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19. 夕食会
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「到着いたしました」
馬車が止まり、御者さんから声をかけられる。
お父様とお母様が先に降り、お兄様とお姉様を待ってから私も馬車から降りた。
外まで出迎えてきてくれた公爵家の騎士さんによって扉が開けられた玄関を通る私達。
「「いらっしゃいませ!」」
10人近くの使用人さんと公爵家の皆さんに出迎えられた。
ちなみに、うちで開く時も同じような感じで出迎えている。
「急な決定なのに来てくれてありがとうございます。立ち話もなんですから、上がってください」
「お邪魔します」
夕食の用意がまだということで、一先ずサロンに通された。
サロンに着くと、来た時の微妙な堅苦しさは何処にやら、完全に打ち解けた口調で雑談が始まった。
私の両親と公爵夫妻は社交界に出る前からの親友で、その頃から身分差を気にせず敬称も付けずに打ち解けて話しているそうだ。
だからと言って、私達が打ち解けて話せるかって言ったらそうではないのだけど……。
この後も、場所を移して賑やかな時間が続いた。
私は1歳年下でグランシア家の長女のリンシャ様に質問攻めにされていたから、暇な時間は欠片もなかった。
☆ ☆ ☆
夕食会を終えて馬車で帰る途中だった。
「襲撃だー!」
馬車の外からそんな声が聞こえてきて、馬車が止まった。
「みんな防御魔法は使ってるな?」
「うん」
「大丈夫」
相手は手練れの殺し屋という情報があったみたいで、出発する前にお父様から念のために防御魔法を使うように指示されていた。
だから、簡単には死なないと思う。
「ぐあっ!」
「くそっ!」
そんな声の後、騒がしかった周囲は静かになった。
「襲撃者2人を制圧致しました」
「偽装には引っかからなかったか。まだ油断はするな」
「はっ!」
お父様と護衛の騎士さんの会話の後、程なくして馬車が再び動き始めた。
「報告です! 偽造の方でも襲撃者を3名拘束いたしました! しかしながら、数名が負傷したとのことです」
「怪我の程度は?」
「1名が自爆に巻き込まれて重傷、他は全員軽症です」
移動しながら報告を受けるお父様。
重傷の騎士さんは命に別条は無いそうなので、少し安心した。
戻ったらお見舞いに行こう……
周りの音に注意しながら、私はそんなことを考えていた。
「全員いるな?」
「はい、揃っております」
無事に家に帰ってきた私は負傷した騎士さんの手当てをしている。
お父様は騎士さん達の安否確認と詳しい状況の確認をしている。
ちなみに、自爆した人はその場で亡くなっていると判断されたらしい。
他の襲撃者は厳重に拘束され、そのまま王都の衛兵の詰め所にある牢に入れられたそう。
「お嬢様、破片が傷口に入ってしまったようで……」
足から血を流している騎士さんが私にそう声をかけてきた。
お医者様は重症の方の手当てをしているから、軽症の治癒魔法が使える私とお姉様と侍女さん達で手当てをしている。
「ここに座ってください」
雷の魔法で感覚を消してから傷口に埋まってしまっていた破片を取り出す。
そして、治癒魔法をかけると血が止まった。
私の治癒魔法で跡が残らないように完全に治すことはできないから、血を止めることしかできない。
それが何となくもどかしい。
――状況が落ち着いたら治癒魔法の練習をしよう。
騎士さんの治療をしながら私はそう決めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
次回、sideストーリーを挟んで社交界に戻ります。
ようやくレシア側の計画が実行されます。
馬車が止まり、御者さんから声をかけられる。
お父様とお母様が先に降り、お兄様とお姉様を待ってから私も馬車から降りた。
外まで出迎えてきてくれた公爵家の騎士さんによって扉が開けられた玄関を通る私達。
「「いらっしゃいませ!」」
10人近くの使用人さんと公爵家の皆さんに出迎えられた。
ちなみに、うちで開く時も同じような感じで出迎えている。
「急な決定なのに来てくれてありがとうございます。立ち話もなんですから、上がってください」
「お邪魔します」
夕食の用意がまだということで、一先ずサロンに通された。
サロンに着くと、来た時の微妙な堅苦しさは何処にやら、完全に打ち解けた口調で雑談が始まった。
私の両親と公爵夫妻は社交界に出る前からの親友で、その頃から身分差を気にせず敬称も付けずに打ち解けて話しているそうだ。
だからと言って、私達が打ち解けて話せるかって言ったらそうではないのだけど……。
この後も、場所を移して賑やかな時間が続いた。
私は1歳年下でグランシア家の長女のリンシャ様に質問攻めにされていたから、暇な時間は欠片もなかった。
☆ ☆ ☆
夕食会を終えて馬車で帰る途中だった。
「襲撃だー!」
馬車の外からそんな声が聞こえてきて、馬車が止まった。
「みんな防御魔法は使ってるな?」
「うん」
「大丈夫」
相手は手練れの殺し屋という情報があったみたいで、出発する前にお父様から念のために防御魔法を使うように指示されていた。
だから、簡単には死なないと思う。
「ぐあっ!」
「くそっ!」
そんな声の後、騒がしかった周囲は静かになった。
「襲撃者2人を制圧致しました」
「偽装には引っかからなかったか。まだ油断はするな」
「はっ!」
お父様と護衛の騎士さんの会話の後、程なくして馬車が再び動き始めた。
「報告です! 偽造の方でも襲撃者を3名拘束いたしました! しかしながら、数名が負傷したとのことです」
「怪我の程度は?」
「1名が自爆に巻き込まれて重傷、他は全員軽症です」
移動しながら報告を受けるお父様。
重傷の騎士さんは命に別条は無いそうなので、少し安心した。
戻ったらお見舞いに行こう……
周りの音に注意しながら、私はそんなことを考えていた。
「全員いるな?」
「はい、揃っております」
無事に家に帰ってきた私は負傷した騎士さんの手当てをしている。
お父様は騎士さん達の安否確認と詳しい状況の確認をしている。
ちなみに、自爆した人はその場で亡くなっていると判断されたらしい。
他の襲撃者は厳重に拘束され、そのまま王都の衛兵の詰め所にある牢に入れられたそう。
「お嬢様、破片が傷口に入ってしまったようで……」
足から血を流している騎士さんが私にそう声をかけてきた。
お医者様は重症の方の手当てをしているから、軽症の治癒魔法が使える私とお姉様と侍女さん達で手当てをしている。
「ここに座ってください」
雷の魔法で感覚を消してから傷口に埋まってしまっていた破片を取り出す。
そして、治癒魔法をかけると血が止まった。
私の治癒魔法で跡が残らないように完全に治すことはできないから、血を止めることしかできない。
それが何となくもどかしい。
――状況が落ち着いたら治癒魔法の練習をしよう。
騎士さんの治療をしながら私はそう決めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
次回、sideストーリーを挟んで社交界に戻ります。
ようやくレシア側の計画が実行されます。
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