71 / 94
番外編
恋愛狂想曲(4)
しおりを挟む
桂樹は、学長室で特上のステーキをナイフとフォークで手に食している時、ふと自らの設立したゴキブリ王国の事を思った。
思えば、設立してからと言うもの、この学長の仕事のお陰で放ったらかしになっている事を思い出したのだ。
(ステファニー、シンシア、セシル、ご免よ。オレは浮気はしない男だから)
ステーキ肉を頬張りながら、しばらく見ぬゴキブリ達に謝る。
そして、桂樹は携帯を手にし、宇宙科学部にいる十樹に電話をかけた。
『何だ? 桂樹』
コール音は三回、すぐに十樹に繋がった。
「十樹、ゴキブリ王国の様子を見に行ってくれ。オレは今(食事中で)手が放せない」
『私も今、研究中で手が放せないんだ。そうだ、お前の友達に見てもらうといい』
「オレの友達?」
『東郷とかいう……(変わり者の)』
桂樹は、分かったと言って携帯を切った。
(何で、十樹が東郷の事を知ってるんだ?)
疑問に思ったが、「まあいいか」の一言で済まし、桂樹は東郷の携帯に電話をかけた。
『はい、東郷です』
「オレだ」
『オレ?』
声の正体が誰だか分からない様子の東郷に、「察しの悪い奴だな」と桂樹は舌打ちした。
「白石桂樹だ。お前に頼みがある」
『頼み?』
桂樹は、ゴキブリ王国の様子を見に行くように告げると、東郷から悲鳴にも似た声が発せられたが、桂樹は構うことなく、一方的に電話を切った。
☆
その日の大学病院は何故か暇だった。
患者の数も少なければ、医師や看護婦の数も少ない。
遠野瑞穂は、医局の受付で大きく欠伸をすると、医局の電話からコール音が響いた。
(救急患者の受け入れかしら……)
瑞穂が受話器を取ると、電話の相手は見知らぬ男性の声だった。
それが、SPである事を知ったのは、次の言葉を聞いた時だ。
『遠野瑞穂様、すぐに学長室にお越し下さい』
「学長室……?」
瑞穂は、学長である十樹の事を思った。
(さっき会ったばかりなのに、何の用かしら?)
「あ……でも、私は仕事が……」
『これは学長命令です』
SPの半ば強制的な言動に、瑞穂は腹を立てた。
「何よ、偉そうに! こっちは人手不足なんだから、代わりの人でもよこしなさい」
『分かりました。その様に致しましょう』
☆
午後も終わりを迎えた頃、医局に訪れた一人の老人が、病院で受付を済ませようとしていた。
通常であるなら、白衣を着た医療スタッフの女性が受付にいる筈なのだが、その姿はない。
代わりにいたのは、黒いスーツに黒いサングラスをかけた、長身の男だった。
SPの一人である。
黒いスーツの下は、恐らく鍛えあげられた肉体があるのだろうSPを見て、老人は驚き、その場で小さな悲鳴をあげると尻もちをついた。
「いらっしゃいませ」
SPの一人は、老人に対し紳士的にそう言うと、老人に手を差し出しカルテに指名を記入するように促した。すると、立て続けに患者が大学病院に訪れた為、SPの一人は、さらなる人員を呼び、病院の人手不足を解消していた。
受付に三、四人のSPが、忙しそうに働いている様は、当然患者にとって異様な光景として映っていた。
――この病院は大丈夫なのだろうか
患者達は皆無言で、外側からみると患者を人質にとったマフィアが、身代金を要求しているかの様に見えたのは言うまでもない。
☆
一方「ゴキブリ王国」の様子を見に行く任務を任されていた東郷は、恐る恐る「ゴキブリ王国」へ向かった。
「ゴキブリ王国」は周囲から「多分、来場者はゼロだろう」と誠しやかに噂されていたのだが、大学ニュースで取り上げられてからと言うもの、日に数人ものカップルが訪れるようになっていたのだ。
大体は、男の度胸を試すために、女が誘うケースが多い。
男からしてみれば、実に嫌なデートスポットである。
女は、そんな男の頼りがいを見極める為だと思われ、そこでお付き合いの継続か、別離となるか、決定されてしまうのである。
勿論、東郷は後者であるのだが、今まで彼女らしい彼女もいなかったわけだから、「ゴキブリ王国」で、度胸を試された事などない。
「ご来場ですか?」
東郷が「ゴキブリ王国」の前に立ち止まっていると、受付のお姉さんがそう問いかけてきた。
「いや、僕は、白石桂樹先生に様子を見てくる様、頼まれて――」
東郷は、中にいるゴキブリを見ているより、受付の綺麗なお姉さんをいつまでも見ていたかった。
「そうですか。でしたら、ご自由に中にお入り下さい」
「はい」
しかし、受付のお姉さんは、無情にもこのまま入り口で留まる事を許してはくれない。
呪われた我が身の運命に打ちのめされながら、ゴキブリ王国の中心へと歩みを進めた。
そこは、東郷にとって、まさに地獄だった。
一面、大きなガラスケースに閉じ込められたゴキブリ達が、東郷が入って来たことで興奮し、飛び回っていたのだ。
何匹目かのゴキブリが、ガラス越しに東郷の顔面めがけて飛んできたとき、東郷の意識はそこで途絶えた。
☆
「東郷の奴、連絡が遅いな」
学長室で腹を満たしている桂樹は、ピザまんとステーキの追加注文をSPに頼みながら、そうぼやいた。
――やっぱり、東郷に「ゴキブリ王国」は任せられなかったか……
そう桂樹が思った時、学長室のドアがノックされた。
「どうぞ」
桂樹がそう言うと、SPと共に瑞穂が入ってきた。
入って来るなり、瑞穂は桂樹に文句を言った。
「ちょっと、人の仕事の妨害して、どういうつもり?」
つかつかと、高いヒールの音を響かせながら、学長室の机をパンと両手で叩いた。
「椅子を彼女に用意してくれ」
「はあ?」
SPは、瑞穂に椅子を差し出し、桂樹と向かい合わせに座らせた。
「今日はオレの奢りだ。何か頼め」
「貴方、桂樹くん!?」
「し――っ!」
桂樹は、一部のSPしか知らない事実に、慌てて瑞穂の口を塞いだ。
そして、桂樹は瑞穂に食事のメニュー表を差し出した。
「ちょっと、一人で食べるのに飽きてきたんだ」
瑞穂は、桂樹の意外な言葉を聞いて、思わずかしこまってしまった。
一緒に食事をしたい相手が、自分である事に驚いたのである。
「え? あ、あの桂樹君」
「食わないのか? 何でも頼んでいいんだぞ」
「何でも?」
「ああ」
瑞穂は「何でも頼んでいい」と言う、瑞穂にとって至福の言葉に、ついっさっきまでのトキメキを忘れた。
メニューを片手に持つSPに瑞穂は言った。
「じゃあ、まずブルターニュ産オマール海老のコンソメゼリー寄せ、キャヴィアと滑らかなカリフラワーのムースリーヌ、自家燻製したノルウェーサーモンと帆立貝柱のムースキャベツ、包み蒸し生雲丹とパセリのヴルーテ、手長海老のポワレとサフランリゾット、甲殻類のクリームソース、国産牛フィレ肉のポワレ、季節の温野菜とマスタードソース、木の実と……」
瑞穂は、ここぞとばかりにメニューに記されていない高級フランス料理名を口にする。
もはやSPは、瑞穂によって、一流のパティシエに変貌した。
それもまた、SPの口から別のSPへ、伝達されていたのだが、メニューの全てを把握するのに、およそ二十分の時間を必要とした。
そして、全ての料理を運び終えるのに、実に二時間も要したのである。
☆
思えば、設立してからと言うもの、この学長の仕事のお陰で放ったらかしになっている事を思い出したのだ。
(ステファニー、シンシア、セシル、ご免よ。オレは浮気はしない男だから)
ステーキ肉を頬張りながら、しばらく見ぬゴキブリ達に謝る。
そして、桂樹は携帯を手にし、宇宙科学部にいる十樹に電話をかけた。
『何だ? 桂樹』
コール音は三回、すぐに十樹に繋がった。
「十樹、ゴキブリ王国の様子を見に行ってくれ。オレは今(食事中で)手が放せない」
『私も今、研究中で手が放せないんだ。そうだ、お前の友達に見てもらうといい』
「オレの友達?」
『東郷とかいう……(変わり者の)』
桂樹は、分かったと言って携帯を切った。
(何で、十樹が東郷の事を知ってるんだ?)
疑問に思ったが、「まあいいか」の一言で済まし、桂樹は東郷の携帯に電話をかけた。
『はい、東郷です』
「オレだ」
『オレ?』
声の正体が誰だか分からない様子の東郷に、「察しの悪い奴だな」と桂樹は舌打ちした。
「白石桂樹だ。お前に頼みがある」
『頼み?』
桂樹は、ゴキブリ王国の様子を見に行くように告げると、東郷から悲鳴にも似た声が発せられたが、桂樹は構うことなく、一方的に電話を切った。
☆
その日の大学病院は何故か暇だった。
患者の数も少なければ、医師や看護婦の数も少ない。
遠野瑞穂は、医局の受付で大きく欠伸をすると、医局の電話からコール音が響いた。
(救急患者の受け入れかしら……)
瑞穂が受話器を取ると、電話の相手は見知らぬ男性の声だった。
それが、SPである事を知ったのは、次の言葉を聞いた時だ。
『遠野瑞穂様、すぐに学長室にお越し下さい』
「学長室……?」
瑞穂は、学長である十樹の事を思った。
(さっき会ったばかりなのに、何の用かしら?)
