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28. 王太子side 体力の不安

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「このまま王太子妃教育が続いたら、身体が持ちそうにありませんの……。少し減らしていただけると嬉しいのですわ」


 休憩時間中にレイラにそう言われた僕は内心で頭を抱えた。

 元々、レイラが厳しい王太子妃教育に耐えられるか不安だったが、その不安が現実になってしまったからだ。
 フィーナは文句一つ言わなかったが、帰り際には疲れた姿を見せていた。令嬢としては体力がある方なのにだ。

 だから、レイラにとっては相当過酷だろう。
 気付けば僕はこう口にしていた。


「分かった。相談してみるよ」

「ありがとうございます」


 相談する相手は、レイラの教育係をしている女官だ。
 母にも相談すべきところなのだが、フィーナに婚約破棄を言い渡してから口を聞いてくれなくなったから仕方ない。


 今日の妃教育が終わってからレイラの身体を弄らせてもらったが、それについては何も言われなかった。



 それから一週間後、依頼していたレイラへの贈り物が届いたのでレイラに王宮まで来てもらった。


「試しに着けてみて」


 そんな言葉と共にブルーサファイアの首飾りを差し出すと、レイラは慎重にそれを手にとった。
 その時点で嬉しそうな表情を浮かべてくれたものだから、僕まで嬉しくなった。


「どうでしょうか……?」


 首飾りを着け終え、上目使いに尋ねてくるレイラ。すごく可愛い。

 今日のレイラは明るいオレンジ色のドレスを着ているから、サファイアが良く映えている。
 もちろん、彼女自身にも似合っているから、ほとんどのドレスに合うと思う。


「うん、似合ってる」


 僕がそう言うと、レイラは笑顔を浮かべてくれた。


 この後レイラが帰ってから教育係を呼び出し、最低限のことだけをやるようにお願いしたところ、あっさりと聞き入れられた。
 妃教育がこのペースで進めば、あと1年くらいで結婚出来る。

 それまでレイラが元気なままでいてくれると良いが……。




 それからさらに2週間、僕はあることに悩まされていた。


 レイラの身体を弄っても面白くないのだ。
 慣れというものだろうか? 欲求が満たされない感覚だ。

 さらに、レイラが我儘になりつつあるのだ。
 フィーナの時はそもそもおねだりされたことすら無いから贈り物を贈るのは楽しかったが、それもそろそろ飽きてきた。


 今ではレイラに似合いそうなものを考えるのが面倒になっているから、彼女からのお願いを聞くのも面倒に思えてしまっている。
 フィーナは僕の行動に文句を言ってくることもあったが、聞き流せば済む話だったから気が楽だった。

 だが、レイラは断ろうとすると本当に悲しそうな表情をするから断りきれない。
 選ぶ時間で国政の仕事が溜まっているから、レイラの我儘を抑えるためにも贈り物は一旦止めようと思う。


 今更だが、レイラの我儘に疲れたせいか、フィーナに会いたくなってきた。
 僕に抱かれることを条件に国外追放を取り消そう。

 そうすれば僕の欲求は満たされるだろう。
 家族想いのアストリア家はフィーナの追放が取り消されたら喜ぶはずだ。例えフィーナが僕に遊び目的で抱かれるとしても。

 大切な家族と共に過ごせるようになるのだからな。


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馬鹿王太子は健在です。
馬鹿と勘違いに磨きがかかったような気もしますが……。
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