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メイドの名前はリンダ・メランドリ。
年齢は18歳の未婚女性で、隣国の出身。
2年前からレグラマンティ家に仕えている。
若いが気が利き、掃除に洗濯、炊事……どの仕事を回しても卒なくこなす。
レグラマンティ家の主人や夫人、娘のヴァンダにも信頼されているらしく皆何事かあったら彼女に仕事を任せるらしい。
性格は冷静沈着そのもの。
素っ気なくも見えるが有事にも慌てることなく対応する長所となっている。
そこに憧れる男……だけでなく女もいるという。
そんなもてる彼女だが、婚約者や恋人はおらず仕事に一途でまわりに男の気配は無い。
……とは庭いじりの同僚の言葉だ。
訂正はしたが、カストがリンダに恋慕していると思い込んでいるらしい。
厄介な勘違いだが広めるなとくぎを刺しておいたし、それなりに情報は得られた。
(……レグラマンティ家のことはある程度彼女は知っているということか)
仕事をしているうちにレグラマンティ卿が横流しをしていることに気が付いたのか。
それともレグラマンティ卿が彼女を信用しているから、悪事の片棒を担がせたのか。
可能性を考えてみるが、全て想像に過ぎない。
(二人の繋がりを調べてえが……そうなるとやっぱりレグラマンティ家に行かなきゃだな……)
少し気が引けて、カストは悩んだ。
ヴァンダ嬢と自分が会うのは、危険なような気がするからだ。
また不貞の疑いがかかるかもしれない。
いや、それ以上に悪いことが彼女の身に降りかかったらと思うと、身が震えた。
「カスト、どうした?」
背後から声をかけられて、カストは我に返って振り返る。
心配そうな顔でこちらを見下ろす青い瞳……ライモンドが立っている。
詰め所の休憩室で、昼食のあと一人椅子に腰かけ考え事をしていたのだ。
周りから見ればそりゃあ心配にもなろうと思い、「考え事だ」と謝罪した。
「そうか?最近ぼうっとしてることが多いじゃないか。何か悩みでもあるのか?」
「いや、大丈夫だ。それより何か用があったんじゃないか?」
はぐらかし、問い返すとライモンドは表情を変えて「ああ」と頷く。
「これからレグラマンティ家に古代遺跡の発掘品を届けに行くんだが」
「発掘品……魔法遺物か?」
「多分な。魔力のあるものがいくつかあった」
レグラマンティ卿と研究者数名を集め、屋敷で詳しく見分するのだという。
しかし発掘されたものが多く、発掘作業員だけでは手が足りない。
「警備団にも声がかかったんだ。手伝ってくれないか?」
レグラマンティ家に行ける正当な理由が出来てしまい、カストは一瞬口ごもる。
しかし意外にも心の中に迷いはなく、「わかった」とライモンドに頷いた。
◆
レグラマンティ卿の屋敷……その研究室には人がごった返していた。
皆、魔法遺物を研究している専門家たちである。
その中に雇い主であるレグラマンティ卿も混ざり、ああでもないこうでもないと論議を交わしていた。
卿の目は非常にきらきらと輝いており、普段とは様子が違う。
魔法遺物について語る様子は、別人のようだった。
「レグラマンティ卿、なんだかいきいきしているな……」
「もともと魔法遺物の研究が趣味だったのは知っているだろう。いや、それ以外には興味がないというか……」
荷物を運びこみながらライモンドに耳打ちすると、友人は苦笑しながら答える。
彼はちらりと視線を卿に向けて、荷物をデスクの上に置いてため息を落とした。
「あの情熱をご家族にも向けてくださればいいのに。彼は自分がないがしろにしているものの大切さをわかっていない」
「おいおい……お前がそんなこと言うなんて珍しいな」
声を潜めてだが、本人のいる前で言う内容ではない。
いや、例えレグラマンティ卿がいなくても、この公明正大なライモンドが陰口を叩くことなど珍しい。
目を丸くして友人をたしなめれば、彼ははっと我に返り「すまない」と謝罪した。
「ただ、思ってしまうんだ。この家で遺物を大切にしているものは卿だけだと……」
「……ん?レグラマンティ夫人は遺跡には興味が無いのか」
先日レグラマンティ夫人が魔法遺跡に入っていく様子を見たカストは、思わず口にしていた。
同僚も、彼女が何度も遺跡や施設に来たことがあると語っていた。
夫婦とも同じく魔法文明や魔法遺物、それに関するものが好きなのだと思っていたのだ。
しかし問われたライモンドは驚いた顔をして首を横に振る。
「いや……夫人は魔法遺物には興味がないと思うが。あまり出歩かない方だし」
「……そうなのか?」
「ああ、彼女はずっと部屋にいるのがお好きな方だよ」
ライモンドの言葉に、カストは眉間にしわを寄せて首を傾げる。
彼の証言と夫人の行動がちぐはぐだった。
(じゃあなんで、夫人は遺跡に出かけるんだ?何か用事があるのか……?それとも……)
まさかメイドのリンダが、何か関わっているのだろうか。
疑問に疑問が重なり、思わずうなりそうになりながらカストは荷物の運搬を続けた。
やがて遺跡から運び込まれた発掘品は全て屋敷の研究室に並べられた。
そのころには既に研究者たちの話し合いは加熱しており、様々な仮説が飛び交っていた。
もちろんその中にはレグラマンティ卿もいる。
見ているぶんには微笑ましい光景だが、家族にしてみれば魔法遺物に取りつかれ自分たちを見捨てた家長なのだろうか?
