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104. レイラside 刑務所の生活
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「乗れ!」
そんな声と共に背中に衝撃が走り、私は乗合馬車のような造りの馬車の床に倒れ込んでしまいました。
この騎士は公爵令嬢の私に暴力を振るって無事でいられると思っているのか不思議ですわ。
「この私に暴力を振るっていいと思ってますの?」
「ああ、あんたは公爵令嬢ではないただの平民だからな。
あんたの親が罪を犯して公爵家は取り潰しになったはずだ。知らないのか?」
馬鹿にするような言い方でそう口にする騎士。
お父様が馬鹿なことをして家が取り潰しになったのは知ってますわ。
でも、だからってか弱い女性に暴力を振るうのは人がなってないとしか思えませんの。
「もちろん知ってますわよ? だからって、女性に暴力を振るうのは感心しませんわ」
「言うことを聞けば暴力なんて振るわん。文句を言う暇があればさっさと動くことだな」
「絶対に貴方の言うことなんて聞きませんわよ!」
「そうかそうか、せいぜい頑張れよ」
そう口にしながら、この腹立つ男と他の騎士2人が私の周りに乗ったところで馬車が動き出しました。
それからは羞恥と屈辱に耐える時間となってしまいましたわ。
昼食は平民が食べるような粗雑なものが出てくるのみ。それなのに、周りの騎士達は平民なのにも関わらずしっかりとした昼食を食べていました。
その後お花摘みに行きたくなった時は騎士3人に監視されながらするように言われてしまいましたわ……。
殿方に見られるなんて淑女としてこれ以上ないほどの屈辱ですから、我慢することにしました。
でも、半日も我慢なんて出来ませんでした。
粗相をしてしまいそうだったのでスカートで隠すのが雑になってしまったけど、一応見られてはいないようでしたわ。
3人のうち1人だけいやらしい目で見てきていたから、その騎士だけは後で痛い目に遭わせることに決めました。
それから、夜になって到着した場所は薄汚い……わけではなく、普通に整備されている宿舎のような場所でした。
「ここがお前の部屋だ。壊すなよ」
「分かりましたわ」
「一応説明しておくが、ここから出ることは出来ない。敷地から出た瞬間に最悪の場合死ぬから変な気は起こすなよ」
「そうなのですね、気をつけますわ」
私がそう返事をすると、その騎士は廊下の向こうに行ってしまいました。
部屋は内側から鍵をかけられるようになっていて、少し安心しましたわ。
ベッドも寝れない硬さではないから、案外普通に暮らせそうですわね。
……と思った自分を呪いたいですわ!
翌日からは、身体が悲鳴を上げても働かされ続ける地獄のような日々が待っていましたから……。
そんな声と共に背中に衝撃が走り、私は乗合馬車のような造りの馬車の床に倒れ込んでしまいました。
この騎士は公爵令嬢の私に暴力を振るって無事でいられると思っているのか不思議ですわ。
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「ああ、あんたは公爵令嬢ではないただの平民だからな。
あんたの親が罪を犯して公爵家は取り潰しになったはずだ。知らないのか?」
馬鹿にするような言い方でそう口にする騎士。
お父様が馬鹿なことをして家が取り潰しになったのは知ってますわ。
でも、だからってか弱い女性に暴力を振るうのは人がなってないとしか思えませんの。
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そう口にしながら、この腹立つ男と他の騎士2人が私の周りに乗ったところで馬車が動き出しました。
それからは羞恥と屈辱に耐える時間となってしまいましたわ。
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でも、半日も我慢なんて出来ませんでした。
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