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翌朝エリスティアが起きると、すでにアレクシスの姿はなく、代わりに一輪の薔薇が置かれていた。
この時を境にアレクシスは変わった。
これまで強引に事に及んでいたその姿勢は変わらないが――昼夜問わずアレクシスは触れずにはいられないとでも言うようにエリスティアに触れた――優しくなったように感じる。
そして毎日のようにアレクシスからの贈り物がエリスティアの元へと届けられた。
ドレスに宝石、ちょっとした置物や花などが贈られてきた。
しかしエリスティアが丁寧にお礼を言っても、アレクシスはぶっきらぼうな返事しかしてくれない。
エリスティアは『気持ちは嬉しいが毎日こんなに沢山の贈り物は要らない』とやんわり告げても、機嫌が悪くなるだけで、アレクシスはやはり贈って寄こした。
まるでその贈り物の見返りとでも言うように、精力的にアレクシスはエリスティアを抱いた。
初めは嬉しかった贈り物も、体を差し出す対価の様で、エリスティアは嫌だった。
まるで娼婦にでもなったかのような……。
しかしアレクシスの匠な愛撫で快感に溺れていくうちに、アレクシスに心惹かれているのを感じてもいた。
今ではガイへの罪悪感も薄れつつあった。
あんなにも思い描いていたガイとの結婚生活、果たしてこのような愛の営みが出来たのだろうか。そこに少しでも愛情があったのかどうかすらエリスティアには分からなくなっていた。
そんな結婚式から一か月ほど経った頃、占い師の部屋へ入る者の姿があった。
「まさかアレクシス様がこういった物に頼られるとは」
そう言って笑う占い師のお婆は片手で小瓶を掲げてみせる。
「いいから早く寄こせよ」
恥ずかしさを誤魔化すように怒るアレクシスに、ニヤニヤしつつお婆は小瓶を渡した。
「それで使い方は?」
入口の方を確認しながら、横目にチラチラとお婆に聞く。
「スプーン一杯ほどで十分です。ですので飲み物などに混ぜて飲ませてください。より効果を出したいのであれば直接飲ませた方がいいでしょうな」
「ふぅん」
「間違ってもその瓶全部なんて使ってはいけませんよ。強力なものですからね」お婆は念を押した。
「わかってるよ」
アレクシスは受け取った小瓶を大事そうにポケットへ入れ、ニンマリしながら部屋を出ていった。
その夜、何も知らないエリスティアは突如口の中にスプーンを突っ込まれ困惑していた。
「いいから黙ってそれを舐めろ」
真面目な顔でアレクシスが言うので、苦い訳ではないが美味しくもない、その液体をエリスティアはなんとか喉へと流し込んだ。
「ちゃんと飲んだようだな」
満足そうにアレクシスが言った。
「なんですか、これ」
不安気に口からスプーンを取り出すエリスティア。
「お前は知らなくていいものだ」
飲ませといてそれはないだろう。
「でも飲んだのは私ですし、教えてくれてもいいんじゃ……」
うるさい口を塞ぐようにアレクシスはエリスティアへ唇を落とす。
優しい口づけから始まり、いつもより丁寧な愛撫にエリスティアは快感に声を上げた。
アレクシスは怒張した肉棒を潤ったエリスティアの中へ入れる。
張りつめたアレクシスのものがエリスティアの中を押し開き満たしていく。
力強く奥の方まで腰を打ちつけるアレクシスにならってエリスティアも腰が動く。
「気持ちいいか? エリスティア」
高まる絶頂感の中アレクシスが言った。
「あぁっ……きっ……気もちっ……いいです」
「好きか? これが」
アレクシスはその大きさを分からせるように擦り上げた。
「はい……」
恥ずかしそうにエリスティアは答えた。
「もっと欲しいか?」
「お願い……もっと」
「じゃあちゃんとお願いしてみろよ」
「お願いします……」
「そうじゃないだろう?」
「え……」
「大好きなアレクシスのおちんちんでエリスティアを気持ちよくしてください。お願いします」
「……」
黙ってしまったエリスティに分からせるように奥の感じる場所を突かれた。
「あぁっん!」
「どうした? エリスティア」
またも動きを止めるアレクシス。
「これが欲しいんだろう? ちゃんと言わなきゃイカせてやらないぞ」
アレクシスはゆっくりとエリスティアから自身を抜き始める。
「お願いします、気持ちよくしてください……アレクシスの、それで……」
真っ赤になってなんとか声を絞り出すエリスティア。
「ちゃんといえよ」
焦らすアレクシスがエリスティアの乳首を指で弾いた。
「あんっ」
どうしても続きの言葉を言えなくて、エリスティアは潤んだ瞳でアレクシスを見上げた。
とたんアレクシスは我慢出来なくなったとでも言うように猛烈に突き上げてきた。
二人は快感に声を上げた。
この時を境にアレクシスは変わった。
これまで強引に事に及んでいたその姿勢は変わらないが――昼夜問わずアレクシスは触れずにはいられないとでも言うようにエリスティアに触れた――優しくなったように感じる。
そして毎日のようにアレクシスからの贈り物がエリスティアの元へと届けられた。
ドレスに宝石、ちょっとした置物や花などが贈られてきた。
しかしエリスティアが丁寧にお礼を言っても、アレクシスはぶっきらぼうな返事しかしてくれない。
エリスティアは『気持ちは嬉しいが毎日こんなに沢山の贈り物は要らない』とやんわり告げても、機嫌が悪くなるだけで、アレクシスはやはり贈って寄こした。
まるでその贈り物の見返りとでも言うように、精力的にアレクシスはエリスティアを抱いた。
初めは嬉しかった贈り物も、体を差し出す対価の様で、エリスティアは嫌だった。
まるで娼婦にでもなったかのような……。
しかしアレクシスの匠な愛撫で快感に溺れていくうちに、アレクシスに心惹かれているのを感じてもいた。
今ではガイへの罪悪感も薄れつつあった。
あんなにも思い描いていたガイとの結婚生活、果たしてこのような愛の営みが出来たのだろうか。そこに少しでも愛情があったのかどうかすらエリスティアには分からなくなっていた。
そんな結婚式から一か月ほど経った頃、占い師の部屋へ入る者の姿があった。
「まさかアレクシス様がこういった物に頼られるとは」
そう言って笑う占い師のお婆は片手で小瓶を掲げてみせる。
「いいから早く寄こせよ」
恥ずかしさを誤魔化すように怒るアレクシスに、ニヤニヤしつつお婆は小瓶を渡した。
「それで使い方は?」
入口の方を確認しながら、横目にチラチラとお婆に聞く。
「スプーン一杯ほどで十分です。ですので飲み物などに混ぜて飲ませてください。より効果を出したいのであれば直接飲ませた方がいいでしょうな」
「ふぅん」
「間違ってもその瓶全部なんて使ってはいけませんよ。強力なものですからね」お婆は念を押した。
「わかってるよ」
アレクシスは受け取った小瓶を大事そうにポケットへ入れ、ニンマリしながら部屋を出ていった。
その夜、何も知らないエリスティアは突如口の中にスプーンを突っ込まれ困惑していた。
「いいから黙ってそれを舐めろ」
真面目な顔でアレクシスが言うので、苦い訳ではないが美味しくもない、その液体をエリスティアはなんとか喉へと流し込んだ。
「ちゃんと飲んだようだな」
満足そうにアレクシスが言った。
「なんですか、これ」
不安気に口からスプーンを取り出すエリスティア。
「お前は知らなくていいものだ」
飲ませといてそれはないだろう。
「でも飲んだのは私ですし、教えてくれてもいいんじゃ……」
うるさい口を塞ぐようにアレクシスはエリスティアへ唇を落とす。
優しい口づけから始まり、いつもより丁寧な愛撫にエリスティアは快感に声を上げた。
アレクシスは怒張した肉棒を潤ったエリスティアの中へ入れる。
張りつめたアレクシスのものがエリスティアの中を押し開き満たしていく。
力強く奥の方まで腰を打ちつけるアレクシスにならってエリスティアも腰が動く。
「気持ちいいか? エリスティア」
高まる絶頂感の中アレクシスが言った。
「あぁっ……きっ……気もちっ……いいです」
「好きか? これが」
アレクシスはその大きさを分からせるように擦り上げた。
「はい……」
恥ずかしそうにエリスティアは答えた。
「もっと欲しいか?」
「お願い……もっと」
「じゃあちゃんとお願いしてみろよ」
「お願いします……」
「そうじゃないだろう?」
「え……」
「大好きなアレクシスのおちんちんでエリスティアを気持ちよくしてください。お願いします」
「……」
黙ってしまったエリスティに分からせるように奥の感じる場所を突かれた。
「あぁっん!」
「どうした? エリスティア」
またも動きを止めるアレクシス。
「これが欲しいんだろう? ちゃんと言わなきゃイカせてやらないぞ」
アレクシスはゆっくりとエリスティアから自身を抜き始める。
「お願いします、気持ちよくしてください……アレクシスの、それで……」
真っ赤になってなんとか声を絞り出すエリスティア。
「ちゃんといえよ」
焦らすアレクシスがエリスティアの乳首を指で弾いた。
「あんっ」
どうしても続きの言葉を言えなくて、エリスティアは潤んだ瞳でアレクシスを見上げた。
とたんアレクシスは我慢出来なくなったとでも言うように猛烈に突き上げてきた。
二人は快感に声を上げた。
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