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67. お屋敷での過ごし方①

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 本邸で過ごすようになってから2日、お父様から事件の詳細について書かれた手紙が届いた。

 手紙には、お母様がサーペンス公爵家の不正の証拠を掴んでいたということが書かれていた。

 黒幕はサーペンス公爵家で間違いなさそうね……。

 今は襲撃の首謀者を探しているみたいで、フィーナも気をつけるように、ということも書かれている。

 手紙を読み進めると、お父様も襲撃を受けたという内容が目に入った。
 襲撃されると予想して対策していたみたいだけど。



 手紙を読み終えると、さっきから私の様子を見ていたジーク様に声をかけられた。


「フィーナ、その手紙って家から送られてきたのか?」

「はい」

「襲撃のことが書かれてたら見せてくれると助かる」

「大したことは書かれていませんよ?」

「それでも大丈夫だ」


 手紙を渡すと、ジーク様はそう口にして目を通し始めた。


「まだ進展はなさそうだな。原因が分かっただけでも大きいけど。
 まだ屋敷の外には出ないで欲しいけど、辛かったら言って」

「これくらい大丈夫ですよ。ジーク様は心配し過ぎです」

「し過ぎなくらいでいい。気付けない方が嫌だから」


 最近ジーク様が過保護になってる気がするのは気のせいかしら……?

 一緒に鳴らすと幸せになれると言われている鐘をジーク様と鳴らした時は、周りをかなり警戒していたのよね……。



 そんなことを思い出しながら手紙の返事を書いていると、ティアナさんが部屋の外から声をかけてきた。


「フィーナ様、昼食の用意が出来ました。冷めないうちに来てくださいね」

「分かったわ」


 あと少しで返事が書き終わりそうなのに……。
 でも、書き続けたせいで料理が冷めてしまっては料理人さんに申し訳ないから、一旦中断してダイニングに向かった。



「お待たせしました!」

「先食べ始めててごめんね~」


 ダイニングに着くと、ソフィア様がそう口にした。
 うちもそうだったけど、アトランタ家は必ず同時に食べ始める訳ではないから、これは普通の光景になっている。

 みんな急いで食べるわけではないから少し遅れても会話は楽しめるし、待っていて料理が冷めてしまうこともないもの。


「フィーナ、後でやって欲しいことがあるんだけどいいかな?」

「手紙を書いてからなら大丈夫です」


 昼食を終える前にジーク様にお願いをされたから、そう返事をした。



 その後、部屋に戻って数分で手紙を書き終えて、送るためにユリウスさんを探していたら、ジーク様の部屋の前で何かを話しているところを見つけた。


「ユリウスさん、これをお父様にお願い」


 会話が途切れたところで声をかけると、ジーク様まで振り向いた。


「かしこまりました。今日中にお送りします」

「ありがとう」


 私がお礼を言うと、ジーク様かこう尋ねてきた。


「もう頼みごとしてもいいかな?」

「はい」

「じゃあついて来て」


 そう言われてついて行った場所には、沢山のドレスや見たことのない形の服がある場所だった。
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