水巫女はハレムで溺れる

愛月なみ

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お願いしにいってみる

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 エルザさんに落ち着いてもらった後、もう少しこの方針でいいのか確認することにした。

「エルザさん、そういうわけで私はガルダシャーン帝国の帝都へ行きたいのですが、以前エルザさんに教えていただいたようにここからガルダシャーンまで、女性一人で行くのは難しく、商隊に混ぜてもらうか、今回のように用事があってこられたガルダシャーン帝国の方に同行するかしか方法がないと思ってます。

 今回の後宮入りにたとえば、後宮に入らず、同行するだけ、というのは無理と思いますか?」

「どうでしょう。そこはガルダシャーンの方に聞いてみないとわからないですね」

「やっぱり、そうですよね。では、まずは同行するだけをお願いしてみます。
それが無理であれば、後宮入りもやむなしで……。
それか、れいかちゃんは後宮入りを望んでいましたので、彼女のお世話係の一人として同行させてもらうという案もどうですかね」

「まぁ!レイカ様は後宮入りを望まれているのですか?!」

 エルザさんは信じられないとばかりに驚いて目を見開いている。

「そうなんです。彼女なりに考えがあるのだと思うんですが……。
お世話係のアイラちゃんもれいかちゃんにお世話係として同行すると話していました」

「まぁ……!
 確かに、アイラはレイカ様をお慕いしていることはよくわかっていましたが。
そうですか、同行すると……」

 エルザさんはアイラちゃんが同行するときいてさらに驚いていた。


 そうして、二人で話し合って、ひとまず神殿長にお伺いをたててみることにした。
私の希望としては、第一はただの同行者として帝都へ同行させてもらう。帝都についた後は現地の水の精霊の神殿分殿に滞在する。
 第二希望はれいかちゃんのお世話係その二として同行する。
最終希望として後宮入りの水巫女としていく。



「ということで、神殿長、私の希望は通りますでしょうか?」

 いきなり訪ねて行った神殿長は嫌な顔もせずに私の話をきいてくれた。
エルザさんからは女神様の使命のために帝都へ行きたいと付け加えたほうがよいと言われたので、それについても神殿長に説明した。

 神殿長はニコニコとして私の話を最後まで聞いてくれたあと、やはりすべてガルダシャーンからの使者に聞いてみないとわからない、とのことだった。

 ただ、ガルダシャーン側がOKをだしたならば、神殿としてはとめることはない、とのことだった。

 それもそうか……。

 ということで、今度はガルダシャーンからの使者の代表を探して聞いてみることにした。

 神殿長に確認すると、使者の団体さんは人数が多いので代表者はじめ位上めの方たちは神殿内の客間に、その他大勢の皆様は街内の宿にわかれて滞在しているとのことだった。
 確認するならば代表者とのことで、神殿長の呼んでくれた神殿の女官さんに連れられて代表者の部屋へとむかった。


 ガルダシャーンの使者が滞在している部屋は私達水巫女の居住している部屋がある建物とは本殿をはさんで逆側にあった。
 同行してくれているエルザさんの話では、宿がとれなかった旅人や神殿のお参りのためだけにここまできた旅人のための部屋が用意してある建物だとか。

 一番奥まった部屋の扉を女官さんがノックしてくれると入室の許可があったので木の扉をくぐって部屋へはいる。

 部屋の中には私達の部屋と同様のシンプルな机や椅子がならべられていて、その机に3人の男性がついていた。

「これは水巫女様。私どもに何か?」

 一番奥に座っていた、もっとも年齢が高そうな男性が笑みを浮かべて話しかけてきた。
 建物の中にはいったからか、街中でみたときは全員顔に布をまきつけていたけれど、今は顔をさらしている。

 話しかけてきた男性は黒髪に一筋グレーが混じっていて、ナイスミドル?シニア?
笑みをたたえた目元の皺も味があって素敵。
 彫の深い濃い顔で、かなりダンディでかっこいいおじさまだった。

「あの、ガルダシャーン帝国からの代表の方に伺いたいことがあるのですが……」

 話しやすそうな笑顔にちょっと安心して切り出すと、どうぞ、聞いてくださいと促された。
 どうやらこの男性が代表者のよう。

「あの……。
こちらへは水巫女を皇太子様の後宮入りにお連れするために来られたとわかっているのですが、私も諸事情でガルダシャーンの帝都の水の精霊の神殿へ行く必要がありまして。
 できたら、帝都へ戻られるときに同行させていただけないかとお願いにまいりました」

 言ってて図々しいお願いのような気がしてきて徐々に声が小さくなってきてしまった。

「ふむ……。まぁ、あなた一人ぐらいなら馬車へのせても特に負担には……」

 おお!許可がでる?!と喜んだところに遮る声があった。

「イサム様、お待ちください」

 かけられた声のほうへ顔をむけると、街に出かけたときにおこった馬ラクダにヴェールをはみはみされた事件のときに声をかけてきたベビーフェイスマッチョな彼が待ったをかけていた。
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