36 / 46
第2章 『遺跡と二つ名』編
第36話:帰宅とデータ
しおりを挟む
「今のは…………なに?」
「わからないけど……、仲良くは出来なそうだったな」
「ていうかアグニ! あんな凄い動き出来るの初めて知ったよ! すごいかっこよかった!」
「あ、え、お、ありがとう!」
普通に生きていれば女の子にカッコいい等と言われることなどあるはずもなく、咄嗟にアグニの口から出たのは「ありがとう」という言葉だった。
「別にかっこよかったからかっこよかったって言っただけだからね」
「……おう」
「……帰ろっか」
「そうだね」
家につくと丁度みんなが帰ってきたところだったので、ソラとはそこでわかれた。
母さんがカギを開けたので家の中に入り、靴を脱いでリビングに向かう。そのままの勢いでソファにダイブした。ソファで横になると突然眠気が襲ってきて、そのまま寝てしまいたいような気分だった。
すると姉ちゃんが上に座ってきて言った。
「研修どうだった? 楽しかった?」
「いや全然だよ! 死ぬかと思った」
「何したの?」
「鬼ごっこ」
「……おにごっこ?」
「そう」
「…………死ぬかと思ったの?」
「うん」
「鬼ごっこで?」
「そうだよ」
「…………アッハッハッハ!」
「いや普通の鬼ごっこじゃないんだって、カクカクシカジカでウンタラカンタラ」
「へ~」
「六角っていうとスローン級のあいつか、あれが教官やってるのか~、すごいなぁ。アッハッハ」
「そうなんだよ父さん! すごかったんよ。あ、そう言えば父さん。さっきファミレスで体に遺物が合体したみたいなやつと会ってそいつにいきなり殴られたんだけどさ」
「遺物? 詳しく話してくれ」
アグニの一言で燦志郎の顔つきは鋭くなり、しばらく黙ってアグニの話を聞いていた。アグニが話し終わると少し考えてから話し出した。
「…………もしまた会ったら逃げろ。変な奴とは関わらないようにしなさい。まずは逃げろ」
「変な奴って言うと」
「今回のそいつみたいなやつだよ。アグニが、う~ん、レベル5くらいになったらある程度の機密情報もしゃべっていいんだけどなぁ、まだレベル1だからな。まあ大雑把に言えば悪い奴らがいるってことだよ。それでそいつらは強い奴もいるからとりあえず逃げなさいってことだ」
「わかった」
「ちなみにそいつらは名前呼んだりしてたか?」
「え~っとね、白衣の奴が赤い目の奴のことイマオって呼んでたと思う」
「……なるほどな」
――次の日
「今日も研修だから1時くらいに家出るね」
「ご飯は食べてくんでしょ?」
「うん」
「今日の昼ご飯何がいい?」
「なんでもいい」
「あ~そうでしょうね、せいらは?」
「ん~、美味しいのがいい」
「いつもおいしいでしょ。え~、もう考えるのがめんどくさいわ」
「あ、これ食べたい」
そういって姉ちゃんが指さしたテレビ画面にはピザのCMが映っていた。
「久しぶりにピザもいいわね」
「あたしスマホのアプリあるよ」
「じゃあそれで頼んでおいてよ」
「おっけー」
ということで今日の昼ご飯はピザに決まった。丁度それと同時にテレビ画面のCMは終わり、朝のニュースが読み上げられていた。といっても既に10時過ぎだが……
「昨日11月29日の夜、東京都に新たなダンジョンのゲートが出現しました。近隣住民の通報によって1時間以内にSCOTが到着し対応しました。これによる被害はありませんでした。自衛隊の発表によるとこのダンジョンはレベル2程度の小規模なダンジョンとのことです」
「どうですか佐藤さん?」
司会風の男が専門家のような人に話をふると、佐藤と呼ばれた男が話し出した。
「そうですねぇ、50年前の最初のダンジョンが確認された時期に比べるとかなり発生頻度は落ちてきていますがそれでも月に一つは増えていますからね。まあSCOTがしっかり対応してくれているので安心ですが。ただ最近は発生するダンジョンのレベルが高くなる傾向にあったのでレベル2というのは少し違和感を感じますね」
「そうですね――」
――午後1時半
日本橋のビルについたアグニはエレベーターにのって訓練場に向かった。訓練場につくと今回も既に何人かいた。更衣室で着替えて出てくるとちょうど六角さんと風早さんが入ってくるところだった。
「はいしゅうごーう!」
風早さんがそう言うと、ワラワラとみんなが集合する。しかしまだ7人しか集まっていないのになぜ集合をかけたんだろうか?
