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第二章 騎士祭までに噂なんて吹き飛ばしちゃえ!
アリア視点1
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わたしの名前はアリア・シュトラレーセと申します。
シルヴィ・スヴァルトアルフが管理する四領地の一つシュトラレーセの領主候補生です。
もうすでに一番上の兄が次期当主と決まっているので、わたしは自由にやりたいことをしてもいいと言われ魔道具研究を趣味で始めました。
自由といっても在学中は自由にというだけで、卒業後はおそらく五大領地の誰かと婚姻をさせられるのではないでしょうか。
まだ恋愛というものが分からないので考えないようにしています。
「マリア姉さま大丈夫かしら」
わたしは自室でポツリと呟く。
誰もいないため答える者はいない。
今日のパーティーは主催者であるマリアさまが急に倒れたのですぐにお開きとなった。
ラナも自分が余計なことを伝えたせいでああなったと動揺してしまい、どうにか先ほど落ち着いたと侍従を通して伝えられた。
……よほど、領地の危機に心を痛めましたのね。
まだ学生でありながらも領民たちのことを自分のことのように考えるマリアさまはまるで本物の女神のようではないか。
今ではこうして仲良くさせてもらっていますが、最初の出会いは本当に最悪でした。
毒殺未遂事件が起きた時にあろうことか首謀者と勘違いして殺そうとしてしまったのだ。
後に聞いた話では魔道具が大量に身に付いているから、数回の魔法程度じゃ傷一つ付かないと言われたが問題はそこではない。
五大貴族であるマリアさまを攻撃した時点で大罪である。
本来なら高額の賠償金に加えて、魔力の高い令嬢を数人とわたしのような領主レベルの令嬢を一人送って何とか収まるかもしれないといレベルの政治的問題となる。
その後は他領からも罪に関して後ろ指を指されるはずだった。
だがマリアさまからは今回の件は何もなかったことにしてくれた。
その証拠に情報の統制をするまでもなく、どなたもわたしが殺しかけたことを噂することもない。
それからは嘘のように時間が流れ、魔法祭ではわたしの研究が認められて表彰されることとなった。
魔力不足でどうしても遅々として進まなかったが、マリアさまとクロートという強大な魔力を持つ二人の協力で新しい魔道具もできた。
合成魔法を行うためのブレスレットで、耐久度も上げているのでさらに強力な魔法の合成も行える。
わたしはうっとりとその魔道具を見ていると、ノックの音が聞こえた。
「アリアさま、ラナさまがお話しをしたいそうですがいかがいたしましょうか」
「お姉さまが? 体調は戻られたのですね。ぜひ入れてください」
侍従にそう伝えるとすぐにラナがやってきた。
少し疲れた様子ではあるがだいぶ顔色も戻っている。
わたしはテーブルに座り、マリアさまから譲ってもらったパラストカーティの紅茶を二人分用意してもらった。
二人で一口だけ口に運ぶとまろやかな雰囲気となった。
「この紅茶は落ち着きますわね。マリアさまから?」
「はい。マリアさまの研究所にいる間に頻繁に飲んでいたら頂きましたの。パラストカーティは一年を通して暖かいから、紅茶の研究も進んでいるのでしょうね」
またお互いに一口飲んで、ラナは切り出した。
「これから何度もマリアさまの研究所へ赴くでしょうから、少しでも変化があれば報告をしてください」
わたしは紅茶を飲む手が止まった。
訝しげにラナを見てしまい、ため息を吐かれた。
「アリア、表情が出過ぎです。それでは貴族社会ですぐに足をすくわれますわよ」
「申し訳ございません。ですが、それは噂を信じるってことですよね?」
わたしは少しばかり憤りを感じているせいか責めるような口調で伝えてしまう。
だがラナは静かに首を振った。
「そうではありません。あなたは妹としてマリアさまの庇護下に入ったのです。それは絶大な権力に守られること。もし万が一誰かが貴方を貶めようとしたら、マリアさまから直接潰されてしまうでしょう」
えっ、とわたしは思わず声が溢れた。
そこでやっと思い出した。
シスターズという貴族社会特有の派閥の別称だ。
姉であるマリアさまは妹と認めた者を何があっても守る制度だ。
国で決まっている制度ではないので個人間の約束のようなものだが、マリアの庇護下なら誰も手が出せない。
「アリアも感謝しなさい。マリアさまのおかげでこちらの心配事のほとんどが解消されたのですから」
「どういうことですか?」
