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教会の鐘は死者を数える
王子様と奴隷商人
しおりを挟む「えーっと、それで、わたしたちはアローと一緒に議場に入るんですよ。あと大事なお話が終わったら、この陸橋を伝って外壁の外に出ます。そこから東に出て、ぱーっと逃げるんです」
机上の地図とイリスの文字を辿るリーティアの説明に、ユリウスは腕を組んだ。
まさか今回の計画の概要をリーティアから説明される事になるとは。
「―――それで、大事なお話は、聖女様とグランスがやるんですね?」
「ぇ、あ。あと、でも、アローもいますっ! ユリウスも一緒なら、いっぱいですね!」
「一番最初にグランスが議場に入って事前の説明を務めるのは、わかりました。聖女が本題のために議場に入るのと一緒に、大人数で押しかけるってことですか?」
「たぶん・・・合流がちゃんと出来ればそうだと思うんですけど、うぅ、ごめんなさいぃ・・・」
はっきり言えなくて小さくなったリーティアの頭にポンと手を置く。
「まあ、入る順番なんて何でもいいんですよ。恐らく今回の計画で重要になるのは、撤収です。引き際で一番危険に晒されるのは、動揺の中心になる人物です。カークランドの姉弟が考えているのは、おそらく、誰が最重要人物であるのかを暈(ぼか)すということでしょうね。・・・リーティアは、撤退経路を確保していてくれれば、充分です」
「で、でも、グランスは、私もって・・・」
「大丈夫ですよ。一番肝心なのは撤収なんですから、そこだけ支援してくれれば、グランスもやりやすい筈です」
納得したようなしていないような顔をしたリーティアから、再びイリスの字に目を落とす。
到着する奴隷の為に郊外に出ていると聞いたけれど、何となく、彼らしくない役割だ。
小さな妹を抱えたイリスは、それでも、この計画の最前線にいた筈じゃないだろうか。
要となる人事院の実務の裏側に潜入していたぐらいだ。
ここでいきなり後方支援にまわることになるなんて―――。
「・・・何か、あったのかな・・・?」
「なにがですか??」
呟きを聞きつけたリーティアが、きょとんと目をひらいた。
「いや。それにしても、体当たりな計画ですね。せめて開講中の議題と出席者が判っていれば、やりやすいんですが」
セルウィリアに頼めないかとも思ったが、彼女は今の議場には関連がない。
無理に頼んで聞き出そうとすれば、怪しまれる可能性もあるし、今回の件には出来るだけ関わって欲しくなかった。
彼女は、3年後といわず、未来への布石だ。
ここで何かあって貰っては困る。
「―――リッドが、いればな・・・」
「リッドって、誰ですかっ? ユリウスの好きな子? 今はリーティアがいますよ~~!」
びっくりする発言に、軽く衝撃を受けた。
「リッドは、男ですよ」
「アローだって、男の人だけど、女の子みたいにするもん。それでイリス大好きしてるですよ~?」
おもわず、変な顔になりそうになった。
「それは、絶対にありえません。それにしても、賢くなりましたね」
話をごまかす。
くしゃりと頭を撫でてやると、たちまち機嫌を直して、喉の奥できゅぅぅと鳴いた。
時々、本当に小動物のようになるのが、面白い。
グランスに呼ばれてるからと部屋を出たリーティアを見送り、廊下に出る。
薄白い光の朝靄の中で、教会の聖使たちが急ぎ足に聖堂に向かう、爽やかな活気に満ちている。
基本的に教会の運営に関わる住み込みの聖使達は、派閥化を禁止されているからか、お互いの生活にあまり干渉しない。
集団生活上必要な事は当番制で、年齢、性別も関係なく平等に活動している。
―――彼らのどこまでが、グランスの計画に乗っているのか。
廊下ですれ違う聖使達と挨拶を交わしながら、通り過ぎていく様子を注意深く観察してみるが、それらしい顔を見つけることは、できなかった。
―――あくまで、教会を挙げてではなく、カークランドの姉弟とその仲間ということか。
基本的に聖使達は、共同生活者でしかない。
