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エレインガルド魔術学院に入学したいんですが。
僕の愛しい婚約者。(コンラッド視点)
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始めて彼女を目にしたのは、5歳の春の頃だった。
我がアルグラード侯爵邸にある庭園での、アメリアとの印象的な出会いを・・。
僕は忘れた日はなかった。
そのぐらい、幼かった自分にとって彼女との出会いの衝撃は鮮烈なものだった。
その出会いは、母上が丹精込めて育てているお気に入りの薔薇園で開いた初めてのお茶会の場だった。
幼い頃から、アルグラード侯爵家の嫡男としての矜持と、品格を重んじられていた自分にとって
自分の邸宅で、同じ年ごろの高位貴族を集めた初めてのお茶会は、緊張こそすれ楽しむ余裕などなかった。
僕はお茶会の途中で、あまりの緊張からカップをひっくり返してしまう失態をしてしまった。
「・・あっ!!」
ガチャン・・。
琥珀色の紅茶がテーブルクロスに大きな染みになって広がっていく・・。
足がガクガクと震えて、不安に苛まれていた。
母上と父上から厳しく叱責を受けるのではないか・・。
「侯爵家の嫡男として、恥ずかしい・・」
「どうしてそんな不器用なの?貴方は弟達の模範にならなければならいでしょう」
いつもそんな罵声と、諦めたような眼差しを受けていた。
不安で心臓が高鳴っていた。
そして、ぎゅうっと目を瞑った。
「あ・・・。申し訳ありません!!」
「コンラッド様、大丈夫ですか??私ったら、・・手元が狂ってしまって。思い切りぶつかってしまいました」
水色のドレスを身に着けた、プラチナブロンドの髪の少女が椅子から立ち上がった。
急いでバッグから、白いハンカチを三枚ほど重ねてテーブルクロスの染みをふき取った。
「あら、大変・・。アメリア様大丈夫ですか?お怪我はないですか??」
後ろのテーブルに座っていた母が慌てて立ち上がり、その少女に声をかけた。
「いいえ、私は大丈夫です。それよりも・・。お隣にいたご令息の腕にぶつかってしまって。
ご子息の持っていたカップから紅茶が零れてしまったんです。
元はと言えば、私の不手際のせいなので申し訳なくて・・。
本当にごめんなさい・・」
その少女はそう言うと、母に深々と頭を下げた。
僕の母は、笑顔で気にしないでくださいと何度も気づかいを見せていた。
僕は椅子に座ったまま、その光景を茫然とただ見ているしかなかった。
メイドがテーブルクロスを替えてくれた。
僕は、そっとその少女にお礼を言った。
「あの、僕の不手際だったのに、謝らせてしまって・・。」
「コンラッド様、始めまして。
アメリア=エレクシードと申します。お初にお目にかかります。
アルグラード邸のお茶は噂通りの美味しさですね。・・あの、どうかお気になさらないでくださいね。」
柔らかい声で、ゆっくりとした口調で耳に届くその少女の声に不思議な心地よさを感じた。
目の前に現れた華奢な体つきの少女は、銀褐色に光輝く長い髪を揺らして微笑んだ。
零れ落ちそうな大きさのピンク色の瞳は美しく輝いていた。
「こ、こちらこそ・・!!どうぞ宜しくお願いします。
あ、あの・・。アメリア様の・・。御髪は日の光にキラキラ輝いて、、綺麗ですね。まるで本物の天使様みたいで・・お美しいと思います!!」
その言葉に、驚いたように零れんばかりの大きな菫色の瞳を見開いてから、くしゃっとした純真な笑顔を向けた。
「まぁ、有り難うございます。
コンラッド様の蒼い瞳は、まるで硝子玉のように透明で綺麗だと思います」
魂が抜かれたように彼女の笑顔に釘付けになり、お茶会の最中は彼女を意識をしすぎた僕は、情けなくも彼女と全く話すことが出来ず、双子の妹のクラリスとばかり話してしまう始末だった。
その夜は、アメリアの笑顔を思い出すだけで、胸がドキドキしてしまった。
目を閉じても彼女の笑顔だけが何度も再生されて寝不足になる始末だった。
「クラリス様。あの・・。アメリア様は、今日もご一緒ではないんですか?」
「ええ・・。姉は体調が優れなくて。今日は別邸の方で療養をしております。」
「・・そうですか。残念ですね。ご体調、心配ですね」
父同士が仲良く、エレクシード伯爵はクラリスを連れてよく我が家を訪ねてきた。
僕が会うのを心待ちにしていた・・。
彼女の姿はなかった。
父に訪ねてみると、アメリアは身体が生まれつき弱く、ほぼ郊外の別邸で過ごしていると聞いた。
どうしても、彼女に会いたかった僕は、どうやって彼女に会う機会と、その口実を自分の物に出来るのかを一晩中考えた。
社交の場にもいつも現れない彼女と、自分だけは会う権利と確約が欲しかった。
6歳の秋・・。
父の書斎に決意を胸に秘めて飛び込んだ。
「お父様・・。お願いがあります!!
僕はアメリア=エレクシード嬢を婚約者としたいのです。どうか・・。そのように取り計らってはもらえませんか?」
「コンラッド・・。アメリア嬢との婚約を望んでいるのか?
まだお前は若いし、これから沢山の出会いもあるぞ。それに、彼女は身体が弱く、うちを取り仕切る奥方としては難しいだろう・・。
そうだ、妹のクラリス嬢では駄目なのか?」
ピンク色の髪の少女、クラリスも美しく儚げな印象は同じだった。
だけど、僕にとって唯一無二にはならない。
アメリア=エレクシード・・。
彼女が僕の唯一無二の存在だった。
「僕は、アメリアがいいんです。父上!!アメリアを婚約者に指名することは出来ませんか?
どうしたら、彼女を婚約者として認めてくださいますか!??
僕は・・。絶対に、誰よりもお父様とお母さまの期待に応えてみせます!!
アメリアが僕の傍にずっと居てくれれば・・・。
どんな努力でもします!!他の兄弟の誰にも負けず、素晴らしい侯爵家の嫡男として努力します」
「だから・・。どうか、お願いします!!」
深々と父に向った頭を下げた。
ズボンを裾をぎゅううっと力一杯握りしめて、父の判断を祈るように待った。
「・・・そうか。どうしてもというなら・・。しかし、身体が弱いアメリア嬢に我が侯爵家を
取り仕切ることは難しいだろう。その考えは変わらない。その点はどう心得る??」
「僕が・・。彼女のフォローをします!!
彼女を安心して向かえ入れる準備をします。
アルグラード侯爵家は素晴らしい名家であると。他家にも認めてもらえるような・・。
心根が美しく、優しい気遣いが出来るアメリアは、我が家に必要な奥方になります。
彼女に、・・父上にも、一切手を煩わせるような事態には僕がさせません!」
キッパリと放ったその言葉に、父は唸るように漸く首を縦に振った。
父からの申し出により、エレクシード伯爵家との婚約の話はすぐに纏まった。
数日後、伯爵から許可をもらい僕は逸る気持ちを押さえられなかった。
急いで、アメリアに会うために馬車に飛び乗った。
屋敷に向かう途中の菜の花畑に、アメリアの姿を確認した僕は慌てて馬車を止め、降りた。
黄色の絨毯のように広がる菜の花畑に、ピンク色のワンピースを身に着けたアメリアは、麦わら帽子を
被って菜の花を嬉しそうに屈んで、花束にして摘んでいた。
僕は、白いスーツ姿のままで彼女の元に走った。
久しぶりに見た彼女は、相も変わらず白い透けるような白い肌にピンク色に頬を染めていた。
「アメ・・・。」
ずっと、ずっと君に会いたかったんだ!!
聞いてくれないか??僕と君の婚約が決まったんだよ!!
そう彼女に大きな声で叫びたかった・・。
「・・この花、アメリアの髪に良く似合う。・・どうかな?」
花を抱えたアメリアの隣に、眩い光を放つ金色の髪の美しい少年が並んで立っていたことに気づいた。
驚いた僕の足はその場で動かなくなった。
「本当に?!あぁ・・。このお花、とってもいい香りね」
その少年は、アメリアの髪を撫でていた。
彼女の髪にそっと1輪の花を挿して、微笑む。
目を細めてその少年に向けて、アメリアはとびきり幸せそうな笑みを浮かべていた。
「アメリア・・。こんにちは」
僕の声に気づいた彼女は、驚いたように降り返った。
「・・コンラッド様??まぁ、お久しぶりです。
どうしてここに・???
エレインガルドからは・・。随分離れた場所ですのに」
不思議そうに、僕を見る彼女。
その横で表情を変えずに固まったままの少年・・。
僕は心と正反対に、勝ち誇ったような笑みを彼女に向けて笑った。
「アメリア、僕がここに来たのは・・。君に会いたくて」
「えっ・・、そうなんですか??まぁ嬉しい!!遥々私に会いに来て下さって、どうも有難うございます」
くしゃっと目を細めた彼女の笑顔と、一輪の花が髪に挿されその花びらが揺れていた。
僕のだ・・。
アメリアは、僕だけの・・。
「実は、君にすぐにでも伝えたくて・・。急いでここまで来ました。アメリア、君と僕の婚約が決まったんだ」
「・・え??」
「君は僕の婚約者になったんだよ。末永く・・。宜しくね」
突然の想いだけない言葉に、アメリアの菫色の瞳は大きく見開かれて揺れていた。
横で黙って僕の話を聞いていた少年は、弾かれたように顔を上げた。
その瞳も大きく見開かれたままで、静かに揺れていた・・。
君の隣にいる少年は誰・・??
君の隣は僕の場所だ。
心の中で、大きな黒い渦がとぐろを巻いていた。
その渦は大きくなっていく・・。
いつの間にか僕が制御できないくらいの大きな塊になって・・
消えない。
我がアルグラード侯爵邸にある庭園での、アメリアとの印象的な出会いを・・。
僕は忘れた日はなかった。
そのぐらい、幼かった自分にとって彼女との出会いの衝撃は鮮烈なものだった。
その出会いは、母上が丹精込めて育てているお気に入りの薔薇園で開いた初めてのお茶会の場だった。
幼い頃から、アルグラード侯爵家の嫡男としての矜持と、品格を重んじられていた自分にとって
自分の邸宅で、同じ年ごろの高位貴族を集めた初めてのお茶会は、緊張こそすれ楽しむ余裕などなかった。
僕はお茶会の途中で、あまりの緊張からカップをひっくり返してしまう失態をしてしまった。
「・・あっ!!」
ガチャン・・。
琥珀色の紅茶がテーブルクロスに大きな染みになって広がっていく・・。
足がガクガクと震えて、不安に苛まれていた。
母上と父上から厳しく叱責を受けるのではないか・・。
「侯爵家の嫡男として、恥ずかしい・・」
「どうしてそんな不器用なの?貴方は弟達の模範にならなければならいでしょう」
いつもそんな罵声と、諦めたような眼差しを受けていた。
不安で心臓が高鳴っていた。
そして、ぎゅうっと目を瞑った。
「あ・・・。申し訳ありません!!」
「コンラッド様、大丈夫ですか??私ったら、・・手元が狂ってしまって。思い切りぶつかってしまいました」
水色のドレスを身に着けた、プラチナブロンドの髪の少女が椅子から立ち上がった。
急いでバッグから、白いハンカチを三枚ほど重ねてテーブルクロスの染みをふき取った。
「あら、大変・・。アメリア様大丈夫ですか?お怪我はないですか??」
後ろのテーブルに座っていた母が慌てて立ち上がり、その少女に声をかけた。
「いいえ、私は大丈夫です。それよりも・・。お隣にいたご令息の腕にぶつかってしまって。
ご子息の持っていたカップから紅茶が零れてしまったんです。
元はと言えば、私の不手際のせいなので申し訳なくて・・。
本当にごめんなさい・・」
その少女はそう言うと、母に深々と頭を下げた。
僕の母は、笑顔で気にしないでくださいと何度も気づかいを見せていた。
僕は椅子に座ったまま、その光景を茫然とただ見ているしかなかった。
メイドがテーブルクロスを替えてくれた。
僕は、そっとその少女にお礼を言った。
「あの、僕の不手際だったのに、謝らせてしまって・・。」
「コンラッド様、始めまして。
アメリア=エレクシードと申します。お初にお目にかかります。
アルグラード邸のお茶は噂通りの美味しさですね。・・あの、どうかお気になさらないでくださいね。」
柔らかい声で、ゆっくりとした口調で耳に届くその少女の声に不思議な心地よさを感じた。
目の前に現れた華奢な体つきの少女は、銀褐色に光輝く長い髪を揺らして微笑んだ。
零れ落ちそうな大きさのピンク色の瞳は美しく輝いていた。
「こ、こちらこそ・・!!どうぞ宜しくお願いします。
あ、あの・・。アメリア様の・・。御髪は日の光にキラキラ輝いて、、綺麗ですね。まるで本物の天使様みたいで・・お美しいと思います!!」
その言葉に、驚いたように零れんばかりの大きな菫色の瞳を見開いてから、くしゃっとした純真な笑顔を向けた。
「まぁ、有り難うございます。
コンラッド様の蒼い瞳は、まるで硝子玉のように透明で綺麗だと思います」
魂が抜かれたように彼女の笑顔に釘付けになり、お茶会の最中は彼女を意識をしすぎた僕は、情けなくも彼女と全く話すことが出来ず、双子の妹のクラリスとばかり話してしまう始末だった。
その夜は、アメリアの笑顔を思い出すだけで、胸がドキドキしてしまった。
目を閉じても彼女の笑顔だけが何度も再生されて寝不足になる始末だった。
「クラリス様。あの・・。アメリア様は、今日もご一緒ではないんですか?」
「ええ・・。姉は体調が優れなくて。今日は別邸の方で療養をしております。」
「・・そうですか。残念ですね。ご体調、心配ですね」
父同士が仲良く、エレクシード伯爵はクラリスを連れてよく我が家を訪ねてきた。
僕が会うのを心待ちにしていた・・。
彼女の姿はなかった。
父に訪ねてみると、アメリアは身体が生まれつき弱く、ほぼ郊外の別邸で過ごしていると聞いた。
どうしても、彼女に会いたかった僕は、どうやって彼女に会う機会と、その口実を自分の物に出来るのかを一晩中考えた。
社交の場にもいつも現れない彼女と、自分だけは会う権利と確約が欲しかった。
6歳の秋・・。
父の書斎に決意を胸に秘めて飛び込んだ。
「お父様・・。お願いがあります!!
僕はアメリア=エレクシード嬢を婚約者としたいのです。どうか・・。そのように取り計らってはもらえませんか?」
「コンラッド・・。アメリア嬢との婚約を望んでいるのか?
まだお前は若いし、これから沢山の出会いもあるぞ。それに、彼女は身体が弱く、うちを取り仕切る奥方としては難しいだろう・・。
そうだ、妹のクラリス嬢では駄目なのか?」
ピンク色の髪の少女、クラリスも美しく儚げな印象は同じだった。
だけど、僕にとって唯一無二にはならない。
アメリア=エレクシード・・。
彼女が僕の唯一無二の存在だった。
「僕は、アメリアがいいんです。父上!!アメリアを婚約者に指名することは出来ませんか?
どうしたら、彼女を婚約者として認めてくださいますか!??
僕は・・。絶対に、誰よりもお父様とお母さまの期待に応えてみせます!!
アメリアが僕の傍にずっと居てくれれば・・・。
どんな努力でもします!!他の兄弟の誰にも負けず、素晴らしい侯爵家の嫡男として努力します」
「だから・・。どうか、お願いします!!」
深々と父に向った頭を下げた。
ズボンを裾をぎゅううっと力一杯握りしめて、父の判断を祈るように待った。
「・・・そうか。どうしてもというなら・・。しかし、身体が弱いアメリア嬢に我が侯爵家を
取り仕切ることは難しいだろう。その考えは変わらない。その点はどう心得る??」
「僕が・・。彼女のフォローをします!!
彼女を安心して向かえ入れる準備をします。
アルグラード侯爵家は素晴らしい名家であると。他家にも認めてもらえるような・・。
心根が美しく、優しい気遣いが出来るアメリアは、我が家に必要な奥方になります。
彼女に、・・父上にも、一切手を煩わせるような事態には僕がさせません!」
キッパリと放ったその言葉に、父は唸るように漸く首を縦に振った。
父からの申し出により、エレクシード伯爵家との婚約の話はすぐに纏まった。
数日後、伯爵から許可をもらい僕は逸る気持ちを押さえられなかった。
急いで、アメリアに会うために馬車に飛び乗った。
屋敷に向かう途中の菜の花畑に、アメリアの姿を確認した僕は慌てて馬車を止め、降りた。
黄色の絨毯のように広がる菜の花畑に、ピンク色のワンピースを身に着けたアメリアは、麦わら帽子を
被って菜の花を嬉しそうに屈んで、花束にして摘んでいた。
僕は、白いスーツ姿のままで彼女の元に走った。
久しぶりに見た彼女は、相も変わらず白い透けるような白い肌にピンク色に頬を染めていた。
「アメ・・・。」
ずっと、ずっと君に会いたかったんだ!!
聞いてくれないか??僕と君の婚約が決まったんだよ!!
そう彼女に大きな声で叫びたかった・・。
「・・この花、アメリアの髪に良く似合う。・・どうかな?」
花を抱えたアメリアの隣に、眩い光を放つ金色の髪の美しい少年が並んで立っていたことに気づいた。
驚いた僕の足はその場で動かなくなった。
「本当に?!あぁ・・。このお花、とってもいい香りね」
その少年は、アメリアの髪を撫でていた。
彼女の髪にそっと1輪の花を挿して、微笑む。
目を細めてその少年に向けて、アメリアはとびきり幸せそうな笑みを浮かべていた。
「アメリア・・。こんにちは」
僕の声に気づいた彼女は、驚いたように降り返った。
「・・コンラッド様??まぁ、お久しぶりです。
どうしてここに・???
エレインガルドからは・・。随分離れた場所ですのに」
不思議そうに、僕を見る彼女。
その横で表情を変えずに固まったままの少年・・。
僕は心と正反対に、勝ち誇ったような笑みを彼女に向けて笑った。
「アメリア、僕がここに来たのは・・。君に会いたくて」
「えっ・・、そうなんですか??まぁ嬉しい!!遥々私に会いに来て下さって、どうも有難うございます」
くしゃっと目を細めた彼女の笑顔と、一輪の花が髪に挿されその花びらが揺れていた。
僕のだ・・。
アメリアは、僕だけの・・。
「実は、君にすぐにでも伝えたくて・・。急いでここまで来ました。アメリア、君と僕の婚約が決まったんだ」
「・・え??」
「君は僕の婚約者になったんだよ。末永く・・。宜しくね」
突然の想いだけない言葉に、アメリアの菫色の瞳は大きく見開かれて揺れていた。
横で黙って僕の話を聞いていた少年は、弾かれたように顔を上げた。
その瞳も大きく見開かれたままで、静かに揺れていた・・。
君の隣にいる少年は誰・・??
君の隣は僕の場所だ。
心の中で、大きな黒い渦がとぐろを巻いていた。
その渦は大きくなっていく・・。
いつの間にか僕が制御できないくらいの大きな塊になって・・
消えない。
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