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夢の中の泉の出会い(6)
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……
おかしい。
これは夢のはずなのに……
よく、つねって痛かったら「夢じゃない!」って言ってるけど。
ということは、夢の中では痛みを感じないはずなのに!
なんかすごい感触リアルだし、痛かったんですけどー!!
夢なんだけど、これはもう、経験済と言っていいんじゃないでしょうか?
それぐらい本物感ありありなんだけど!!
っていうか、現実世界でもう一度あれを経験しないとダメなの?!
マントをはおって泉に足をつけながら、さっきの出来事を思い出しては恥ずかしさに足をばしゃばしゃさせて、静かな水辺に音を響かせる。
ちょっと、頭をひやそう。
ちらりと後ろを振り返ると、ズボンだけはいた彼が大木にもたれかかってこちらを見ていた。
服の上から想像したとおり、細マッチョのいい体をされていました。
って思い出したらまた恥ずかしいー!!!!
じたばたする足にあわせて水音があたりに響く。
……
はぁ。
少し落ち着こう。
乱れた髪をかきあげて、耳にかけると手にカチリとピアスがあたる。
お風呂に入るときもつけっぱなしにしていた、小さなハートの金のピアス。
それさえも、彼が触れて、熱をもっている。
体も、頭も、少し冷やそう!
はらりと巻いていたマントを体から外すと、もうずいぶん暗くなってきたから見えないかもしれないけれど、裸が見られる前にちゃぽんと泉の中に体全体をひたす。
少しずつ浅いところから深くなるようなことはなく、まるでプールのように岸から突然私の胸ぐらいまでの水深になっている。
火照った体に冷たい水がとても気持ちよく感じる。
ふいに彼の言葉が思い出された。
--俺の熱と溶け合って--
ぎゃー!! 恥ずかしい!!
あ……あんな台詞言うなんて!!
なんかそこはかとなく言い回しがいやらしい!
初めてとかいってたけど、女性慣れしてるんじゃないの?!
いやいや、落ち着こう。
おーけー。ここは夢。彼も夢の中の空想の人物。
ん?ってことは、まさか私はああいうタイプが好みってことなの?
うちに秘めた妄想が夢となってでてきたの!?
だめだ……。
起きたら、真剣に彼氏をつくることを考えよう。
うん、そうしよう。
自分では落ち着いたし、目が覚めてからの目標も決まった!と思ったのが間違いだったのかもしれない。
むん!!と気合を入れなおすために踏みしめた足は、泉の底の石の上でつるりと綺麗に滑った。
スローモーションで景色が流れていく。
目の前に見えていたはずの世界は目に優しい緑あふれる木々からもう陽がほとんど落ちる紫色の空にかわり、そして激しい水音とともに泡にまみれた水へとかわった。
水音とともに「大丈夫か?!」という声も聞こえたような気がするけれど、突然全方位水に包まれた私はそれどころじゃなかった。
慌てて水中で手をかいたらビタン!と何かに強打した。
「いたーっ!!」
水から顔をだしての私の第一声はそれだった。
「いったー!!! って、あれ?」
まわりと見渡すといつもの一人用浴室だった。
浴槽に打ちつけたと思われる腕がジンジンする。
「なんだ……」
やっぱり夢だったんだ。
すごくリアルな夢だったけど、お風呂で寝ちゃったんだな。
「なんだ」
彼の顔、もう少しみておいたらよかったな。
「残念」
両頬に手をあてると、のぼせたのか熱をもっている。
「熱い……」
ふと頬にあてた右手の指先がピアスにあたる。
左手にはあたらない。
不思議に思って両耳をさわると、確かに朝につけたはずの小さなハートピアスが片方なくなっていた。
「あれ?」
浴槽であばれたときに落としたのかと探しても底には落ちていなかった。
小さいからなくしたのかな。
純金だし、気に入ってたんだけどな……
ピアスが気になって、もう夢の中のエキゾチックイケメンは意識から消えてしまっていた。
おかしい。
これは夢のはずなのに……
よく、つねって痛かったら「夢じゃない!」って言ってるけど。
ということは、夢の中では痛みを感じないはずなのに!
なんかすごい感触リアルだし、痛かったんですけどー!!
夢なんだけど、これはもう、経験済と言っていいんじゃないでしょうか?
それぐらい本物感ありありなんだけど!!
っていうか、現実世界でもう一度あれを経験しないとダメなの?!
マントをはおって泉に足をつけながら、さっきの出来事を思い出しては恥ずかしさに足をばしゃばしゃさせて、静かな水辺に音を響かせる。
ちょっと、頭をひやそう。
ちらりと後ろを振り返ると、ズボンだけはいた彼が大木にもたれかかってこちらを見ていた。
服の上から想像したとおり、細マッチョのいい体をされていました。
って思い出したらまた恥ずかしいー!!!!
じたばたする足にあわせて水音があたりに響く。
……
はぁ。
少し落ち着こう。
乱れた髪をかきあげて、耳にかけると手にカチリとピアスがあたる。
お風呂に入るときもつけっぱなしにしていた、小さなハートの金のピアス。
それさえも、彼が触れて、熱をもっている。
体も、頭も、少し冷やそう!
はらりと巻いていたマントを体から外すと、もうずいぶん暗くなってきたから見えないかもしれないけれど、裸が見られる前にちゃぽんと泉の中に体全体をひたす。
少しずつ浅いところから深くなるようなことはなく、まるでプールのように岸から突然私の胸ぐらいまでの水深になっている。
火照った体に冷たい水がとても気持ちよく感じる。
ふいに彼の言葉が思い出された。
--俺の熱と溶け合って--
ぎゃー!! 恥ずかしい!!
あ……あんな台詞言うなんて!!
なんかそこはかとなく言い回しがいやらしい!
初めてとかいってたけど、女性慣れしてるんじゃないの?!
いやいや、落ち着こう。
おーけー。ここは夢。彼も夢の中の空想の人物。
ん?ってことは、まさか私はああいうタイプが好みってことなの?
うちに秘めた妄想が夢となってでてきたの!?
だめだ……。
起きたら、真剣に彼氏をつくることを考えよう。
うん、そうしよう。
自分では落ち着いたし、目が覚めてからの目標も決まった!と思ったのが間違いだったのかもしれない。
むん!!と気合を入れなおすために踏みしめた足は、泉の底の石の上でつるりと綺麗に滑った。
スローモーションで景色が流れていく。
目の前に見えていたはずの世界は目に優しい緑あふれる木々からもう陽がほとんど落ちる紫色の空にかわり、そして激しい水音とともに泡にまみれた水へとかわった。
水音とともに「大丈夫か?!」という声も聞こえたような気がするけれど、突然全方位水に包まれた私はそれどころじゃなかった。
慌てて水中で手をかいたらビタン!と何かに強打した。
「いたーっ!!」
水から顔をだしての私の第一声はそれだった。
「いったー!!! って、あれ?」
まわりと見渡すといつもの一人用浴室だった。
浴槽に打ちつけたと思われる腕がジンジンする。
「なんだ……」
やっぱり夢だったんだ。
すごくリアルな夢だったけど、お風呂で寝ちゃったんだな。
「なんだ」
彼の顔、もう少しみておいたらよかったな。
「残念」
両頬に手をあてると、のぼせたのか熱をもっている。
「熱い……」
ふと頬にあてた右手の指先がピアスにあたる。
左手にはあたらない。
不思議に思って両耳をさわると、確かに朝につけたはずの小さなハートピアスが片方なくなっていた。
「あれ?」
浴槽であばれたときに落としたのかと探しても底には落ちていなかった。
小さいからなくしたのかな。
純金だし、気に入ってたんだけどな……
ピアスが気になって、もう夢の中のエキゾチックイケメンは意識から消えてしまっていた。
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