「はいそれじゃあまずは今日の連絡です。次回の研修は実地研修でダンジョンにはいります。手に入ったものは帝国グループが買い取ってボーナスとして全額差し上げますので楽しみにしててくださいね。それから進藤さんと藤井さんはインターンを辞退しましたのでもう来ません」
「それでは今日の研修を始める。ここに来るまでの5か月間で君たちの基礎体力は研修に問題ない程度に向上していると――」
(まさか名前も、いや顔すら覚える前に誰かがやめてしまうなんて思いもしなかった。まあだけど前回の殴られ方じゃそれもしょうがないか……)
「――だ。ということで前回は鬼ごっこで君たちの現状を理解してもらったわけだが、あれで自信を失う必要はない。自分で言うのもあれだが、我々は個人としてなら日本でもトップクラスの戦闘力を持っている。君たちも鍛錬を続ければそのうち十分に強くなることができるだろう。しかし何をどうすれば戦いというのはうまくなるのか、わかるか? 笹木どうだ」
笹木と呼ばれた色素の薄い男は少し考えた後で答えた。
「え~っと、反応速度を上げたり、して相手の動きに対応できるようになればいいと思います」
「なるほどな。じゃあ反応できないほど速い敵が出てきたらどうする?」
「え…………」
「『攻撃は最大の防御』って聞いたことあるか? これにはいくつかの解釈が存在するが、そのうちの一つに相手のリソースがすべて防御に集中していればこちらが攻撃されることは無い、故に攻撃とは最大の防御であるという解釈がある。つまり相手に防御に徹させれば負けることは無い訳だ。まあ実際はそんなに簡単ではないし、そもそもダンジョンの中にいるバケモノには攻撃された時点で負けるんだがな。だがとにかく攻撃が重要になってくる。ということで今回からしばらくは君たちに攻撃とはどういうことか教えていく」
「ですのでまずは武器を扱えるようになりましょう。皆さんの今までの検査等の結果から装備班の方々が適性のありそうな武器を選んでおいてくれましたので、まずはそれが書いてあるデータをお渡ししますね」
風早さんがそう言ってタブレットを操作すると、全員の腕に着けたリングからディスプレイが表示され、そこにそれぞれのデータが映った。
「わからないけど……、仲良くは出来なそうだったな」
「ていうかアグニ! あんな凄い動き出来るの初めて知ったよ! すごいかっこよかった!」
「あ、え、お、ありがとう!」
普通に生きていれば女の子にカッコいい等と言われることなどあるはずもなく、咄嗟にアグニの口から出たのは「ありがとう」という言葉だった。
「別にかっこよかったからかっこよかったって言っただけだからね」
「……おう」
「……帰ろっか」
「そうだね」
家につくと丁度みんなが帰ってきたところだったので、ソラとはそこでわかれた。
母さんがカギを開けたので家の中に入り、靴を脱いでリビングに向かう。そのままの勢いでソファにダイブした。ソファで横になると突然眠気が襲ってきて、そのまま寝てしまいたいような気分だった。
すると姉ちゃんが上に座ってきて言った。
「研修どうだった? 楽しかった?」
「いや全然だよ! 死ぬかと思った」
「何したの?」
「鬼ごっこ」
「……おにごっこ?」
「そう」
「…………死ぬかと思ったの?」
「うん」
「鬼ごっこで?」
「そうだよ」
「…………アッハッハッハ!」
「いや普通の鬼ごっこじゃないんだって、カクカクシカジカでウンタラカンタラ」
「へ~」
「六角っていうとスローン級のあいつか、あれが教官やってるのか~、すごいなぁ。アッハッハ」
「そうなんだよ父さん! すごかったんよ。あ、そう言えば父さん。さっきファミレスで体に遺物が合体したみたいなやつと会ってそいつにいきなり殴られたんだけどさ」
「遺物? 詳しく話してくれ」
アグニの一言で燦志郎の顔つきは鋭くなり、しばらく黙ってアグニの話を聞いていた。アグニが話し終わると少し考えてから話し出した。
「…………もしまた会ったら逃げろ。変な奴とは関わらないようにしなさい。まずは逃げろ」
「変な奴って言うと」
「今回のそいつみたいなやつだよ。アグニが、う~ん、レベル5くらいになったらある程度の機密情報もしゃべっていいんだけどなぁ、まだレベル1だからな。まあ大雑把に言えば悪い奴らがいるってことだよ。それでそいつらは強い奴もいるからとりあえず逃げなさいってことだ」
「わかった」
「ちなみにそいつらは名前呼んだりしてたか?」
「え~っとね、白衣の奴が赤い目の奴のことイマオって呼んでたと思う」
「……なるほどな」
――次の日
「今日も研修だから1時くらいに家出るね」