彼の性格のせいでヴァンダ嬢が苦しむのは確かに嫌だな。
そうひっそりと思っていると、ライモンドが「お疲れ様」とカストに声をかける。
「僕はもう少し用事を済ませていくよ。カストはどうする?」
「俺か……そうだな」
言いながら、カストはちらりとデスクに置かれた発掘品を見る。
まだ土のついた大小さまざまな品の中に、紅色の小瓶と美しい宝石のついた髪留めがあった。
(あの二つは見たことがある。間違いなく魔法遺物だな)
と、なるといずれあの二つをレグラマンティ卿が持ち出す可能性がある。
古物商に持っていく前に止められればいいのだが……そう上手くいくか。
これからも卿の動きをよく見ていなくてはならないと考えながら、カストはライモンドに答えた。
「俺はもう帰るぜ。ライモンド、あとはよろしくな」
「ああわかった。お前は気をつけろよ。最近ぼうっとしているんだから」
「うるせえ。じゃあな」
軽口に笑い、手を振ってカストは研究室を出た。
レグラマンティ家の廊下を通り、出口に向かう。
(リンダ・メランドリについて聞きたいが……ほかのメイドにでも……ん?)
ふと取り付けられた大きな窓を見ると、中庭に動く何者かの影を見つけた。
作業着を着ていたから仕事中の使用人かと思ったが、どうにも様子がおかしい。
妙にこそこそしていて、周りの目を気にしているようだ。
不思議に思って凝視すると、それは見覚えのあるメイドだと気づく。
(メイドの……リンダ・メランドリか?あんなところで何をしている?)
彼女はきょろきょろとあたりを見回し、中心に植えてある庭木へ駆け寄る。
そしてエプロンのポケットから何かを取り出し、木の洞へと差し込んだ。
再びきょろきょろとまわりを確認し、庭を横断して屋敷の中へ入っていく。
(……何をしたんだ)
ただの他愛のないいたずらに見えず、カストは周りを確認し窓を開けた。
窓枠を乗り越えて、庭木の所へと急ぐ。
メイドが隠したものはすぐに見つかった。
それは折りたたまれた便せん……しかも上質な紙で作られたものだった。
恐る恐る開くと、香水がふりかけられているのかふわりと香りが漂う。
中に綴られた文字が目に入り、思わずぎょっと体を強張らせた。
【親愛なるライモンド様。
貴方に会えず苦しい日々を過ごしている私を憐れんでください。
人の道を外れた関係とはいえ、私たちは愛し合う運命なのでしょう。
この運命に傷つけられ枕を濡らす日々は辛すぎる。
早く貴方の腕に抱きしめられたいのです】
カストは紙を取り落としそうになってしまった。
間違いなくライモンドに充てた恋文だったからだ。
(ライモンド……まさか、リンダと……)
愕然とする。まさか、あの正義感の強い友人が浮気など。
信じ切れず、呼吸が荒くなる。
しかし努めて冷静さを保とうと、一度目を閉じたときだった。
「何をしているのです?」
「……っ!」
背後から冷徹な声をかけられて、カストは思わず肩を跳ねさせた。
年齢は18歳の未婚女性で、隣国の出身。
2年前からレグラマンティ家に仕えている。
若いが気が利き、掃除に洗濯、炊事……どの仕事を回しても卒なくこなす。
レグラマンティ家の主人や夫人、娘のヴァンダにも信頼されているらしく皆何事かあったら彼女に仕事を任せるらしい。
性格は冷静沈着そのもの。
素っ気なくも見えるが有事にも慌てることなく対応する長所となっている。
そこに憧れる男……だけでなく女もいるという。
そんなもてる彼女だが、婚約者や恋人はおらず仕事に一途でまわりに男の気配は無い。
……とは庭いじりの同僚の言葉だ。
訂正はしたが、カストがリンダに恋慕していると思い込んでいるらしい。
厄介な勘違いだが広めるなとくぎを刺しておいたし、それなりに情報は得られた。
(……レグラマンティ家のことはある程度彼女は知っているということか)
仕事をしているうちにレグラマンティ卿が横流しをしていることに気が付いたのか。
それともレグラマンティ卿が彼女を信用しているから、悪事の片棒を担がせたのか。
可能性を考えてみるが、全て想像に過ぎない。
(二人の繋がりを調べてえが……そうなるとやっぱりレグラマンティ家に行かなきゃだな……)
少し気が引けて、カストは悩んだ。
ヴァンダ嬢と自分が会うのは、危険なような気がするからだ。
また不貞の疑いがかかるかもしれない。
いや、それ以上に悪いことが彼女の身に降りかかったらと思うと、身が震えた。
「カスト、どうした?」
背後から声をかけられて、カストは我に返って振り返る。
心配そうな顔でこちらを見下ろす青い瞳……ライモンドが立っている。
詰め所の休憩室で、昼食のあと一人椅子に腰かけ考え事をしていたのだ。
周りから見ればそりゃあ心配にもなろうと思い、「考え事だ」と謝罪した。
「そうか?最近ぼうっとしてることが多いじゃないか。何か悩みでもあるのか?」
「いや、大丈夫だ。それより何か用があったんじゃないか?」
はぐらかし、問い返すとライモンドは表情を変えて「ああ」と頷く。
「これからレグラマンティ家に古代遺跡の発掘品を届けに行くんだが」
「発掘品……魔法遺物か?」
「多分な。魔力のあるものがいくつかあった」
レグラマンティ卿と研究者数名を集め、屋敷で詳しく見分するのだという。
しかし発掘されたものが多く、発掘作業員だけでは手が足りない。
「警備団にも声がかかったんだ。手伝ってくれないか?」
レグラマンティ家に行ける正当な理由が出来てしまい、カストは一瞬口ごもる。
しかし意外にも心の中に迷いはなく、「わかった」とライモンドに頷いた。
◆
レグラマンティ卿の屋敷……その研究室には人がごった返していた。
皆、魔法遺物を研究している専門家たちである。
その中に雇い主であるレグラマンティ卿も混ざり、ああでもないこうでもないと論議を交わしていた。
卿の目は非常にきらきらと輝いており、普段とは様子が違う。
魔法遺物について語る様子は、別人のようだった。
「レグラマンティ卿、なんだかいきいきしているな……」
「もともと魔法遺物の研究が趣味だったのは知っているだろう。いや、それ以外には興味がないというか……」
荷物を運びこみながらライモンドに耳打ちすると、友人は苦笑しながら答える。
彼はちらりと視線を卿に向けて、荷物をデスクの上に置いてため息を落とした。
「あの情熱をご家族にも向けてくださればいいのに。彼は自分がないがしろにしているものの大切さをわかっていない」
「おいおい……お前がそんなこと言うなんて珍しいな」
声を潜めてだが、本人のいる前で言う内容ではない。
いや、例えレグラマンティ卿がいなくても、この公明正大なライモンドが陰口を叩くことなど珍しい。
目を丸くして友人をたしなめれば、彼ははっと我に返り「すまない」と謝罪した。
「ただ、思ってしまうんだ。この家で遺物を大切にしているものは卿だけだと……」
「……ん?レグラマンティ夫人は遺跡には興味が無いのか」
先日レグラマンティ夫人が魔法遺跡に入っていく様子を見たカストは、思わず口にしていた。
同僚も、彼女が何度も遺跡や施設に来たことがあると語っていた。
夫婦とも同じく魔法文明や魔法遺物、それに関するものが好きなのだと思っていたのだ。
しかし問われたライモンドは驚いた顔をして首を横に振る。
「いや……夫人は魔法遺物には興味がないと思うが。あまり出歩かない方だし」
「……そうなのか?」
「ああ、彼女はずっと部屋にいるのがお好きな方だよ」
ライモンドの言葉に、カストは眉間にしわを寄せて首を傾げる。
彼の証言と夫人の行動がちぐはぐだった。
(じゃあなんで、夫人は遺跡に出かけるんだ?何か用事があるのか……?それとも……)
まさかメイドのリンダが、何か関わっているのだろうか。
疑問に疑問が重なり、思わずうなりそうになりながらカストは荷物の運搬を続けた。
やがて遺跡から運び込まれた発掘品は全て屋敷の研究室に並べられた。
そのころには既に研究者たちの話し合いは加熱しており、様々な仮説が飛び交っていた。
もちろんその中にはレグラマンティ卿もいる。
見ているぶんには微笑ましい光景だが、家族にしてみれば魔法遺物に取りつかれ自分たちを見捨てた家長なのだろうか?
