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34. 社交界の準備②

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 ドレスのデザインを決めてから2週間、微調整をしたいという事で私は再び辺境伯邸に来ている。
 商人さんはここから竜で3日かかる王都を拠点にしているそうで、着いてからすぐに作ってくれたらしい。

 費用に関しては怖いから聞いていないけど、かなりお高いのは想像がつく。


「微調整するので少しそのままでいてください」


 そう言われて頷く私。
 今はドレスの試着中です。


「キツいところとかありませんか?」

「大丈夫です」

「少し動いてみてください」

「はい」


 言われるがままに色々な体勢をとる私。
 そこでようやく気が付いたのだけど、このドレス、社交界用なのに動きやすいわ!
 それに、余計な飾りが無いから、軽くて長時間着ていても疲れなさそうね。

 余計な飾りが無いのもあると思うけど、デザインを損なわずに動きやすいように作られているのに驚く私。

 社交界といえば楽しめるのは前半だけで後半は疲れてしまって楽しめなかったけど、これなら楽しめそうね。
 私が受け入れてもらえたらの話だけど……。


「大丈夫そうですね」

「ありがとうございます」


 調整が終わって元から着ていたドレスに着替え終わると、追い出され……もとい、一時的に別室に移動してもらっていたキーファス様が戻ってきた。
 そしてすぐに、私は彼に頭を下げてお礼を言うのだった。


「どういたしまして。早速で悪いのだが、王宮パーティーの招待状が来ている」

「私宛にですか?」

「いや、我が家宛にだ」

「それに私が参加してもいいのでしょうか?」

「問題ない」


 そう答えるキーファス様。
 私のために無理したりしてないから心配だわ。お父様が脅してしまっているもの。


「心配ならこれを見るといい」


 心配しているのが顔に出ていたようで、そう言われてしまった。

 見せられた招待状には、信用出来る者と参加しても良いと書かれていた。
 この文言はお付き合いしている人と参加して良いという意味らしいけど、書かれている言葉のままに捉えても問題はないらしい。


「たくさんの方が参加するのですね。余所者の私が楽しめるか不安ですわ……」

「最初はつまらないかもしれないが、すぐに馴染めるはずだ。我が国の社交界にもいさかいはあるが、ローザニアよりも温厚な者が多いからな」

「ありがとうございます、少し安心しましたわ。ところで、出発はいつ頃になりそうですの?」

「来週の朝だ」

「分かりました。準備しておきますわ」


 それから、失礼しますと言って私は部屋を後にした。

 玄関に行くと、アルディアさんが翼を地面につけて待ってくれていた。


 そういえば、ジーク様は今頃何してるのかな……?
 アルディアさんの背中に乗りながらそんなことを気にする私だった。
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