「あ……でも、私は仕事が……」
『これは学長命令です』
SPの半ば強制的な言動に、瑞穂は腹を立てた。
「何よ、偉そうに! こっちは人手不足なんだから、代わりの人でもよこしなさい」
『分かりました。その様に致しましょう』
☆
午後も終わりを迎えた頃、医局に訪れた一人の老人が、病院で受付を済ませようとしていた。
通常であるなら、白衣を着た医療スタッフの女性が受付にいる筈なのだが、その姿はない。
代わりにいたのは、黒いスーツに黒いサングラスをかけた、長身の男だった。
SPの一人である。
黒いスーツの下は、恐らく鍛えあげられた肉体があるのだろうSPを見て、老人は驚き、その場で小さな悲鳴をあげると尻もちをついた。
「いらっしゃいませ」
SPの一人は、老人に対し紳士的にそう言うと、老人に手を差し出しカルテに指名を記入するように促した。すると、立て続けに患者が大学病院に訪れた為、SPの一人は、さらなる人員を呼び、病院の人手不足を解消していた。
受付に三、四人のSPが、忙しそうに働いている様は、当然患者にとって異様な光景として映っていた。
――この病院は大丈夫なのだろうか
患者達は皆無言で、外側からみると患者を人質にとったマフィアが、身代金を要求しているかの様に見えたのは言うまでもない。
☆
一方「ゴキブリ王国」の様子を見に行く任務を任されていた東郷は、恐る恐る「ゴキブリ王国」へ向かった。
「ゴキブリ王国」は周囲から「多分、来場者はゼロだろう」と誠しやかに噂されていたのだが、大学ニュースで取り上げられてからと言うもの、日に数人ものカップルが訪れるようになっていたのだ。
大体は、男の度胸を試すために、女が誘うケースが多い。
男からしてみれば、実に嫌なデートスポットである。
女は、そんな男の頼りがいを見極める為だと思われ、そこでお付き合いの継続か、別離となるか、決定されてしまうのである。
勿論、東郷は後者であるのだが、今まで彼女らしい彼女もいなかったわけだから、「ゴキブリ王国」で、度胸を試された事などない。
「ご来場ですか?」
東郷が「ゴキブリ王国」の前に立ち止まっていると、受付のお姉さんがそう問いかけてきた。
「いや、僕は、白石桂樹先生に様子を見てくる様、頼まれて――」
東郷は、中にいるゴキブリを見ているより、受付の綺麗なお姉さんをいつまでも見ていたかった。
「そうですか。でしたら、ご自由に中にお入り下さい」
「はい」
しかし、受付のお姉さんは、無情にもこのまま入り口で留まる事を許してはくれない。
呪われた我が身の運命に打ちのめされながら、ゴキブリ王国の中心へと歩みを進めた。
そこは、東郷にとって、まさに地獄だった。
一面、大きなガラスケースに閉じ込められたゴキブリ達が、東郷が入って来たことで興奮し、飛び回っていたのだ。
何匹目かのゴキブリが、ガラス越しに東郷の顔面めがけて飛んできたとき、東郷の意識はそこで途絶えた。
☆
「東郷の奴、連絡が遅いな」
学長室で腹を満たしている桂樹は、ピザまんとステーキの追加注文をSPに頼みながら、そうぼやいた。
――やっぱり、東郷に「ゴキブリ王国」は任せられなかったか……
そう桂樹が思った時、学長室のドアがノックされた。
「どうぞ」
桂樹がそう言うと、SPと共に瑞穂が入ってきた。
入って来るなり、瑞穂は桂樹に文句を言った。
「ちょっと、人の仕事の妨害して、どういうつもり?」
つかつかと、高いヒールの音を響かせながら、学長室の机をパンと両手で叩いた。
「椅子を彼女に用意してくれ」
「はあ?」
SPは、瑞穂に椅子を差し出し、桂樹と向かい合わせに座らせた。
「今日はオレの奢りだ。何か頼め」
「貴方、桂樹くん!?」
「し――っ!」
桂樹は、一部のSPしか知らない事実に、慌てて瑞穂の口を塞いだ。
そして、桂樹は瑞穂に食事のメニュー表を差し出した。
「ちょっと、一人で食べるのに飽きてきたんだ」
瑞穂は、桂樹の意外な言葉を聞いて、思わずかしこまってしまった。
一緒に食事をしたい相手が、自分である事に驚いたのである。
「え? あ、あの桂樹君」
「食わないのか? 何でも頼んでいいんだぞ」
「何でも?」
「ああ」
瑞穂は「何でも頼んでいい」と言う、瑞穂にとって至福の言葉に、ついっさっきまでのトキメキを忘れた。
メニューを片手に持つSPに瑞穂は言った。
「じゃあ、まずブルターニュ産オマール海老のコンソメゼリー寄せ、キャヴィアと滑らかなカリフラワーのムースリーヌ、自家燻製したノルウェーサーモンと帆立貝柱のムースキャベツ、包み蒸し生雲丹とパセリのヴルーテ、手長海老のポワレとサフランリゾット、甲殻類のクリームソース、国産牛フィレ肉のポワレ、季節の温野菜とマスタードソース、木の実と……」
瑞穂は、ここぞとばかりにメニューに記されていない高級フランス料理名を口にする。
もはやSPは、瑞穂によって、一流のパティシエに変貌した。
それもまた、SPの口から別のSPへ、伝達されていたのだが、メニューの全てを把握するのに、およそ二十分の時間を必要とした。
そして、全ての料理を運び終えるのに、実に二時間も要したのである。
☆
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる