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二章 魔王の憂鬱
魔王城を作ろう
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やあ、魔王だ。
正確には89代目魔王、ホキンズだ。
先日の白龍強襲はうまくいった。
正直、とても怖かった。
先代も先先代も、白龍に殺されている。
それも、産まれたばかりの乳飲子のころに殺されている。
いわば、天敵。
ホキンズの部屋には、歴代魔王の肖像画が飾ってあるが、そのうち七割は赤子だ。
名前と死因が書いてある。
そのほとんどが白龍による殺害と、勇者との戦闘での死亡とある。
長寿だったのはたったの四名で、初代、二代目、三代目、そして49代目だけだ。
四代目以降は、人類と白龍が協力して強襲してきたせいで、殆どが志半ばで死んだ。
一人の骸骨が、部屋の扉を開けて入ってくる。
「のう、末裔よ。生きて帰ってきてくれてよかったわい」
骸骨は、分厚いマントを外し、椅子に座る。
「ありがとねん、ブリフ」
ブリフこそ、49代目魔王である。骸骨の姿は死後の世界から呼び戻した姿だ。
ブリフは、人類を最も追い詰めた魔王として知られている。
「わしの策がうまくはまったのう。」
ブリフは、知略に長けた魔王だった。
僕が魔王として産まれてすぐに、歴代魔王の記憶を引き継いだ。
歴代魔王の経験から、産まれてすぐが一番危険だと知った。
我がしもべ達も、辛酸を舐め続けてきた経験から、僕が産まれてすぐに、僕に成長呪文をかけた。
成長し、言葉を喋れるようになった瞬間に、ブリフを冥界から呼び寄せた。
ブリフは言う。
「魔王ホキンズ、お主の最初の選択は大正解じゃ。我らの記憶は受け継いでも、我らの知略や発想は受け継げない。だから、呼んだのじゃろ。生き残るための策戦を練って欲しいと」
「そうなのよ、ブリフ。産まれて二週間の僕には経験がナッシング。判断力も、知略も。先代も先先代も、産まれてすぐに白龍に殺された。だから、今回は成長するまで死なない策が必要だった。ブリフ、あなたの助言は適切だった」
ブリフは、骨だけの手を横に振る。
「賭けじゃった。白龍にも油断があった。次、同じ策は通じぬ。」
魔王ホキンズは不安になる。
「確かにねん。次か、どうすれば、、、」
ブリフは安心せい、と言う。
「敵の策を利用するのは定石じゃ。産まれたばかりの白龍を殺し続けるしかあるまい」
「なるほど、、、」
「攻めの面では、高速で目的地に到着できる移動手段の確立が必要じゃ。飛竜隊と、怪鳥隊、翅虫隊の整備をさせよ。そして、守の面。人間の勇者も馬鹿にできん。わしを追い詰めたのは白龍ではなく勇者だった。」
魔王ホキンズは、立ち上がる。
「部下を集める。移動に長けた隊は、魔王旅団とし編成を進めさせる。城については、58代魔王リクセパが命尽きるまで描き続けた設計図がある。その築造を進める」
ブリフは頷く。
「お主は、急速成長の代償に、寿命半分と一切の魔術が使えなくなってしもうた。誰の目から見ても、最弱の魔王じゃ」
「ああ。だから僕には最高の部下が必要だ」
「その通り。であるならば、まず、最高の部下ではなく、最高の仲間が必要と認識を改めよ。逸脱した個ではない存在が勝ち続けるには、最高の仲間が不可欠じゃ」
魔王ホキンズは頷く。
「わかった。部下ではなく、仲間。仲間はどうすれば手に入れられるのだ、ブリフ」
ブリフは椅子から立ち、言う。
「志を待て。苦楽を共にせよ。彼の幸せと成長を願え。人間の勇者のように。さすれば、必ず共感し、お主を支えたいと思う者は現れる」
ホキンズは首を傾げる。
「志?」
「お主の願い、と言ってもいい。」
ホキンズは歴代魔王の記憶を眺める。
僕の、願い。
歴代魔王は、人間が守る宝玉なるものを手に入れようとしていた。
…食指が動かない。
「僕は父になりたい。父として、産まれてくる魔王を守り、育て、安心して大きくなって欲しい。もう、僕のような綱渡りな生存競争は断ち切りたい。だから、父になりたい。宝玉は、いつか後世で欲しいと願うものに託す」
ブリフは驚き、椅子に座り込んだ。
「お主は、優しいのう。そして、いい願いじゃ。組織としても安定するのう。」
よし、乗った。
わしがお主の仲間第一号じゃ。
父親代わりにはなれんが、仲間としてお主を命懸けで守ろう。
ブリフの眼底骨から、流れるはずもない涙が流れた。
後に魔王ホキンズは、歴代最高の魔王として君臨する。
歴代全ての魔王を召喚し、全ての魔王から支持され、愛された。
未来を託された魔王ホキンズ。
そして、ボルサリーノ達勇者一行の前に立ちはだかることになる。
決して最強ではない、最高の魔王として。
正確には89代目魔王、ホキンズだ。
先日の白龍強襲はうまくいった。
正直、とても怖かった。
先代も先先代も、白龍に殺されている。
それも、産まれたばかりの乳飲子のころに殺されている。
いわば、天敵。
ホキンズの部屋には、歴代魔王の肖像画が飾ってあるが、そのうち七割は赤子だ。
名前と死因が書いてある。
そのほとんどが白龍による殺害と、勇者との戦闘での死亡とある。
長寿だったのはたったの四名で、初代、二代目、三代目、そして49代目だけだ。
四代目以降は、人類と白龍が協力して強襲してきたせいで、殆どが志半ばで死んだ。
一人の骸骨が、部屋の扉を開けて入ってくる。
「のう、末裔よ。生きて帰ってきてくれてよかったわい」
骸骨は、分厚いマントを外し、椅子に座る。
「ありがとねん、ブリフ」
ブリフこそ、49代目魔王である。骸骨の姿は死後の世界から呼び戻した姿だ。
ブリフは、人類を最も追い詰めた魔王として知られている。
「わしの策がうまくはまったのう。」
ブリフは、知略に長けた魔王だった。
僕が魔王として産まれてすぐに、歴代魔王の記憶を引き継いだ。
歴代魔王の経験から、産まれてすぐが一番危険だと知った。
我がしもべ達も、辛酸を舐め続けてきた経験から、僕が産まれてすぐに、僕に成長呪文をかけた。
成長し、言葉を喋れるようになった瞬間に、ブリフを冥界から呼び寄せた。
ブリフは言う。
「魔王ホキンズ、お主の最初の選択は大正解じゃ。我らの記憶は受け継いでも、我らの知略や発想は受け継げない。だから、呼んだのじゃろ。生き残るための策戦を練って欲しいと」
「そうなのよ、ブリフ。産まれて二週間の僕には経験がナッシング。判断力も、知略も。先代も先先代も、産まれてすぐに白龍に殺された。だから、今回は成長するまで死なない策が必要だった。ブリフ、あなたの助言は適切だった」
ブリフは、骨だけの手を横に振る。
「賭けじゃった。白龍にも油断があった。次、同じ策は通じぬ。」
魔王ホキンズは不安になる。
「確かにねん。次か、どうすれば、、、」
ブリフは安心せい、と言う。
「敵の策を利用するのは定石じゃ。産まれたばかりの白龍を殺し続けるしかあるまい」
「なるほど、、、」
「攻めの面では、高速で目的地に到着できる移動手段の確立が必要じゃ。飛竜隊と、怪鳥隊、翅虫隊の整備をさせよ。そして、守の面。人間の勇者も馬鹿にできん。わしを追い詰めたのは白龍ではなく勇者だった。」
魔王ホキンズは、立ち上がる。
「部下を集める。移動に長けた隊は、魔王旅団とし編成を進めさせる。城については、58代魔王リクセパが命尽きるまで描き続けた設計図がある。その築造を進める」
ブリフは頷く。
「お主は、急速成長の代償に、寿命半分と一切の魔術が使えなくなってしもうた。誰の目から見ても、最弱の魔王じゃ」
「ああ。だから僕には最高の部下が必要だ」
「その通り。であるならば、まず、最高の部下ではなく、最高の仲間が必要と認識を改めよ。逸脱した個ではない存在が勝ち続けるには、最高の仲間が不可欠じゃ」
魔王ホキンズは頷く。
「わかった。部下ではなく、仲間。仲間はどうすれば手に入れられるのだ、ブリフ」
ブリフは椅子から立ち、言う。
「志を待て。苦楽を共にせよ。彼の幸せと成長を願え。人間の勇者のように。さすれば、必ず共感し、お主を支えたいと思う者は現れる」
ホキンズは首を傾げる。
「志?」
「お主の願い、と言ってもいい。」
ホキンズは歴代魔王の記憶を眺める。
僕の、願い。
歴代魔王は、人間が守る宝玉なるものを手に入れようとしていた。
…食指が動かない。
「僕は父になりたい。父として、産まれてくる魔王を守り、育て、安心して大きくなって欲しい。もう、僕のような綱渡りな生存競争は断ち切りたい。だから、父になりたい。宝玉は、いつか後世で欲しいと願うものに託す」
ブリフは驚き、椅子に座り込んだ。
「お主は、優しいのう。そして、いい願いじゃ。組織としても安定するのう。」
よし、乗った。
わしがお主の仲間第一号じゃ。
父親代わりにはなれんが、仲間としてお主を命懸けで守ろう。
ブリフの眼底骨から、流れるはずもない涙が流れた。
後に魔王ホキンズは、歴代最高の魔王として君臨する。
歴代全ての魔王を召喚し、全ての魔王から支持され、愛された。
未来を託された魔王ホキンズ。
そして、ボルサリーノ達勇者一行の前に立ちはだかることになる。
決して最強ではない、最高の魔王として。
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