ふと、冷たいものが背筋をぬけていった。
教会という組織を使わずに個人で集めた人脈での活動ということは、失敗したときに教会に逃げ込む道は無いという事だ。
それは無関係の聖使や、教会に身を寄せる孤児たちを守るだろう。
だけど、グランスと聖女は、完全に退路を絶たれる事になる。
そんな不利益でしかない事を、あの強かな聖女が、本当にやるんだろうか。
世話になったというだけで、父ギルバートの願いひとつに、自分達の運命を投げ出す程の事があるんだろうか。
「朝の礼拝が始まりますよ。急いで聖堂に―――」
通り過ぎる聖使のひとりが、一言声をかけてくれた。
誰何されることなく、ただそこに聖衣を着て立っているだけで溶け込んでいる自分に気が付いた。
ぼうっとしながら、ふらりと流れに任せて聖堂に向かう。
朝の時間を告げる鐘が鳴る―――毎日鳴っている筈なのに、今まで気付かなかった。
繊細に、さえざえとした音が、教会の端々に染み渡っていく。
こんなに上品な音色では、広すぎる貴族地区にまで聞こえてくる筈もない。
やがて壇上に聖女が姿を現して、鈴を鳴らす。
しん、と静寂がおり、聖女が天使像に向かい礼拝するのに合わせて、一斉に聖使達も礼拝する。
聖女は深く一礼して、鈴を鳴らしながら聖歌を独唱する。
天の常 永久に輝く星の上(かみ)
空に彩る 妙なる瑞穂
慈しみ 愛しき大地のたなごころ
幸い満つる 生れます宝珠―――
朗々と詠われる独特の節回しが、厳粛な空間をつくる。
意味がわからなくても、胸の奥底に暖かく響く種独特な感動に、人は魅せられる。
全体に禁書の歴史書にも通じるところがあるのも、なかなか面白いと思う。
どの教会でも慈善活動として孤児を育てているが、彼らが聖使になるとは限らない。
寧ろ外の世界に巣立つ子どもの方が多い。
聖歌に歴史書が関わっている事を鑑みても、聖使は教義に軸を持つ学者であるともいえるだろう。
くるりと振り向いた聖女の両手に、ふわりと赤い輝きを持つ水球が載っていた。
絹ごしに優しく大切に抱えたその宝珠を、聖使達に見えるように高らかに差し上げる。
いつもと違う様子に、聖使達が顔を見合わせた。
「よく見ておきなさい。これは、人の命の輝き。羽根のように軽やかで、見失う事を許されないもの・・・。さて、この透明な赤い輝きを放つ命のきらめきが、誰のものか判るかしら」
すべての聖使が、目を瞬かせた。
戸惑う空気のなかで、正答を出せそうな聖使はいない。
そんな中で、控えめに声をあげた少女がいた。
「あの~、えっと、すみません。キレイだってことは、聖女様のもの・・・じゃないですか?」
リーティアより小さな、たどたどしい声が響いた。
「あたりよ。よくできました。セフィシス」
にっこり笑んだアイスの口から出た名前に、聞き覚えがある。
確か、ウインツ総議長について探りを入れている筈の人員が、そんな名前で話題にのぼったときがあった。
「でも、聖女は聖女でも、私の命じゃないわ。こんな風に外に出したら、死んじゃうじゃない?」
「え?あ? す、すみません~」
ひっくりかえった幼い声に、和やかな笑みが沸く。
「―――わたしは、聖女を辞めます。どうかこの次代の聖女を、皆にも慈しんでいただけますように。・・・新しい時代を築く礎となるでしょう」
どよめきを背にして、彼女は中庭へ通じる聖堂の窓から、それを緑の庭へふわりと放り込んだ。
あっと驚く間もなく、赤い光の軌道を描いて緑の奥へと見えなくなったその水球は、みせられたのは一瞬であるにも関わらず、聖使の意識に深く刻み付けられた。
「然るべき時に、会えるわ。さあ皆、今日も良い一日となりますように!」
解散宣言のあとに、聖使がどっとアイスにおしよせた。
それを避けることなく、彼らひとりひとりと言葉を交わす聖女を遠くにみて、ユリウスは呆然とまわりから取り残される形になっていた。
いや、ユリウスだけではない。
薄い茶髪の少女も、息をのんだようにその場に取り残されて、立ち呆けていた。
はっとユリウスの視線に気づくと、あわてて逃げるように聖使宿舎のほうへ駆け出す。
