NTRの乙女と傲慢な王子

さわみりん

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 小瓶が鋭い音を立ててテーブルに打ち付けられた。
「全然効かないじゃないか!」
 不満も露わにアレクシスがお婆に詰め寄る。
「何がですか、アレクシス様」
 恍けた調子で答える占い師は、減った小瓶の量をチラリと確認してアレクシスに目を戻した。相手の態度に臆する様子はない。
「媚薬だなんて紛い物掴ませやがって。占いなんて所詮インチキだな、頼った俺がバカだった」
 アレクシスが吐き捨てるように言った。
「インチキとは、それは聞き捨てなりませんな」
 お婆が眉根を寄せる。
 幼少期から知るお婆のプライドを傷つけたようだった。
 機嫌が悪くなったのを感じ、拗ねたようにアレクシスが言った。
「……でも効かなかったぞ」
「そんな訳ありませんよ」
「じゃあなぜ効かなかった?」
「それは――」
「もういい!」
 婆を遮るように、アレクシスは叩きつけた小瓶を手に部屋を出て行った。
 

 アレクシスが寝室へ入ると、エリスティアのメイドが一人いた。
「失礼いたしました」
 エリスティアのために買った服が仕上がってきたらしく、クローゼットで作業していたミレディは出て行こうとした。
「待て」
 アレクシスは出て行こうとするミレディの腕を掴み引きとめた。
「アレクシス様……」
 ミレディはアレクシスを見上げた。
 アレクシスは自分を欲しがる女の目には馴れていた。メイドからは困惑した様子は伺えなかったし、期待に胸が高鳴るような艶っぽい目でこちらを見ているのが分かっていた。
「こっちへ来い」
 アレクシスは目の前のベッドへ誘導する。
 躊躇いもなくミレディはアレクシスに従った。
「口を開いて、舌を出せ」
 素直にベッドに腰掛けたミレディの舌を、アレクシスは乱暴に摘まんで残った小瓶の中身を全部注ぎ込んだ。
 得体のしれない液体がミレディの喉の奥へと流れていく。
 不安げにアレクシスを見つめるミレディ。
「いいから、飲み込むんだ」 
 有無を言わせぬ口調でアレクシスに言われ、飲み下した。
「どうだ、なにか感じるか?」
 アレクシスは探るようにミレディを見つめる。
「なんだか……体が熱いような気がします……」
 誘うような潤んだ瞳でアレクシスを見上げた。
 それは誘惑からなのか薬の影響なのか、アレクシスにはまだ分からなかった。
 そこでアレクシスは顔を近づけ耳元で喋りかける。
「熱い?」
「はい……」
 アレクシスの匂いが分かるほど、二人は密着していた。
「どの辺が?」
 誘うようにアレクシスが言う。
「あっ……」
 アレクシスの手がミレディの胸を包んだ。
「どう?」
 次第に息の上がってきたミレディに問いかける。
「はぁ……はぁ……触って、ください……」
 ミレディは息も絶え絶えにその先を求めた。
「どこを?」
 ミレディの反応に素知らぬ顔をしてアレクシスは聞く。
 ミレディに触れると、体中どこを触られても反応せずにはいられないほど敏感になっているようだった。体をくねらせ喘ぎ声ともため息ともつかぬ声を出した。
「ここ……触ってください、アレクシス様」
  ミレディは自らの足を大きく左右に開いた。
 しとどに濡れたその間をアレクシスに見せつける。
「……凄いな」
 ミレディのそこは軽く触れただけにも関わらず、ビショビショに濡れて溢れていた。甘い女性らしい匂いが立ちこめる。
「お願いします、アレクシス様……触ってください……ここが凄く切なくて……私……」
 すでに花芯はプックリと膨れ腫れあがっている。
 アレクシスはミレディの溢れかえる濡れた蜜壺へ指を這わせた。
「あぁ……いいです、気持ちいい、もっと……!!」
 よがるミレディに気をよくしたアレクシスは、赤く腫れ上がった花芯に指で刺激を与えた。より激しく指を動かす。
「ああ、ダメ、それダメ、ダメですっ……ああああああっ!」
 ミレディは大量の潮を吹き上げあっけなくイった。
 愛液にまみれのびしょ濡れの手を、アレクシスは感慨深げに眺める。
「アレクシス様……私にも……」
 トロンとした目でアレクシスの股座へとミレディが手を伸ばした。
 このまま奉仕させようかとアレクシスがベルトに手をかける。ふと視線を感じた。
 部屋の扉の方を見ると、そこには茫然と立ち尽くすエリスティアが立っていた。
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