森を抜けたらそこは異世界でした

日彩

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Later story

4.神崎死す!?

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神崎がそう思った時、大学警察の手から放たれたレーザー銃が、斧の柄の部分に当たり、斧は宙で分解した。
しかし、斧の金属の背に当たる部分が、神崎の頭部に直撃し、神崎はその場に倒れた。

                    ☆

宇宙科学部でつかの間の休息を取っていた十樹は携帯の呼び出し音により、再び緊迫した事態を思い知ることになった。

「何だって?」

『生体医学部の神崎亨先生がました。大学警察はすぐに老人たちを取り押さえ、現在、拘束中です』


電話をかけて来たSPの一人は、そう状況を伝えた。
被害者が出た以上、この問題を放置しておく訳にはいかない。
十樹は、ぐっと歯を噛み締めた。

「分かった。すぐに学長室へ戻ろう」

SPの一人にそう告げると、十樹は電話を切った。

「おい、何だ、何の連絡だ?」
「神崎が殺された」
「はあ!?あの殺されても死にそうにない神崎がか!?」

十樹は、驚く桂樹に、青ざめた顔でこくりと頷いた。

「――確かに、神崎は老人たちの記憶を書き換えるという、老人たちにとっての報復対象ではあったと思うが……」
「あの神崎が、そんな事を老人たちに話すとも思えないけどなあ」

十樹と桂樹は、互いに同じ事を考えた。

――あの神崎が、殺されただなんて

一同は、しん、となる
宇宙科学部に、先程とは打って変わって、不穏な空気が漂っていた。



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