51 / 155
51. 竜王国の王都②
しおりを挟む
「ここは貴族向けの商店街だから、一度来ておいた方がいいと思ったんだ。気になる店があれば入ろう」
ジーク様がそう紹介してくれて、ここで降りる理由を理解した。
言われてみれば、お洒落なデザインのお店が多い気がする。
どのお店もローザニアみたいに豪華ではないから、最初は「何もない」と思ってしまったのよね……。
馬車を降りると、ジーク様が私の手を握ってきた。
「外では恥ずかしいです……」
誰かに見られるのが恥ずかしくてそう言ってみれば、「みんなやってることだし恥ずかしくないよ」と言われてしまった。
「みんなって、実際に見たのですか?」
そう聞いてみれば、視線を逸らすジーク様。
これは見ないで言ってるわね!
でも……可哀想だし、守られてるって感じが心地よいから手は繋ぐことにした。
幸いにも周りには殿方しかいから社交界で噂されることはないよね……?
気になっちゃうから気にしないようにしよう……。
色々気にしてしまったけど、恥ずかしさを紛らわすためにも王都を満喫することとに決めた私。
早速、ジーク様に色々と聞くことにした。
「この辺はどんなお店がありますの?」
「色々あるよ。服も宝石の類も、生花を扱ってる店もあるよ」
「普段はここでなんでも揃うのですね?」
「ああ」
そんな会話をしながら歩いている途中、私は服を扱っているお店の前で足を止めた。
「このお店、入ってもいいですか?」
「ああ」
ジーク様にそう言ってもらえてたから、私はドレスやお洋服を扱っているお店に入った。
ここに来たのは、手持ちの服が圧倒的に少ないのをなんとかしたいから。
ちなみにだけど、お金はジーク様が払ってくれるから安心して買うことができる。
宝石を売ろうと準備していたところをジーク様に見つかって問い詰められた時は焦ったけど、私のことを思ってのことだったから安心したのが昨夜の話。
だから、あまり高いものを買うつもりはない。
元々あまり贅沢をしていないのもあるけど、ジーク様に申し訳ないから。
お店に入った私は早速好みのデザインのものを探している。
お店の中はサイズごとに場所が分かれているから、あまり歩き回る必要はない。
ちなみに、このお店は完成品だけを扱っているけれど、完成を待たなくていいというのもあって人気らしい。
「ジーク様、これどう思いますか?」
「うーん、どうだろう……。似合ってはいるんだけど、外行きで着るならもう少し飾り気の多い方がいいと思う
とりあえず、試着してみて」
そう言われて試着室に連行される私。
自分で行けるから離して欲しいのだけど……。
「どうでしょうか……?」
「うん、いいと思うよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、次これ着てみて」
そう言って少し可愛らしいデザインのワンピースを差し出すジーク様。
私が着替えてる間に持ってきていたみたいです。
「どうですか?」
「ちょっと派手すぎたね……。こっちはどう?」
この後、2時間近くかけて20着以上も試着してしまった。
その中から10着ほど選んでジーク様に買ってもらった。
ここのお店のドレスは完成品を売ってるけど、全く同じデザインのものは売っていないらしいから、お茶会などで服が被る事はないみたい。
買ったものを王都にあるお屋敷に届けるようにお店の人にお願いして店を出た私はこう口にした。
「時間かけすぎてしまってごめんなさい……」
「予定通りだから安心して。さ、次のところに行こう」
そう言いながら自然な感じで手を差し出してくるジーク様。
私は「はいっ」と返事をしてその手をとった。
この後、途中でレストランに寄ったり、アクセサリーを扱うお店や本を扱っているお店などに1時間ずつくらい滞在してからお屋敷に戻った。
その時には日がすっかり暮れていた。
ジーク様がそう紹介してくれて、ここで降りる理由を理解した。
言われてみれば、お洒落なデザインのお店が多い気がする。
どのお店もローザニアみたいに豪華ではないから、最初は「何もない」と思ってしまったのよね……。
馬車を降りると、ジーク様が私の手を握ってきた。
「外では恥ずかしいです……」
誰かに見られるのが恥ずかしくてそう言ってみれば、「みんなやってることだし恥ずかしくないよ」と言われてしまった。
「みんなって、実際に見たのですか?」
そう聞いてみれば、視線を逸らすジーク様。
これは見ないで言ってるわね!
でも……可哀想だし、守られてるって感じが心地よいから手は繋ぐことにした。
幸いにも周りには殿方しかいから社交界で噂されることはないよね……?
気になっちゃうから気にしないようにしよう……。
色々気にしてしまったけど、恥ずかしさを紛らわすためにも王都を満喫することとに決めた私。
早速、ジーク様に色々と聞くことにした。
「この辺はどんなお店がありますの?」
「色々あるよ。服も宝石の類も、生花を扱ってる店もあるよ」
「普段はここでなんでも揃うのですね?」
「ああ」
そんな会話をしながら歩いている途中、私は服を扱っているお店の前で足を止めた。
「このお店、入ってもいいですか?」
「ああ」
ジーク様にそう言ってもらえてたから、私はドレスやお洋服を扱っているお店に入った。
ここに来たのは、手持ちの服が圧倒的に少ないのをなんとかしたいから。
ちなみにだけど、お金はジーク様が払ってくれるから安心して買うことができる。
宝石を売ろうと準備していたところをジーク様に見つかって問い詰められた時は焦ったけど、私のことを思ってのことだったから安心したのが昨夜の話。
だから、あまり高いものを買うつもりはない。
元々あまり贅沢をしていないのもあるけど、ジーク様に申し訳ないから。
お店に入った私は早速好みのデザインのものを探している。
お店の中はサイズごとに場所が分かれているから、あまり歩き回る必要はない。
ちなみに、このお店は完成品だけを扱っているけれど、完成を待たなくていいというのもあって人気らしい。
「ジーク様、これどう思いますか?」
「うーん、どうだろう……。似合ってはいるんだけど、外行きで着るならもう少し飾り気の多い方がいいと思う
とりあえず、試着してみて」
そう言われて試着室に連行される私。
自分で行けるから離して欲しいのだけど……。
「どうでしょうか……?」
「うん、いいと思うよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、次これ着てみて」
そう言って少し可愛らしいデザインのワンピースを差し出すジーク様。
私が着替えてる間に持ってきていたみたいです。
「どうですか?」
「ちょっと派手すぎたね……。こっちはどう?」
この後、2時間近くかけて20着以上も試着してしまった。
その中から10着ほど選んでジーク様に買ってもらった。
ここのお店のドレスは完成品を売ってるけど、全く同じデザインのものは売っていないらしいから、お茶会などで服が被る事はないみたい。
買ったものを王都にあるお屋敷に届けるようにお店の人にお願いして店を出た私はこう口にした。
「時間かけすぎてしまってごめんなさい……」
「予定通りだから安心して。さ、次のところに行こう」
そう言いながら自然な感じで手を差し出してくるジーク様。
私は「はいっ」と返事をしてその手をとった。
この後、途中でレストランに寄ったり、アクセサリーを扱うお店や本を扱っているお店などに1時間ずつくらい滞在してからお屋敷に戻った。
その時には日がすっかり暮れていた。
3
お気に入りに追加
5,229
あなたにおすすめの小説
妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。
しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。
それを指示したのは、妹であるエライザであった。
姉が幸せになることを憎んだのだ。
容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、
顔が醜いことから蔑まされてきた自分。
やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。
しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。
幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。
もう二度と死なない。
そう、心に決めて。
妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
星名柚花
恋愛
魔法が使えない伯爵令嬢セレスティアには美しい双子の妹・イノーラがいる。
国一番の魔力を持つイノーラは我儘な暴君で、セレスティアから婚約者まで奪った。
「もう無理、もう耐えられない!!」
イノーラの結婚式に無理やり参列させられたセレスティアは逃亡を決意。
「セラ」という偽名を使い、遠く離れたロドリー王国で侍女として働き始めた。
そこでセラには唯一無二のとんでもない魔法が使えることが判明する。
猫になる魔法をかけられた女性不信のユリウス。
表情筋が死んでいるユリウスの弟ノエル。
溺愛してくる魔法使いのリュオン。
彼らと共に暮らしながら、幸せに満ちたセラの新しい日々が始まる――
※他サイトにも投稿しています。
公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
今さら跡継ぎと持ち上げたって遅いです。完全に心を閉ざします
匿名希望ショタ
恋愛
血筋&魔法至上主義の公爵家に生まれた魔法を使えない女の子は落ちこぼれとして小さい窓しかない薄暗く汚い地下室に閉じ込められていた。当然ネズミも出て食事でさえ最低限の量を一日一食しか貰えない。そして兄弟達や使用人達が私をストレスのはけ口にしにやってくる。
その環境で女の子の心は崩壊していた。心を完全に閉ざし無表情で短い返事だけするただの人形に成り果ててしまったのだった。
そんな時兄弟達や両親が立て続けに流行病で亡くなり跡継ぎとなった。その瞬間周りの態度が180度変わったのだ。
でも私は完全に心を閉ざします
愛する婚約者に殺された公爵令嬢、死に戻りして光の公爵様(お父様)の溺愛に気づく 〜今度こそ、生きて幸せになります〜
あーもんど
恋愛
「愛だの恋だのくだらない」
そう吐き捨てる婚約者に、命を奪われた公爵令嬢ベアトリス。
何もかもに絶望し、死を受け入れるものの……目を覚ますと、過去に戻っていて!?
しかも、謎の青年が現れ、逆行の理由は公爵にあると宣う。
よくよく話を聞いてみると、ベアトリスの父────『光の公爵様』は娘の死を受けて、狂ってしまったらしい。
その結果、世界は滅亡の危機へと追いやられ……青年は仲間と共に、慌てて逆行してきたとのこと。
────ベアトリスを死なせないために。
「いいか?よく聞け!光の公爵様を闇堕ちさせない、たった一つの方法……それは────愛娘であるお前が生きて、幸せになることだ!」
ずっと父親に恨まれていると思っていたベアトリスは、青年の言葉をなかなか信じられなかった。
でも、長年自分を虐げてきた家庭教師が父の手によって居なくなり……少しずつ日常は変化していく。
「私……お父様にちゃんと愛されていたんだ」
不器用で……でも、とてつもなく大きな愛情を向けられていると気づき、ベアトリスはようやく生きる決意を固めた。
────今度こそ、本当の幸せを手に入れてみせる。
もう偽りの愛情には、縋らない。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
*溺愛パパをメインとして書くのは初めてなので、暖かく見守っていただけますと幸いですm(_ _)m*
目を覚ました気弱な彼女は腹黒令嬢になり復讐する
音爽(ネソウ)
恋愛
家族と婚約者に虐げられてきた伯爵令嬢ジーン・ベンスは日々のストレスが重なり、高熱を出して寝込んだ。彼女は悪夢にうなされ続けた、夢の中でまで冷遇される理不尽さに激怒する。そして、目覚めた時彼女は気弱な自分を払拭して復讐に燃えるのだった。
旦那様、離婚しましょう
榎夜
恋愛
私と旦那は、いわゆる『白い結婚』というやつだ。
手を繋いだどころか、夜を共にしたこともありません。
ですが、とある時に浮気相手が懐妊した、との報告がありました。
なので邪魔者は消えさせてもらいますね
*『旦那様、離婚しましょう~私は冒険者になるのでお構いなく!~』と登場人物は同じ
本当はこんな感じにしたかったのに主が詰め込みすぎて......
【完結】離縁の理由は愛されたいと思ったからです
さこの
恋愛
①私のプライバシー、プライベートに侵害する事は許さない
②白い結婚とする
③アグネスを虐めてはならない
④侯爵家の夫人として務めよ
⑤私の金の使い道に異論は唱えない
⑥王家主催のパーティー以外出席はしない
私に愛されたいと思うなよ? 結婚前の契約でした。
私は十六歳。相手は二十四歳の年の差婚でした。
結婚式に憧れていたのに……
ホットランキング入りありがとうございます
2022/03/27
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる