64 / 94
番外編
百人祭(3)
しおりを挟む
リンゴーン♪
「オレ」の頭に教会の鐘の音が鳴り響く。
ちょっと待て! オレの理解範囲を超えている。
思えば、「オレ」と一樹が五歳の誕生日を迎えた頃、亜樹をどっちがお嫁さんに貰うか、という議論を交わした事がある。
あの時、桂樹に、「亜樹とお前達はDNAが近いから結婚は出来ない」と五歳の「オレ」達にもよく分かるように、黒板にDNAの論理を桂樹は説明してくれた。
その時、初めて「オレ」達や亜樹がクローンであり、血縁関係を持った人間同士だと言う事を自覚したのだ。
その時のショックを「オレ」は今でも覚えている。
なのに。
「私、子供が出来たの……今、五ヶ月よ」
亜樹のその言葉に、その場にいた全員が驚いた。
十樹も、その事に関しては知らなかった様子で、言葉を失くしていた。
「子供が安定期に入るまでは、内緒にしておこうと思ったんです」
照れくさそうに、橘は言った。
「嘘だ! 亜樹は「オレ」のお嫁さんになるって言ってたじゃないか」
「『オレ』はまだ小さかったから、亜樹が冗談で応えたんだろう。それに桂樹から、結婚は出来ないと聞いていただろう?」
十樹は、「オレ」にそう言うと、やれやれと年寄り臭く椅子から立ち上がった。
「二人は、この研究室に残るのか?」
「出来たらそうしたいです。僕にも、親も親戚もいないも同然ですし、自分達の子を危険にさらしたくはないですし」
――ああ……そう言えば。
橘は昔、神崎とかいう教授の手によって、頭に盗聴器を埋め込まれた事があると言ってた。何でも、その企みには、橘の両親も関わっていたとか……橘にとって、苦い記憶だろう。
その後、両親とは縁を切ったと言っていた。
ピッピピピピピピ……
「ん?」
その時、「オレ」の携帯が鳴った。
メールの着信音だ。差出人を見ると桂樹だった。
もう、前夜祭も終わりだというのに、何を今更――
「オレ」は、メール画面を開いた。
『もう少し待っててくれ――桂樹』
内容はそれだけだった。
何を待っていろと言うのだろう。
「オレ」は桂樹に疑問を抱いた。
☆
十樹と橘と亜樹は、今度行われる結婚式の事で、「オレ」達を放って話をしている。
主役は既に橘と亜樹に代わっていた。
一樹は十樹から貰った、コスモカプセルの調整に夢中になっている。
「オレ」だけが一人、窓の外に降る雪を見ていた。
ホワイトクリスマス……そう、今日はクリスマス・イヴなのである。
一年に一度の聖なる夜なのである。
しかし、「オレ」が好きだった亜樹は、やさ男で貧弱で情けない(オレの方がよっぽどいい男なのに)橘と将来を誓い「オレ」の保護者である桂樹は不在で――
――全く、何て最低な誕生日なのだろう。
☆
窓の外にある木々に、しんしんと雪は降り積もる。
この分だと、明日の朝には銀世界になるだろう。
暗い闇の中で降りしきる雪は、どこか儚く霞んで、幻のように見えた。
「『オレ』?……もう皆は休んだよ。『オレ』も早く寝なさい」
ぼんやりと、窓の外を見ていたオレに、十樹が声をかけてきた。
「桂樹がオレに待ってろって、メールが届いたんだ」
「桂樹を待ってたらきりがない。あいつは昔から遅刻魔なんだ」
十樹は、以前、桂樹と待ち合わせをした際に、六時間も待たされた事がある、と話した。
「だから、君も寝なさい」
「嫌だ」
「『オレ』?」
「桂樹が待ってろって言ったんだ。オレ起きてる」
起きて、桂樹が来たら文句を言ってやるんだ。
そう言うと、十樹が髪をくしゃりと撫でた。
「それなら好きにしなさい。しかし、夜は冷えるから」
十樹は、「オレ」の為に、寝室から毛布を持ってきた。ふわりと宙を舞って、オレの身体を包み込む。
