102 / 155
102. パーティー準備①
しおりを挟む
裁判が終わってから1週間、グレイヴに戻った私達はパーティーの準備で忙しくしていた。
私とジーク様の婚約の発表もするパーティーだから、大規模なものになるらしく、準備もかなり大変になっている。
会場の準備とかは使用人さんの仕事だから関係ないのだけど、招待状を書くのが大変なのよね……。
「ジーク様、これあと何枚あるの……?」
「ちょうど100枚だね」
ついさっき私が書き上げた招待状を封筒に入れながら答えるジーク様。
書く招待状は全部で167枚あるから、まだ3分の1しか書けていないことになる。
「朝から書いてるのにまだそれだけなのね……」
「これだけあるからね。まだ1週間あるから、今日中に終わらせなくてもいいんだよ?」
「週末はゆっくりしたいからもう少し頑張るわ」
この量を書き終えるのは大変だけど、私から手伝うって言ったのだからやり切らない訳にはいかないから。
再び招待状を書き始めてから少しして、ジーク様が心配そうにこう口にした。
「手、痛くなってないか?」
「少し痛いけど大丈夫よ」
「そうか。無理はするなよ?」
「うん」
ジーク様の言葉に頷く私。
ちょうどその時、部屋の外から使用人さんが呼ぶ声が聞こえてきた。
「昼食の用意が出来ましたのでダイニングまでお願いします」
「分かった、今行く。
フィーナ、それ書き終わったら行こう」
それから昼食を挟んで、夕方まで招待状を書き続けた。
残りは40枚くらいだから、明日のお昼までには終わりそうね。
今日の分の最後の1枚をジーク様に渡して息をつくと、さっきまで感じていなかった疲れが溢れてきてしまった。
「んん~~」
「お疲れ様。マッサージでもしようか?」
「お願いしようかな?」
伸びをしているとジーク様がそんなことを言ってきたので、疑問系で返す私。
すると、ジーク様は何故か嬉しそうな表情を浮かべてこう口にした。
「ソファーに横になって」
そう言われてソファーにうつ伏せになった時だった。
「「マッサージなら私達にお任せください!」」
別の作業をお願いしていた侍女さん達が声を揃えて私のところにやってきて、ジーク様が何かを言う前に私を囲ってしまった。
私は残念なんて思ってはないのだけど、ジーク様がものすご~く残念そうにしている。
「もうすぐ夕食の時間ですので、簡単なマッサージにいたしますね!」
「ありがとう」
そんな会話を終えると、早速侍女さん達が肩や背中をマッサージしていく。
すぐに眠気が襲ってきたけど、夕食がまだだからなんとか耐えていたらあっという間に終わって夕食の時間になってしまった。
「フィーナのマッサージやりたかった……」
「そんなのいつでも出来るからいいじゃない? 明日、侍女さん達が忙しかったらジーク様にお願いするわ」
「ほんとか⁉︎ 楽しみすぎて今日は寝れないな……」
「もうっ、大袈裟よ」
ジーク様、疲れでどこかおかしくなってるのかしら……?
私とジーク様の婚約の発表もするパーティーだから、大規模なものになるらしく、準備もかなり大変になっている。
会場の準備とかは使用人さんの仕事だから関係ないのだけど、招待状を書くのが大変なのよね……。
「ジーク様、これあと何枚あるの……?」
「ちょうど100枚だね」
ついさっき私が書き上げた招待状を封筒に入れながら答えるジーク様。
書く招待状は全部で167枚あるから、まだ3分の1しか書けていないことになる。
「朝から書いてるのにまだそれだけなのね……」
「これだけあるからね。まだ1週間あるから、今日中に終わらせなくてもいいんだよ?」
「週末はゆっくりしたいからもう少し頑張るわ」
この量を書き終えるのは大変だけど、私から手伝うって言ったのだからやり切らない訳にはいかないから。
再び招待状を書き始めてから少しして、ジーク様が心配そうにこう口にした。
「手、痛くなってないか?」
「少し痛いけど大丈夫よ」
「そうか。無理はするなよ?」
「うん」
ジーク様の言葉に頷く私。
ちょうどその時、部屋の外から使用人さんが呼ぶ声が聞こえてきた。
「昼食の用意が出来ましたのでダイニングまでお願いします」
「分かった、今行く。
フィーナ、それ書き終わったら行こう」
それから昼食を挟んで、夕方まで招待状を書き続けた。
残りは40枚くらいだから、明日のお昼までには終わりそうね。
今日の分の最後の1枚をジーク様に渡して息をつくと、さっきまで感じていなかった疲れが溢れてきてしまった。
「んん~~」
「お疲れ様。マッサージでもしようか?」
「お願いしようかな?」
伸びをしているとジーク様がそんなことを言ってきたので、疑問系で返す私。
すると、ジーク様は何故か嬉しそうな表情を浮かべてこう口にした。
「ソファーに横になって」
そう言われてソファーにうつ伏せになった時だった。
「「マッサージなら私達にお任せください!」」
別の作業をお願いしていた侍女さん達が声を揃えて私のところにやってきて、ジーク様が何かを言う前に私を囲ってしまった。
私は残念なんて思ってはないのだけど、ジーク様がものすご~く残念そうにしている。
「もうすぐ夕食の時間ですので、簡単なマッサージにいたしますね!」
「ありがとう」
そんな会話を終えると、早速侍女さん達が肩や背中をマッサージしていく。
すぐに眠気が襲ってきたけど、夕食がまだだからなんとか耐えていたらあっという間に終わって夕食の時間になってしまった。
「フィーナのマッサージやりたかった……」
「そんなのいつでも出来るからいいじゃない? 明日、侍女さん達が忙しかったらジーク様にお願いするわ」
「ほんとか⁉︎ 楽しみすぎて今日は寝れないな……」
「もうっ、大袈裟よ」
ジーク様、疲れでどこかおかしくなってるのかしら……?
40
お気に入りに追加
5,334
あなたにおすすめの小説

侯爵家のお飾り妻をやめたら、王太子様からの溺愛が始まりました。
二位関りをん
恋愛
子爵令嬢メアリーが侯爵家当主ウィルソンに嫁いで、はや1年。その間挨拶くらいしか会話は無く、夜の営みも無かった。
そんな中ウィルソンから子供が出来たと語る男爵令嬢アンナを愛人として迎えたいと言われたメアリーはショックを受ける。しかもアンナはウィルソンにメアリーを陥れる嘘を付き、ウィルソンはそれを信じていたのだった。
ある日、色々あって職業案内所へ訪れたメアリーは秒速で王宮の女官に合格。結婚生活は1年を過ぎ、離婚成立の条件も整っていたため、メアリーは思い切ってウィルソンに離婚届をつきつけた。
そして王宮の女官になったメアリーは、王太子レアードからある提案を受けて……?
※世界観などゆるゆるです。温かい目で見てください

今世ではあなたと結婚なんてお断りです!
水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。
正確には、夫とその愛人である私の親友に。
夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。
もう二度とあんな目に遭いたくない。
今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。
あなたの人生なんて知ったことではないけれど、
破滅するまで見守ってさしあげますわ!
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。
千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。
だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。
いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……?
と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

婚約者様は大変お素敵でございます
ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。
あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。
それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた──
設定はゆるゆるご都合主義です。

私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる