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ガルダシャーンからの用件
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ずらりと泉の前にならんだ揃いの水色のワンピースをきた女性たち。
エルザさんに促されて、私もその列にくわわる。
れいかちゃんも遅れてやってきて私を見つけて隣にならんできた。
「アンナさん、何があるんでしょうね。
こんなに大勢の水巫女見るの、私初めてです」
場の雰囲気をよんで、すこし小声でれいかちゃんが話しかけてくる。
私も、初めてみる光景に少し圧倒されていた。
20人の水巫女がいると聞いていたけれど、さすがに数えることはできなかった。
ふと、私達に精霊の力の使い方をみせてくれたジェシカさんと目があってにっこり微笑んでくれた。
私もこたえて微笑んでいると、最初にこの世界にきたときにお会いした白髪のおじいちゃん、もとい神殿長が私達がならんでいるところへのんびり歩いてやってきた。
そののんびりっぷり、以前お話したときと同じ、優し気な雰囲気から悪いことがおきたのではないような気がして、不安になっていた気持ちが少し落ち着いた。
まわりの皆もそう感じたのか、全体にほっとした空気が漂った。
のんびり歩いてきた神殿長は集まっている水巫女のほうへ向き直るとコホンとひとつ咳ばらいをした。
「急に集まっていただき、ありがとうございます。
いま、アクアナ神殿に在籍されている水巫女様全員にお集まりいただくということは初めてですので、大変驚かれたと思います。
ですが、水巫女様全員に聞いていただきたい申し入れがございましたので、急ぎお集まりいただきました」
あいかわらず、最上位の神殿長なのに、丁寧な言葉遣いで腰が低い!
そして、やっぱり、全員集めるのは初めてのことなんだ。
だから、みんなも不安そうな顔をしていたんだな。
「お気づきになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、現在、ガルダシャーン帝国からの使者がこられています。
代表者の方と先ほどお話をいたしましたが、用件というのが、当神殿に在籍されている水巫女様からガルダシャーン帝国の時期皇帝、現在の皇太子様の後宮に入宮いただきたいという申し入れでした」
その言葉に水巫女だけではなく、場にあつまっていた神殿仕えの皆からも驚きの声があがった。
当然、私にとっても衝撃。
ガルダシャーンの皇帝は唯一後宮があって一夫多妻が認められていると先日聞いたばかり。
目指せ一夫一妻。平和な家庭環境!の私にはノーサンキューなお相手。
「皇太子さまは強い火の精霊のお力をお持ちとのことで、火と対をなす水の精霊の力を宿す方がお相手にふさわしいとの判断から皇帝が各国に通達されているそうです。
当神殿からだけではなく、各国から水の精霊のお力を宿す方を集めるおつもりとか」
みんなの驚きの声が少し落ち着いてから続く神殿長の話にさらにみんなが声をあげる。
各国から水の精霊の力をつかえる人を後宮にあつめる。
なんというか、とにかく数揃えるって感じのその話に嫌な気持ちになるのは仕方ない。
神殿に仕えている人たちからは水巫女がその他大勢と同じ扱いにされていることが侮辱と感じたみたいで、私達以上に憤慨してくれている。
というより、てっきり水の精霊の力を使える人は全員このアクアナ神殿に集まるのかと思っていたけれど、今の話だとそうではなく、各国にいるみたい。
これは後でエルザさんに説明をお願いしよう。
「神殿長、後宮にはいる水巫女を必ず選ばなくてはいけないのですか?」
ジェシカさんが不安そうに顔を見合わせている水巫女を代表して質問してくれる。
「そうですね。大変申し訳ないのですが、必ず最低一人は……というお話でした。
名誉なことなので、希望者が多数の場合は全員受け入れるとのことです」
まぁ……と、水巫女たちはまた顔を見合わせている。
「ただ、後宮に入ったからといって出られないことはなく、あくまでも皇太子さまの皇后や側室候補という形になるそうです。
それから1年、後宮ですごしていただき、希望されない方は後宮からおりることもできるそうです。
あくまでも、皇太子さまのお相手の水の精霊の力をえている女性との機会を増やすため……とのことです」
絶対にでられない強制的なものではなかったことで、みんなにほっとした空気が流れる。
でも、最低一人、誰かが1年間ガルダシャーン帝国の後宮に入らないといけないってことかぁ。
城下町に出かけることができるなら、その手でガルダシャーンへ行くのもいいかも。
きっとあの連なってきていた馬車に水巫女をのせて帰るつもりだったのだろうし。
