141 / 187
騎士団との旅立ち。
レオノールの傷。⑩
しおりを挟む
焦った私は、ダッシュで逃げようと踵を返そうと慌てて身体を離した。
「だから・・。シアには俺を振り回した責任を取ってもらいたい。
俺の側に、ずっと俺と一緒にいてくれないか?」
夜の帳の中で凛としたレオの声が響いた。
今度は私の肩が激しく震えていた・・。
呆気にとられたまま後ろ向きに固まった私を見下ろしているであろうレオは
絶対に楽しそうに笑っている・・。
「はぁ・・!?
・・何で私が責任取らなきゃなのよっ。納得出来ないわ??」
甘い筈の台詞にちょっとだけ照れた私だったが・・。
文句をつけたいのよね・・。
「逆よ、逆!!女の台詞じゃないの!??
そもそも責任も何も、裏切り者のレオに責任だなんて言われたくないわ!?」
ハッ、そうだったわ・・!!
レオはそもそも裏切り者であり、婚約破棄した私は自由になった暁には
念願だったファーマシストになって・・。
ああ、もうそこからややこしいわ!!(混乱)
くるりとレオの方を向きなおした私は、唖然としたレオを睨んだ。
「だからそれは・・。
シアは俺の事が好きだったんだから。
あんな浮気者と結婚なんか出来る訳ないだろう!?
とっとと婚約破棄すれば良かったんだ。
あんな破綻した無価値極まりない薄っぺらい婚約などだな・・。」
勝気に吊り上がった私の瞳は、至近距離でレオと睨み合った。
「いっ・・、色々とあったのよこっちも!!
レオこそ、「とっとと俺がお前を幸せにする。愛してる、アレクシア!!」
とでも言いながら乗り込んできてかっさらえば良かったでしょうが!?」
「ああ、そうか・・。なるほどな。そう言って良かったんだな!?
むしろ・・。シアは、俺からの愛の告白をずーーっと待ってた訳だ??
気づかなくて申し訳なかったな。・・・はぁ。素直じゃない。」
「はぁ??違うわよ・・!!断じて違うからね??
誓って待ってないわよ、何よ。レオってば自惚れ過ぎじゃないの・・!?」
むうっと頬を膨らまして睨みつける私を見て、レオは少しだけ困ったように笑った。
肌寒くなった星空の下でレオは長い指をシッと人差し指を私の口元に当てた。
「自惚れでもいい。シアが俺の側に居てくれるなら・・・。」
「・・・ぎゃあ。止めて。」
私は眩しく色気の放つレオの瞳にロックオンされて、奇声を出してしまった・・。
何故か、レオの瞳を見つめていると瞳が熱くなった。
そっと頬に優しく触れるレオの掌の熱にかぁっと顔が赤くなっていく。
腰に手が回されて、2人の距離が一瞬で驚くほど近くなった。
「俺は何もいらない。神力も、神獣も・・・。
世界を束ねる天帝になるかもしれないそんな未来さえいらないと思える。
俺には、この世界にシアに勝る物は何一つないんだ。」
「馬鹿だわ・・・。馬鹿じゃないの??レオって、本当に大馬鹿天子じゃない・・・。
神力も、神獣も・・。
レオノールって言うこの国の偉大な天子様は、・・この世界の天帝になる必要な存在なのよ?」
・・そう私にも。
そう心の中で自然と答えのようなものが溢れてくる。
目を大きく見開いた私のすぐそばに色気がいつもの10倍以上も倍増した
蛍光灯王子が急接近していた。
・・・わたし、ここで死ぬかも。
「愛してるよ。アレクシア。
君が俺を忘れてしまったら、多分。俺はもう生きてはいけない・・。」
心臓の音が速くて死んじゃうかと思うくらい息が苦しくなった。
慌てた私の方へと女神のように神々しい整ったレオの顔が近づいて来て
海よりも美しいサファイアブルーの瞳が閉じられる。
「・・はいはい。さっきから何言ってるのよ!?
そんな事起こる訳ないじゃないのよ!!縁起でもないっ・・ん、んっ・・!!」
重なりあった唇の熱に驚くと私は腰を引いて後ずさりした。
そんな事まで読んでいた様子のレオはガッシリと私の腰を抱え込んだまま
激しく角度を変えて口づけを落としていく・・。
観念した私は身体の力を抜いてレオに預けた。
沸き上がった温泉よりも熱く感じる熱帯夜の夜だった。
心拍数が上がりすぎて今にも心停止しそうなんだけど・・。
・・神様、レオノーラ様。
どうかわたしにAEDを下さい・・!!
「だから・・。シアには俺を振り回した責任を取ってもらいたい。
俺の側に、ずっと俺と一緒にいてくれないか?」
夜の帳の中で凛としたレオの声が響いた。
今度は私の肩が激しく震えていた・・。
呆気にとられたまま後ろ向きに固まった私を見下ろしているであろうレオは
絶対に楽しそうに笑っている・・。
「はぁ・・!?
・・何で私が責任取らなきゃなのよっ。納得出来ないわ??」
甘い筈の台詞にちょっとだけ照れた私だったが・・。
文句をつけたいのよね・・。
「逆よ、逆!!女の台詞じゃないの!??
そもそも責任も何も、裏切り者のレオに責任だなんて言われたくないわ!?」
ハッ、そうだったわ・・!!
レオはそもそも裏切り者であり、婚約破棄した私は自由になった暁には
念願だったファーマシストになって・・。
ああ、もうそこからややこしいわ!!(混乱)
くるりとレオの方を向きなおした私は、唖然としたレオを睨んだ。
「だからそれは・・。
シアは俺の事が好きだったんだから。
あんな浮気者と結婚なんか出来る訳ないだろう!?
とっとと婚約破棄すれば良かったんだ。
あんな破綻した無価値極まりない薄っぺらい婚約などだな・・。」
勝気に吊り上がった私の瞳は、至近距離でレオと睨み合った。
「いっ・・、色々とあったのよこっちも!!
レオこそ、「とっとと俺がお前を幸せにする。愛してる、アレクシア!!」
とでも言いながら乗り込んできてかっさらえば良かったでしょうが!?」
「ああ、そうか・・。なるほどな。そう言って良かったんだな!?
むしろ・・。シアは、俺からの愛の告白をずーーっと待ってた訳だ??
気づかなくて申し訳なかったな。・・・はぁ。素直じゃない。」
「はぁ??違うわよ・・!!断じて違うからね??
誓って待ってないわよ、何よ。レオってば自惚れ過ぎじゃないの・・!?」
むうっと頬を膨らまして睨みつける私を見て、レオは少しだけ困ったように笑った。
肌寒くなった星空の下でレオは長い指をシッと人差し指を私の口元に当てた。
「自惚れでもいい。シアが俺の側に居てくれるなら・・・。」
「・・・ぎゃあ。止めて。」
私は眩しく色気の放つレオの瞳にロックオンされて、奇声を出してしまった・・。
何故か、レオの瞳を見つめていると瞳が熱くなった。
そっと頬に優しく触れるレオの掌の熱にかぁっと顔が赤くなっていく。
腰に手が回されて、2人の距離が一瞬で驚くほど近くなった。
「俺は何もいらない。神力も、神獣も・・・。
世界を束ねる天帝になるかもしれないそんな未来さえいらないと思える。
俺には、この世界にシアに勝る物は何一つないんだ。」
「馬鹿だわ・・・。馬鹿じゃないの??レオって、本当に大馬鹿天子じゃない・・・。
神力も、神獣も・・。
レオノールって言うこの国の偉大な天子様は、・・この世界の天帝になる必要な存在なのよ?」
・・そう私にも。
そう心の中で自然と答えのようなものが溢れてくる。
目を大きく見開いた私のすぐそばに色気がいつもの10倍以上も倍増した
蛍光灯王子が急接近していた。
・・・わたし、ここで死ぬかも。
「愛してるよ。アレクシア。
君が俺を忘れてしまったら、多分。俺はもう生きてはいけない・・。」
心臓の音が速くて死んじゃうかと思うくらい息が苦しくなった。
慌てた私の方へと女神のように神々しい整ったレオの顔が近づいて来て
海よりも美しいサファイアブルーの瞳が閉じられる。
「・・はいはい。さっきから何言ってるのよ!?
そんな事起こる訳ないじゃないのよ!!縁起でもないっ・・ん、んっ・・!!」
重なりあった唇の熱に驚くと私は腰を引いて後ずさりした。
そんな事まで読んでいた様子のレオはガッシリと私の腰を抱え込んだまま
激しく角度を変えて口づけを落としていく・・。
観念した私は身体の力を抜いてレオに預けた。
沸き上がった温泉よりも熱く感じる熱帯夜の夜だった。
心拍数が上がりすぎて今にも心停止しそうなんだけど・・。
・・神様、レオノーラ様。
どうかわたしにAEDを下さい・・!!
0
お気に入りに追加
2,651
あなたにおすすめの小説
【書籍化決定】断罪後の悪役令嬢に転生したので家事に精を出します。え、野獣に嫁がされたのに魔法が解けるんですか?
氷雨そら
恋愛
皆さまの応援のおかげで、書籍化決定しました!
気がつくと怪しげな洋館の前にいた。後ろから私を乱暴に押してくるのは、攻略対象キャラクターの兄だった。そこで私は理解する。ここは乙女ゲームの世界で、私は断罪後の悪役令嬢なのだと、
「お前との婚約は破棄する!」というお約束台詞が聞けなかったのは残念だったけれど、このゲームを私がプレイしていた理由は多彩な悪役令嬢エンディングに惚れ込んだから。
しかも、この洋館はたぶんまだ見ぬプレミアム裏ルートのものだ。
なぜか、新たな婚約相手は現れないが、汚れた洋館をカリスマ家政婦として働いていた経験を生かしてぴかぴかにしていく。
そして、数日後私の目の前に現れたのはモフモフの野獣。そこは「野獣公爵断罪エンド!」だった。理想のモフモフとともに、断罪後の悪役令嬢は幸せになります!
✳︎ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
転生したら冷徹公爵様と子作りの真っ最中だった。
シェルビビ
恋愛
明晰夢が趣味の普通の会社員だったのに目を覚ましたらセックスの真っ最中だった。好みのイケメンが目の前にいて、男は自分の事を妻だと言っている。夢だと思い男女の触れ合いを楽しんだ。
いつまで経っても現実に戻る事が出来ず、アルフレッド・ウィンリスタ公爵の妻の妻エルヴィラに転生していたのだ。
監視するための首輪が着けられ、まるでペットのような扱いをされるエルヴィラ。転生前はお金持ちの奥さんになって悠々自適なニートライフを過ごしてたいと思っていたので、理想の生活を手に入れる事に成功する。
元のエルヴィラも喋らない事から黙っていても問題がなく、セックスと贅沢三昧な日々を過ごす。
しかし、エルヴィラの両親と再会し正直に話したところアルフレッドは激高してしまう。
「お前なんか好きにならない」と言われたが、前世から不憫な男キャラが大好きだったため絶対に惚れさせることを決意する。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
王子様が私の全てを奪っていく
一ノ瀬 彩音
恋愛
主人公は悪役令嬢として婚約破棄され、国外追放されるはずだったのだが……?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】
高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。
全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。
断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる