155 / 155
Extra 02. 破滅の先にあるもの
しおりを挟む
「ここは……どこですの……?」
ボロボロになっている女性ーーレイラが掠れた声を漏らす。
そこにはサーペンス公爵家の令嬢だった面影は欠片もない。
「貴女の新しい職場よ」
「どういうことですの……?」
「鉱山では使い物にならないって、うちの店に連れてこられたのよ。貴女はね。
目が覚めたなら、さっさと身体を綺麗にしないとね。お湯は準備してあるよ」
妙に薄着の女性にそう言われ、指さされた浴室へと向かうレイラ。彼女は足元が定まらないようで、ふらついている。
それもそのはず、非力な身体なのにも関わらず、鉱山という過酷な場所で労働させられていたのだから。
しかし、使い物にならないとここ娼館に捨てられたのだ。
だが、このボロボロの姿のままでは使い物にならない。
そういうわけで、湯浴みを終えたレイラを待っていたのは、オイルマッサージだった。
すぐに服を脱がされ、ベッドに横にさせられた彼女は傷だらけの肌にオイルを塗られていった。
「い、痛いですわ!」
傷だらけの肌にオイルを塗られれば痛むのは当然のことで、彼女の全身に激痛が走った。
そしてオイルを塗り終わる頃には、彼女の下着が黄色く染まっていたそうだ。
そんなことを1週間続け、無事に元の肌艶を取り戻したレイラを待っていたのは鉱山の時とは違う過酷なものだった。
元公爵令嬢というだけで指名が止まることはなく、朝から晩まで男の捌け口にされた。
時には暴力を振るわれることもあり、心がボロボロになっていく彼女は自ら命を絶とうとするも、監視があり失敗。
そんな彼女は次第に身体も弱っていき、ついには厄介な流行病にかかってしまう。
娼婦特有のものではなかったが、その病は身体を少しずつ蝕んでいった。
激しい苦痛に耐えながら闘病すること1年、レイラは病を無事に克服した。
しかし、その後すぐに流行り病にかかった彼女は、苦しむ間にあっという間に衰弱し、5日後に息を引き取った。
新入りでトップの座を奪った彼女の死を悲しむ者はおらず、流行病を恐れた者達によって遺体はしばらく放置されることになる。
そして、娼館には霊が現れるという噂が流れるのだが、それはまた別の話。
ボロボロになっている女性ーーレイラが掠れた声を漏らす。
そこにはサーペンス公爵家の令嬢だった面影は欠片もない。
「貴女の新しい職場よ」
「どういうことですの……?」
「鉱山では使い物にならないって、うちの店に連れてこられたのよ。貴女はね。
目が覚めたなら、さっさと身体を綺麗にしないとね。お湯は準備してあるよ」
妙に薄着の女性にそう言われ、指さされた浴室へと向かうレイラ。彼女は足元が定まらないようで、ふらついている。
それもそのはず、非力な身体なのにも関わらず、鉱山という過酷な場所で労働させられていたのだから。
しかし、使い物にならないとここ娼館に捨てられたのだ。
だが、このボロボロの姿のままでは使い物にならない。
そういうわけで、湯浴みを終えたレイラを待っていたのは、オイルマッサージだった。
すぐに服を脱がされ、ベッドに横にさせられた彼女は傷だらけの肌にオイルを塗られていった。
「い、痛いですわ!」
傷だらけの肌にオイルを塗られれば痛むのは当然のことで、彼女の全身に激痛が走った。
そしてオイルを塗り終わる頃には、彼女の下着が黄色く染まっていたそうだ。
そんなことを1週間続け、無事に元の肌艶を取り戻したレイラを待っていたのは鉱山の時とは違う過酷なものだった。
元公爵令嬢というだけで指名が止まることはなく、朝から晩まで男の捌け口にされた。
時には暴力を振るわれることもあり、心がボロボロになっていく彼女は自ら命を絶とうとするも、監視があり失敗。
そんな彼女は次第に身体も弱っていき、ついには厄介な流行病にかかってしまう。
娼婦特有のものではなかったが、その病は身体を少しずつ蝕んでいった。
激しい苦痛に耐えながら闘病すること1年、レイラは病を無事に克服した。
しかし、その後すぐに流行り病にかかった彼女は、苦しむ間にあっという間に衰弱し、5日後に息を引き取った。
新入りでトップの座を奪った彼女の死を悲しむ者はおらず、流行病を恐れた者達によって遺体はしばらく放置されることになる。
そして、娼館には霊が現れるという噂が流れるのだが、それはまた別の話。
12
お気に入りに追加
5,229
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(141件)
あなたにおすすめの小説
妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
星名柚花
恋愛
魔法が使えない伯爵令嬢セレスティアには美しい双子の妹・イノーラがいる。
国一番の魔力を持つイノーラは我儘な暴君で、セレスティアから婚約者まで奪った。
「もう無理、もう耐えられない!!」
イノーラの結婚式に無理やり参列させられたセレスティアは逃亡を決意。
「セラ」という偽名を使い、遠く離れたロドリー王国で侍女として働き始めた。
そこでセラには唯一無二のとんでもない魔法が使えることが判明する。
猫になる魔法をかけられた女性不信のユリウス。
表情筋が死んでいるユリウスの弟ノエル。
溺愛してくる魔法使いのリュオン。
彼らと共に暮らしながら、幸せに満ちたセラの新しい日々が始まる――
※他サイトにも投稿しています。
妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。
しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。
それを指示したのは、妹であるエライザであった。
姉が幸せになることを憎んだのだ。
容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、
顔が醜いことから蔑まされてきた自分。
やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。
しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。
幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。
もう二度と死なない。
そう、心に決めて。
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
決めたのはあなたでしょう?
みおな
恋愛
ずっと好きだった人がいた。
だけど、その人は私の気持ちに応えてくれなかった。
どれだけ求めても手に入らないなら、とやっと全てを捨てる決心がつきました。
なのに、今さら好きなのは私だと?
捨てたのはあなたでしょう。
見捨てられた逆行令嬢は幸せを掴みたい
水空 葵
恋愛
一生大切にすると、次期伯爵のオズワルド様に誓われたはずだった。
それなのに、私が懐妊してからの彼は愛人のリリア様だけを守っている。
リリア様にプレゼントをする余裕はあっても、私は食事さえ満足に食べられない。
そんな状況で弱っていた私は、出産に耐えられなくて死んだ……みたい。
でも、次に目を覚ました時。
どういうわけか結婚する前に巻き戻っていた。
二度目の人生。
今度は苦しんで死にたくないから、オズワルド様との婚約は解消することに決めた。それと、彼には私の苦しみをプレゼントすることにしました。
一度婚約破棄したら良縁なんて望めないから、一人で生きていくことに決めているから、醜聞なんて気にしない。
そう決めて行動したせいで良くない噂が流れたのに、どうして次期侯爵様からの縁談が届いたのでしょうか?
※カクヨム様と小説家になろう様でも連載中・連載予定です。
7/23 女性向けHOTランキング1位になりました。ありがとうございますm(__)m
欠陥姫の嫁入り~花嫁候補と言う名の人質だけど結構楽しく暮らしています~
バナナマヨネーズ
恋愛
メローズ王国の姫として生まれたミリアリアだったが、国王がメイドに手を出した末に誕生したこともあり、冷遇されて育った。そんなある時、テンペランス帝国から花嫁候補として王家の娘を差し出すように要求されたのだ。弱小国家であるメローズ王国が、大陸一の国力を持つテンペランス帝国に逆らえる訳もなく、国王は娘を差し出すことを決めた。
しかし、テンペランス帝国の皇帝は、銀狼と恐れられる存在だった。そんな恐ろしい男の元に可愛い娘を差し出すことに抵抗があったメローズ王国は、何かあったときの予備として手元に置いていたミリアリアを差し出すことにしたのだ。
ミリアリアは、テンペランス帝国で花嫁候補の一人として暮らすことに中、一人の騎士と出会うのだった。
これは、残酷な運命に翻弄されるミリアリアが幸せを掴むまでの物語。
本編74話
番外編15話 ※番外編は、『ジークフリートとシューニャ』以外ノリと思い付きで書いているところがあるので時系列がバラバラになっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ありがとうございます😊
続編はかなり不定期になると思いますが、現在執筆中ですのでお楽しみに
完結おめでとうございます(*’ω’ノノ゙☆パチパチ 立場上大変な事もるだろうけど二人と周囲の人達が居れば大丈夫ですね( ^▽^)