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第三章
3.密約
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その夜、カリムは皆が寝静まるのを待って、亜樹が眠っていた第四研究室にあった机の引き出しを探っていた。
暗闇の中、カリムはこの世界に持ち込んだ懐中電灯を手にした。
神崎の言っていたクローンの情報が、ここにあるのではないかと推測したからだ。
しかし、何故かそれらの情報の痕跡すら見つからない。
そこで、部屋に設置してあるパソコンの電源を入れてみた。
ところがパソコンを起動させる為のパスワードが分からず、カリムはため息をつきながら、あてずっぽうでパスワードを入力し始めた。
一番最初に入力したのは、この研究室の代表である十樹の名だ。
「トージュ・シライシ……」
すると、ピッと鈍った音が鳴り、「パスワードエラー」の画面が表示された。
(こんな簡単な、パスワードな訳ないか……)
一端諦めて、また明日にでも出直そうと振り返った、その時――
「こんな所で何をやってるんだ?」
目の前に現れたのは、懐中電灯を片手に持った桂樹だった。
「うわあぁっ!」
灯りに照らされた桂樹の顔がお化けのようにカリムには映って、思わず椅子から転落してしまう。
部屋の入り口にいた十樹が明かりをつけた。
「……起きてたんだ」
すぐに平静を取り戻したカリムは、床にあぐらをかいた。
「何をしていた?」
「別に……何でもないです」
「嘘をついても分かるよ。君につけていた発信機は、盗聴機能を兼ねているものだ。さっきの神崎と君の会話も、私達は聞いていた」
「……」
カリムは返す言葉を失った。言い訳をする気にもならず、自分自身にも呆れて肩を落とした。
「もう……煮るなり焼くなり、好きにして下さい」
「カリム……私達は、君を責めるつもりはない。仕方ない事だと思っているよ」
十樹は、カリムの肩に手を置く。
「僕は……どうしたらいいんでしょうか?」
力無く、他に頼るものが何もないような、か細い声で十樹に言う。
「これを持っていきなさい」
十樹は、白衣のポケットに入れていた、一枚のコンパクト・ディスクを取り出し、カリムに渡した。
「神崎の欲しがっていた、クローンのデータだよ」
「えっ!? これ……いいんですか?」
「リルちゃんの記憶を取り戻そう」
「お、おい、十樹いいのかよ!?」
桂樹は、大事なデータをあっさりと敵に渡そうとする十樹を、信じられない面持ちで見た。
「桂樹、いいんだよ」
「しかし、それを渡したら、神崎の野郎がクローンをうじゃうじゃ造ってしまうんじゃ」
「それは、どうだろうな」
十樹は桂樹に笑顔を返した。
「分かった、十樹、リルちゃんの為だもんな、それならオレも」
桂樹は自室に戻って、一枚のディスクを持ってきた。
桂樹のゴキブリ化粧品関連のディスクである。
「これも神崎に……」
「それ、いらないと思うから」
十樹とカリム、二人同時にそう答えた。
☆
(――――クローン?クローンって何の事かしら?)
真夜中に人が動いている気配を感じて目覚めた亜樹は、研究室で交わされている十樹や桂樹の会話に疑問を抱いた。
人工知能で育てられた亜樹は、事故以来の記憶が、造られた記憶である為、自らがクローンであるという自覚がない。
(そういえば、私……私ってこんな大きな手をしていたかしら?)
そして、十樹や桂樹の姿も例外でなく、目覚めてからの記憶の曖昧さに亜樹は戸惑う。
兄達は、どうして自分を研究所に呼んだのか。
『亜樹さんは強いですね……実験体なのに』
昼間の橘の声が、リフレインする。
そして、あの夢の記憶――――
(あの夢は何だったの?)
