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12. レイラside 想いの方と(1)
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問題のバカ達のお話です。
後半にR15(性的表現)が少し入ります。苦手な方はご注意下さい。
***************
クラウス様と婚姻を結ぶこと、それは彼に出会ってから私の夢であり目標でしたわ。
でしたのに……身体が弱い私は子を無事に産むことが出来ないと判断され、お付き合いする事すら叶いませんでした。
そのことを告げられた時はあまりのショックで1週間以上寝込んでしまいましたわ。
子を宿すことが出来ないということは、勘当されてもおかしくないくらいの大問題です。
でも、お母様もお父様も「無理はしなくていい。そのうち良くなる」と言って慰めてくれるだけでした。
勘当してくれたら気が楽だったのに、申し訳なくて余計に辛かったですわ。
身体が弱いのが無くなる訳がありませんもの。
それから1月が経つ頃にはある程度気持ちが落ち着きましたの。
私は希望を捨てないで、身体が弱いのをなんとか出来る方がいないか必死に探しました。
そして今から1ヵ月ほど前にようやく見つけられましたの。
その方は治癒魔法と医術に長けた方で、見たこともない魔法で私の生命力を増やしてくれました。
魔法が成功した後、こんなことを言われましたわ。
「これで出産で命を落とすことはないでしょう。ただ、産後はすぐに生命力を分けてもらわないと命を落としかねないのでお気をつけください」
生命力を分ける魔法は王族の方はもちろん、高位貴族なら誰でも扱えるものですから、私は歓喜しましたわ。
これでクラウス様とお付き合い出来ると。
でも、それは簡単にはいきませんでした。
クラウス様には既に婚約者がいたのですわ。
噂では普段から仲が良く、このまま結婚したら王国は安泰だという噂でしたわ。
それを知って諦めようとしましたけど、ついこの間に喧嘩して顔を合わせる事すらしていないというのです。
1週間あればすぐに仲直りすると周りの方はおっしゃられていました。
この機会を逃す訳にはいかない。そう直感し、すぐに行動しましたわ。
公爵令嬢の私が王太子に会うことは容易で、面会はすぐに許されました。
その面会の場で、婚約者のフィーナ様には無いものーー色気を使ってクラウス様を誘うことにしましたの。
胸元が開いているドレスを着るのは恥ずかしかったです。でも、クラウス様を惹きつけるためには必要だと言い聞かせて我慢しましたわ。
そして、私の考えは上手く行きましたわ。
「私、初めてお会いした時から殿下の事が気になっていましたの。付き合っていただけると嬉しいですわ」
胸をクラウス様の腕に軽く押し付けながらそう言うと、彼は瞬く間に顔を赤くしてこう答えました。
「僕は婚約者がいる身だから、それは出来ないよ」
「でも、今は仲が悪いのでしょう? 婚約者様と別れてもし付き合ってくださるのなら、私なんでもしますわ」
クラウス様は視線を逸らしていますが、チラチラと私の胸元を見ていました。
その隙に、彼のコップに惚れ薬を入れましたわ。
恥ずかしいけど、好きな方から見られているからなのか、不思議と不快感はあまり感じませんの。
「なんでも、ね。僕に浮気するように言っていると捉えていいのかな?」
「婚約者様と別れてから私とお付き合いするのですから、浮気ではありませんわ」
私の説明をあまり真面目に聞いていないクラウス様は惚れ薬入りのお茶を口に含んでからこう言いました。
「なるほどね。ところで、貴女は身体が弱くて出産には耐えられないと聞いてるけど、それはどうなのかな?」
クラウス様は私の色気には慣れてしまったようで、赤くなっていたお顔は元に戻っていました。
***************
次回より18時更新に固定いたします。
出来る限り毎日更新しますので、よろしくお願いします。
後半にR15(性的表現)が少し入ります。苦手な方はご注意下さい。
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クラウス様と婚姻を結ぶこと、それは彼に出会ってから私の夢であり目標でしたわ。
でしたのに……身体が弱い私は子を無事に産むことが出来ないと判断され、お付き合いする事すら叶いませんでした。
そのことを告げられた時はあまりのショックで1週間以上寝込んでしまいましたわ。
子を宿すことが出来ないということは、勘当されてもおかしくないくらいの大問題です。
でも、お母様もお父様も「無理はしなくていい。そのうち良くなる」と言って慰めてくれるだけでした。
勘当してくれたら気が楽だったのに、申し訳なくて余計に辛かったですわ。
身体が弱いのが無くなる訳がありませんもの。
それから1月が経つ頃にはある程度気持ちが落ち着きましたの。
私は希望を捨てないで、身体が弱いのをなんとか出来る方がいないか必死に探しました。
そして今から1ヵ月ほど前にようやく見つけられましたの。
その方は治癒魔法と医術に長けた方で、見たこともない魔法で私の生命力を増やしてくれました。
魔法が成功した後、こんなことを言われましたわ。
「これで出産で命を落とすことはないでしょう。ただ、産後はすぐに生命力を分けてもらわないと命を落としかねないのでお気をつけください」
生命力を分ける魔法は王族の方はもちろん、高位貴族なら誰でも扱えるものですから、私は歓喜しましたわ。
これでクラウス様とお付き合い出来ると。
でも、それは簡単にはいきませんでした。
クラウス様には既に婚約者がいたのですわ。
噂では普段から仲が良く、このまま結婚したら王国は安泰だという噂でしたわ。
それを知って諦めようとしましたけど、ついこの間に喧嘩して顔を合わせる事すらしていないというのです。
1週間あればすぐに仲直りすると周りの方はおっしゃられていました。
この機会を逃す訳にはいかない。そう直感し、すぐに行動しましたわ。
公爵令嬢の私が王太子に会うことは容易で、面会はすぐに許されました。
その面会の場で、婚約者のフィーナ様には無いものーー色気を使ってクラウス様を誘うことにしましたの。
胸元が開いているドレスを着るのは恥ずかしかったです。でも、クラウス様を惹きつけるためには必要だと言い聞かせて我慢しましたわ。
そして、私の考えは上手く行きましたわ。
「私、初めてお会いした時から殿下の事が気になっていましたの。付き合っていただけると嬉しいですわ」
胸をクラウス様の腕に軽く押し付けながらそう言うと、彼は瞬く間に顔を赤くしてこう答えました。
「僕は婚約者がいる身だから、それは出来ないよ」
「でも、今は仲が悪いのでしょう? 婚約者様と別れてもし付き合ってくださるのなら、私なんでもしますわ」
クラウス様は視線を逸らしていますが、チラチラと私の胸元を見ていました。
その隙に、彼のコップに惚れ薬を入れましたわ。
恥ずかしいけど、好きな方から見られているからなのか、不思議と不快感はあまり感じませんの。
「なんでも、ね。僕に浮気するように言っていると捉えていいのかな?」
「婚約者様と別れてから私とお付き合いするのですから、浮気ではありませんわ」
私の説明をあまり真面目に聞いていないクラウス様は惚れ薬入りのお茶を口に含んでからこう言いました。
「なるほどね。ところで、貴女は身体が弱くて出産には耐えられないと聞いてるけど、それはどうなのかな?」
クラウス様は私の色気には慣れてしまったようで、赤くなっていたお顔は元に戻っていました。
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次回より18時更新に固定いたします。
出来る限り毎日更新しますので、よろしくお願いします。
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