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アンナ、召喚(3)
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「異世界召喚……」
おもわず声にだすと、女神様がにこっと微笑んだ。
「それ、さっきの子もいってました。
そういったほうが通じやすいんですかね」
「あー……。まぁ。一部では通じやすい……かな」
文学作品よりファンタジーが好きな私は異世界に呼ばれたり迷い込んだりする話もたくさん読んだことがある。
それより「さっきの子?」
「あぁ、そうなの。あなたと一緒に河に落ちた子がいたから、一緒に巻き込んでこちらに呼んでしまったの。
でも、怒ってなくてよかったわ。
むしろ、喜んでくれた」
そうなんだ。
「それで、私のお願いなんだけど、私たち水の精霊を祀るアクアナ神殿の泉に巫女として降り立ってほしいんです。
そして、どうにかしてガルダシャーンという大きな国の城下町に水をひいてほしいんです」
巫女としていくのはわかったけど、水を引く?
「え……、それって土木工事?できる人のほうがいいんじゃないですか」
「井戸を掘っても水がでないんです。
あなたに水巫女としての力を授けますので、その力で水を『呼んで』ほしいんです。
そうしないと、あの場所は水が少なくなり、人々も生活できなくなりますし、水の精霊も力を失ってしまいます」
なるほど……
井戸掘りとかは専門にまかせて、私は本当に巫女としてお祈りか何かして水をよべばいいんだな。
「わかりました。
いえ、本当は何がなんだかって感じなんですが……
話がすすまないので、とにかくしてほしいことは理解しました」
わかんない!だけじゃ先にすすめないしね。
「ありがとう!! じゃあ、さっそくお願いします!」
両手をぱちんとあわせて喜びを表現した女神様は両手をふわりと上に掲げる。
すると、少しずつ私の体が上にあがっていく。
あわてていると、手をふる女神様が徐々にさがっていく。
「え!まって!!
私、元の世界に戻れるんですかー?!?!」
「ごめんなさいー!
あなたは世界移動が二度目なのでこれ以上、移動するのは体に負担がかかりすぎて消滅してしまうので、戻れませんー!
移動はこれが最後ですー!!」
少しずつ離れていく女神様が叫んで返事をしてくれる。
戻れない。
その言葉はこれまでの出来事のようにとても非現実的に響いた。
「ごめんなさい!!
でも、あのまま水の中にいたらあなたは死んでしまうところだったから!
この世界でどうか生きていってください!
あなたは水の精霊ととても相性がいいから!
どうかその力で幸せに!!」
そうか、死んでしまうところだったんだ。
じゃあ、あの女神様は私の恩人。いや、恩神。
「ありがとうございます!!助けてくれて!!」
ショックだけれど、お礼の言葉が口をついた。
その言葉をきいて、女神様は少しだけ微笑んでくれたようにみえた。
もう、女神様はまわりの水色に溶け込んで見えづらくなってきている。
と、そのとき、女神様が悪戯を思いついたように笑みを浮かべたような気がした。
「あのときのあなたの相手だけど、ガルダシャーンの……」
女神様の声もかすかになってくる。
あのときの相手??
え……、あのイケメンのこと?
それ知りたい!!
そう思ったのに、女神様の声は聞こえなくなり、浮き上がっていた私の頭はざばりと音をたてて水面にでた。
おもわず声にだすと、女神様がにこっと微笑んだ。
「それ、さっきの子もいってました。
そういったほうが通じやすいんですかね」
「あー……。まぁ。一部では通じやすい……かな」
文学作品よりファンタジーが好きな私は異世界に呼ばれたり迷い込んだりする話もたくさん読んだことがある。
それより「さっきの子?」
「あぁ、そうなの。あなたと一緒に河に落ちた子がいたから、一緒に巻き込んでこちらに呼んでしまったの。
でも、怒ってなくてよかったわ。
むしろ、喜んでくれた」
そうなんだ。
「それで、私のお願いなんだけど、私たち水の精霊を祀るアクアナ神殿の泉に巫女として降り立ってほしいんです。
そして、どうにかしてガルダシャーンという大きな国の城下町に水をひいてほしいんです」
巫女としていくのはわかったけど、水を引く?
「え……、それって土木工事?できる人のほうがいいんじゃないですか」
「井戸を掘っても水がでないんです。
あなたに水巫女としての力を授けますので、その力で水を『呼んで』ほしいんです。
そうしないと、あの場所は水が少なくなり、人々も生活できなくなりますし、水の精霊も力を失ってしまいます」
なるほど……
井戸掘りとかは専門にまかせて、私は本当に巫女としてお祈りか何かして水をよべばいいんだな。
「わかりました。
いえ、本当は何がなんだかって感じなんですが……
話がすすまないので、とにかくしてほしいことは理解しました」
わかんない!だけじゃ先にすすめないしね。
「ありがとう!! じゃあ、さっそくお願いします!」
両手をぱちんとあわせて喜びを表現した女神様は両手をふわりと上に掲げる。
すると、少しずつ私の体が上にあがっていく。
あわてていると、手をふる女神様が徐々にさがっていく。
「え!まって!!
私、元の世界に戻れるんですかー?!?!」
「ごめんなさいー!
あなたは世界移動が二度目なのでこれ以上、移動するのは体に負担がかかりすぎて消滅してしまうので、戻れませんー!
移動はこれが最後ですー!!」
少しずつ離れていく女神様が叫んで返事をしてくれる。
戻れない。
その言葉はこれまでの出来事のようにとても非現実的に響いた。
「ごめんなさい!!
でも、あのまま水の中にいたらあなたは死んでしまうところだったから!
この世界でどうか生きていってください!
あなたは水の精霊ととても相性がいいから!
どうかその力で幸せに!!」
そうか、死んでしまうところだったんだ。
じゃあ、あの女神様は私の恩人。いや、恩神。
「ありがとうございます!!助けてくれて!!」
ショックだけれど、お礼の言葉が口をついた。
その言葉をきいて、女神様は少しだけ微笑んでくれたようにみえた。
もう、女神様はまわりの水色に溶け込んで見えづらくなってきている。
と、そのとき、女神様が悪戯を思いついたように笑みを浮かべたような気がした。
「あのときのあなたの相手だけど、ガルダシャーンの……」
女神様の声もかすかになってくる。
あのときの相手??
え……、あのイケメンのこと?
それ知りたい!!
そう思ったのに、女神様の声は聞こえなくなり、浮き上がっていた私の頭はざばりと音をたてて水面にでた。
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