今も鮮明に思い出せる。
エア・カーが迫ってくる夢……最後の記憶。
(私には、あのエア・カーを運転している男の人の顔すら思い出せるのに)
亜樹は、ふるふると頭を振った。
(――これは、あまり考えてはいけないことなんだわ)
亜樹は、ふうっと息をついて、思考を停止させると、自室に戻って再び眠りについた。
☆
「おはようございます」
「おはよう」
橘の声で、皆目覚めてみれば、研究室の中央にピクニックシートが敷いてあり、朝食が用意されていた。
「これだけの大所帯じゃ、食堂に行くより、こちらの方が良いのではないかと思いまして、宅配サービスを利用しました」
皆が驚く中、橘は照れ笑いをしている。
「これ、伝票です」
ひらり、と一枚の紙が十樹の手に渡される。
請求された金額を見たら、想定外の値段の高さに十樹は目を丸くした。
桂樹が、十樹の背後から覗きこむ。
「橘! お前、誰がこんな金額払うんだよっ!」
桂樹のポケットマネーでは、到底払えない金額だ。
「桂樹、それは貧乏なお前の言い訳だ――仕方ない、私が」
「僕が払って置きましたけど……皆さんに食べて頂きたくて」
えへへ……と橘は、照れながら頬を指でかく。
思えば、橘の家庭は、頭に仕掛けられた盗聴器の恩恵あって、裕福であった事を思い出す。
「宅配サービスって便利ですね。この程度の金額なら、しばらくこうした方が……」
一同、橘の言葉を聞いて、桂樹は金銭感覚が違う……と呟き、
「橘、オレ達仲良くしようなっ!」
と、橘と固い握手を交わした。
それを、十樹は呆れながら見る。
「それで、カリムはこれからどうするんだい?」
高級サンドイッチを手にしながら、十樹はそう訊いた。
「決まってます。昨夜のディスクを持って、神崎の所に行きます」
「そうか」
カリムの返事に、十樹は頷いた。
「そのディスクを持って行く際、必ずリルちゃんの記憶を先に返して貰いなさい。そして、そのディスクを私の了解なしに持ってきたものだと、神崎に伝えることを忘れないで欲しい。相手は何をするか分からないからね」
「はい」
「いざという時は、私達が出て行くから」
十樹は、カリムとリルの両方に発信機をつけた。当然つけるのを拒否するべき物なのに、カリムは逆に安心した。
――これで、二人に嘘をつかなくても良い。
そう思うと、気持ちが軽くなった。
「ねぇ、リル、どうしてここにいるのかなぁ?」
何も知らないリルが、あどけない表情でカリムに訊く。
「もう大丈夫だよ。リルの記憶は、絶対に取り戻してみせるから」
カリムは、リルの手をぎゅっと握った。
☆
カリムとリルは、入り組んだ道を通って、神崎の研究室の前に立ち、インターフォンを鳴らした。
『私の了解なしに持って来たものだとう言うことを――』
カリムは、十樹から言われてきたことを反芻していると、扉が開き神崎が姿を現した。
「お約束のものです」
「やあ、ご苦労だったね」
神崎にディスクを渡す手前で、カリムはすっと手を引いた。
神崎が訝しげにカリムを見る。
「その前に、リルを元に戻して下さい」
前日、リルの記憶メモリーは、実は神崎のすり替えたダミーで、本物は別にあるのだと聞いていた。
「いいだろう。約束通り、リルちゃんの記憶を戻してあげるよ」
神崎は研究室の中へ入るよう、カリムとリルを促した。
「そのディスクは、どうやって手に入れた?」
「白石十樹の寝室にあったものです。盗んできました」
十樹の言う通り、許可なく持って来たのだとカリムは神崎に伝えると、神崎はふぅん、とつまらなさそうに相槌を打った。
「まぁいい、君のお陰で案外あっけなく手に入りそうだ――白石十樹の知識が」
その言葉に、カリムはぴくりと反応した。
「貴方が研究者であるのなら、研究者としてのプライドはないんですか?」
「君達が思っているほど、ここ幾何学大学は甘いところではないんだよ」
