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第1部

私はえい君のこと……好きだよ。

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「そっかー、やっぱそーだったか」

 僕は結夏と同棲していて許嫁であることなどこれまでの事を全て話した。

「なんだよ、お前知ってたのかよッ……」
「いや~許嫁だとは知らなかったんだけどよ、桐花さんと栄汰が一緒に帰ってる所見たことあってな」

 まさかたった数回一緒に下校しただけ見られてしまうとは……
 だいぶ気をつけていたはずなんだが。

「で、どこまでしたんだ?」
「なんもしてねぇ」
「なんだよ、面白くねぇ。あんな可愛い美少女と同際してるのによッ」
「好き同士でもないのにそんなことできるかッ」
「お前は真面目だねぇ~」

 えええぇぇ!!!???
 最近の高校生は好きじゃない相手としてもなんともないのか?
 それがあたりまえなのか?
 いや、そんなはずは……

「なぁ、栄汰。お前は桐花さんの事どう思ってるんだよ」
「それは……」

 あれ?僕は結夏のことどう思ってるんだ?
 僕はこれから先も結夏と一緒に居たいと思ってるし思い出もまだまだ沢山作りたいともってる。
 でもそれは恋愛感情ではなく別の意味のような気もする。

「お前は桐花さんのことが好きだ」
「いや、待て。なんでそうなるんだよ」
「今まであったこと俺に話してくれたとき、お前楽しそうに喋ってたから」
「そんな事ないだろ」
「まぁ好きか好きじゃないかはお前次第だけどよ、その人のことで楽しそうに話す時点で好きってことじゃねーの?」
「……」

 僕は今まで意識していなかったのかもしれない。
 クラスの超絶美少女と毎日一つ屋根の下で暮らしていること。
 そして彼女のことが好きだということを。







「えい君おかえり!」
「ただいま」

 そういえばこの呼び方で呼ばれるのもなれたよなぁ。
 この子が僕のお嫁さん……
 僕のお嫁さんなら手を繋いだりデートしたり……キスしたりしても問題ないよな。

「えい君」
「はいッ!?!」
「今変なこと考えてたでしょ」
「いや~そんなことは……」

 なんて鋭いんだ……
 いいわけないよな、僕達はただの許嫁で親が決めた事だ。

「ねぇ、えい君」
「ん?」
「えい君って私のこと好き?」
「え?!えーと……友達として?同際相手として好きかな……」
「ふーん」

 え?なになに?僕変なこと言ってないよな。
 こんな突然のタイミングで好きだって言えるわけないし言ってしまうとこれからの僕らの生活に支障を来すかもしれない。
 でも何でそんなこと……

「私はえい君のこと……好きだよ」
「へッ?!」
「もちろん許嫁としてね」

 はぁ……ビビったぁ。
 落ち込むな天野栄汰!これから少しずつ変えていけばいいんだ!
 それにしてもあの間、期待してしまった……











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