次はいつガルダシャーンへ行く機会が訪れるかわからないし。
女神様からのお願い事、ずっと放置するのも気になってしかたないから早く片付けてしまいたいしなぁ。
エルザさんに促されて、私もその列にくわわる。
れいかちゃんも遅れてやってきて私を見つけて隣にならんできた。
「アンナさん、何があるんでしょうね。
こんなに大勢の水巫女見るの、私初めてです」
場の雰囲気をよんで、すこし小声でれいかちゃんが話しかけてくる。
私も、初めてみる光景に少し圧倒されていた。
20人の水巫女がいると聞いていたけれど、さすがに数えることはできなかった。
ふと、私達に精霊の力の使い方をみせてくれたジェシカさんと目があってにっこり微笑んでくれた。
私もこたえて微笑んでいると、最初にこの世界にきたときにお会いした白髪のおじいちゃん、もとい神殿長が私達がならんでいるところへのんびり歩いてやってきた。
そののんびりっぷり、以前お話したときと同じ、優し気な雰囲気から悪いことがおきたのではないような気がして、不安になっていた気持ちが少し落ち着いた。
まわりの皆もそう感じたのか、全体にほっとした空気が漂った。
のんびり歩いてきた神殿長は集まっている水巫女のほうへ向き直るとコホンとひとつ咳ばらいをした。
「急に集まっていただき、ありがとうございます。
いま、アクアナ神殿に在籍されている水巫女様全員にお集まりいただくということは初めてですので、大変驚かれたと思います。
ですが、水巫女様全員に聞いていただきたい申し入れがございましたので、急ぎお集まりいただきました」
あいかわらず、最上位の神殿長なのに、丁寧な言葉遣いで腰が低い!
そして、やっぱり、全員集めるのは初めてのことなんだ。
だから、みんなも不安そうな顔をしていたんだな。
「お気づきになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、現在、ガルダシャーン帝国からの使者がこられています。
代表者の方と先ほどお話をいたしましたが、用件というのが、当神殿に在籍されている水巫女様からガルダシャーン帝国の時期皇帝、現在の皇太子様の後宮に入宮いただきたいという申し入れでした」
その言葉に水巫女だけではなく、場にあつまっていた神殿仕えの皆からも驚きの声があがった。
当然、私にとっても衝撃。
ガルダシャーンの皇帝は唯一後宮があって一夫多妻が認められていると先日聞いたばかり。
目指せ一夫一妻。平和な家庭環境!の私にはノーサンキューなお相手。
「皇太子さまは強い火の精霊のお力をお持ちとのことで、火と対をなす水の精霊の力を宿す方がお相手にふさわしいとの判断から皇帝が各国に通達されているそうです。
当神殿からだけではなく、各国から水の精霊のお力を宿す方を集めるおつもりとか」
みんなの驚きの声が少し落ち着いてから続く神殿長の話にさらにみんなが声をあげる。
各国から水の精霊の力をつかえる人を後宮にあつめる。
なんというか、とにかく数揃えるって感じのその話に嫌な気持ちになるのは仕方ない。
神殿に仕えている人たちからは水巫女がその他大勢と同じ扱いにされていることが侮辱と感じたみたいで、私達以上に憤慨してくれている。
というより、てっきり水の精霊の力を使える人は全員このアクアナ神殿に集まるのかと思っていたけれど、今の話だとそうではなく、各国にいるみたい。
これは後でエルザさんに説明をお願いしよう。
「神殿長、後宮にはいる水巫女を必ず選ばなくてはいけないのですか?」
ジェシカさんが不安そうに顔を見合わせている水巫女を代表して質問してくれる。
「そうですね。大変申し訳ないのですが、必ず最低一人は……というお話でした。
名誉なことなので、希望者が多数の場合は全員受け入れるとのことです」
まぁ……と、水巫女たちはまた顔を見合わせている。
「ただ、後宮に入ったからといって出られないことはなく、あくまでも皇太子さまの皇后や側室候補という形になるそうです。
それから1年、後宮ですごしていただき、希望されない方は後宮からおりることもできるそうです。
あくまでも、皇太子さまのお相手の水の精霊の力をえている女性との機会を増やすため……とのことです」
絶対にでられない強制的なものではなかったことで、みんなにほっとした空気が流れる。
でも、最低一人、誰かが1年間ガルダシャーン帝国の後宮に入らないといけないってことかぁ。
城下町に出かけることができるなら、その手でガルダシャーンへ行くのもいいかも。
きっとあの連なってきていた馬車に水巫女をのせて帰るつもりだったのだろうし。
次はいつガルダシャーンへ行く機会が訪れるかわからないし。
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