「―――セフィシス」
おもわず声をあげた名前に、一瞬びっくりした目をむけたが、すぐに軽々と駆けて行ってしまった。
彼女がカークランド姉弟の仲間のひとりであることは間違い無いだろう。
聖女が、栄光の地位を捨ててしまう。
そんなわかりやすい目先の大事件に食いつかないのは、裏で何が起こっているのかを知っている者くらいだ。
さっと後を追ってはみたが、入り組んだ宿舎の構造に、あっという間に撒かれてしまった。
ぽつんと取り残され、使い込まれた木造の香りが上品に漂ってくるのを嗅ぐ。
―――ふと、全く関係ない記憶にとらわれた。
・・・幼い頃、この空気のなかにいた事があった。
勿論、ここで育った訳は無い。
実家も煉瓦造りだから木に取り囲まれて育った筈もない。
「何をぼうっとしているんだい?」
年配の聖使が、おっとり声を掛けてきたのに驚いて、ふりむいた。
白髪の混じった茶色い髪をひとつに束ねた品の良い老人だ。
ユリウスの顔をみて、細い目をいっそう細くして、何を納得したのか、ひとつ頷いた。
「また聖女様が替わってしまうなんてねぇ。そりゃあ呆然とするだろう。私も何人も聖女様をみてきたけど、やっぱりお別れするのは、ひとりひとり、違った寂しさがあるもんだね。でも今回みたいに、あらかじめ知らされると、ありがたいね。準備っていったら変だけど、聖女様によって教会のあり方も、こまかい所で違うから」
「・・・聖女っていうのは、そんなに頻繁に入れ替わるものですか?」
アイス=カークランドが、昔からずっといるような気がしていた。
勿論、それはありえない。
代々の前任者がいてこその、この古さがあるのだ。
彼女はせいぜい40代。
長く見積もっても、20年勤めていればいいほうだろう。
ユリウスは、自分の生まれる前の教会のことについては一切知らない。
「頻繁ではないけれど。皆あんなふうにまだ若いうちにいなくなってしまうと、早いなぁと思うね。前の聖女様は、もっと若かったよ。十代で聖女になって、何年もしないうちに亡くなってしまったから。あの子も、本当に凄い聖女様だったねぇ・・・」
「―――そうですか」
「丁度、生きていれば、アンタぐらいの男の子が生まれたばかりで。残念だったねぇ・・・でも、しかたない。人がいなくなるのは、自然のことだ。聖女様も、ずっと同じって訳にはいかないなぁ。すまんね、年寄りの感覚で話をして」
柔らかく笑んだ彼女の皺がくしゃりと寄って、深い年季を物語る。
「あんたも、これからだろうけど、命は一人のもんじゃないんだからね。大事にするんだよ」
「・・・」
会話を切り上げて足早に宿舎の中に去っていった老人の背中を、何も言えずに、みおくった。
「ユリウス! いたいた! グランスが呼んでるですよ~」
静かな空間に突然響いた声に、ぼうっとしてしまっていたせいか、必要以上に驚いた。
一瞬、息を止めて、ゆっくり吐き出す。
何事も無かったかのように振り向いて、駆けてきたリーティアをつかまえた。
「どこに行けば良いですか?」
ふわふわの金髪をぎゅっと胸に抱き締めると、さっきまでの不安な感覚が和らぐ。
「はぅ、え、えぇっと、その、裏山って言ってたです、けど、あの、貴族地区の。でも私よくわかんなくて、ユリウスなら知ってるって、グランスが・・・」
知らないと言いかけて、昨日の魔物が出た丘を思い出した。
「それと、アローがそろそろ到着するから歓迎してあげてね、だって。アロー、いつの間に、どこに行ってたですか?」
「ああ、イリスと一緒に奴隷達を迎えに行っていたんでしょうか。ここでのんびり一晩過ごさせて頂いたのが、何だか申し訳ないですね」
きょとんと目をひらいたリーティアの頭をくしゃりと撫でて、その腕を掴んだ。
柔らかな細い手首が、手のひらに馴染んでくる。
「行きましょう。やっと、前に進める」
貴族の屋敷が立ち並ぶ地区と、学舎や行政機関がひしめく地域の背景をいろどる裏山。
景勝地でもなく、重要な施設もない。
貴族の住居の近隣で武器を振り回していれば、官兵に捕まることもありうる。
生産性としては、無駄な土地ということになる。
そういう要因もあって、ここに普段、人が立ち入る事はほとんどない。
―――人の寄り付かない、中央議場の近くの隠れ場所―――
官兵も、ここには注意を払っていないだろう。
特に上層部が突然入れ替わったばかりの人事院では、警戒態勢にまで柔軟性は無い筈だ。
昨夜と同じ道を登り始めてすぐに、緑の中に土埃の気配が満ちていることに気づいた。
昨日の場所よりも低い傾斜の途中で、金髪の男達が大勢座り込んでいる。
―――北方地区の、もしくはその北のリュディア王国から来た、奴隷達。
ユリウスとリーティアをみて、あわてて頬張っていた食料を飲み込み、姿勢を正す。
都市の外から来た筈のこんな大人数が、ほとんど存在を知られることなく駐屯に成功していることに、驚かされる。
きちんと統制が取れているということは、指導者の能力の高さの反映だ。
静かに待機している奴隷達の一部が、道をあける。
山道の小路を降りてきたのは、完璧な女装のアロークだ。
「ご足労頂きましてありがとうございます。王子様」
アロークが、奴隷達の前で恭しく礼を取る。
奴隷服の上に聖使の上着を羽織っただけの人間を王子様というのもおかしい。
だが、それよりおかしいのは、アロークの衣装だ。
官軍の最高指揮隊長の軍服を女性向けに仕立てなおしたものだろうか。
白と紫が基調の、官軍の権威者の色。
ぱらりとアロークの金髪が流れれば、毒々しく女装に華を添える。
彼は片手に用意していた貴族の軍服の上着を、さっとユリウスの両肩に掛けた。
「奴隷制度の撤廃の為に命を賭したギルバート=ハーシェル元総議長の子、ユリウス=ハーシェル。私達と一緒に議場に赴いて頂けることに、感謝します。貴方がいれば、議決に大きく寄与することでしょう」
まわりの奴隷達は、フェルトリア連邦の国民ではない。
外国からの奴隷だ。
―――国は人の集団で出来ている。
外国人は移住することで、いつでも国民になりうる。
だが、それだけではない。
外から客観的に国家と国民のあり方を観察する、品評家でもある。
国の問題は貴族の問題だと考えているのは、貴族だけだ。
アロークの手を、捕まえた。
彼は、動物を介して色々な見聞を得る。
それはよくわかっている。
奴隷商人としての立場を活用して、現実に即した助力をしてくれているのも、わかっている。
だけど、その生業を破壊するような事にどうして積極的に加担しているのか。
それだけが、まだ、わからない。
グランスがちらりと見せた、父ギルバートに対する恩義だろうか。
それとも何か別の過去を持っているのだろうか―――。
いずれにせよ、奴隷とはいえ衆目の目のあるところでは、話題には出来ない。
「―――父の遺志、確かに継いで行きましょう」
まわりの奴隷達が、息をのみこんだのが聞こえてきそうだった。
見事な演出だ。
北の、法制度の厳しい国から連れて来られた奴隷達に、初めて見る人員の立場を弁えさせるには、言葉で説明するよりも、この方が良いのだろう。
首を傾げてぽかんとしながら事態を見守っていたリーティアの金髪を、くしゃりと撫でる。
「グランスに呼ばれて来たと思ったんですが。それと、イリスは何処にいるんですか?」
この集団がこのまま議場に向かうのだろうか。
リーティアには退路の確保をお願いしたが、イリスにも同じ依頼をしておきたかった。
「グランスは先に議会へ向かいました。聖女様が登壇する事を先に伝えておかなくてはいけませんからね。私達は、聖女様に呼ばれたら議場に入ります。イリスには後方支援をして貰います」
聖女が多数の謎の集団を連れていても、有害には見えない。
―――そういうことだ。
「・・・一緒にいてくれるのか。アローク」
ぽつ、と言葉をおとす。
自分の言葉なのか、この小芝居の言葉なのか。
「私の忠誠は、いつもでも、貴方と共に。――――ハーシェル」
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