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59. 余命3日②
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「は? ルミナ? なんでここにいるんだ?」
私が動くよりも先に、振り返りながら戸惑いを見せる殿下。
うん、この様子だと目の前の女性のことを知っていそうね。
「殿下、その方はどなたですの?」
殿下を加護している精霊だとは思ったけど、間違っていたら困るから問いかけてみる。
すると、女性の方が口を開いた。
「フレアと同じ精霊よ。彼女とは昔からの友達だから、心配しないで」
「えっと……心配しないでと言われても困りますわ……」
殿下は開いた口が塞がっていないから、相当驚いているのね……。
私はフレアが消えたり現れたりするのを見ていたから、驚きはしなかったけれど。
「ル、ルミナ……姿を現せられるなんて聞いてないぞ……」
「黙ってたから当然よ。とりあえず、あたしはフレアと話がしたいからしばらく黙ってて」
「分かった」
いまだに困惑した様子で頷く殿下。
そのままルミナと呼ばれていた女性はフレアの近くまでやってきて、こんなことを口にした。
「面と向かって話すのは久しぶりね?」
「そうね。それで、話って何かしら?」
「瘴気についてよ。アレをなんとかしないと、私達も危ないのよ」
口調は落ち着いているけれど、表情は焦りが滲み出ていて、瘴気がどれだけ恐ろしいかを物語っているように感じられた。
「それくらい分かってるわ。だから、襲われても大丈夫なようにレティに魔力を溜めさせてるのよ」
「フレアはいいわよね。魔力で瘴気を打ち消せるから」
「あら、大量の瘴気を払える方が便利だと思うわよ?」
フレアとルミナさんが喧嘩をしそうな雰囲気になってきてしまった。
そんな時だった。誰かのお腹が鳴ったのは。
「そういえば、もう夕食の時間だったな」
「ええ」
殿下は私に申し訳なさそうな視線を送ってくるけど、今の音は絶対に私ではない。
殿下の方から聞こえてきたと思ったのだけど……。
「続きは夕食をとりながら話そう」
「分かりましたわ」
殿下の言葉に頷いて、フレア達の方を見てみる私。
どういうわけか、フレアもルミナさんも向かい合ったまま無言で、頷いたりはしているけれど何を話しているのかは全く分からなかった。
「えっと、フレアはどうするの?」
「私は大丈夫よ。まだ話したいことがあるから、先に行ってて」
「分かったわ」
フレアにそんなことを言われてしまったから、殿下と2人きりで行動することになってしまった。
「じゃあ、行こうか」
「ええ」
頷いて、殿下についていくついていく私。
瘴気のことについて話しながら数分歩くと、王族しか立ち入ることが許されていない場所にある食堂に辿り着いた。
どうやら殿下はこの時間になるのを予想していたみたいで、ちょうど料理が運ばれてきているところだった。
ただ、陛下の姿はなくて、料理も2人分だけ。
要するに、今夜は殿下と2人きりの夕食になるみたいね……。
「殿下、レティシア様、お待たせいたしました。夕食の用意が出来ました」
私達が雑談を交わしていると、使用人さんから声をかけられた。
「分かった、ありがとう」
「ありがとうございます」
揃って返事をして、向かい合う形で席に座る私達。
それから瘴気の話題が出ることはなくて、さっきまでとは比べ物にならないくらい明るい話を楽しむことになった。
……のだけど、ちょうど夕食を終えた時だった。
「殿下、後ろを見てください」
殿下の後ろにある窓から瘴気が入り込んできているのが目に入った。
「嘘だろ……」
そう言いながらも、すかさず光の魔術を使う殿下。
すると瘴気が一気に窓の方へと下がっていって……ガラスの割れる音が響いた。
「瘴気って、壁を通り越したりはしないのですね……」
「そうみたいだな……」
私達が驚いている中、部屋の扉が勢いよく開け放たれる。
そして、親衛隊の方々が慌てた様子で駆け寄ってきた。
「殿下、ご無事ですか!?」
「ああ。瘴気を払おうとしたら、ガラスを割ってしまったんだ」
そう説明する殿下。
どうやら、今使ったのは光の攻撃魔術だったらしく、勢い余って窓を壊してしまったらしかった。
私が動くよりも先に、振り返りながら戸惑いを見せる殿下。
うん、この様子だと目の前の女性のことを知っていそうね。
「殿下、その方はどなたですの?」
殿下を加護している精霊だとは思ったけど、間違っていたら困るから問いかけてみる。
すると、女性の方が口を開いた。
「フレアと同じ精霊よ。彼女とは昔からの友達だから、心配しないで」
「えっと……心配しないでと言われても困りますわ……」
殿下は開いた口が塞がっていないから、相当驚いているのね……。
私はフレアが消えたり現れたりするのを見ていたから、驚きはしなかったけれど。
「ル、ルミナ……姿を現せられるなんて聞いてないぞ……」
「黙ってたから当然よ。とりあえず、あたしはフレアと話がしたいからしばらく黙ってて」
「分かった」
いまだに困惑した様子で頷く殿下。
そのままルミナと呼ばれていた女性はフレアの近くまでやってきて、こんなことを口にした。
「面と向かって話すのは久しぶりね?」
「そうね。それで、話って何かしら?」
「瘴気についてよ。アレをなんとかしないと、私達も危ないのよ」
口調は落ち着いているけれど、表情は焦りが滲み出ていて、瘴気がどれだけ恐ろしいかを物語っているように感じられた。
「それくらい分かってるわ。だから、襲われても大丈夫なようにレティに魔力を溜めさせてるのよ」
「フレアはいいわよね。魔力で瘴気を打ち消せるから」
「あら、大量の瘴気を払える方が便利だと思うわよ?」
フレアとルミナさんが喧嘩をしそうな雰囲気になってきてしまった。
そんな時だった。誰かのお腹が鳴ったのは。
「そういえば、もう夕食の時間だったな」
「ええ」
殿下は私に申し訳なさそうな視線を送ってくるけど、今の音は絶対に私ではない。
殿下の方から聞こえてきたと思ったのだけど……。
「続きは夕食をとりながら話そう」
「分かりましたわ」
殿下の言葉に頷いて、フレア達の方を見てみる私。
どういうわけか、フレアもルミナさんも向かい合ったまま無言で、頷いたりはしているけれど何を話しているのかは全く分からなかった。
「えっと、フレアはどうするの?」
「私は大丈夫よ。まだ話したいことがあるから、先に行ってて」
「分かったわ」
フレアにそんなことを言われてしまったから、殿下と2人きりで行動することになってしまった。
「じゃあ、行こうか」
「ええ」
頷いて、殿下についていくついていく私。
瘴気のことについて話しながら数分歩くと、王族しか立ち入ることが許されていない場所にある食堂に辿り着いた。
どうやら殿下はこの時間になるのを予想していたみたいで、ちょうど料理が運ばれてきているところだった。
ただ、陛下の姿はなくて、料理も2人分だけ。
要するに、今夜は殿下と2人きりの夕食になるみたいね……。
「殿下、レティシア様、お待たせいたしました。夕食の用意が出来ました」
私達が雑談を交わしていると、使用人さんから声をかけられた。
「分かった、ありがとう」
「ありがとうございます」
揃って返事をして、向かい合う形で席に座る私達。
それから瘴気の話題が出ることはなくて、さっきまでとは比べ物にならないくらい明るい話を楽しむことになった。
……のだけど、ちょうど夕食を終えた時だった。
「殿下、後ろを見てください」
殿下の後ろにある窓から瘴気が入り込んできているのが目に入った。
「嘘だろ……」
そう言いながらも、すかさず光の魔術を使う殿下。
すると瘴気が一気に窓の方へと下がっていって……ガラスの割れる音が響いた。
「瘴気って、壁を通り越したりはしないのですね……」
「そうみたいだな……」
私達が驚いている中、部屋の扉が勢いよく開け放たれる。
そして、親衛隊の方々が慌てた様子で駆け寄ってきた。
「殿下、ご無事ですか!?」
「ああ。瘴気を払おうとしたら、ガラスを割ってしまったんだ」
そう説明する殿下。
どうやら、今使ったのは光の攻撃魔術だったらしく、勢い余って窓を壊してしまったらしかった。
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