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第二章 騎士祭までに噂なんて吹き飛ばしちゃえ!
嵐の前の静けさ
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「我は世界を作りし者、理を与えた者なり。生きとし生ける者は我のモノなり。光と闇を作りて、世界を送ろう。光の神デアハウザー 、闇の神アンラマンユ、二対は最高神なり。世界を作り給いて、我らに大地を与えた者なり。裁定を与えよう。我は神なり。全てを導こう。己が運命を進むために」
ガイアノスの魔法が完成すると、天空から大きな稲妻が発生した。
天がまるで味方しているかのように裁きの雷が魔物の大群をすべて丸焦げにした。
十ほどいたデビルキングを一瞬で殺すなどどの騎士にも不可能なことなのにだ。
「あの魔物たちを一撃で……だと?」
セルランも規格外の攻撃に戸惑いを隠せていない。
まさかガイアノスが百の魔物を一瞬で殺す魔法と魔力を持っているとは思ってもみなかったのだ。
そこでガイアノスの髪が変色し始めた。
中央から右側の髪の毛がすべて黒色に変わったのだ。
「これを見ろ! 蒼の髪の伝承と同じく我が国に伝わる王の伝承。我は伝承を受け継ぐ者なのだ。我が国に喝采あれ!」
「「おおおお!」」
あまりにも強力な魔法と伝承にある変化が起きたことで、すべての学生が自然と受け入れた。
新しき王、ガイアノスと。
わたしが席に座っていると、ウィリアノスさまが帰ってきた。
「くそっ、ガイアノスはどうしてあんなに魔力が増えているんだ」
席にどかっと座って悩んでいた。
兄弟がいきなり王位継承権一位と聞かされれば動揺もするだろう。
わたしはどう声を掛けたらいいか迷ったが結局何も言ってあげることができなかった。
そして今回は魔物の襲撃があったので閉会式は取りやめとなった
七日後にわたしの離宮で頑張ったみんなを労うためにパーティを催した。
前回よりも参加者も多かったが、無事大広間に入りきった。
わたしは最初の挨拶を行なった。
「本日はお集まりいただきありがとうございます。わたくしが居ない間も騎士祭へ向けて頑張った側近に、錬金術の研究所、そして水の女神の各々、全員の力があって、騎士祭優勝という素晴らしい結果でした。前までは領地ごとの連携がほとんどなかったのにも関わらず、今では手を取り合って一つの目標に向かって進む皆さんにわたくしは本当に勇気付けられます。そしてそのみなさんの頑張りもあり、魔法際に続いて……」
わたしはひと息溜めた。
「騎士祭も優勝となりました!」
「「おおおおお!」」
一斉に拍手喝采が起きた。
全員の頑張りもあったので、このような結果になったのだ。
最初は資金不足で大変な目にあったが、どうにか資金繰りがうまくいったので、無事騎士祭も乗り越えられた。
まだまだヨハネの件もあるが、これから頑張っていけばいい。
学生たちも連続して優勝したので楽しく食事を楽しんでいる。
わたしもゆっくり食事とお話を楽しみながら、宴会を終えたのだった。
そして次はとうとうカジノの箔を付けるためわたしはホテルへ向かうことになった。
今回の招待は側近全員だったため、護衛としてセルランとステラについてもらい、サラスを除いて全員が招待客として向かうことになった。
馬車に乗っているときにレイナが不安げに聞いてきた。
「一体どのようになっているのでしょう。マリアさまの格に合うように作り替えたのでしょうね?」
「もちろんですとも。そうでなければ、姫さまの名前は使いません。上級貴族のお客さまも多いので内装に関しまして特に気を遣いました」
クロートは余裕げに答えた。
この馬車の中はあの日の夜について知っている者しかしいない。
だから隠すことなく話すことができるのだ。
