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59. side 人殺し
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「また地震……?」
「デカいのが来るぞ!」
とある避難所に身を寄せているとある家族が、ふとそんなことを口にする。
それにやや遅れ、激しい揺れが訪れる。
今回の地震の震源地は、ちょうど晴人達がいる場所だ。
ここは震源からそれほど離れていないため、揺れはかなり激しいものになっている。
しかし落下物は発生していない。
少し前に起きた地震によって、全て落下してしまったためだ。
だが、その光景を思い出した人々はたちまちパニックに陥った。
「きゃああぁぁ」
「逃げろ! 早く!」
混乱はすぐに伝播し、人々は体育館の出口へと殺到……しなかった。
激しすぎる揺れによって、歩くこともままならないのだ。
そんな時、すぐ近くから何かが崩れる音が響いた。
それが恐怖心をさらに大きなものにしていく。
そして……たったの十数秒で揺れは収まった。
「おい、校舎が倒れる! 早く逃げろ!」
「嘘だろ!?」
しかし窓の外、懐中電灯で照らされた白い外壁は確かに迫りつつあった。
そして、今度こそパニックを引き起こした。
各々が我先にと出口へ駆け出し、転倒する者もいた。
しかし逃げる人々は気付かず、踏まれ蹴られを繰り返す。
ステータスが上がっている人間にステータスが上がっていない人間が蹴られたらどうなるか?
想像は容易に出来るだろう。
「おい、香澄! 返事をしてくれ!」
パニックの結果、数人によって一人の少女の命が失われた。
しかし、蹴りを入れた人物は自覚していなかった。
それもそのはず、パニックで周りが見えていなかったからだ。
だが、そう遠くない未来に気付くことになる。
クラス『同族殺し』
丁寧に習得条件の説明が書かれたこのクラスが、取得可能クラス一覧に追加されるからだ。
発生条件は、直接人間を殺すこと。
効果は今のところ不明だ。
同じ頃……。
「ここを進めば異世界に行けますのね」
日本とは異なる世界。
人間離れした美貌の少女が洞窟に足を踏み入れていた。
「デカいのが来るぞ!」
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少し前に起きた地震によって、全て落下してしまったためだ。
だが、その光景を思い出した人々はたちまちパニックに陥った。
「きゃああぁぁ」
「逃げろ! 早く!」
混乱はすぐに伝播し、人々は体育館の出口へと殺到……しなかった。
激しすぎる揺れによって、歩くこともままならないのだ。
そんな時、すぐ近くから何かが崩れる音が響いた。
それが恐怖心をさらに大きなものにしていく。
そして……たったの十数秒で揺れは収まった。
「おい、校舎が倒れる! 早く逃げろ!」
「嘘だろ!?」
しかし窓の外、懐中電灯で照らされた白い外壁は確かに迫りつつあった。
そして、今度こそパニックを引き起こした。
各々が我先にと出口へ駆け出し、転倒する者もいた。
しかし逃げる人々は気付かず、踏まれ蹴られを繰り返す。
ステータスが上がっている人間にステータスが上がっていない人間が蹴られたらどうなるか?
想像は容易に出来るだろう。
「おい、香澄! 返事をしてくれ!」
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しかし、蹴りを入れた人物は自覚していなかった。
それもそのはず、パニックで周りが見えていなかったからだ。
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発生条件は、直接人間を殺すこと。
効果は今のところ不明だ。
同じ頃……。
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