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102. パーティー準備①

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 裁判が終わってから1週間、グレイヴに戻った私達はパーティーの準備で忙しくしていた。
 私とジーク様の婚約の発表もするパーティーだから、大規模なものになるらしく、準備もかなり大変になっている。

 会場の準備とかは使用人さんの仕事だから関係ないのだけど、招待状を書くのが大変なのよね……。


「ジーク様、これあと何枚あるの……?」

「ちょうど100枚だね」


 ついさっき私が書き上げた招待状を封筒に入れながら答えるジーク様。
 書く招待状は全部で167枚あるから、まだ3分の1しか書けていないことになる。


「朝から書いてるのにまだそれだけなのね……」

「これだけあるからね。まだ1週間あるから、今日中に終わらせなくてもいいんだよ?」

「週末はゆっくりしたいからもう少し頑張るわ」


 この量を書き終えるのは大変だけど、私から手伝うって言ったのだからやり切らない訳にはいかないから。


 再び招待状を書き始めてから少しして、ジーク様が心配そうにこう口にした。


「手、痛くなってないか?」

「少し痛いけど大丈夫よ」

「そうか。無理はするなよ?」

「うん」


 ジーク様の言葉に頷く私。
 ちょうどその時、部屋の外から使用人さんが呼ぶ声が聞こえてきた。


「昼食の用意が出来ましたのでダイニングまでお願いします」

「分かった、今行く。
 フィーナ、それ書き終わったら行こう」


 それから昼食を挟んで、夕方まで招待状を書き続けた。
 残りは40枚くらいだから、明日のお昼までには終わりそうね。

 今日の分の最後の1枚をジーク様に渡して息をつくと、さっきまで感じていなかった疲れが溢れてきてしまった。


「んん~~」

「お疲れ様。マッサージでもしようか?」

「お願いしようかな?」


 伸びをしているとジーク様がそんなことを言ってきたので、疑問系で返す私。
 すると、ジーク様は何故か嬉しそうな表情を浮かべてこう口にした。


「ソファーに横になって」


 そう言われてソファーにうつ伏せになった時だった。


「「マッサージなら私達にお任せください!」」


 別の作業をお願いしていた侍女さん達が声を揃えて私のところにやってきて、ジーク様が何かを言う前に私を囲ってしまった。
 私は残念なんて思ってはないのだけど、ジーク様がものすご~く残念そうにしている。


「もうすぐ夕食の時間ですので、簡単なマッサージにいたしますね!」

「ありがとう」


 そんな会話を終えると、早速侍女さん達が肩や背中をマッサージしていく。
 すぐに眠気が襲ってきたけど、夕食がまだだからなんとか耐えていたらあっという間に終わって夕食の時間になってしまった。


「フィーナのマッサージやりたかった……」

「そんなのいつでも出来るからいいじゃない? 明日、侍女さん達が忙しかったらジーク様にお願いするわ」

「ほんとか⁉︎ 楽しみすぎて今日は寝れないな……」

「もうっ、大袈裟よ」


 ジーク様、疲れでどこかおかしくなってるのかしら……?
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