「楽しみですね。姫さまが経営するホテルへ行けるなんて。クロート、あなたが招待を出してくれて本当によかったです。わたくしも予約を入れたのですが、二つの季節分、予約がいっぱいでしたから」
「さすがね、ラケシス……」
ラケシスの行動の早さにそんな言葉しかでなかった。
一体どのように変化しているのか。
わたしは楽しみにしながらホテルへ着くのを待っていた。
「着いたようです。では向かいましょう」
ホテルへ辿り着くとすぐにホテルを任せている者たちが迎えにきて、従業員全員で道を作ってわたしたちを歓迎した。
赤いカーペットを進み、ホテル内へ入るとまるでお城の玄関のようになっていた。
「やはり玄関はお客さまの第一印象を変えますから、慣れているお城の玄関をイメージしました。これで前のように安くは見えないでしょう」
「あなたのこだわりを感じます。カジ……遊技場は上ですか?」
危うくカジノと言いかけたが、ギリギリで言い換えられた。
クロートは首を振って答えた。
「いえ、目の前にある扉の奥です」
どうやらもう隠すことはしていないようだ。
一体どのようになっているのか。
その扉が開かれると、まるで社交場のようにシャンデリアが吊るされ、中央には大きなダンス場があり、色々な催しを楽しめるようになっていた。
そして遊び場として、カードやわたしがした球を転がすゲーム、そして色々なゲームが置かれていた。
タバコは禁止しているようなので、煙たいこともない。
全員がしっかりした服装なので、同じカジノでも変わって見えた。
わたしが入場したことで、お客たちも遊びをやめてわたしに一礼した。
「では、姫さま、最初の挨拶だけしていただいたあとはゆっくりお楽しみください」
わたしはダンス場の中央に向かい、この店の経営をしている身として挨拶をした。
「本日はわたくしが出資しているホテルへ足をお運びいただきありがとうございます。来ていただいている方の中にはよく見知った方も来られているので大変嬉しく思います。今回は特別なイベントも用意しているようなので、是非ともお楽しみくださいませ」
拍手がなり、わたしは中央の席へと座った。
今回は特別に劇をやってくれるみたいで、異国の王子と姫の恋愛物語を十分に堪能した。
そして全員で踊りや音楽が鳴っている中ゲームをやってみた。
わたしはカードゲームで手札にカードの役を揃えるポーカーというものをやった。
「なかなか欲しいカードがきませんわね。でも下僕は強いのね」
わたしは何度も下僕に負けている。
勝つこともあるがいつも大勝ちするのは下僕だけだ。
レイナも手札を見て、ため息をこぼした。
「わたくしはほとんど負けです。マリアさまは幸運があることはわかっていますが、何故下僕ばかりがこんなに勝つのですか」
「このゲームは、ハッタリをどこで使うかですからね。慣れてないと難しいと思いますよ」
「下僕のくせに今日は自信満々ね。でもそろそろわたくしも慣れてきたところよ」
どうやら下僕はこのゲームの特性に気付いているようだ。
わたしとレイナはこの後も下僕にしてやられた。
ラケシスとアスカ、ヴェルダンディはわたしが前にやった玉転がしのゲームをやっていた。
「ぎゃああ! また負けたよ! 」
「またまた勝っちゃいました」
「アスカも運がいいのね。わたくしも次こそは」
三人とも熱中している。
ディアーナとリムミントは二人で仲良く飲み物を飲みながら、踊りを楽しんでいた。
ゆっくりと普段できないような体験をして、わたしたちは十分に休養を取れた。
その後寮に戻り、サラスがわたしに聞いてきた。
「姫さま、ホテルはいかがでしたか」
「楽しかったですよ。劇に踊りに遊び。前のは見る影もありません」
「前? 今回が初めてのご招待ではなかったですか?」
わたしはまた余計な一言を言ってしまった。
慌てて訂正する。
「そうクロートに聞いているだけです」
オホホ、と扇子を手に持って誤魔化した。
サラスは特に追求することなく、一枚の紙を渡してきた。
「姫さま、ステラへ求婚のお話でございます」
「え?」
唐突な話にわたしの胸が痛んだ。
わたしはずっと一緒に居てくれた騎士とお別れをしなくてはいけないのかもしれない。
第二章 騎士祭までに噂なんて吹き飛ばしちゃえ! 完
ガイアノスの魔法が完成すると、天空から大きな稲妻が発生した。
天がまるで味方しているかのように裁きの雷が魔物の大群をすべて丸焦げにした。
十ほどいたデビルキングを一瞬で殺すなどどの騎士にも不可能なことなのにだ。
「あの魔物たちを一撃で……だと?」
セルランも規格外の攻撃に戸惑いを隠せていない。
まさかガイアノスが百の魔物を一瞬で殺す魔法と魔力を持っているとは思ってもみなかったのだ。
そこでガイアノスの髪が変色し始めた。
中央から右側の髪の毛がすべて黒色に変わったのだ。
「これを見ろ! 蒼の髪の伝承と同じく我が国に伝わる王の伝承。我は伝承を受け継ぐ者なのだ。我が国に喝采あれ!」
「「おおおお!」」
あまりにも強力な魔法と伝承にある変化が起きたことで、すべての学生が自然と受け入れた。
新しき王、ガイアノスと。
わたしが席に座っていると、ウィリアノスさまが帰ってきた。
「くそっ、ガイアノスはどうしてあんなに魔力が増えているんだ」
席にどかっと座って悩んでいた。
兄弟がいきなり王位継承権一位と聞かされれば動揺もするだろう。
わたしはどう声を掛けたらいいか迷ったが結局何も言ってあげることができなかった。
そして今回は魔物の襲撃があったので閉会式は取りやめとなった
七日後にわたしの離宮で頑張ったみんなを労うためにパーティを催した。
前回よりも参加者も多かったが、無事大広間に入りきった。
わたしは最初の挨拶を行なった。
「本日はお集まりいただきありがとうございます。わたくしが居ない間も騎士祭へ向けて頑張った側近に、錬金術の研究所、そして水の女神の各々、全員の力があって、騎士祭優勝という素晴らしい結果でした。前までは領地ごとの連携がほとんどなかったのにも関わらず、今では手を取り合って一つの目標に向かって進む皆さんにわたくしは本当に勇気付けられます。そしてそのみなさんの頑張りもあり、魔法際に続いて……」
わたしはひと息溜めた。
「騎士祭も優勝となりました!」
「「おおおおお!」」
一斉に拍手喝采が起きた。
全員の頑張りもあったので、このような結果になったのだ。
最初は資金不足で大変な目にあったが、どうにか資金繰りがうまくいったので、無事騎士祭も乗り越えられた。
まだまだヨハネの件もあるが、これから頑張っていけばいい。
学生たちも連続して優勝したので楽しく食事を楽しんでいる。
わたしもゆっくり食事とお話を楽しみながら、宴会を終えたのだった。
そして次はとうとうカジノの箔を付けるためわたしはホテルへ向かうことになった。
今回の招待は側近全員だったため、護衛としてセルランとステラについてもらい、サラスを除いて全員が招待客として向かうことになった。
馬車に乗っているときにレイナが不安げに聞いてきた。
「一体どのようになっているのでしょう。マリアさまの格に合うように作り替えたのでしょうね?」
「もちろんですとも。そうでなければ、姫さまの名前は使いません。上級貴族のお客さまも多いので内装に関しまして特に気を遣いました」
クロートは余裕げに答えた。
この馬車の中はあの日の夜について知っている者しかしいない。
だから隠すことなく話すことができるのだ。
「楽しみですね。姫さまが経営するホテルへ行けるなんて。クロート、あなたが招待を出してくれて本当によかったです。わたくしも予約を入れたのですが、二つの季節分、予約がいっぱいでしたから」
「さすがね、ラケシス……」
ラケシスの行動の早さにそんな言葉しかでなかった。
一体どのように変化しているのか。
わたしは楽しみにしながらホテルへ着くのを待っていた。
「着いたようです。では向かいましょう」
ホテルへ辿り着くとすぐにホテルを任せている者たちが迎えにきて、従業員全員で道を作ってわたしたちを歓迎した。
赤いカーペットを進み、ホテル内へ入るとまるでお城の玄関のようになっていた。
「やはり玄関はお客さまの第一印象を変えますから、慣れているお城の玄関をイメージしました。これで前のように安くは見えないでしょう」
「あなたのこだわりを感じます。カジ……遊技場は上ですか?」
危うくカジノと言いかけたが、ギリギリで言い換えられた。
クロートは首を振って答えた。
「いえ、目の前にある扉の奥です」
どうやらもう隠すことはしていないようだ。
一体どのようになっているのか。
その扉が開かれると、まるで社交場のようにシャンデリアが吊るされ、中央には大きなダンス場があり、色々な催しを楽しめるようになっていた。
そして遊び場として、カードやわたしがした球を転がすゲーム、そして色々なゲームが置かれていた。
タバコは禁止しているようなので、煙たいこともない。
全員がしっかりした服装なので、同じカジノでも変わって見えた。
わたしが入場したことで、お客たちも遊びをやめてわたしに一礼した。
「では、姫さま、最初の挨拶だけしていただいたあとはゆっくりお楽しみください」
わたしはダンス場の中央に向かい、この店の経営をしている身として挨拶をした。
「本日はわたくしが出資しているホテルへ足をお運びいただきありがとうございます。来ていただいている方の中にはよく見知った方も来られているので大変嬉しく思います。今回は特別なイベントも用意しているようなので、是非ともお楽しみくださいませ」
拍手がなり、わたしは中央の席へと座った。
今回は特別に劇をやってくれるみたいで、異国の王子と姫の恋愛物語を十分に堪能した。
そして全員で踊りや音楽が鳴っている中ゲームをやってみた。
わたしはカードゲームで手札にカードの役を揃えるポーカーというものをやった。
「なかなか欲しいカードがきませんわね。でも下僕は強いのね」
わたしは何度も下僕に負けている。
勝つこともあるがいつも大勝ちするのは下僕だけだ。
レイナも手札を見て、ため息をこぼした。
「わたくしはほとんど負けです。マリアさまは幸運があることはわかっていますが、何故下僕ばかりがこんなに勝つのですか」
「このゲームは、ハッタリをどこで使うかですからね。慣れてないと難しいと思いますよ」
「下僕のくせに今日は自信満々ね。でもそろそろわたくしも慣れてきたところよ」
どうやら下僕はこのゲームの特性に気付いているようだ。
わたしとレイナはこの後も下僕にしてやられた。
ラケシスとアスカ、ヴェルダンディはわたしが前にやった玉転がしのゲームをやっていた。
「ぎゃああ! また負けたよ! 」
「またまた勝っちゃいました」
「アスカも運がいいのね。わたくしも次こそは」
三人とも熱中している。
ディアーナとリムミントは二人で仲良く飲み物を飲みながら、踊りを楽しんでいた。
ゆっくりと普段できないような体験をして、わたしたちは十分に休養を取れた。
その後寮に戻り、サラスがわたしに聞いてきた。
「姫さま、ホテルはいかがでしたか」
「楽しかったですよ。劇に踊りに遊び。前のは見る影もありません」
「前? 今回が初めてのご招待ではなかったですか?」
わたしはまた余計な一言を言ってしまった。
慌てて訂正する。
「そうクロートに聞いているだけです」
オホホ、と扇子を手に持って誤魔化した。
サラスは特に追求することなく、一枚の紙を渡してきた。
「姫さま、ステラへ求婚のお話でございます」
「え?」
唐突な話にわたしの胸が痛んだ。
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