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最後の円舞は君と・・。

最後の円舞は君と・・。①

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翌朝は、昨夜の雪が嘘のような朝焼けだった。

道路の雪も積もる事はなく、白い雪が道端に薄っすら見えるぐらいの積雪だった。

「お兄様、行くわよ・・!!早く起きて頂戴・・!!」

ピンク色のドレスに着替えて、朝の支度をした私はキリッと髪をポニーテールに結んだ。

寝ぼけ眼の兄を起こすと、王宮の青い馬車の前へとズルズル引きずって行く・・。

「何で僕までクロードの別荘に・・?殿下たちと、みんなで行けばいいじゃない・・。」

寝ぐせの付いたままの兄を馬車の中へと放り込んだ。

「お兄様が必要なの・・。結婚したら、お兄様と旅行も滅多に行けなくなるし。
最近、めっきりマリッジブルーなのよ・・。」

殊勝な表情を浮かべた私に、兄が目を覚ました。

「そう・・。そうだよな。シアも、もうすぐいなくなるんだよな。
解ったよ。今日は休みだし・・。別荘まで大人の監視替わりに一緒に付き合うよ。」

「お兄様、有難うございます!!
宜しくお願いしますわ。(色々と・・。)」

深々と頭を下げたまま、ニヤリと笑った。

眠そうなレオが兄を見て挨拶をする。
中にいたユヴェールは、馬車の中で眠っていた。

それもそのはず・・。

今の時間は早朝の5時だった。
別荘に着くのに、3時間以上はかかるし・・。

今日は婚約破棄計画において、次の手を打つ為の大切な朝ですもの!!

「シア、昨夜・・。カイルから聞いたんだが、別荘にカイルとロナウンも呼んだと
言うのは本当なのか??」

ふかふかの馬車の中で、うっかり眠りそうになった私にレオが声をかけた。

「そうねぇ・・。「明日、クロードの別荘行くけど、来る?」って聞いたら・・。
みんな2つ返事で来るんですって。みんな、暇なのかしら?」

「そりゃ、シアが呼びかければ来るに決まってるだろ?忠犬のような奴等だからな。
どうせ、今回も何かの策の為だろ・・?」

金色の髪が朝日を浴びて黄金色に輝いていた。

窓枠に肘をついたまま、ダルそうに窓の外を見ているレオに一瞬見とれた。

「「いかんいかん・・。レオは、格好いいけどセクハラ変態会長だった。
近づくと口を吸われる、恐ろしい魔物よ!!平常心×2」」

「そ、そうよ!!みんなには働いてもらわないといけないし、後から来てって言ってあるわ・・。
言うても、数時間後だけどね。」

ユヴェールと、兄が爆睡の状況で私とレオは
他愛もない話を続けて別荘までの道のりを、快適な馬車で揺られていく。
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