わたしはよく言っている意味がわからない。
マリアによって色々よくしてもらっている自覚はあるが、貴族社会では裏の意味合い
が多すぎてすぐに理解できないことも多い。
ラナからもわからなければすぐに聞くように言われているほど、この社会では知らないことは自身の破滅を意味する。
「あなたはずいぶんマリアさまに可愛がられていますから嫉妬も多いのですよ。特にマリアさまを慕う生徒は過激な者もいます。ですが貴方を妹にするということはあの場で事実になりました。もしアリアに危害を加えたら二度とマリアさまの派閥へは戻れないでしょうね」
どうやらわたしは自分で思っている以上に危険な状態だったようだ。
ラナからもマリアさまの側を離れる時には必ず護衛騎士を二人以上連れていくように言われていた。
本当にマリアはこちらを気遣って先に牽制したのだ。
「いいですか、アリア。何度も言いますが貴族の常識は知らなかったでは済まされないのです。少しでもマリアさまから学べるところを学びなさい」
「はい。お姉さまが特に噂を気にしていないことはわかりましたが、マリアさまについての報告とはどういった意味があるのですか?」
「これからはマリアさまがこの王国院を導いていくのは明白です。アクィエルさまもマリアさまと競うためにさらなる研鑽を積んでくるでしょう。五大貴族の血筋を侮ってはいけません。スヴァルトアルフの発展はシルヴィ一人のお力でなりましたが、今はライバルのいる天上のお二方がいます。誰も想像できない世の激流に備えるためには情報がいるのです」
わたしはそれを身を以て実感している。
あれほど問題ばかり起こしていたパラストカーティが今では大人しくマリアに従い、騎士の模範になりつつある。
最弱であったマンネルハイムで見事優勝してみせた。
どうしてこれまで静かだったマリアがここ最近は存在感を放ち始めたのかを誰もが謎に思っていた。
わたしは初めて会った時から、一貫してあの御姿だったためどこに疑問を持っているかはわからない。
しかし周りの評価がどんどん上がっているのを見ると、わたしの知る前はだいぶ印象の異なる方だったのだろう。
「長話になっちゃいましたね」
「いいえ、お姉さまの言う通りですもの。またわたしに至らぬところがあれば教えてくださると嬉しいです」
「わかったわ。おやすみアリア」
「おやすみなさい、お姉さま」
ラナを扉の前まで見送り、明日からしばらく授業もないので何をするかを考えながら眠りについた。
シルヴィ・スヴァルトアルフが管理する四領地の一つシュトラレーセの領主候補生です。
もうすでに一番上の兄が次期当主と決まっているので、わたしは自由にやりたいことをしてもいいと言われ魔道具研究を趣味で始めました。
自由といっても在学中は自由にというだけで、卒業後はおそらく五大領地の誰かと婚姻をさせられるのではないでしょうか。
まだ恋愛というものが分からないので考えないようにしています。
「マリア姉さま大丈夫かしら」
わたしは自室でポツリと呟く。
誰もいないため答える者はいない。
今日のパーティーは主催者であるマリアさまが急に倒れたのですぐにお開きとなった。
ラナも自分が余計なことを伝えたせいでああなったと動揺してしまい、どうにか先ほど落ち着いたと侍従を通して伝えられた。
……よほど、領地の危機に心を痛めましたのね。
まだ学生でありながらも領民たちのことを自分のことのように考えるマリアさまはまるで本物の女神のようではないか。
今ではこうして仲良くさせてもらっていますが、最初の出会いは本当に最悪でした。
毒殺未遂事件が起きた時にあろうことか首謀者と勘違いして殺そうとしてしまったのだ。
後に聞いた話では魔道具が大量に身に付いているから、数回の魔法程度じゃ傷一つ付かないと言われたが問題はそこではない。
五大貴族であるマリアさまを攻撃した時点で大罪である。
本来なら高額の賠償金に加えて、魔力の高い令嬢を数人とわたしのような領主レベルの令嬢を一人送って何とか収まるかもしれないといレベルの政治的問題となる。
その後は他領からも罪に関して後ろ指を指されるはずだった。
だがマリアさまからは今回の件は何もなかったことにしてくれた。
その証拠に情報の統制をするまでもなく、どなたもわたしが殺しかけたことを噂することもない。
それからは嘘のように時間が流れ、魔法祭ではわたしの研究が認められて表彰されることとなった。
魔力不足でどうしても遅々として進まなかったが、マリアさまとクロートという強大な魔力を持つ二人の協力で新しい魔道具もできた。
合成魔法を行うためのブレスレットで、耐久度も上げているのでさらに強力な魔法の合成も行える。
わたしはうっとりとその魔道具を見ていると、ノックの音が聞こえた。
「アリアさま、ラナさまがお話しをしたいそうですがいかがいたしましょうか」
「お姉さまが? 体調は戻られたのですね。ぜひ入れてください」
侍従にそう伝えるとすぐにラナがやってきた。
少し疲れた様子ではあるがだいぶ顔色も戻っている。
わたしはテーブルに座り、マリアさまから譲ってもらったパラストカーティの紅茶を二人分用意してもらった。
二人で一口だけ口に運ぶとまろやかな雰囲気となった。
「この紅茶は落ち着きますわね。マリアさまから?」
「はい。マリアさまの研究所にいる間に頻繁に飲んでいたら頂きましたの。パラストカーティは一年を通して暖かいから、紅茶の研究も進んでいるのでしょうね」
またお互いに一口飲んで、ラナは切り出した。
「これから何度もマリアさまの研究所へ赴くでしょうから、少しでも変化があれば報告をしてください」
わたしは紅茶を飲む手が止まった。
訝しげにラナを見てしまい、ため息を吐かれた。
「アリア、表情が出過ぎです。それでは貴族社会ですぐに足をすくわれますわよ」
「申し訳ございません。ですが、それは噂を信じるってことですよね?」
わたしは少しばかり憤りを感じているせいか責めるような口調で伝えてしまう。
だがラナは静かに首を振った。
「そうではありません。あなたは妹としてマリアさまの庇護下に入ったのです。それは絶大な権力に守られること。もし万が一誰かが貴方を貶めようとしたら、マリアさまから直接潰されてしまうでしょう」
えっ、とわたしは思わず声が溢れた。
そこでやっと思い出した。
シスターズという貴族社会特有の派閥の別称だ。
姉であるマリアさまは妹と認めた者を何があっても守る制度だ。
国で決まっている制度ではないので個人間の約束のようなものだが、マリアの庇護下なら誰も手が出せない。
「アリアも感謝しなさい。マリアさまのおかげでこちらの心配事のほとんどが解消されたのですから」
「どういうことですか?」
わたしはよく言っている意味がわからない。
マリアによって色々よくしてもらっている自覚はあるが、貴族社会では裏の意味合い
が多すぎてすぐに理解できないことも多い。
ラナからもわからなければすぐに聞くように言われているほど、この社会では知らないことは自身の破滅を意味する。
「あなたはずいぶんマリアさまに可愛がられていますから嫉妬も多いのですよ。特にマリアさまを慕う生徒は過激な者もいます。ですが貴方を妹にするということはあの場で事実になりました。もしアリアに危害を加えたら二度とマリアさまの派閥へは戻れないでしょうね」
どうやらわたしは自分で思っている以上に危険な状態だったようだ。
ラナからもマリアさまの側を離れる時には必ず護衛騎士を二人以上連れていくように言われていた。
本当にマリアはこちらを気遣って先に牽制したのだ。
「いいですか、アリア。何度も言いますが貴族の常識は知らなかったでは済まされないのです。少しでもマリアさまから学べるところを学びなさい」
「はい。お姉さまが特に噂を気にしていないことはわかりましたが、マリアさまについての報告とはどういった意味があるのですか?」
「これからはマリアさまがこの王国院を導いていくのは明白です。アクィエルさまもマリアさまと競うためにさらなる研鑽を積んでくるでしょう。五大貴族の血筋を侮ってはいけません。スヴァルトアルフの発展はシルヴィ一人のお力でなりましたが、今はライバルのいる天上のお二方がいます。誰も想像できない世の激流に備えるためには情報がいるのです」
わたしはそれを身を以て実感している。
あれほど問題ばかり起こしていたパラストカーティが今では大人しくマリアに従い、騎士の模範になりつつある。
最弱であったマンネルハイムで見事優勝してみせた。
どうしてこれまで静かだったマリアがここ最近は存在感を放ち始めたのかを誰もが謎に思っていた。
わたしは初めて会った時から、一貫してあの御姿だったためどこに疑問を持っているかはわからない。
しかし周りの評価がどんどん上がっているのを見ると、わたしの知る前はだいぶ印象の異なる方だったのだろう。
「長話になっちゃいましたね」
「いいえ、お姉さまの言う通りですもの。またわたしに至らぬところがあれば教えてくださると嬉しいです」
「わかったわ。おやすみアリア」
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