彼の性格のせいでヴァンダ嬢が苦しむのは確かに嫌だな。
そうひっそりと思っていると、ライモンドが「お疲れ様」とカストに声をかける。
「僕はもう少し用事を済ませていくよ。カストはどうする?」
「俺か……そうだな」
言いながら、カストはちらりとデスクに置かれた発掘品を見る。
まだ土のついた大小さまざまな品の中に、紅色の小瓶と美しい宝石のついた髪留めがあった。
(あの二つは見たことがある。間違いなく魔法遺物だな)
と、なるといずれあの二つをレグラマンティ卿が持ち出す可能性がある。
古物商に持っていく前に止められればいいのだが……そう上手くいくか。
これからも卿の動きをよく見ていなくてはならないと考えながら、カストはライモンドに答えた。
「俺はもう帰るぜ。ライモンド、あとはよろしくな」
「ああわかった。お前は気をつけろよ。最近ぼうっとしているんだから」
「うるせえ。じゃあな」
軽口に笑い、手を振ってカストは研究室を出た。
レグラマンティ家の廊下を通り、出口に向かう。
(リンダ・メランドリについて聞きたいが……ほかのメイドにでも……ん?)
ふと取り付けられた大きな窓を見ると、中庭に動く何者かの影を見つけた。
作業着を着ていたから仕事中の使用人かと思ったが、どうにも様子がおかしい。
妙にこそこそしていて、周りの目を気にしているようだ。
不思議に思って凝視すると、それは見覚えのあるメイドだと気づく。
(メイドの……リンダ・メランドリか?あんなところで何をしている?)
彼女はきょろきょろとあたりを見回し、中心に植えてある庭木へ駆け寄る。
そしてエプロンのポケットから何かを取り出し、木の洞へと差し込んだ。
再びきょろきょろとまわりを確認し、庭を横断して屋敷の中へ入っていく。
(……何をしたんだ)
ただの他愛のないいたずらに見えず、カストは周りを確認し窓を開けた。
窓枠を乗り越えて、庭木の所へと急ぐ。
メイドが隠したものはすぐに見つかった。
それは折りたたまれた便せん……しかも上質な紙で作られたものだった。
恐る恐る開くと、香水がふりかけられているのかふわりと香りが漂う。
中に綴られた文字が目に入り、思わずぎょっと体を強張らせた。
【親愛なるライモンド様。
貴方に会えず苦しい日々を過ごしている私を憐れんでください。
人の道を外れた関係とはいえ、私たちは愛し合う運命なのでしょう。
この運命に傷つけられ枕を濡らす日々は辛すぎる。
早く貴方の腕に抱きしめられたいのです】
カストは紙を取り落としそうになってしまった。
間違いなくライモンドに充てた恋文だったからだ。
(ライモンド……まさか、リンダと……)
愕然とする。まさか、あの正義感の強い友人が浮気など。
信じ切れず、呼吸が荒くなる。
しかし努めて冷静さを保とうと、一度目を閉じたときだった。
「何をしているのです?」
「……っ!」
背後から冷徹な声をかけられて、カストは思わず肩を跳ねさせた。
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