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37. 関係の変化①
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調整を終えてジーク様の家に帰った私はすぐに違和感に気付いた。
ジーク様が私と目を合わせてくれなかったから。
目を合わせようとすると視線を逸らされるから、不安になってきた。
……ジーク様に嫌われてしまったのかしら?
嫌われるような事をした覚えは無いけど、不安になったのでティアナさんに相談することにした。
ティアナさんなら私とジーク様の会話のほとんどを見ている筈だから。
「ティアナさん、私ジーク様に嫌われるようなことをしてしまったのでしょうか?」
こっそりジーク様のいない部屋に来てもらって尋ねる私。
ティアナさんはジーク様のいる方を遠い目で見てからこう答えてくれた。
「いいえ、大丈夫ですよ。ジーク様は悩んでいるだけですので」
「そうですか……」
なんで悩んでいるのか気になったけど、ティアナさんが大丈夫と言うから気にしないことにした。
その直後、部屋の扉が勢いよく開けられてジーク様が入ってきて、驚いた私が声を上げるよりも早くこう口にした。
「フィーナ、後で庭に来てくれないか?」
「じ、ジーク様!?」
今の会話、絶対に聞かれたよね……。
「今の会話聞いていましたか?」
僅かな希望に縋ってそう聞いてみると、ジーク様はこう答えた。
「ティアナが俺を貶しているのは聞こえたぞ」
「そうですか……」
「それで、庭には来てもらえるか?」
「は、はいっ。……いつ行けばよろしいでしょうか?」
質問に答えていないことに気付いて慌てる私。
慌てすぎて声が少し裏返ってしまった。
「昼食後に呼ぶからその時に来てくれ」
「分かりましたわ」
なんとか落ち着いてそう答えれば、何故かティアナさんが微笑みを浮かべていた。
私のせいでジーク様を貶しているのを聞かれてたのに、大丈夫なのかな……?
それからしばらくして、昼食を終えた私はジーク様と庭に来ていた。
別邸なのにも関わらず手入れが行き届いているこの場所は、本を読んだりするのに使っている。
綺麗な花がたくさん咲いているから居るだけでも癒される。
でも、わざわざこんなところで話す必要のある事がなんなのか、私には想像が出来なかった。
私がジーク様の言葉を待っていると、彼は「急に呼び出して済まない」と前置きして、全く予想していない言葉を口にした。
「初めて出会った時から貴女のことが好きだったんです。僕と付き合ってくれませんか?」
えっ……こ、告白ーー⁉︎
驚きすぎて瞬きしか出来ない私。
と、とりあえず深呼吸して……。
「えっと……」
ジーク様のことは気になっているけど、まだ好きって気持ちじゃないし……。
付き合うだけならいつでも別れられるけど、ここで断ってしまったら好きになった時に気持ちを打ち明けられない気がするから……。
ど、どうしよう……!
お付き合いしちゃおうかな……。
女性の気配が無いジーク様なら浮気されることも無さそうだし、決めたわ。
「私でよければ、よろしくお願いします……」
直接目を合わせるのが恥ずかしくて、少し俯きながらそう答えた。
「それは付き合ってくれるってこと?」
「そ、そうですよっ!」
……なんでこんな恥ずかしい目に遭わなきゃいけないの⁉︎
「フィーナ、受け入れてくれてありがとう」
「はい……」
どうしよう……しばらくジーク様の目を見れそうにないわ……。
ジーク様が私と目を合わせてくれなかったから。
目を合わせようとすると視線を逸らされるから、不安になってきた。
……ジーク様に嫌われてしまったのかしら?
嫌われるような事をした覚えは無いけど、不安になったのでティアナさんに相談することにした。
ティアナさんなら私とジーク様の会話のほとんどを見ている筈だから。
「ティアナさん、私ジーク様に嫌われるようなことをしてしまったのでしょうか?」
こっそりジーク様のいない部屋に来てもらって尋ねる私。
ティアナさんはジーク様のいる方を遠い目で見てからこう答えてくれた。
「いいえ、大丈夫ですよ。ジーク様は悩んでいるだけですので」
「そうですか……」
なんで悩んでいるのか気になったけど、ティアナさんが大丈夫と言うから気にしないことにした。
その直後、部屋の扉が勢いよく開けられてジーク様が入ってきて、驚いた私が声を上げるよりも早くこう口にした。
「フィーナ、後で庭に来てくれないか?」
「じ、ジーク様!?」
今の会話、絶対に聞かれたよね……。
「今の会話聞いていましたか?」
僅かな希望に縋ってそう聞いてみると、ジーク様はこう答えた。
「ティアナが俺を貶しているのは聞こえたぞ」
「そうですか……」
「それで、庭には来てもらえるか?」
「は、はいっ。……いつ行けばよろしいでしょうか?」
質問に答えていないことに気付いて慌てる私。
慌てすぎて声が少し裏返ってしまった。
「昼食後に呼ぶからその時に来てくれ」
「分かりましたわ」
なんとか落ち着いてそう答えれば、何故かティアナさんが微笑みを浮かべていた。
私のせいでジーク様を貶しているのを聞かれてたのに、大丈夫なのかな……?
それからしばらくして、昼食を終えた私はジーク様と庭に来ていた。
別邸なのにも関わらず手入れが行き届いているこの場所は、本を読んだりするのに使っている。
綺麗な花がたくさん咲いているから居るだけでも癒される。
でも、わざわざこんなところで話す必要のある事がなんなのか、私には想像が出来なかった。
私がジーク様の言葉を待っていると、彼は「急に呼び出して済まない」と前置きして、全く予想していない言葉を口にした。
「初めて出会った時から貴女のことが好きだったんです。僕と付き合ってくれませんか?」
えっ……こ、告白ーー⁉︎
驚きすぎて瞬きしか出来ない私。
と、とりあえず深呼吸して……。
「えっと……」
ジーク様のことは気になっているけど、まだ好きって気持ちじゃないし……。
付き合うだけならいつでも別れられるけど、ここで断ってしまったら好きになった時に気持ちを打ち明けられない気がするから……。
ど、どうしよう……!
お付き合いしちゃおうかな……。
女性の気配が無いジーク様なら浮気されることも無さそうだし、決めたわ。
「私でよければ、よろしくお願いします……」
直接目を合わせるのが恥ずかしくて、少し俯きながらそう答えた。
「それは付き合ってくれるってこと?」
「そ、そうですよっ!」
……なんでこんな恥ずかしい目に遭わなきゃいけないの⁉︎
「フィーナ、受け入れてくれてありがとう」
「はい……」
どうしよう……しばらくジーク様の目を見れそうにないわ……。
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