神崎は自分の父、神崎保がどれほど汚い手段を使って今の地位についたのかを知っている。
今、神崎亨がこうして生体医学部のリーダーという地位を築いたことすら、裏で何億もの金が動いていたかを知っている。
父は尊敬できるような教授ではないが、息子として、それ相応の恩返しをしなければならない義務がある。
今はまだ、その父親が神崎にとって大きな足かせになることを、神崎亨は知る由もなかった。
暗闇の中、カリムはこの世界に持ち込んだ懐中電灯を手にした。
神崎の言っていたクローンの情報が、ここにあるのではないかと推測したからだ。
しかし、何故かそれらの情報の痕跡すら見つからない。
そこで、部屋に設置してあるパソコンの電源を入れてみた。
ところがパソコンを起動させる為のパスワードが分からず、カリムはため息をつきながら、あてずっぽうでパスワードを入力し始めた。
一番最初に入力したのは、この研究室の代表である十樹の名だ。
「トージュ・シライシ……」
すると、ピッと鈍った音が鳴り、「パスワードエラー」の画面が表示された。
(こんな簡単な、パスワードな訳ないか……)
一端諦めて、また明日にでも出直そうと振り返った、その時――
「こんな所で何をやってるんだ?」
目の前に現れたのは、懐中電灯を片手に持った桂樹だった。
「うわあぁっ!」
灯りに照らされた桂樹の顔がお化けのようにカリムには映って、思わず椅子から転落してしまう。
部屋の入り口にいた十樹が明かりをつけた。
「……起きてたんだ」
すぐに平静を取り戻したカリムは、床にあぐらをかいた。
「何をしていた?」
「別に……何でもないです」
「嘘をついても分かるよ。君につけていた発信機は、盗聴機能を兼ねているものだ。さっきの神崎と君の会話も、私達は聞いていた」
「……」
カリムは返す言葉を失った。言い訳をする気にもならず、自分自身にも呆れて肩を落とした。
「もう……煮るなり焼くなり、好きにして下さい」
「カリム……私達は、君を責めるつもりはない。仕方ない事だと思っているよ」
十樹は、カリムの肩に手を置く。
「僕は……どうしたらいいんでしょうか?」
力無く、他に頼るものが何もないような、か細い声で十樹に言う。
「これを持っていきなさい」
十樹は、白衣のポケットに入れていた、一枚のコンパクト・ディスクを取り出し、カリムに渡した。
「神崎の欲しがっていた、クローンのデータだよ」
「えっ!? これ……いいんですか?」
「リルちゃんの記憶を取り戻そう」
「お、おい、十樹いいのかよ!?」
桂樹は、大事なデータをあっさりと敵に渡そうとする十樹を、信じられない面持ちで見た。
「桂樹、いいんだよ」
「しかし、それを渡したら、神崎の野郎がクローンをうじゃうじゃ造ってしまうんじゃ」
「それは、どうだろうな」
十樹は桂樹に笑顔を返した。
「分かった、十樹、リルちゃんの為だもんな、それならオレも」
桂樹は自室に戻って、一枚のディスクを持ってきた。
桂樹のゴキブリ化粧品関連のディスクである。
「これも神崎に……」
「それ、いらないと思うから」
十樹とカリム、二人同時にそう答えた。
☆
(――――クローン?クローンって何の事かしら?)
真夜中に人が動いている気配を感じて目覚めた亜樹は、研究室で交わされている十樹や桂樹の会話に疑問を抱いた。
人工知能で育てられた亜樹は、事故以来の記憶が、造られた記憶である為、自らがクローンであるという自覚がない。
(そういえば、私……私ってこんな大きな手をしていたかしら?)
そして、十樹や桂樹の姿も例外でなく、目覚めてからの記憶の曖昧さに亜樹は戸惑う。
兄達は、どうして自分を研究所に呼んだのか。
『亜樹さんは強いですね……実験体なのに』
昼間の橘の声が、リフレインする。
そして、あの夢の記憶――――
(あの夢は何だったの?)
今も鮮明に思い出せる。
エア・カーが迫ってくる夢……最後の記憶。
(私には、あのエア・カーを運転している男の人の顔すら思い出せるのに)
亜樹は、ふるふると頭を振った。
(――これは、あまり考えてはいけないことなんだわ)
亜樹は、ふうっと息をついて、思考を停止させると、自室に戻って再び眠りについた。
☆
「おはようございます」
「おはよう」
橘の声で、皆目覚めてみれば、研究室の中央にピクニックシートが敷いてあり、朝食が用意されていた。
「これだけの大所帯じゃ、食堂に行くより、こちらの方が良いのではないかと思いまして、宅配サービスを利用しました」
皆が驚く中、橘は照れ笑いをしている。
「これ、伝票です」
ひらり、と一枚の紙が十樹の手に渡される。
請求された金額を見たら、想定外の値段の高さに十樹は目を丸くした。
桂樹が、十樹の背後から覗きこむ。
「橘! お前、誰がこんな金額払うんだよっ!」
桂樹のポケットマネーでは、到底払えない金額だ。
「桂樹、それは貧乏なお前の言い訳だ――仕方ない、私が」
「僕が払って置きましたけど……皆さんに食べて頂きたくて」
えへへ……と橘は、照れながら頬を指でかく。
思えば、橘の家庭は、頭に仕掛けられた盗聴器の恩恵あって、裕福であった事を思い出す。
「宅配サービスって便利ですね。この程度の金額なら、しばらくこうした方が……」
一同、橘の言葉を聞いて、桂樹は金銭感覚が違う……と呟き、
「橘、オレ達仲良くしようなっ!」
と、橘と固い握手を交わした。
それを、十樹は呆れながら見る。
「それで、カリムはこれからどうするんだい?」
高級サンドイッチを手にしながら、十樹はそう訊いた。
「決まってます。昨夜のディスクを持って、神崎の所に行きます」
「そうか」
カリムの返事に、十樹は頷いた。
「そのディスクを持って行く際、必ずリルちゃんの記憶を先に返して貰いなさい。そして、そのディスクを私の了解なしに持ってきたものだと、神崎に伝えることを忘れないで欲しい。相手は何をするか分からないからね」
「はい」
「いざという時は、私達が出て行くから」
十樹は、カリムとリルの両方に発信機をつけた。当然つけるのを拒否するべき物なのに、カリムは逆に安心した。
――これで、二人に嘘をつかなくても良い。
そう思うと、気持ちが軽くなった。
「ねぇ、リル、どうしてここにいるのかなぁ?」
何も知らないリルが、あどけない表情でカリムに訊く。
「もう大丈夫だよ。リルの記憶は、絶対に取り戻してみせるから」
カリムは、リルの手をぎゅっと握った。
☆
カリムとリルは、入り組んだ道を通って、神崎の研究室の前に立ち、インターフォンを鳴らした。
『私の了解なしに持って来たものだとう言うことを――』
カリムは、十樹から言われてきたことを反芻していると、扉が開き神崎が姿を現した。
「お約束のものです」
「やあ、ご苦労だったね」
神崎にディスクを渡す手前で、カリムはすっと手を引いた。
神崎が訝しげにカリムを見る。
「その前に、リルを元に戻して下さい」
前日、リルの記憶メモリーは、実は神崎のすり替えたダミーで、本物は別にあるのだと聞いていた。
「いいだろう。約束通り、リルちゃんの記憶を戻してあげるよ」
神崎は研究室の中へ入るよう、カリムとリルを促した。
「そのディスクは、どうやって手に入れた?」
「白石十樹の寝室にあったものです。盗んできました」
十樹の言う通り、許可なく持って来たのだとカリムは神崎に伝えると、神崎はふぅん、とつまらなさそうに相槌を打った。
「まぁいい、君のお陰で案外あっけなく手に入りそうだ――白石十樹の知識が」
その言葉に、カリムはぴくりと反応した。
「貴方が研究者であるのなら、研究者としてのプライドはないんですか?」
「君達が思っているほど、ここ幾何学大学は甘いところではないんだよ」
神崎は自分の父、神崎保がどれほど汚い手段を使って今の地位についたのかを知っている。
今、神崎亨がこうして生体医学部のリーダーという地位を築いたことすら、裏で何億もの金が動いていたかを知っている。
父は尊敬できるような教授ではないが、息子として、それ相応の恩返しをしなければならない義務がある。
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