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109. 婚約発表パーティー①
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ドレスが完成してから半月、ついにパーティーの日になった。
朝から私は侍女さん達に磨かれて、多分今が今までで一番綺麗になってると思う。曖昧な表現なのは、まだ姿見を見ていないから。
普段はしないお化粧なんかまでされているから、少し戸惑ってるわ。
婚約発表ってこんなに大事なイベントだったかしら?
「終わりましたよ」
「ありがとう」
侍女さんに言われて目を開けると、目の前の姿見の中に別人のようになった私がいた。
お肌はマッサージとかのおかげでいつになくモチモチだし、雰囲気も少し大人っぽくなっているような気がする。
童顔ではないはずなのだけど、普段は雰囲気で可愛いって言われていたから少し嬉しい。
可愛いって言われるのが嫌なわけじゃないけどね!
「ここまで変わるものなのね……」
「私達はほとんど手をつけていませんわ。フィーナ様の素がよろしいのでそれを引き立てただけですよ」
「そんなことないわよ。謙遜しなくていいのよ?」
そう言い返す私。ここまで良くするのは技術が高くないと出来ないと思っているから。
でも……
「フィーナ様こそ謙遜しないでくださいませ」
……同じ言葉で言い返されてしまった。
そんな時、ジーク様が私の部屋に来てこう問いかけてきた。
「フィーナ、会場の最終確認手伝ってくれないか?」
「もちろんいいわよ」
そう返してジーク様の元へ駆け寄る私。
そのまま手を繋いで会場になるパーティー用の大きな部屋に向かった。
チェックとは言っても、すでに使用人さん達がチェックを済ませた後だから、乱れたりしている場所は無いと思うのよね……。
そんな風に疑問に思っていると、ジーク様が楽器の置いてあるところへ足を向けた。
ここにある楽器は、正確には楽器じゃなくて蓄音器という魔導具になっている。
演奏する人がいなくても、半永久的にいくつかの曲を流すことが出来るから、パーティーには欠かせないものになっている。
「練習に一曲踊ろう」
蓄音器を動かしてからそんなことを言ってくるジーク様。
普段なら問いかけの形なのに、今日は違うのね。
「質問じゃないのね……」
「嫌なら無理に頼まないが」
「嫌じゃないわよ! 久々だから上手く出来るか心配なだけよ」
「練習なんだから気にしなくていいだろ」
そう言って私の手をとるジーク様。
直後、曲が流れ始めたから私達はステップを踏み始めた。
「全く腕落ちてないね」
「そうかな……? 私はついていくので精一杯よ」
今流れてる曲が私の苦手な曲というのもあってジーク様の動きに合わせるだけでも結構大変になっている。
余裕を見せて相手をリードするなんて今は出来そうになかった。
「そう言ってる割には余裕そうだな?」
「少し早くされたら転んでしまわないか心配になるくらいに余裕は無いわよ」
「このスピードについて来れる人はほとんどいないから大丈夫だろ。俺もこの速さは結構キツイ」
「そうだったのね……」
今回のパーティーは私を試すような人がいなければ乗り切れそうね。
朝から私は侍女さん達に磨かれて、多分今が今までで一番綺麗になってると思う。曖昧な表現なのは、まだ姿見を見ていないから。
普段はしないお化粧なんかまでされているから、少し戸惑ってるわ。
婚約発表ってこんなに大事なイベントだったかしら?
「終わりましたよ」
「ありがとう」
侍女さんに言われて目を開けると、目の前の姿見の中に別人のようになった私がいた。
お肌はマッサージとかのおかげでいつになくモチモチだし、雰囲気も少し大人っぽくなっているような気がする。
童顔ではないはずなのだけど、普段は雰囲気で可愛いって言われていたから少し嬉しい。
可愛いって言われるのが嫌なわけじゃないけどね!
「ここまで変わるものなのね……」
「私達はほとんど手をつけていませんわ。フィーナ様の素がよろしいのでそれを引き立てただけですよ」
「そんなことないわよ。謙遜しなくていいのよ?」
そう言い返す私。ここまで良くするのは技術が高くないと出来ないと思っているから。
でも……
「フィーナ様こそ謙遜しないでくださいませ」
……同じ言葉で言い返されてしまった。
そんな時、ジーク様が私の部屋に来てこう問いかけてきた。
「フィーナ、会場の最終確認手伝ってくれないか?」
「もちろんいいわよ」
そう返してジーク様の元へ駆け寄る私。
そのまま手を繋いで会場になるパーティー用の大きな部屋に向かった。
チェックとは言っても、すでに使用人さん達がチェックを済ませた後だから、乱れたりしている場所は無いと思うのよね……。
そんな風に疑問に思っていると、ジーク様が楽器の置いてあるところへ足を向けた。
ここにある楽器は、正確には楽器じゃなくて蓄音器という魔導具になっている。
演奏する人がいなくても、半永久的にいくつかの曲を流すことが出来るから、パーティーには欠かせないものになっている。
「練習に一曲踊ろう」
蓄音器を動かしてからそんなことを言ってくるジーク様。
普段なら問いかけの形なのに、今日は違うのね。
「質問じゃないのね……」
「嫌なら無理に頼まないが」
「嫌じゃないわよ! 久々だから上手く出来るか心配なだけよ」
「練習なんだから気にしなくていいだろ」
そう言って私の手をとるジーク様。
直後、曲が流れ始めたから私達はステップを踏み始めた。
「全く腕落ちてないね」
「そうかな……? 私はついていくので精一杯よ」
今流れてる曲が私の苦手な曲というのもあってジーク様の動きに合わせるだけでも結構大変になっている。
余裕を見せて相手をリードするなんて今は出来そうになかった。
「そう言ってる割には余裕そうだな?」
「少し早くされたら転んでしまわないか心配になるくらいに余裕は無いわよ」
「このスピードについて来れる人はほとんどいないから大丈夫だろ。俺もこの速さは結構キツイ」
「そうだったのね……」
今回のパーティーは私を試すような人がいなければ乗り切れそうね。
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