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デレ度1
お隣さんが家に乱入?!
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夏休み明けの新学期が始まり転校生がやってきたんだけど、隣の席になったその子は俺にだけ少し冷たい態度をとるクール美少女。
放課後、家に帰りソファーで寛いでいたら最近引っ越してきたお隣さんが挨拶に来たんだけど……
そのお隣さんはこの日転校生としてやって来た実川さんだった。
◆
新学期が始まって最初の休日。
俺は数少ない親友の高谷遊矢《たかやゆうや》と通話をしながらソシャゲに勤しんでいた。
「なぁー、春。俺、実川さんのこと好きかも」
「へっ? お前もう二次元にしか恋しないって言ってただろ」
「それは昔の話だ。てか実川さんって金持ちの家のお嬢様らしいんだって」
遊矢は馬鹿だな……あんな美少女、俺たちみたいな陰キャには手の届かないような存在なのに。住む世界が違う。
それにしてもなんでお金持ちのお嬢様がこんなアパートなんかに住み始めたんだろ……
「じゃぁ俺、散髪の予約あるから通話切るわ」
「あぁ、分かった」
にしてもあの恋愛アンチだった遊矢まで好きにさせるなんて流石次元が違うくらいの美少女だよな。でも実川さんみたいなS級美少女、俺たちには到底無理だ。
それにお金持ちなら尚更。
◆
『コンコン』
ドアをノックする音。
そういえばネット注文した詰め替えシャンプーが今日届くんだっけ。
俺は簡単に服を着て玄関のドアを開けた。
「こんにちは。あの……少しだけ家の中にいれてもらえない?」
そこに立っていたのは配達員ではなく、うちの家のお隣さん。
「えっ……なんでですか!?」
「後で説明するから!」
◆
「――あの、お茶と水どっちがいいかな?」
「じゃあ、お水で」
突然中に入れてと言われ勢いで家に入れてしまった。
彼女はカーペットの上に座り、あたりをキョロキョロ見回している。
「で、どうしたんですか? 突然」
「これから言うことは誰にも言わないって誓って」
彼女は落ち着いた様子で俺の顔をじっと見るけどその目は少し余裕のないようにも見えた。
「うん。わかった。誰にも言わない」
俺がそう答えると実川さんは恐る恐る口を開いた。
「私、三日ほど前からストーカーに付きまとわれてるの」
「えっ……?」
最初は冗談にしか聞こえなかったけど彼女の目は本気だ。
でもストーカーに付きまとわれていると言われても殴り合いじゃ勝てる自身ないんだけど。
「この間スーパーで買物してた時から視線を感じるようになって、家に帰ったらポストに手紙が入ってた……『君の事ずっと見てるから』って」
むちゃくちゃ怖いヤツだ。
考えるだけでもぞっとするような話を彼女は止めることなく淡々と話していく。
「……じゃあ警察とかに相談した方がいんじゃないかな?」
「ダメ。私は事を大きくしたくない。もしお母さんやお父さんが知ってしまったら心配して一人暮らしもさせてもらえなくなる。もしかしたら学校にも行けなくなるかも」
俺は理由を聞こうとしたけど踏みとどまって流した。もしかしたら聞かれたくないことなのかもしれないから。
「じゃあ、どうするの? このままだと危険な目に合うかもしれない」
そして実川さんは少し間をおいてから決心したような様子見せて言った。
「今日から少しの間ここに泊めてほしいの」
「え、でも。俺男だよ?」
「今はそんな事言ってられない。家事だってするし料理だって作る。だからここに泊めさせて、お願い……」
実川さんは俺に頭を下げ頼んできた。
でも俺だってまだ会ったばかりで何を考えているのかもわからないような人と一緒に暮らすのは正直不安だった。
それでも彼女はここまでして俺に助けを求めてきてくれた。だから俺もそれに答えてあげたいと思った。
「うん、いいよ。実川さん今日からよろしく。気の利いたことは言えないし強くもない俺だけど何でも頼ってきていいから」
「綾瀬くん……ありがと」
彼女は肩の力を抜き安心したような様子。
こうして俺は実川さんとこの小さなアパートで一緒に暮らすことになった。
放課後、家に帰りソファーで寛いでいたら最近引っ越してきたお隣さんが挨拶に来たんだけど……
そのお隣さんはこの日転校生としてやって来た実川さんだった。
◆
新学期が始まって最初の休日。
俺は数少ない親友の高谷遊矢《たかやゆうや》と通話をしながらソシャゲに勤しんでいた。
「なぁー、春。俺、実川さんのこと好きかも」
「へっ? お前もう二次元にしか恋しないって言ってただろ」
「それは昔の話だ。てか実川さんって金持ちの家のお嬢様らしいんだって」
遊矢は馬鹿だな……あんな美少女、俺たちみたいな陰キャには手の届かないような存在なのに。住む世界が違う。
それにしてもなんでお金持ちのお嬢様がこんなアパートなんかに住み始めたんだろ……
「じゃぁ俺、散髪の予約あるから通話切るわ」
「あぁ、分かった」
にしてもあの恋愛アンチだった遊矢まで好きにさせるなんて流石次元が違うくらいの美少女だよな。でも実川さんみたいなS級美少女、俺たちには到底無理だ。
それにお金持ちなら尚更。
◆
『コンコン』
ドアをノックする音。
そういえばネット注文した詰め替えシャンプーが今日届くんだっけ。
俺は簡単に服を着て玄関のドアを開けた。
「こんにちは。あの……少しだけ家の中にいれてもらえない?」
そこに立っていたのは配達員ではなく、うちの家のお隣さん。
「えっ……なんでですか!?」
「後で説明するから!」
◆
「――あの、お茶と水どっちがいいかな?」
「じゃあ、お水で」
突然中に入れてと言われ勢いで家に入れてしまった。
彼女はカーペットの上に座り、あたりをキョロキョロ見回している。
「で、どうしたんですか? 突然」
「これから言うことは誰にも言わないって誓って」
彼女は落ち着いた様子で俺の顔をじっと見るけどその目は少し余裕のないようにも見えた。
「うん。わかった。誰にも言わない」
俺がそう答えると実川さんは恐る恐る口を開いた。
「私、三日ほど前からストーカーに付きまとわれてるの」
「えっ……?」
最初は冗談にしか聞こえなかったけど彼女の目は本気だ。
でもストーカーに付きまとわれていると言われても殴り合いじゃ勝てる自身ないんだけど。
「この間スーパーで買物してた時から視線を感じるようになって、家に帰ったらポストに手紙が入ってた……『君の事ずっと見てるから』って」
むちゃくちゃ怖いヤツだ。
考えるだけでもぞっとするような話を彼女は止めることなく淡々と話していく。
「……じゃあ警察とかに相談した方がいんじゃないかな?」
「ダメ。私は事を大きくしたくない。もしお母さんやお父さんが知ってしまったら心配して一人暮らしもさせてもらえなくなる。もしかしたら学校にも行けなくなるかも」
俺は理由を聞こうとしたけど踏みとどまって流した。もしかしたら聞かれたくないことなのかもしれないから。
「じゃあ、どうするの? このままだと危険な目に合うかもしれない」
そして実川さんは少し間をおいてから決心したような様子見せて言った。
「今日から少しの間ここに泊めてほしいの」
「え、でも。俺男だよ?」
「今はそんな事言ってられない。家事だってするし料理だって作る。だからここに泊めさせて、お願い……」
実川さんは俺に頭を下げ頼んできた。
でも俺だってまだ会ったばかりで何を考えているのかもわからないような人と一緒に暮らすのは正直不安だった。
それでも彼女はここまでして俺に助けを求めてきてくれた。だから俺もそれに答えてあげたいと思った。
「うん、いいよ。実川さん今日からよろしく。気の利いたことは言えないし強くもない俺だけど何でも頼ってきていいから」
「綾瀬くん……ありがと」
彼女は肩の力を抜き安心したような様子。
こうして俺は実川さんとこの小さなアパートで一緒に暮らすことになった。
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