「風邪をひくといけないからね。これにくるまってなさい」
オレは、十樹の優しさ(おせっかい)に、こくんと頷いて、青い毛布を身体に纏った。
暖かかった。
桂樹が帰ってきたら、色んな事を話すんだ。
名前のせいでいじめられている事も、
橘と亜樹が結婚する事も、
亜樹を諦めきれない事も、
桂樹が前夜祭にいなくて、オレだけプレゼントを貰えなかった事も――
今年も、プレゼントが「ゴキブリ王国」のお土産グッズだったとしても、オレは別に構わない事も。
――話したいことが、沢山あるんだ――
「じゃあ「オレ」お休み」
「おやすみ」
十樹とそう話してから、十分も経たない内に、「オレ」は眠りにおちてしまった。
☆
「うおー、寒い」
深夜の二時を回ったところで、研究室の扉がシュンと軽い音を立てて開いた。
真夜中に帰宅したのは、桂樹である。
「あっ、オレを待ってろと言ったのに、全員寝てやがる」
ただいまを言った所で、待つものはいない。
が。
研究室の壁にもたれて、毛布に包まりながら寝ている「オレ」がいた。
「『オレ』知ってるか? サンタさんは眠った頃にやって来るんだぞ」
桂樹は上機嫌で、ある一枚の紙を懐から取り出した。
☆
「おはよう、飛樹、今日は百人祭だよっ!」
「おめでとう、飛樹」
――しぶき? 誰のことだ?
そんな声で目を覚ましたオレは、一瞬、眼が見えなくなったと思った。
それは、オレの視界を妨げる様に、白い習字紙が顔にはりついていたからだった。
何の冗談かと、オレは額についているセロテープを剥がして、習字紙に書かれている文字を見た。
『命名 飛樹』
「はあ!?」
「飛樹、今年の桂樹からの誕生日プレゼントだ」
十樹が笑顔でそう言った。
「オレの……名前?」
そう聞いた途端、自分の名前が書かれた習字紙を持つ手が震える。
オレの眼は、自然に桂樹を捜していた。
「誕生日、おめでとう、飛樹」
目線の先にいた桂樹は笑顔を見せて、途端、倒れた。
「桂樹!?」
皆が慌てて駆け寄る。
「ぐおおおお……」
が、すぐに寝息が聞こえて、皆は安堵の息をついた。
☆
桂樹はそのまま、午前中一杯眠っていた。
十樹に聞くと、桂樹はオレの名前を改名する為に、あちらこちらの機関の門を叩き、一日中走り回っていたという事だった。
オレは何だか、頭の中の霧が晴れて、昨夜とはうって変わって、幸せな気分で誕生日を迎えた。
☆
今日は百人祭が行われ、皆が広場の中心に集まり、踊ったり歌ったりしている。
それを遠目で眺めていると、起きたばかりの桂樹が、一人の女の子を連れてやってきた。
桂樹が、かがんでオレの耳元で囁いた。
「飛樹……名前をつけたのはオレだが、名前をつけることを提案したのは、この子だ」
「え……?」
女の子は、恥ずかしそうに飛樹を見ている。
どことなく、亜樹に似ているその子は、頬を赤らめていた。
「お前も隅におけないな」
「桂樹!」
面白がって、にやにやしている桂樹に、オレは怒った。
照れくさかったのだ。
「飛樹くん、踊りに行こう?」
女の子はそう言うと、飛樹に手を差し伸べた。
「行って来い」
「う、うん」
桂樹に背中を押されて、オレは女の子が差し出した手を掴む。
オレは、これからの未来に向かって駆け出した。
(終)
「オレ」の頭に教会の鐘の音が鳴り響く。
ちょっと待て! オレの理解範囲を超えている。
思えば、「オレ」と一樹が五歳の誕生日を迎えた頃、亜樹をどっちがお嫁さんに貰うか、という議論を交わした事がある。
あの時、桂樹に、「亜樹とお前達はDNAが近いから結婚は出来ない」と五歳の「オレ」達にもよく分かるように、黒板にDNAの論理を桂樹は説明してくれた。
その時、初めて「オレ」達や亜樹がクローンであり、血縁関係を持った人間同士だと言う事を自覚したのだ。
その時のショックを「オレ」は今でも覚えている。
なのに。
「私、子供が出来たの……今、五ヶ月よ」
亜樹のその言葉に、その場にいた全員が驚いた。
十樹も、その事に関しては知らなかった様子で、言葉を失くしていた。
「子供が安定期に入るまでは、内緒にしておこうと思ったんです」
照れくさそうに、橘は言った。
「嘘だ! 亜樹は「オレ」のお嫁さんになるって言ってたじゃないか」
「『オレ』はまだ小さかったから、亜樹が冗談で応えたんだろう。それに桂樹から、結婚は出来ないと聞いていただろう?」
十樹は、「オレ」にそう言うと、やれやれと年寄り臭く椅子から立ち上がった。
「二人は、この研究室に残るのか?」
「出来たらそうしたいです。僕にも、親も親戚もいないも同然ですし、自分達の子を危険にさらしたくはないですし」
――ああ……そう言えば。
橘は昔、神崎とかいう教授の手によって、頭に盗聴器を埋め込まれた事があると言ってた。何でも、その企みには、橘の両親も関わっていたとか……橘にとって、苦い記憶だろう。
その後、両親とは縁を切ったと言っていた。
ピッピピピピピピ……
「ん?」
その時、「オレ」の携帯が鳴った。
メールの着信音だ。差出人を見ると桂樹だった。
もう、前夜祭も終わりだというのに、何を今更――
「オレ」は、メール画面を開いた。
『もう少し待っててくれ――桂樹』
内容はそれだけだった。
何を待っていろと言うのだろう。
「オレ」は桂樹に疑問を抱いた。
☆
十樹と橘と亜樹は、今度行われる結婚式の事で、「オレ」達を放って話をしている。
主役は既に橘と亜樹に代わっていた。
一樹は十樹から貰った、コスモカプセルの調整に夢中になっている。
「オレ」だけが一人、窓の外に降る雪を見ていた。
ホワイトクリスマス……そう、今日はクリスマス・イヴなのである。
一年に一度の聖なる夜なのである。
しかし、「オレ」が好きだった亜樹は、やさ男で貧弱で情けない(オレの方がよっぽどいい男なのに)橘と将来を誓い「オレ」の保護者である桂樹は不在で――
――全く、何て最低な誕生日なのだろう。
☆
窓の外にある木々に、しんしんと雪は降り積もる。
この分だと、明日の朝には銀世界になるだろう。
暗い闇の中で降りしきる雪は、どこか儚く霞んで、幻のように見えた。
「『オレ』?……もう皆は休んだよ。『オレ』も早く寝なさい」
ぼんやりと、窓の外を見ていたオレに、十樹が声をかけてきた。
「桂樹がオレに待ってろって、メールが届いたんだ」
「桂樹を待ってたらきりがない。あいつは昔から遅刻魔なんだ」
十樹は、以前、桂樹と待ち合わせをした際に、六時間も待たされた事がある、と話した。
「だから、君も寝なさい」
「嫌だ」
「『オレ』?」
「桂樹が待ってろって言ったんだ。オレ起きてる」
起きて、桂樹が来たら文句を言ってやるんだ。
そう言うと、十樹が髪をくしゃりと撫でた。
「それなら好きにしなさい。しかし、夜は冷えるから」
十樹は、「オレ」の為に、寝室から毛布を持ってきた。ふわりと宙を舞って、オレの身体を包み込む。
「風邪をひくといけないからね。これにくるまってなさい」
オレは、十樹の優しさ(おせっかい)に、こくんと頷いて、青い毛布を身体に纏った。
暖かかった。
桂樹が帰ってきたら、色んな事を話すんだ。
名前のせいでいじめられている事も、
橘と亜樹が結婚する事も、
亜樹を諦めきれない事も、
桂樹が前夜祭にいなくて、オレだけプレゼントを貰えなかった事も――
今年も、プレゼントが「ゴキブリ王国」のお土産グッズだったとしても、オレは別に構わない事も。
――話したいことが、沢山あるんだ――
「じゃあ「オレ」お休み」
「おやすみ」
十樹とそう話してから、十分も経たない内に、「オレ」は眠りにおちてしまった。
☆
「うおー、寒い」
深夜の二時を回ったところで、研究室の扉がシュンと軽い音を立てて開いた。
真夜中に帰宅したのは、桂樹である。
「あっ、オレを待ってろと言ったのに、全員寝てやがる」
ただいまを言った所で、待つものはいない。
が。
研究室の壁にもたれて、毛布に包まりながら寝ている「オレ」がいた。
「『オレ』知ってるか? サンタさんは眠った頃にやって来るんだぞ」
桂樹は上機嫌で、ある一枚の紙を懐から取り出した。
☆
「おはよう、飛樹、今日は百人祭だよっ!」
「おめでとう、飛樹」
――しぶき? 誰のことだ?
そんな声で目を覚ましたオレは、一瞬、眼が見えなくなったと思った。
それは、オレの視界を妨げる様に、白い習字紙が顔にはりついていたからだった。
何の冗談かと、オレは額についているセロテープを剥がして、習字紙に書かれている文字を見た。
『命名 飛樹』
「はあ!?」
「飛樹、今年の桂樹からの誕生日プレゼントだ」
十樹が笑顔でそう言った。
「オレの……名前?」
そう聞いた途端、自分の名前が書かれた習字紙を持つ手が震える。
オレの眼は、自然に桂樹を捜していた。
「誕生日、おめでとう、飛樹」
目線の先にいた桂樹は笑顔を見せて、途端、倒れた。
「桂樹!?」
皆が慌てて駆け寄る。
「ぐおおおお……」
が、すぐに寝息が聞こえて、皆は安堵の息をついた。
☆
桂樹はそのまま、午前中一杯眠っていた。
十樹に聞くと、桂樹はオレの名前を改名する為に、あちらこちらの機関の門を叩き、一日中走り回っていたという事だった。
オレは何だか、頭の中の霧が晴れて、昨夜とはうって変わって、幸せな気分で誕生日を迎えた。
☆
今日は百人祭が行われ、皆が広場の中心に集まり、踊ったり歌ったりしている。
それを遠目で眺めていると、起きたばかりの桂樹が、一人の女の子を連れてやってきた。
桂樹が、かがんでオレの耳元で囁いた。
「飛樹……名前をつけたのはオレだが、名前をつけることを提案したのは、この子だ」
「え……?」
女の子は、恥ずかしそうに飛樹を見ている。
どことなく、亜樹に似ているその子は、頬を赤らめていた。
「お前も隅におけないな」
「桂樹!」
面白がって、にやにやしている桂樹に、オレは怒った。
照れくさかったのだ。
「飛樹くん、踊りに行こう?」
女の子はそう言うと、飛樹に手を差し伸べた。
「行って来い」
「う、うん」
桂樹に背中を押されて、オレは女の子が差し出した手を掴む。
オレは、これからの未来に向かって駆け出した。
(終)
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説

【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。

トレンダム辺境伯の結婚 妻は俺の妻じゃないようです。
白雪なこ
ファンタジー
両親の怪我により爵位を継ぎ、トレンダム辺境伯となったジークス。辺境地の男は女性に人気がないが、ルマルド侯爵家の次女シルビナは喜んで嫁入りしてくれた。だが、初夜の晩、シルビナは告げる。「生憎と、月のものが来てしまいました」と。環境に慣れ、辺境伯夫人の仕事を覚えるまで、初夜は延期らしい。だが、頑張っているのは別のことだった……。
*外部サイトにも掲載しています。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる