睡眠スキルは最強です! 〜現代日本にモンスター!? 眠らせて一方的に倒し生き延びます!〜

八代奏多

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7. 避難所

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「もっと早く言ってくれ……」

「私も今気付いたんです」

 どうやら俺達は馬鹿だったらしい。
 もしかして頭軽い? だとしたら泣く。

「次から気をつけよう」

「そうですね」

 まあ、人間パニックになるとポンコツになるらしいから、仕方ないのかもしれない。
 気を取り直して、前に進もう。

 広域避難所まではあと100メートル。ここまで来ればあっという間だ。
 そう思っていたのだが……

「これは……ヤバいな……」

 ……目の前に広がる光景に、そう口にすることしか出来なかった。

「誰かがトレインしたんだと思います」

「そうとしか考えられないよな」

 避難所までの道にひしめき合う大量のゴブリン。
 ここを通り抜けるのはどう考えても不可能なように思えた。

 こうなった原因だが、ここに逃げてきた人達がゴブリン引き連れて来たのだろう。無意識に。

「コレどうするか……」

 他の道を見ても結果は同じ。
 避難所を諦めた方が安全だろう。

「避難所は諦めて、ショッピングモールに行こう」

「分かりました」

 ショッピングモールに行く理由は主に2つ。
 食料確保と同じように食料を確保しに来た人達とコンタクトを取ることだ。

 さっき大量のゴブリンを諦めたことからも分かるように、今の俺たちだけでは戦力に欠けるからだ。

「レベルも上がりましたし、一旦スキルを振りませんか?」

「そうだな。だが、安全な場所が無いだろ」

「ゴブリン限定なら、さっきの大通りはどうでしょうか? 絶対に近寄ってこないと思いますよ」

「その手があったか」

 というわけで、俺達はさっき渡った大通りまで向かうことになった。

 ここからだと歩いて数分。さっきゴブリンは駆逐したからか、全く遭遇することなく辿り着いた。

「よし、この辺で良さそうだな」

「はい」

 早速ステータスを開いてみる。
 中身はこんな感じになっていた。


―――――――――――――――


イトウ ハルト(18・男) Lv.14

HP:43/47
魔力:13
筋力:46
体力:44
物防:35
魔防:39

クラス(26)

スキル(8)
 睡眠 Lv.4 錬金術Lv.1 奇襲Lv.2 移動Lv.2 自動回復Lv.2 チャットLv.1 


―――――――――――――――


 スキルは一部だけレベルが上がっていた。あとはステータスが少し増えたのと、HPが回復したくらいだろう。

 早速クラスのところを押してみる。
 すると、上に新しく板が出てきた。


―――――――――――――――


取得可能クラス一覧
 襲撃者(15)剣士(15) 錬金術師(15) 


―――――――――――――――


 今のところクラスは1つしか取れないらしい。
 取るのはもちろん決まっている。

『ポイントを15消費して、クラス【剣士】を習得しますか?〈はい・いいえ〉』

 はいを押して、ステータス画面に戻る。
 今度はスキルだ。


―――――――――――――――


習得可能スキル一覧
 短刀(2)片手剣(5) 鑑定(5)


―――――――――――――――


 こうなっていた。

 ちなみにレナさんの方はというと、クラスを運び屋に、スキルを武器作成と回復と片手剣にしたらしい。
 サポート寄りの構成にするつもりのようだ。

 ゲームの中ではサポーターやってたから、その方がやりやすいだろう。
 となれば、俺は前衛になること必至なわけだが、鑑定を取るか片手剣を取るかで迷っている。

 包丁だけならいいだろう。
 だが、相手がリーチの長い武器を持っていたら?

 そう考えたら先に片手剣スキルを取るべきだと思えた。今の状態だと、剣を振ってもキレがなく、戦えそうに無い。
 鑑定も取りたいが、これは後回しにした方が良さそうだ。

 というわけで、片手剣スキルを習得した。
 ステータスはこんな感じに変化した。


―――――――――――――――


HP:47/47
魔力:13
筋力:46 (+10)
体力:44 (+10)
物防:35
魔防:39 (+10)

クラス(11)
 剣士 Lv.1

スキル(3)
 睡眠 Lv.4 錬金術Lv.1 奇襲Lv.2 移動Lv.2 自動回復Lv.2 チャットLv.1 片手剣 Lv.1


―――――――――――――――


 ステータスに+が付いたのはクラスの補正効果か何かだろう。
 おそらく、素のステータスに加算されている。

「レナさん、スキル振り終わった?」

「はい」

「じゃあ、駅前のショッピングモールに行こう」

 ということで、俺達はショッピングモールに行くことになった。

 とは言っても道中にモンスターはいないから、ただ歩くだけになってしまったが。
 お陰で10分ちょっとで駅前に着くことが出来た。

 早速割られた入口から中に入る。
 その時だった。

「おい、勝手に俺達の拠点に入るな!」

 目の前に見覚えのある少し悪顔の人物が立ち塞がって、そんなことを口にした。
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