 そして、夜と海を支配する、もうひとつの夜の星。
 ところがその星は、或る時バラバラに壊れ、沢山の欠片がこの大地に降り注ぎました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「え・・・星の欠片って、沢山降ってきて大丈夫なんですか?」
「う~ん、隕石が大量に降ってきたら、かなり大丈夫じゃないだろうね」



 古書の文字を辿る先生の白い指先が、古びた紙をそっと撫でる。

「普通に考えたら多くの人が大変な目に遭った筈だよね。でも、ここにはそんな描写はない。人間がいなかったのか、人間の被害がどうでもいい位の規模の大災害だったのか。どちらにしても、このお話は、すごく、興味深いよね」

「ほんと、すごい大きいお話ですよね。都市とか国の話じゃないし・・・でも、どうして星が砕けちゃったんでしょう?」

 この古書は、一般人には公開されていない古代の伝承が載っている、大切な本らしい。
 広大な版図を描く、フェルトリア連邦国。
 この中央都市フェリアで連邦国家の代表である、総議長様に貸してもらったものだ。
 

「続きは・・・。難しい内容みたいだから、解説も整理して、明日持ってくるよ」
「はい。あと、私もちょっと古語が読めるようになりたいです」
「いいね。わかりやすい入門書を探しておくよ」


 私がこの中央教会の聖女に就任して、もう1年が経つ。

 『光明の聖女 ミラノ=アート』
 光魔法と、一瞬で魔物を消す力。

 衆目の前で、この、私にしか使えない能力を盛大に使ったことで、丁度空席になった中央教会の聖女の地位に就く事になった。



 私を聖女に推した総議長様に、細かいことを相談しているうちに紹介されたのが、この先生。

 街外れで古書店をしている、丁寧で柔らかい物腰の20代半ばの男性。
 セト=リンクス。
 フェリアではありきたりな長い茶髪に、優しい顔と穏やかな声。
 幅広い知識教養を学ぶのに、総議長様が、古本屋さんを紹介してくれた。



「あ、そうだ。ミラノちゃん、お菓子屋さんで新商品が出ててね、可愛いから買って来たんだ。一緒に食べよう」

 本以外に何か荷物があるなと思ったら、箱の中から丸くて可愛いお菓子が出てきた。

「わぁ、可愛い! 何ていうお菓子なんですか? あ、紅茶淹れますね」
「マカロンとかいってたかな。冬季限定だって」

 先生はいつも突然、勉強と関係ないところに話題が飛ぶ。
 私よりもずっと大人の男性なのに、時々、女の子同士のお喋りをしてるみたいな気がする。

 
 温かい紅茶と可愛いお菓子をはさんで、和やかに時間が流れる。
 聖堂の方から、合唱の歌声がきこえる。

 もうすぐ夕方だ。

「解放奴隷達の歌、凄く上手になったね。歌と絵と、街の清掃活動・・・。最初の頃は元奴隷の人達に色々言う人も多かったけど、ちょっとずつ和らいできてる気がする。『光明の聖女』様の方針のおかげだよ。でも、もし何か問題が起きたらすぐに相談して。頑張り過ぎは、疲れちゃうよ」


 先生がふと目を伏せて紅茶の湯気を揺らす仕草に、どこか頼もしさが滲んでくる。

 総議長様が旅をしていた時に遭った、盗賊団の首領だった
 ―――って話は、まだ、どこか信じられない。

 けれど、こうしてふと漂う謎の力強い安心感は、そのあたりから来ているのかも知れない。


「はい、頼りにしてますね。セト先生。・・・あ、そうだ。リーオレイス帝国って行ったことありますか? 今度、外交大使みたいな人がいらっしゃるみたいで、もし立ち寄られた時の為に、全然知らないよりは少し知っておきたくて」

「リーオレイス帝国・・・北の大国だね。隣のリュディア王国に比べて物凄く厳格な国だって話はよく聞くよ。リュディア王国が自由気質過ぎるのかも知れないけど。それと、10年位前に政変があって、結構な数の貴族・富豪が潰れたとか。燃料資源には強いけど、いつも食糧は枯渇してる感じかな。でも、外交大使が来るって事は、内情が変わってきてるのかも。割と頑固に自己完結してた国だからね」


 古本屋さんなのに、こういう情報がスラスラ出てくるから凄い。

「でも外国の事なら、僕よりもこの教会に集まってきてる魔女探しの人に訊いた方が、よく知ってるんじゃないかな? いろんな所に旅してるだろうし」
「そうですね、なんとなく訊きそびれてました。皆にも、訊いてみます」


 扉を叩く音にどうぞと応えると、新人の聖使がそっと顔を覗かせた。
「あのー、魔女探し協会の人が新しく来たんですけど、今、シヅキさんが出掛けてて・・・」

「取り敢えず荷物を宿舎に置いて、休んで貰って。シヅキさんが戻ったらお報せしてあげて下さい。遅くとも夜には帰ってくるでしょう」


 わかりましたと一礼して退出していった聖使をみおくって、自分が聖使だった頃の事を思い出す。

 外部からの印象よりもずっと自由な聖使達の生活は、そのぶん、自分で考えて判断したり行動しなければいけない事が多い。
 それでも新人のうちは、判断材料が少ないから、ひとつひとつ聞いてくれた方が良い。

 ―――ずっと、前の聖女様の傍にいたからか、聖女としての役割や振る舞いに戸惑う事が少ない自分に、いまさらびっくりするけど。



「フェリア教会の『光明の聖女』様が魔物を消すっていうだけで、魔女探しの協会にも人材が随分集まって来るようになったね。今、何人位いるんだい?」

「あ・・・全部、協会のシヅキさん達にお任せしちゃってますけど・・・共同宿舎に寝起きしてるのは、30人位かな? 出入りしてる人は、もっと沢山いるみたいです。これだけ大勢の魔女探しがいれば、私がいなくても簡単に魔物退治できそうですけどね」



 魔女探し。
 この世界は、魔女に支配されている―――といわれている。
 300年にわたって、水害や魔物を操る事で人と国を恐怖支配している。

 けれど魔女の土地とされているメルド湖沼地帯には、多くの魔物以外に人が住めるような場所は見つかっていない。

 だから、魔女を倒そうとする有志の人間は、まずその所在を見つけなければいけない。
 300年もの歳月のなか、魔女探しと呼ばれる人間達は、世界中を旅している。

 彼らは魔物退治の報奨金で食いつないでいるのが現状で、かえってそれで満足してしまっている人間もいる。
 そういった惰性で魔女探しそのものが慢性化している中、情報を共有して活動を効率化しようとする動きが出てきた。

 それが、魔女探しの協会。
 各地の天使教会を足掛かりにして、ひろく結集を呼び掛けている。


 このフェリア中央教会で協会の代表をしているシヅキは、各地を旅して参加を呼び掛けている創立者に代わって、地元への協力や集まってきた魔女探し達の取り纏めに、忙しく活動している。
 教会としては、地域に貢献してくれるのは助かるし、どれだけ人が集まっても、基本的に自給自足だから困る事はない。
 揉め事にだけ気をつけて貰って、教会の場所を提供している。

 彼らを取り仕切るのは、協会。
 教会の聖女である私には、ほとんどすることはない。



「軽くて優しいお菓子でしたね。マカロン。冬だけなんて、勿体ないなぁ」
 空っぽになってしまった箱を折り畳んで、甘い残り香を吸い込んだ。

「さて、そろそろ帰るよ。ミラノちゃんも夜の礼拝の準備があるよね」

 腰をあげた先生に、門まで送りますと言って本の束の一部を持つ。
 ずっしり埃臭いのが、心地良い。

 執務室を出て聖堂に抜けると、合唱が終わる所だった。
 長椅子で耳を傾けている聴衆の中に、ぽつりぽつりと旅装の魔女探しの姿がある。
 邪魔にならないようにそっと端を通り抜けて外に出る。



 薄暗くなりはじめた空の冷えた風に、先生の緩く纏めた長い茶髪がサラリと揺れた。

「今日も夜はよく星が見えそうだね。礼拝とか、暖かくして風邪をひかないようにね」
「はい。セト先生も、お気を付けて―――」

 両手に本の束を抱えて歩いて行く背中を見送ると、少しだけ寂しくなる。
 また明日、会えるんだけど。



 ふと、背中に寒いものがはしった。

「―――すみません、聖女様。お尋ねしたいのですが」
 背後から掛けられた男の声に、何故か、鳥肌が立つ。
 嫌な声じゃない。
 普通の低い声なのに。

 そっと振り返ると、魔女探しの男。
 長い黒髪が顔の半分を隠していて、表情が見えにくい。

「な・・・何でしょうか?」
 見た事のない顔だから、今日着いた人だろうか。
 シヅキが戻るまで、聖堂で合唱を聴いていたんだろう。

 私が少し緊張しているのを見て取ったのか、彼は、少し身を引いて門の外に視線を送った。

「今、本を持って行った方とは、お知り合いでしょうか? 彼はどういう人なんですか?」

 ・・・質問の意図が、よく、わからない。
  聖女である私に能力の事を聞きたがる魔女探しは多いけれど、先生について聞かれたのは初めてだ。
「あ、あの。失礼ですけど、あなたは・・・?」
 正体不明の人に、迂闊に色々喋るわけにはいかない。


 彼はスッと姿勢を正して左手を胸元に添えた。

「リュディア王国、中央教会より参りました。リース=レクトといいます。クレイから協会の誘いを受け、本日こちらに到着しました。ご挨拶もせず失礼しました。『光明の聖女』ミラノ=アート。お噂は、伺っています」

 突然、警護官みたいな態度に変わったのに、びっくりする。
 怪しい人じゃないのは分かったけれど、謎の悪寒が消えない。

「―――怖がらせてしまって、申し訳ありません」
「い、いえ、とんでもないです。それであの、どうして先生のことを・・・」
「・・・先生?」
「本業は古書店をされていて、私、色々と勉強を教えて貰っているんです」

 ふ、と彼の目がやわらかくなった気がして、少しだけほっとする。
「・・・なるほど。では、結構教会に出入りしているんですね」

「そう、ですね。毎日じゃないですけど。明日もまた来て貰う予定です」

 それだけ教えると、リースはわかりましたと一礼して、あっさり聖堂に戻っていった。

 彼が私の前からいなくなると、すっと悪寒が引いた。
 ―――今までどんな人に会っても、こんな事はなかったのに。



 夜の街の明かりが灯りはじめる。
 いつもの繁華街の賑わいが聞こえてくる。

 拍手を受けた解放奴隷達が、笑顔で教会を後にするのを、見送る。


 なのに、どこかよくわからない不安が、足元にひろがっていく。



「聖女様? ・・・大丈夫ですか?」

 シヅキに声をかけられて、門にもたれてぼうっとしていたのに気付く。
「あ・・・。大丈夫です。おかえりなさいシヅキさん。リュディア王国からの魔女探しの人が来てますよ」

 ぼうっとした感覚が抜けきらない。

「ああ、クレイさんが言ってた人が来たのかしら。魔女に会った事があるって話だから、待ちかねてたんです。聖堂ですか?」

 頷いてシヅキの背中を見送ってから、ぼうっとして頭が、ゆっくり醒める。


 ―――魔女に、会った事がある人がいる。

 あのリースっていう魔女探しが、そうなんだろうか。
 当然、偽者の可能性も大きいだろうけど、そういう情報の共有は、確かに興味をそそられる。



「あ~、いたいた。ミラノ、夜の礼拝の準備よ~!」
 ふんわりした聖使セフィシスの優しい声にほっと息をついて、一緒に来た灰色の猫が足元にすり寄るのを抱き上げた。

「ごめんなさい、今行きます」

 猫の小さな体温は、絶大な癒し成分を含んでいる。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。 召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。 しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる―― ※今月は毎日10時に投稿します。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈 
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。

つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。 彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。 なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか? それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。 恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。 その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。 更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。 婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。 生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。 婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。 後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。 「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

処理中です...