「ご飯は食べてくんでしょ?」
「うん」
「今日の昼ご飯何がいい?」
「なんでもいい」
「あ~そうでしょうね、せいらは?」
「ん~、美味しいのがいい」
「いつもおいしいでしょ。え~、もう考えるのがめんどくさいわ」
「あ、これ食べたい」
そういって姉ちゃんが指さしたテレビ画面にはピザのCMが映っていた。
「久しぶりにピザもいいわね」
「あたしスマホのアプリあるよ」
「じゃあそれで頼んでおいてよ」
「おっけー」
ということで今日の昼ご飯はピザに決まった。丁度それと同時にテレビ画面のCMは終わり、朝のニュースが読み上げられていた。といっても既に10時過ぎだが……
「昨日11月29日の夜、東京都に新たなダンジョンのゲートが出現しました。近隣住民の通報によって1時間以内にSCOTが到着し対応しました。これによる被害はありませんでした。自衛隊の発表によるとこのダンジョンはレベル2程度の小規模なダンジョンとのことです」
「どうですか佐藤さん?」
司会風の男が専門家のような人に話をふると、佐藤と呼ばれた男が話し出した。
「そうですねぇ、50年前の最初のダンジョンが確認された時期に比べるとかなり発生頻度は落ちてきていますがそれでも月に一つは増えていますからね。まあSCOTがしっかり対応してくれているので安心ですが。ただ最近は発生するダンジョンのレベルが高くなる傾向にあったのでレベル2というのは少し違和感を感じますね」
「そうですね――」
――午後1時半
日本橋のビルについたアグニはエレベーターにのって訓練場に向かった。訓練場につくと今回も既に何人かいた。更衣室で着替えて出てくるとちょうど六角さんと風早さんが入ってくるところだった。
「はいしゅうごーう!」
風早さんがそう言うと、ワラワラとみんなが集合する。しかしまだ7人しか集まっていないのになぜ集合をかけたんだろうか?
「はいそれじゃあまずは今日の連絡です。次回の研修は実地研修でダンジョンにはいります。手に入ったものは帝国グループが買い取ってボーナスとして全額差し上げますので楽しみにしててくださいね。それから進藤さんと藤井さんはインターンを辞退しましたのでもう来ません」
「それでは今日の研修を始める。ここに来るまでの5か月間で君たちの基礎体力は研修に問題ない程度に向上していると――」
(まさか名前も、いや顔すら覚える前に誰かがやめてしまうなんて思いもしなかった。まあだけど前回の殴られ方じゃそれもしょうがないか……)
「――だ。ということで前回は鬼ごっこで君たちの現状を理解してもらったわけだが、あれで自信を失う必要はない。自分で言うのもあれだが、我々は個人としてなら日本でもトップクラスの戦闘力を持っている。君たちも鍛錬を続ければそのうち十分に強くなることができるだろう。しかし何をどうすれば戦いというのはうまくなるのか、わかるか? 笹木どうだ」
笹木と呼ばれた色素の薄い男は少し考えた後で答えた。
「え~っと、反応速度を上げたり、して相手の動きに対応できるようになればいいと思います」
「なるほどな。じゃあ反応できないほど速い敵が出てきたらどうする?」
「え…………」
「『攻撃は最大の防御』って聞いたことあるか? これにはいくつかの解釈が存在するが、そのうちの一つに相手のリソースがすべて防御に集中していればこちらが攻撃されることは無い、故に攻撃とは最大の防御であるという解釈がある。つまり相手に防御に徹させれば負けることは無い訳だ。まあ実際はそんなに簡単ではないし、そもそもダンジョンの中にいるバケモノには攻撃された時点で負けるんだがな。だがとにかく攻撃が重要になってくる。ということで今回からしばらくは君たちに攻撃とはどういうことか教えていく」
「ですのでまずは武器を扱えるようになりましょう。皆さんの今までの検査等の結果から装備班の方々が適性のありそうな武器を選んでおいてくれましたので、まずはそれが書いてあるデータをお渡ししますね」
風早さんがそう言ってタブレットを操作すると、全員の腕に着けたリングからディスプレイが表示され、そこにそれぞれのデータが映った。
0
お気に入りに追加
654
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界転生したら生まれた時から神でした
うた♪♪
ファンタジー
中学3年の夏休みに交通事故にあった村田大揮(むらただいき)はなんと異世界に!?その世界は魔王が復活しようとしている世界。
村田大輝……いや、エリック・ミラ・アウィーズは様々な困難を神の如き力で解決していく!
【感想お待ちしてます!】
※処女作ですので誤字脱字、日本語等がおかしい所が多いと思いますが気にせずにお願いします(*´ω`*)
この作品は小説家になろう、カクヨム、ノベルバにも掲載しています。
作者Twitter:@uta_animeLove
チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。
ss
ファンタジー
これは、ひょんなことから異世界へと飛ばされた青年の物語である。
高校三年生の竹林 健(たけばやし たける)を含めた地球人100名がなんらかの力により異世界で過ごすことを要求される。
そんな中、安全地帯と呼ばれている最初のリスポーン地点の「チュートリアル場所」で主人公 健はあるスキルによりレベルがMAXまで到達した。
そして、チュートリアル場所で出会った一人の青年 相斗と一緒に異世界へと身を乗り出す。
弱体した異世界を救うために二人は立ち上がる。
※基本的には毎日7時投稿です。作者は気まぐれなのであくまで目安くらいに思ってください。設定はかなりガバガバしようですので、暖かい目で見てくれたら嬉しいです。
※コメントはあんまり見れないかもしれません。ランキングが上がっていたら、報告していただいたら嬉しいです。
Hotランキング 1位
ファンタジーランキング 1位
人気ランキング 2位
100000Pt達成!!
辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。
ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。
ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。
ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。
なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。
もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。
もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。
モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。
なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。
顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。
辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。
他のサイトにも掲載
なろう日間1位
カクヨムブクマ7000
全てを奪われ追放されたけど、実は地獄のようだった家から逃げられてほっとしている。もう絶対に戻らないからよろしく!
蒼衣翼
ファンタジー
俺は誰もが羨む地位を持ち、美男美女揃いの家族に囲まれて生活をしている。
家や家族目当てに近づく奴や、妬んで陰口を叩く奴は数しれず、友人という名のハイエナ共に付きまとわれる生活だ。
何よりも、外からは最高に見える家庭環境も、俺からすれば地獄のようなもの。
やるべきこと、やってはならないことを細かく決められ、家族のなかで一人平凡顔の俺は、みんなから疎ましがられていた。
そんなある日、家にやって来た一人の少年が、鮮やかな手並みで俺の地位を奪い、とうとう俺を家から放逐させてしまう。
やった! 準備をしつつも諦めていた自由な人生が始まる!
俺はもう戻らないから、後は頼んだぞ!
貴方の愛人を屋敷に連れて来られても困ります。それより大事なお話がありますわ。
もふっとしたクリームパン
恋愛
「早速だけど、カレンに子供が出来たんだ」
隣に居る座ったままの栗色の髪と青い眼の女性を示し、ジャンは笑顔で勝手に話しだす。
「離れには子供部屋がないから、こっちの屋敷に移りたいんだ。部屋はたくさん空いてるんだろ? どうせだから、僕もカレンもこれからこの屋敷で暮らすよ」
三年間通った学園を無事に卒業して、辺境に帰ってきたディアナ・モンド。モンド辺境伯の娘である彼女の元に辺境伯の敷地内にある離れに住んでいたジャン・ボクスがやって来る。
ドレスは淑女の鎧、扇子は盾、言葉を剣にして。正々堂々と迎え入れて差し上げましょう。
妊娠した愛人を連れて私に会いに来た、無法者をね。
本編九話+オマケで完結します。*2021/06/30一部内容変更あり。カクヨム様でも投稿しています。
随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。
拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる