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47. フィーナ母side 王妃様の愚痴(2)

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「最近クラウスの態度が酷くて困ってるのよね。注意しようとしても部屋に入れてくれないのよね。
 どうすればいいと思う?」


 そう言ってため息を吐くエレノア。
 クラウス殿下には私も思うところがあるから、こう提案してみました。


「いっそのこと追い出してみたら?」

「それもそうね……。国政のこともクラウスよりもアランの方が優秀だもの。困ることはないわ。
 問題は私にその権限が無いことね」


 二人で話し合った結果、陛下に頼む以外の方法が見つかりませんでした。


 結局、この話題はあまり続かず、普通にお茶をすることになりました。


「そういえば、陛下は今どんな状態なの?」

「今は起き上がれるまで回復したけど、まだ魔力が安定しないから絶対安静にするようにとお医者様に言われているわ」

「そうなのね……」

「ええ。でも、お話くらいは出来るわよ?
 今朝、アイリスとソーラスに謝りたいと言って聞かなかったのよ」

「陛下は状況を把握してるってこと?」

「昨晩、大臣と私が説明したの。レオン、相当怒っていたわ」


 温厚であるはずの陛下が怒るなんて滅多にありません。
 なので、正直に言って何が起こるか全く予想できません。

 エレノアが説明してくれた後、部屋の扉が叩かれました。


「エレノア様、アイリス様、陛下がお呼びです」

「分かったわ。無理しないでって言ったのに……」


 陛下から呼び出されてしまい、陛下のいらっしゃる部屋に向かうのでした。


 陛下の部屋が見えるところまで行くと、ちょうど向かい側からソーラスが来ているのが見えました。
 どうやら彼も陛下から呼ばれたようです。


「ソーラスも呼ばれたのね?」

「ああ。許可を取る手間が省けたから助かったよ」


 そう会話を始めたのですが、続きを話す間もなく部屋の中から「入れ!」という声が聞こえてきました。


「失礼します」


 ソーラスに続いて部屋に入ると、管を通して魔導装置に繋がれた陛下の姿が見えました。


「まず、そなたたちに謝罪をさせてほしい。此度の件、本当に済まなかった」


 ベッドから起き上がり、頭を下げる陛下。
 私達は慌ててそれを制して横になるようにお願いしました。


「陛下、まだ万全ではないのですから横になっていてください! 謝罪は言葉だけで結構です」

「分かった……。もう身体は元気だから油断してしまった」

「はぁ……。その件についてっですが、報告があります。
 クラウス殿下が惚れ薬を盛られていたことが判明いたしました」


 ソーラス、なに陛下に向かってため息ついてるのよ……?

 これくらいではお咎めが無いと分かっていても、無礼は良く無いと思うので、ため息をついた直後に脇腹を突きました。


「魅了作用のあるものかね?」

「その通りでございます。魅了魔法がかけられていました」

「そうか……。魅了されているかも知れんクラウスに政治は任せられない。エレ、しばらくの間国を任せてもいいか?」


 陛下が重苦しい口調でそう口にします。

 殿下が何者かに魅了されていれば、国として大問題ですから、陛下がこの判断を下すのも頷けます。


「分かりましたわ。ですけど、そういったことはアランの方が良いのではないですか?」

「アランよりもエレの方が国政を見てきているからな。そうだな、2人で協力してやってくれ」


 陛下がそう口にした瞬間、一瞬だけエレノアが嫌そうな顔をしました。
 国政をやりたくないみたいですね。

 正直、面倒そうですもの。
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