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147. 終戦

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 王都に平和が戻ってから1週間が過ぎ、領地の屋敷で昼食をとっていた私達の元にとある知らせが届いた。


「先程終戦の知らせが届きましたのでご報告いたします。イストリア帝国から講和の申し出があり、陛下が受け入れたとのことです」

「こちらの血が流れる前に終わらせられたのは大きいな。兵達が戻ってきたら盛大に労えるように準備するよう指示してくれ」

「畏まりました」


 お父様から指示を受けて頭を下げる執事さん。


「明日には予定通り王都に戻るから準備がまだならしておきなさい」

「分かりましたわ」

「もう終わってるから大丈夫です」


 頷く私とルシア。お兄様はもう終わらせているみたいで、そう口にした。
 ちなみに、ジーク様はグレイヴに戻っていてこの場にはいない。


「お嬢様、心配しなくても王子がお嬢様に何かすることは出来ませんよ」

「それは心配してないわよ」

「では、何か問題がありましたか?」

「何もないわ」


 そうは答えたけど、ジーク様と離れて寂しくなってるのよね……。
 結婚するまではこの前みたいに一緒に過ごすことも叶わないし、会えるのも週に一度くらいになってしまうから。


「心配しなくてもジーク様と会えるようになるのはあっという間ですよ」

「そうかしら?」


 アンナは読心の魔法でも使えるのかしら?


「ええ、お茶会のお誘いもこれだけ届いておりますし、パーティーの招待状も来ております」


 私が聞き返したのが悪かったのか、手紙の束を見せるアンナ。


「こんなに沢山は出れないわよ?」

「必要なものだけでもこれだけあります」

「これなら大丈夫よ。前と変わらないもの」

「では、こちらの断りの返事をお願いしますね」

「ゆっくりやるわね……」


 去年はこれの半分もなかったのに、どうしてこんなに増えたのかしら?
 あまりの数に目眩を感じる私だった。



 そるから2日、私はノートリア公爵家の庭園にあるテーブルをノートリア家の次女アイセア様と彼女のお姉様と囲っていた。


「そういえば、王子が結婚するそうですよ?」

「結婚、ですって?」


 アイセア様の言葉を聞いて思わず聞き返す私。

「ええ。なんでも、イストリアと平和のために王族を交換することになったそうですの。
 ただ……こちらが婿に行くイストリアの皇女が少々問題みたいですわ」

「問題って……?」

「少しはしたないお話になってしまいますけど、よろしくって?」

「ええ」

「その皇女の性欲が化け物らしいのです。殿方が10人で相手しても間に合わないと聞きましたわ」

「死者も出てるそうよ」


 アイセア様の言葉に彼女のお姉様が捕捉してくれた。
 一体何をしたら命を落としてしまうのよ……。

 でも、性欲の塊のような王子なら大丈夫なのかしら?
 想像なんてできないから分からないけど、処刑されるよりは辛いわよね……?


「それで、処刑する予定の王子を利用するのですね」

「そういうことですわ。仮に死んでしまったらイストリアを滅ぼす理由にするそうですわ」

「陛下は攻め込むおつもりですのね……」


 また戦争になってしまうかもしれない。
 そう思うと、少しだけ悲しくなってしまった。
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