111 / 155
111. レイラside 鉱山労働
しおりを挟む
「おい、手が止まってるぞ!」
「これ以上は無理ですわ……」
ここに来てから1週間、私は立っていられないくらいに疲弊していました。
少しでも休んでいれば怒鳴られ、それでも動けなかったら鞭で打たれる。そんな過酷な状況になっていますわ。
私以外は少し手を抜いていても全く怒られないのに、私だけこんな扱い酷いですわ!
「前にここに来たお嬢様は軽々とツルハシを振ってたんだけどなぁ?」
「それはその女がおかしいだけですわよ」
「そもそもお前は振り方が違うんだよ。持つのはここじゃなくてここ。1回やってみろ」
偉そうにそう口にするこの男、厳つい見た目に反して意外と優しいみたいですわね。
「その前に少し休ませて欲しいですわ……」
「そうか……ヒール。これで動けるだろ?」
「ええ」
回復魔法のお陰で身体中の疲れが取れたので、立ち上がってさっき言われた通りにツルハシを振ってみました。
「軽い……」
「だろ? あと少しで休憩だったけど、あと1時間は動けそうだな」
この男、優しくなかったですわ……。悪魔ですわ!
この後、昼食を挟んだ後も疲れる度に回復魔法をかけられてひたすらツルハシを振らされてしまいましたわ。
翌朝、私は全身の激痛で目を覚ましました。
「うぅ……」
全身が痛いから、痛む場所をおさえて痛みを和らげることなんて出来ませんでした。出来たのは悶えながらベッドの上を動くことだけ。
……本当にこの痛みはなんなのですの⁉︎
「おーい、飯冷めちまうぞ?」
「今……行きますわ……」
ご飯を逃すわけにはいかないから、なんとかベッドから出て着替えを始めました。
でも、腕を動かす度に痛みの上に激痛が走って中々進みませんでした。
だから、仕方なく着替えないで食堂に向かいましたわ。
今は寒い季節なので夏のように薄い生地ではありませんから他人の目を気にする必要がないのが救いですわね。
「可愛らしい格好してどうしたんだ?」
「身体中が痛くて……」
「あれだけ働かされれば痛くもなるだろうな。ゆっくり休めよ」
「ありがとう」
こんな風に、私がここに来た理由を知っている人でも優しく接してくれているからまだなんとか過ごせているけど、たったの1週間で身体はボロボロになってしまいましたわ。
この調子では1年も経たないうちに壊れてしまうかもしれません……。
「身体中が痛いって聞いたんだが、大丈夫か?」
「大丈夫じゃありませんわ」
今度は昨日私に回復魔法をかけては働かせた男が話しかけてきました。
「すまないな。稀に回復痛を起こさない奴がいるから試したかったんだ。
明日も休みにしてやるからゆっくりしろよ」
この後、他の方からこの男が効率しか頭にない人だと聞いて怒りを覚えました。
もちろん、あの女を許さないのは決まっていますわ!
「これ以上は無理ですわ……」
ここに来てから1週間、私は立っていられないくらいに疲弊していました。
少しでも休んでいれば怒鳴られ、それでも動けなかったら鞭で打たれる。そんな過酷な状況になっていますわ。
私以外は少し手を抜いていても全く怒られないのに、私だけこんな扱い酷いですわ!
「前にここに来たお嬢様は軽々とツルハシを振ってたんだけどなぁ?」
「それはその女がおかしいだけですわよ」
「そもそもお前は振り方が違うんだよ。持つのはここじゃなくてここ。1回やってみろ」
偉そうにそう口にするこの男、厳つい見た目に反して意外と優しいみたいですわね。
「その前に少し休ませて欲しいですわ……」
「そうか……ヒール。これで動けるだろ?」
「ええ」
回復魔法のお陰で身体中の疲れが取れたので、立ち上がってさっき言われた通りにツルハシを振ってみました。
「軽い……」
「だろ? あと少しで休憩だったけど、あと1時間は動けそうだな」
この男、優しくなかったですわ……。悪魔ですわ!
この後、昼食を挟んだ後も疲れる度に回復魔法をかけられてひたすらツルハシを振らされてしまいましたわ。
翌朝、私は全身の激痛で目を覚ましました。
「うぅ……」
全身が痛いから、痛む場所をおさえて痛みを和らげることなんて出来ませんでした。出来たのは悶えながらベッドの上を動くことだけ。
……本当にこの痛みはなんなのですの⁉︎
「おーい、飯冷めちまうぞ?」
「今……行きますわ……」
ご飯を逃すわけにはいかないから、なんとかベッドから出て着替えを始めました。
でも、腕を動かす度に痛みの上に激痛が走って中々進みませんでした。
だから、仕方なく着替えないで食堂に向かいましたわ。
今は寒い季節なので夏のように薄い生地ではありませんから他人の目を気にする必要がないのが救いですわね。
「可愛らしい格好してどうしたんだ?」
「身体中が痛くて……」
「あれだけ働かされれば痛くもなるだろうな。ゆっくり休めよ」
「ありがとう」
こんな風に、私がここに来た理由を知っている人でも優しく接してくれているからまだなんとか過ごせているけど、たったの1週間で身体はボロボロになってしまいましたわ。
この調子では1年も経たないうちに壊れてしまうかもしれません……。
「身体中が痛いって聞いたんだが、大丈夫か?」
「大丈夫じゃありませんわ」
今度は昨日私に回復魔法をかけては働かせた男が話しかけてきました。
「すまないな。稀に回復痛を起こさない奴がいるから試したかったんだ。
明日も休みにしてやるからゆっくりしろよ」
この後、他の方からこの男が効率しか頭にない人だと聞いて怒りを覚えました。
もちろん、あの女を許さないのは決まっていますわ!
16
お気に入りに追加
5,250
あなたにおすすめの小説
侯爵家のお飾り妻をやめたら、王太子様からの溺愛が始まりました。
二位関りをん
恋愛
子爵令嬢メアリーが侯爵家当主ウィルソンに嫁いで、はや1年。その間挨拶くらいしか会話は無く、夜の営みも無かった。
そんな中ウィルソンから子供が出来たと語る男爵令嬢アンナを愛人として迎えたいと言われたメアリーはショックを受ける。しかもアンナはウィルソンにメアリーを陥れる嘘を付き、ウィルソンはそれを信じていたのだった。
ある日、色々あって職業案内所へ訪れたメアリーは秒速で王宮の女官に合格。結婚生活は1年を過ぎ、離婚成立の条件も整っていたため、メアリーは思い切ってウィルソンに離婚届をつきつけた。
そして王宮の女官になったメアリーは、王太子レアードからある提案を受けて……?
※世界観などゆるゆるです。温かい目で見てください
【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
【完結】もう結構ですわ!
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。
愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/29……完結
2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位
2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位
2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位
2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位
2024/09/11……連載開始
私が妻です!
ミカン♬
恋愛
幼い頃のトラウマで男性が怖いエルシーは夫のヴァルと結婚して2年、まだ本当の夫婦には成っていない。
王都で一人暮らす夫から連絡が途絶えて2か月、エルシーは弟のような護衛レノを連れて夫の家に向かうと、愛人と赤子と暮らしていた。失意のエルシーを狙う従兄妹のオリバーに王都でも襲われる。その時に助けてくれた侯爵夫人にお世話になってエルシーは生まれ変わろうと決心する。
侯爵家に離婚届けにサインを求めて夫がやってきた。
そこに王宮騎士団の副団長エイダンが追いかけてきて、夫の様子がおかしくなるのだった。
世界観など全てフワっと設定です。サクっと終わります。
5/23 完結に状況の説明を書き足しました。申し訳ありません。
★★★なろう様では最後に閑話をいれています。
脱字報告、応援して下さった皆様本当に有難うございました。
他のサイトにも投稿しています。
ある日突然、醜いと有名な次期公爵様と結婚させられることになりました
八代奏多
恋愛
クライシス伯爵令嬢のアレシアはアルバラン公爵令息のクラウスに嫁ぐことが決まった。
両家の友好のための婚姻と言えば聞こえはいいが、実際は義母や義妹そして実の父から追い出されただけだった。
おまけに、クラウスは性格までもが醜いと噂されている。
でもいいんです。義母や義妹たちからいじめられる地獄のような日々から解放されるのだから!
そう思っていたけれど、噂は事実ではなくて……
【完結】二度目の恋はもう諦めたくない。
たろ
恋愛
セレンは15歳の時に16歳のスティーブ・ロセスと結婚した。いわゆる政略的な結婚で、幼馴染でいつも喧嘩ばかりの二人は歩み寄りもなく一年で離縁した。
その一年間をなかったものにするため、お互い全く別のところへ移り住んだ。
スティーブはアルク国に留学してしまった。
セレンは国の文官の試験を受けて働くことになった。配属は何故か騎士団の事務員。
本人は全く気がついていないが騎士団員の間では
『可愛い子兎』と呼ばれ、何かと理由をつけては事務室にみんな足を運ぶこととなる。
そんな騎士団に入隊してきたのが、スティーブ。
お互い結婚していたことはなかったことにしようと、話すこともなく目も合わせないで過ごした。
本当はお互い好き合っているのに素直になれない二人。
そして、少しずつお互いの誤解が解けてもう一度……
始めの数話は幼い頃の出会い。
そして結婚1年間の話。
再会と続きます。
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる