25 / 26
第二章
第五話① 「君の子猫のごとき気ままさは愛されるべきだが……万人に受け入れられるものもまた存在しない」
しおりを挟む
飢えともどかしさがクルトの奥から湧き上がる。肌はすべらかな布に触れ、体は温かく柔らかなものにくるまれていた。もどかしさは頬を撫でる誰かの手から生まれる。覚醒が近くなると手の持ち主は誰なのか、すぐに察せられた。
「もういいっての……ディートリヒ」
クルトは逡巡のあとにその名を呼んだ。指は去ったかと思わせて下唇をしつこくなぞりにくる。クルトの体は再度の情交をねだって疼いた。心のほうは比べて少し冷静なようだ。
クルトは目覚めを引き寄せる。まぶたをこじ開け指を操る男をにらんだ。そいつは寝台のそばに置かれた椅子にかけている。差し込む夕日は暗く、時刻は夜に近い。陰鬱さのある光はディートリヒの深く彫られた美貌を際立たせている。
ディートリヒは寂しげな顔を一瞬で穏やかなものに変えた。クルトはころころ表情を変えるディートリヒがどうにも信用できない。寂しそうな顔もどうせ演技だろう。
「私がそうさせたと思うとたまらなく愛おしい」
「なにがだ。手を引っ込めろ」
「クルトの清らだった唇が今やあえかに膨らんで赤みも増している……とても綺麗だ」
「お前がめちゃくちゃ吸ってくるからだろ!」
「ああ。君は応えてくれた……ありがとう、クルト」
クルトは舌打ちを繰り出し、顔を振って逃げた。ディートリヒはクルトの耳たぶを揉む。優しくも妖しい指さばきがクルトの体を落とそうとしていた。
「他の人間には愛らしく口づけをねだらないでほしい。その男か女を……害してやりたくなるからね」
(俺への嫌がらせにずいぶんとご執心だな……格下の俺に惑わされて悔しいってか?)
ディートリヒの昂りはクルトそのものに向いていない。横の男はクルトを嫌がらせるために突き動いている。クルトの痴態に興をそそのかされはしたが、クルト自身を欲してはいない。
怒りで胸が溶かされそうだった。情を交わす相手から放たれる五感への情報に、陶酔しているのは自分だけ。頭の奥で細い糸がもつれて絡まっていく。体を柔らかく受け止める寝台も、心が落ち着くような素朴な内装もどうでもいい。
「服直して返せよ」
「替えはもちろんあるが……」
「それと腹減った。なんか食わせろ」
「湯浴みはいいのか?」
「だるくて風呂入ってる場合じゃねーわ」
お前のせいで。クルトはわざとらしく瞬きをして熱く感じさせるような視線をディートリヒへ注ぐ。ディートリヒは頬に薔薇色を散らし、唇をわずかに引き結んでうつむいた。
(あんな思惑に乗ってくるとは思わなかった。俺の生意気な言動に切れてタガでも外れたのか?ならせいぜい傍若無人に振る舞うか)
「どうせ魔法で汗なんかは落としたんだろ? それ以上は別にいい」
クルトが上半身を起こそうとするとディートリヒが手伝ってくる。クルトは逆らわずディートリヒの手の甲に手を重ねた。甲に浮いた関節と腱はどこまでも美しく整っている。肌はさらりとしていて石膏を思わせた。
クルトの動きにつられてナイトガウンがはだけていく。胸や腹に鬱血痕がいくつもあった。この肌を他人にはさらしにくい。
(このデカブツは俺を娼館に行かせたくないらしい。たいした嫌がらせ根性だな)
クルトはキスの名残には反応せず無視を決め込んだ。回りくどい手段も使うのか。騎士の鑑らしくはない。クルトの心臓の付近はよくないものを詰められたようになった。どうにも正体をつかめない不快さだ。
なにも言わないクルトをなんだと思ったのか。ディートリヒはクルトをさらうようにして横抱きにした。
「ガキ扱いはやめろ」
ディートリヒは頬を少し緩め、白い歯の先をのぞかせる。
「君という尊い存在を丁重に扱うのは当然だろう?」
(よく回る口だ。この技量で他のやつは転がせても俺はそういくかよ!)
「……そうかよ」
クルトは顔をディートリヒの胸に預けた。心臓の音が頭に響き、蜂蜜と香草の香りが胸を満たす。ディートリヒの胸はつつけば弾くような芯を秘めている。羽毛に似た柔らかさが芯を覆っていた。揉んでみるとディートリヒは少し体をはねさせる。心臓の音と匂い、柔らかさは不快を和らげた。眠ってしまいそうだ。クルトはディートリヒの歩みの振動でなんとか起きていられる。
「ガウンだと涼しいっつーか寒い……」
もごもごと口を動かすうちに食堂に着いた。薄着のクルトには適温だが、そのほかはどうだろう。
控える使用人は少なく、貴族の食堂にしては小さい。ディートリヒが向かいではなく隣りに座って、使用人からカトラリーや料理を受け取って並べていく。
のどごしの良い野菜のゼリー寄せ、ミートローフとタルタルを挟んだ薄い白パンにとろみのあるポタージュ。フォン・ローゼンクランツ侯爵家の料理だけあって軽食でも手抜かりなく美味しい。
「侯爵子息じきじきに世話を焼いてくれるだなんて光栄すぎて心臓が止まるわ~」
ハイマンどもが見たら卒倒するだろう。クルトは唇の端を歪めた。
「これもそういう技量や技術のうちってか? 俺はそれより……」
クルトは自分の下半身を見たが、ディートリヒは肌触りのよいナフキンで口の周りを拭くだけだった。
「クルトにはまだ早いよ。キスもおぼつかないというのに」
「そんじゃ、せいぜい教えてくれよ」
傷も曇りもないフォーク、つるりとして清潔そのものの食器。クルトが食べ進めると汚れていくものたちだ。
「このあと家に帰るから送っていけ」
部屋の空気とディートリヒに緊張が走る。室温は十分なのに、クルトは総毛だった。ディートリヒはクルトのあごをすくって、緑の瞳へ視線を注ぐ。今、ディートリヒの甘やかな琥珀の瞳は粘って熱くてドロドロの、カラメルになる手前の砂糖水だ。
「どうしてだい? 娼館に行く気があるのか? 精力が尽きるくらいに激しく求めておきながら……随分と欲深い上にひどく薄情だな、クルトは」
ディートリヒの漏れだす魔力がクルトの肌を叩いていく。
「私だけでは足りない? あの達し方だけでは足りない? クルトはもっと強い快楽がほしい? それもこの場で……」
腹の奥へ流れ込みそうでクルトは少し焦った。
(うまく有耶無耶にできなかったからって機嫌悪くしてんじゃねえよ……意外と幼稚なのか? 今まではうまく騙せて丸め込めたから失敗して経験がないとか?)
クルトは唇を尖らせてディートリヒをにらむ。
「一応考えてやるって言ったろ」
ディートリヒの指がクルトの開いた唇の端に入りこんだ。やたらと熱いその指を押しのける。
「お前……ディートリヒが体を使わせたら人の話を聞いてやってもいいって。お袋は俺にも人助けとやらをさせたくてウズウズしてんだ。たまには話くらい聞いてやんのも親孝行だろ」
指はクルトの唇から首筋、ガウンの隙間へ落ちていった。クルトの素肌へ、弱いながらも爪が食い込む。
「私も着いていこう。昨日の朝はクルトが帰ったと聞いて挨拶も短く踵を返してしまったからな。使いは出したがあまりにも無作法だろう? いいだろうか、クルト」
有無を言わせない声だ。これが大貴族の迫力というものだろうか。もとよりディートリヒを近くでなぶりたいクルトは反論せず軽い口調で了承した。
「もういいっての……ディートリヒ」
クルトは逡巡のあとにその名を呼んだ。指は去ったかと思わせて下唇をしつこくなぞりにくる。クルトの体は再度の情交をねだって疼いた。心のほうは比べて少し冷静なようだ。
クルトは目覚めを引き寄せる。まぶたをこじ開け指を操る男をにらんだ。そいつは寝台のそばに置かれた椅子にかけている。差し込む夕日は暗く、時刻は夜に近い。陰鬱さのある光はディートリヒの深く彫られた美貌を際立たせている。
ディートリヒは寂しげな顔を一瞬で穏やかなものに変えた。クルトはころころ表情を変えるディートリヒがどうにも信用できない。寂しそうな顔もどうせ演技だろう。
「私がそうさせたと思うとたまらなく愛おしい」
「なにがだ。手を引っ込めろ」
「クルトの清らだった唇が今やあえかに膨らんで赤みも増している……とても綺麗だ」
「お前がめちゃくちゃ吸ってくるからだろ!」
「ああ。君は応えてくれた……ありがとう、クルト」
クルトは舌打ちを繰り出し、顔を振って逃げた。ディートリヒはクルトの耳たぶを揉む。優しくも妖しい指さばきがクルトの体を落とそうとしていた。
「他の人間には愛らしく口づけをねだらないでほしい。その男か女を……害してやりたくなるからね」
(俺への嫌がらせにずいぶんとご執心だな……格下の俺に惑わされて悔しいってか?)
ディートリヒの昂りはクルトそのものに向いていない。横の男はクルトを嫌がらせるために突き動いている。クルトの痴態に興をそそのかされはしたが、クルト自身を欲してはいない。
怒りで胸が溶かされそうだった。情を交わす相手から放たれる五感への情報に、陶酔しているのは自分だけ。頭の奥で細い糸がもつれて絡まっていく。体を柔らかく受け止める寝台も、心が落ち着くような素朴な内装もどうでもいい。
「服直して返せよ」
「替えはもちろんあるが……」
「それと腹減った。なんか食わせろ」
「湯浴みはいいのか?」
「だるくて風呂入ってる場合じゃねーわ」
お前のせいで。クルトはわざとらしく瞬きをして熱く感じさせるような視線をディートリヒへ注ぐ。ディートリヒは頬に薔薇色を散らし、唇をわずかに引き結んでうつむいた。
(あんな思惑に乗ってくるとは思わなかった。俺の生意気な言動に切れてタガでも外れたのか?ならせいぜい傍若無人に振る舞うか)
「どうせ魔法で汗なんかは落としたんだろ? それ以上は別にいい」
クルトが上半身を起こそうとするとディートリヒが手伝ってくる。クルトは逆らわずディートリヒの手の甲に手を重ねた。甲に浮いた関節と腱はどこまでも美しく整っている。肌はさらりとしていて石膏を思わせた。
クルトの動きにつられてナイトガウンがはだけていく。胸や腹に鬱血痕がいくつもあった。この肌を他人にはさらしにくい。
(このデカブツは俺を娼館に行かせたくないらしい。たいした嫌がらせ根性だな)
クルトはキスの名残には反応せず無視を決め込んだ。回りくどい手段も使うのか。騎士の鑑らしくはない。クルトの心臓の付近はよくないものを詰められたようになった。どうにも正体をつかめない不快さだ。
なにも言わないクルトをなんだと思ったのか。ディートリヒはクルトをさらうようにして横抱きにした。
「ガキ扱いはやめろ」
ディートリヒは頬を少し緩め、白い歯の先をのぞかせる。
「君という尊い存在を丁重に扱うのは当然だろう?」
(よく回る口だ。この技量で他のやつは転がせても俺はそういくかよ!)
「……そうかよ」
クルトは顔をディートリヒの胸に預けた。心臓の音が頭に響き、蜂蜜と香草の香りが胸を満たす。ディートリヒの胸はつつけば弾くような芯を秘めている。羽毛に似た柔らかさが芯を覆っていた。揉んでみるとディートリヒは少し体をはねさせる。心臓の音と匂い、柔らかさは不快を和らげた。眠ってしまいそうだ。クルトはディートリヒの歩みの振動でなんとか起きていられる。
「ガウンだと涼しいっつーか寒い……」
もごもごと口を動かすうちに食堂に着いた。薄着のクルトには適温だが、そのほかはどうだろう。
控える使用人は少なく、貴族の食堂にしては小さい。ディートリヒが向かいではなく隣りに座って、使用人からカトラリーや料理を受け取って並べていく。
のどごしの良い野菜のゼリー寄せ、ミートローフとタルタルを挟んだ薄い白パンにとろみのあるポタージュ。フォン・ローゼンクランツ侯爵家の料理だけあって軽食でも手抜かりなく美味しい。
「侯爵子息じきじきに世話を焼いてくれるだなんて光栄すぎて心臓が止まるわ~」
ハイマンどもが見たら卒倒するだろう。クルトは唇の端を歪めた。
「これもそういう技量や技術のうちってか? 俺はそれより……」
クルトは自分の下半身を見たが、ディートリヒは肌触りのよいナフキンで口の周りを拭くだけだった。
「クルトにはまだ早いよ。キスもおぼつかないというのに」
「そんじゃ、せいぜい教えてくれよ」
傷も曇りもないフォーク、つるりとして清潔そのものの食器。クルトが食べ進めると汚れていくものたちだ。
「このあと家に帰るから送っていけ」
部屋の空気とディートリヒに緊張が走る。室温は十分なのに、クルトは総毛だった。ディートリヒはクルトのあごをすくって、緑の瞳へ視線を注ぐ。今、ディートリヒの甘やかな琥珀の瞳は粘って熱くてドロドロの、カラメルになる手前の砂糖水だ。
「どうしてだい? 娼館に行く気があるのか? 精力が尽きるくらいに激しく求めておきながら……随分と欲深い上にひどく薄情だな、クルトは」
ディートリヒの漏れだす魔力がクルトの肌を叩いていく。
「私だけでは足りない? あの達し方だけでは足りない? クルトはもっと強い快楽がほしい? それもこの場で……」
腹の奥へ流れ込みそうでクルトは少し焦った。
(うまく有耶無耶にできなかったからって機嫌悪くしてんじゃねえよ……意外と幼稚なのか? 今まではうまく騙せて丸め込めたから失敗して経験がないとか?)
クルトは唇を尖らせてディートリヒをにらむ。
「一応考えてやるって言ったろ」
ディートリヒの指がクルトの開いた唇の端に入りこんだ。やたらと熱いその指を押しのける。
「お前……ディートリヒが体を使わせたら人の話を聞いてやってもいいって。お袋は俺にも人助けとやらをさせたくてウズウズしてんだ。たまには話くらい聞いてやんのも親孝行だろ」
指はクルトの唇から首筋、ガウンの隙間へ落ちていった。クルトの素肌へ、弱いながらも爪が食い込む。
「私も着いていこう。昨日の朝はクルトが帰ったと聞いて挨拶も短く踵を返してしまったからな。使いは出したがあまりにも無作法だろう? いいだろうか、クルト」
有無を言わせない声だ。これが大貴族の迫力というものだろうか。もとよりディートリヒを近くでなぶりたいクルトは反論せず軽い口調で了承した。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉
あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた!
弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
【完結】かつて勇者だった者
関鷹親
BL
勇者として妹と共に異世界に召喚された春輝は、負傷した妹の治療を条件に魔王を討伐する旅へと出る。
周りからやっかみにあいながらも、魔王を打ち倒し凱旋するが、待ち受けていたのは思いがけない悲劇だった──。
絶望する春輝の元に死んだはずの魔王が現れ、共に王国を滅ぼそうと囁かれ、その手を取ってしまう。
利害関係から始まる関係は、徐々にお互いの心の隙間を埋め執着愛へと育っていく。
《おっさん魔王×青年勇者》
*ダークファンタジー色強めです。
誤字脱字等の修正ができてないです!すみません!
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる