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137. 事後処理②
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「お待たせ!」
何かあった時のために護衛さんを6人連れてルシアとジーク様のいる部屋に戻った私は、そんなことを口にしながらルシアのところに駆け寄った。
「痛みを和らげる薬があったからもらってきたわ」
「ありがとう……」
この薬は塗るタイプのものだから、早速ルシアの手に塗っていった。
塗った瞬間から効くらしいから、試しにルシアの手を思いきり抓ってみたけど、痛そうな素振りは見せなかった。
「お姉様、少し痛いですわ」
「もしかして、効いてないの?」
「効いてると思いますわ」
そういえば、痛みを和らげるだけの薬だったわね……。
「それなら大丈夫ね。ジーク様、お願い」
私がそう口にすると、ジーク様は頷いてルシアの手を掴んだ。
その直後……
「うっ……」
……何かが折れるような音と共にルシアが声を漏らした。
こうするしかないのは分かっているけど、ルシアの指があり得ない方向に曲がっているのを見るのは辛いわ……。
ルシアをこんな目に遭わせた王子は絶対に許さない。
私がそう決意をし直すと、ちょうどルシアの手が手枷から抜けた。
「ルシア、大丈夫?」
「これくらいなら耐えられますわ……」
その直後、ジーク様がルシアの足首に剣を振り下ろした。
そしてルシアは気を失ってしまったみたいで、動かなくなってしまった。
それでもジーク様は手早く止血をしていく。
そして、それが終わると護衛さんがルシアに声をかけた。
「お嬢様、失礼します」
私が慌てるのをよそに、護衛さん達がルシアを担架に乗せて部屋の外に運び始める。
私もその隣を歩いて魔法が使える場所まで移動した。
まずは切れている足を元通りになるように合わせながら治癒魔法をかけていく。
そして手にも魔法をかけていると、ルシアが目を覚ました。
「私、気絶してたのですね……」
「痛みに耐え切れなかったのよ、きっと。足は治したから安心してね」
「ありがとうございます」
「私のせいで巻き込んでしまったのだから、これくらいは当然よ」
「お姉様は悪くありませんわ! 悪いのはお姉様の純潔を奪うために私を利用しようとした殿下ですわ」
「本当にごめんね……。でも、ありがとう」
ようやく安心出来て、ついルシアを抱きしめてしまう私だった。
それから数十分後、私達は事後処理を終えて馬車で屋敷に向かっていた。
「フィーナが王子のアレを潰したのは驚いたよ」
「アレって何かしら?」
「子供を作るために必要な場所だよ」
「たまたまよ。狙った訳ではないわ」
「とりあえずはこれで王子の性欲も収まると思うから、フィーナのしたことは正解だと思うよ」
「そうだといいのだけど……」
あの後、失禁しながら気絶した王子は騎士団に連行されて貴人用の牢に入れられた。
というのも、お母様とお父様が本気で国王陛下夫妻を脅したらしく、陛下は真っ青になりながら命令を出したとか。
陛下を脅して罪にならないのが不思議だわ……。
この国の将来は大丈夫なのかしら?
何かあった時のために護衛さんを6人連れてルシアとジーク様のいる部屋に戻った私は、そんなことを口にしながらルシアのところに駆け寄った。
「痛みを和らげる薬があったからもらってきたわ」
「ありがとう……」
この薬は塗るタイプのものだから、早速ルシアの手に塗っていった。
塗った瞬間から効くらしいから、試しにルシアの手を思いきり抓ってみたけど、痛そうな素振りは見せなかった。
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「もしかして、効いてないの?」
「効いてると思いますわ」
そういえば、痛みを和らげるだけの薬だったわね……。
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私がそう口にすると、ジーク様は頷いてルシアの手を掴んだ。
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こうするしかないのは分かっているけど、ルシアの指があり得ない方向に曲がっているのを見るのは辛いわ……。
ルシアをこんな目に遭わせた王子は絶対に許さない。
私がそう決意をし直すと、ちょうどルシアの手が手枷から抜けた。
「ルシア、大丈夫?」
「これくらいなら耐えられますわ……」
その直後、ジーク様がルシアの足首に剣を振り下ろした。
そしてルシアは気を失ってしまったみたいで、動かなくなってしまった。
それでもジーク様は手早く止血をしていく。
そして、それが終わると護衛さんがルシアに声をかけた。
「お嬢様、失礼します」
私が慌てるのをよそに、護衛さん達がルシアを担架に乗せて部屋の外に運び始める。
私もその隣を歩いて魔法が使える場所まで移動した。
まずは切れている足を元通りになるように合わせながら治癒魔法をかけていく。
そして手にも魔法をかけていると、ルシアが目を覚ました。
「私、気絶してたのですね……」
「痛みに耐え切れなかったのよ、きっと。足は治したから安心してね」
「ありがとうございます」
「私のせいで巻き込んでしまったのだから、これくらいは当然よ」
「お姉様は悪くありませんわ! 悪いのはお姉様の純潔を奪うために私を利用しようとした殿下ですわ」
「本当にごめんね……。でも、ありがとう」
ようやく安心出来て、ついルシアを抱きしめてしまう私だった。
それから数十分後、私達は事後処理を終えて馬車で屋敷に向かっていた。
「フィーナが王子のアレを潰したのは驚いたよ」
「アレって何かしら?」
「子供を作るために必要な場所だよ」
「たまたまよ。狙った訳ではないわ」
「とりあえずはこれで王子の性欲も収まると思うから、フィーナのしたことは正解だと思うよ」
「そうだといいのだけど……」
あの後、失禁しながら気絶した王子は騎士団に連行されて貴人用の牢に入れられた。
というのも、お母様とお父様が本気で国王陛下夫妻を脅したらしく、陛下は真っ青になりながら命令を出したとか。
陛下を脅して罪にならないのが不思議だわ……。
この国の将来は大丈夫なのかしら?
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