64 / 155
64. 届いた知らせ
しおりを挟む
「「お帰りなさいませ!」」
辺境伯領のお屋敷に無事に到着し、使用人さん達に出迎えられる私達。
ちなみに、ジーク様は今日からここで過ごすらしく、私もここで寝泊りさせてもらうことになっている。
いつの間にかジーク様の修行が終わっていたことを聞かされた時は驚いたけど、「信頼出来る女性とお付き合いしていることが終わる条件だった」と聞かされて納得した。
修行中はお屋敷に戻れないはずなのに、どうやって関係を築くのか気になって質問してみたら、普通は婚約が決まってる状態で修行が始まると教えてくれた。
ジーク様、イケメンなのにモテなかったのかな……?
……そんなわけないよね。
私が馬車の中での会話を思い出していると、侍女さんが近付いてきてこう口にした。
「フィーナ様、ご家族から急ぎのお手紙が届いております。早めにご確認ください」
「分かったわ。ペーパーナイフ貸してもらえないかしら?」
「こちらにご用意しております」
侍女さんから受け取ったペーパーナイフで封を開けて中身を読む私。
すぐに衝撃的な内容が目に入り、思わず声を漏らしてしまった。
「お母様が……? どうして……⁉︎」
「何かあったのか?」
「お母様が襲撃されて大怪我を負ってしまったみたいです……」
私がそう説明すると、ジーク様はこう質問してきた。
「命に関わるような怪我なのか?」
「そういうわけでは無さそうです」
「そうか、それは良かった。襲撃される理由に心当たりはあるか?」
「いえ、最近は無いです」
普段の襲撃は、お父様に悪行を暴かれた人が腹いせに襲ってくることがほとんどだった。
そのほとんどは弱くて護衛さんが余裕で対処していた。
私は護衛さんと離れた時に襲われたことがあるけど、護身用の簡単な攻撃魔法で撃退出来る程度だった。
今回の襲撃はいつもと何かが違うから、嫌な予感がするわ……。
「フィーナは襲撃されたことあるか?」
「何回かありますけど、全部相手は弱かったです」
「今回の襲撃者は相当フィーナの家族を恨んでいると思う。念のため、外に出る時は護衛を付けて行動してくれ。
屋敷から出ないのが一番だが、それは嫌だろう?」
申し訳なさそうにそう口にするジーク様。
私を閉じ込めるのは嫌なのかな……?
「ずっとお屋敷に籠るのは少し辛いですけど、出来る限り外出しないようにしますね。
なんとなくですけど、嫌な予感がするので……」
「そうしてもらえると助かる。国が違うから可能性は低いと思うが、ゼロではないからな」
この後、私が使わせてもらう部屋に案内してもらい、急いで手紙の返事を書いた。
それからお屋敷を案内してもらっていたら、いつの間にか日が暮れていた。
辺境伯領のお屋敷に無事に到着し、使用人さん達に出迎えられる私達。
ちなみに、ジーク様は今日からここで過ごすらしく、私もここで寝泊りさせてもらうことになっている。
いつの間にかジーク様の修行が終わっていたことを聞かされた時は驚いたけど、「信頼出来る女性とお付き合いしていることが終わる条件だった」と聞かされて納得した。
修行中はお屋敷に戻れないはずなのに、どうやって関係を築くのか気になって質問してみたら、普通は婚約が決まってる状態で修行が始まると教えてくれた。
ジーク様、イケメンなのにモテなかったのかな……?
……そんなわけないよね。
私が馬車の中での会話を思い出していると、侍女さんが近付いてきてこう口にした。
「フィーナ様、ご家族から急ぎのお手紙が届いております。早めにご確認ください」
「分かったわ。ペーパーナイフ貸してもらえないかしら?」
「こちらにご用意しております」
侍女さんから受け取ったペーパーナイフで封を開けて中身を読む私。
すぐに衝撃的な内容が目に入り、思わず声を漏らしてしまった。
「お母様が……? どうして……⁉︎」
「何かあったのか?」
「お母様が襲撃されて大怪我を負ってしまったみたいです……」
私がそう説明すると、ジーク様はこう質問してきた。
「命に関わるような怪我なのか?」
「そういうわけでは無さそうです」
「そうか、それは良かった。襲撃される理由に心当たりはあるか?」
「いえ、最近は無いです」
普段の襲撃は、お父様に悪行を暴かれた人が腹いせに襲ってくることがほとんどだった。
そのほとんどは弱くて護衛さんが余裕で対処していた。
私は護衛さんと離れた時に襲われたことがあるけど、護身用の簡単な攻撃魔法で撃退出来る程度だった。
今回の襲撃はいつもと何かが違うから、嫌な予感がするわ……。
「フィーナは襲撃されたことあるか?」
「何回かありますけど、全部相手は弱かったです」
「今回の襲撃者は相当フィーナの家族を恨んでいると思う。念のため、外に出る時は護衛を付けて行動してくれ。
屋敷から出ないのが一番だが、それは嫌だろう?」
申し訳なさそうにそう口にするジーク様。
私を閉じ込めるのは嫌なのかな……?
「ずっとお屋敷に籠るのは少し辛いですけど、出来る限り外出しないようにしますね。
なんとなくですけど、嫌な予感がするので……」
「そうしてもらえると助かる。国が違うから可能性は低いと思うが、ゼロではないからな」
この後、私が使わせてもらう部屋に案内してもらい、急いで手紙の返事を書いた。
それからお屋敷を案内してもらっていたら、いつの間にか日が暮れていた。
3
お気に入りに追加
5,229
あなたにおすすめの小説
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します!
Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。
転生前も寝たきりだったのに。
次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。
でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。
何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。
病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。
過去を克服し、二人の行く末は?
ハッピーエンド、結婚へ!
私、侯爵令嬢ですが、家族から疎まれ、皇太子妃になる予定が、国難を救うとかの理由で、野蛮な他国に嫁ぐことになりました。でも、結果オーライです
もぐすけ
恋愛
カトリーヌは王国有数の貴族であるアードレー侯爵家の長女で、十七歳で学園を卒業したあと、皇太子妃になる予定だった。
ところが、幼少時にアードレー家の跡継ぎだった兄を自分のせいで事故死させてしまってから、運命が暗転する。両親から疎まれ、妹と使用人から虐められる日々を過ごすことになったのだ。
十二歳で全寮制の学園に入ってからは勉学に集中できる生活を過ごせるようになるが、カトリーヌは兄を事故死させた自分を許すことが出来ず、時間を惜しんで自己研磨を続ける。王妃になって世のため人のために尽くすことが、兄への一番の償いと信じていたためだった。
しかし、妹のシャルロットと王国の皇太子の策略で、カトリーヌは王国の皇太子妃ではなく、戦争好きの野蛮人の国の皇太子妃として嫁がされてしまう。
だが、野蛮だと思われていた国は、実は合理性を追求して日進月歩する文明国で、そこの皇太子のヒューイは、頭脳明晰で行動力がある超美形の男子だった。
カトリーヌはヒューイと出会い、兄の呪縛から少しずつ解き放され、遂にはヒューイを深く愛するようになる。
一方、妹のシャルロットは王国の王妃になるが、思い描いていた生活とは異なり、王国もアードレー家も力を失って行く……
妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
星名柚花
恋愛
魔法が使えない伯爵令嬢セレスティアには美しい双子の妹・イノーラがいる。
国一番の魔力を持つイノーラは我儘な暴君で、セレスティアから婚約者まで奪った。
「もう無理、もう耐えられない!!」
イノーラの結婚式に無理やり参列させられたセレスティアは逃亡を決意。
「セラ」という偽名を使い、遠く離れたロドリー王国で侍女として働き始めた。
そこでセラには唯一無二のとんでもない魔法が使えることが判明する。
猫になる魔法をかけられた女性不信のユリウス。
表情筋が死んでいるユリウスの弟ノエル。
溺愛してくる魔法使いのリュオン。
彼らと共に暮らしながら、幸せに満ちたセラの新しい日々が始まる――
※他サイトにも投稿しています。
俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。
ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。
俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。
そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。
こんな女とは婚約解消だ。
この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。
選ばれたのは私以外でした 白い結婚、上等です!
凛蓮月
恋愛
【第16回恋愛小説大賞特別賞を頂き、書籍化されました。
紙、電子にて好評発売中です。よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
婚約者だった王太子は、聖女を選んだ。
王命で結婚した相手には、愛する人がいた。
お飾りの妻としている間に出会った人は、そもそも女を否定した。
──私は選ばれない。
って思っていたら。
「改めてきみに求婚するよ」
そう言ってきたのは騎士団長。
きみの力が必要だ? 王都が不穏だから守らせてくれ?
でもしばらくは白い結婚?
……分かりました、白い結婚、上等です!
【恋愛大賞(最終日確認)大賞pt別二位で終了できました。投票頂いた皆様、ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾応援ありがとうございました!
ホトラン入り、エール、投票もありがとうございました!】
※なんてあらすじですが、作者の脳内の魔法のある異世界のお話です。
※ヒーローとの本格的な恋愛は、中盤くらいからです。
※恋愛大賞参加作品なので、感想欄を開きます。
よろしければお寄せ下さい。当作品への感想は全て承認します。
※登場人物への口撃は可ですが、他の読者様への口撃は作者からの吹き矢が飛んできます。ご注意下さい。
※鋭い感想ありがとうございます。返信はネタバレしないよう気を付けます。すぐネタバレペロリーナが発動しそうになります(汗)
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
ふしだらな悪役令嬢として公開処刑される直前に聖女覚醒、婚約破棄の破棄?ご冗談でしょ(笑)
青の雀
恋愛
病弱な公爵令嬢ビクトリアは、卒業式の日にロバート王太子殿下から婚約破棄されてしまう。病弱なためあまり学園に行っていなかったことを男と浮気していたせいだ。おまけに王太子の浮気相手の令嬢を虐めていたとさえも、と勝手に冤罪を吹っかけられ、断罪されてしまいます。
父のストロベリー公爵は、王家に冤罪だと掛け合うものの、公開処刑の日時が決まる。
断頭台に引きずり出されたビクトリアは、最後に神に祈りを捧げます。
ビクトリアの身体から突然、黄金色の光が放たれ、苛立っていた観衆は穏やかな気持ちに変わっていく。
慌てた王家は、処刑を取りやめにするが……という話にする予定です。
お気づきになられている方もいらっしゃるかと存じますが
この小説は、同じ世界観で
1.みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
2.婚約破棄された悪役令嬢は女神様!? 開国の祖を追放した国は滅びの道まっしぐら
3.転生者のヒロインを虐めた悪役令嬢は聖女様!? 国外追放の罪を許してやるからと言っても後の祭りです。
全部、話として続いています。ひとつずつ読んでいただいても、わかるようにはしています。
続編というのか?スピンオフというのかは、わかりません。
本来は、章として区切るべきだったとは、思います。
コンテンツを分けずに章として連載することにしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる