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2章 魔法使いとストッカー
30 運営陣会議
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「では、改めて、急なのにみんな集まってくれてありがとう。今日の授業での話し合いで何かいいアイデアはあっただろうか?」
魔法科の教室で、副将のウィリアム君が提出された、それぞれの系統からの資料を見ながら話し合いを開始した。
ロッシーニから『OK』が出たので、側近達は同じ教室で待ってくれている。一応、作戦会議だからね。対抗クラスのロッシーニは外で、1年のニックは中で警護?に当たっている。ミーナ君は私の側にいるが黙って付き添う。
「そうだね~。系統別に話し合ったけど、結局どう連携させるかだよね~」
主将のオリバー君がウィリアム君から受け取った資料をのほほんと見ている。
「そうだよね。ジェシカ君は何か案はある?参謀じゃん?」
攻撃担当のマイケル君が話をフって来た。
「えぇ。急にはまだ。。。ただ、話し合いでも問題になったのだけれど、テーマの『砂漠』が中々の曲者よね」
「そうだな。。。みんなが思っている様に足場が砂になると思うんだよ。漠然とでもいいから作戦の道筋をつけないと、時間が限られてるし、早く練習したいんだよなぁ」
ウィリアム君は早々に演習に入りたい様子。
「そうねぇ。足場が砂なら魔法陣で固めるって意見もあったけど、私は砂漠を上手く利用すれば良いんじゃないかと思うの」
「ん?砂だよ?利用方法って。。。固めなきゃ足を取られるじゃん。他のクラスも固めてくるんじゃない?」
面倒臭がりのイーサン君が胡散臭いな~って目で見てくる。
「みんな、海は見たことがあるかしら?」
そこで私はぱっと思いついた案を提案する事にした。
みんなはフルフルと首を振って否定する。
「そう。説明が難しいな。。。あのね、砂を海の波みたいにザッパ~ンって唸らせて攻撃部隊を送り込むのは?」
私は手で波を表現するが上手くいかない。
みんな海の波自体を知らないからね。目が点だ。
う~ん。
あっ!そうだ!
「ちょっと、待ってくれる?」
私は入り口にいたニックとロッシーニに箱に水を入れて持って来てもらう事にした。説明に水で代用すればわかりやすいよね。
2人が学校中で箱を探して持ってくる間に、私は絵を描いて補助説明する事にした。
「砂を魔法陣で操作するのだけれど。。。攻撃者はそうね。。。板の上とかに乗って砂の上を移動するの。大きな砂の波にすれば相手の陣地にも被害が出ると思うし、何より波を大きくすれば上から攻撃できるわ」
サーフィンする人とその人が攻撃する様子を簡単に描いて説明するが、絵が。。。人がマッチ棒の様になってしまった。とほほ。
「この波?と言うものは、実際はこんなに大きな物なのかな?実現できるかなぁ?」
イーサン君以外は絵を見ながらハテナになっている。
「ジェシカ君。魔法陣で操作と言っても。。。波を見たいなぁ。これはひょっとするとひょっとするかも」
流石!操作系の魔法陣が得意なだけあるよね。イーサン君が喰いついてくれた。
「ジェシー様。用意ができました」
と、タイミングよくニックが30cm四方の水槽に水を張って持って来てくれた。
「ちょうどよかったわ。みんなこれを見て」
私は水槽を横に揺らして小さな波を作る。
「ちょっと波とは言い難いけど。。。揺らすと水面が揺れるでしょう?横から見ると水が上に上昇するじゃない?この起伏、もっと大きなこんな感じの波を想像して欲しいの。それで、砂を操作してこの水みたいに、さっき言ったザッパ~ンってやるの」
手で波を表現しながら説明してみる。
。。。上手く言えない。理解してくれたかな?難しい。私はドキドキしながらみんなの出方を待つ。
「上昇させて唸らせるのかな?板は足場の確保って事で良いのか。人を運ぶ感じ?。。。これってめちゃくちゃ練習が必要だよね」
オリバー君は概ね賛成なのかな?そう言いながら水槽を揺らして波を作っている。
「練習するにしても、実際砂漠は本番しかないしなぁ。魔力も結構いるなぁ」
イーサン君はブツブツと言いながら、紙に操作系の魔法陣を早速書いている。
「そうだ!レクリエーションで行った森の湖は?練習に使えないかな?」
マイケル君は乗り気になってくれた様で、砂の代わりの水場を提案してくれる。
「そうだな。。。まずはどんな波になるか実験が必要だ。先生に聞いてみるよ」
ウィリアム君はまず波自体が作戦に使えるかどうか確かめようと言う。
「そうだね。まずは見てみよう。僕らは波を知らないからね」
これで足場の問題はとりあえずクリアになった?のかな?
「でも、この波作戦は規模次第じゃ何回も使えないな。トーナメント戦だから、勝ち進めば何回か試合があるし」
「そうだな。。。でもこの波作戦を工夫すれば良いよ。対戦ごとに波を変えればいけるんじゃない?」
オリバー君とウィリアム君はもう波についてあーだこーだと話し合っている。
「でもさ~ジェシカ君、よく海を砂漠に転換したね?しかもその上に乗るって。。。実際、見た事があるの?」
マイケル君はニコニコしながら私に話しかける。
あっぶな。どうしようか。。。
「え?えぇ。。。お、お隣がミサ領なのよ。小さい頃に海を見た事があって。。。ち、父親同士が友人で遊びに行ったりしてね。ほほほほほ」
「ふ~ん。実際見たのか~」
と、ニコニコ顔のマイケル君。ごまかせたかな?ふ~。
「あとは、攻撃と守備に分けてグループを作らないとね」
こうして、オリバー君を中心に話が進められて、作戦がなんとなく形になってきた。
「じゃぁ、次の授業は攻撃と守備に分けて話し合いだね。再来週の授業では対抗戦用の魔法の練習をしたいし。それまでに一度、湖で波を確認しよう。上手く使えそうなら、水の波で練習しないといけないしね」
「そうだな!本当にこの作戦、上手く行けば俺たちは1位になれるかもしれない!がんばろうぜ!」
ウィリアム君はウキウキになっている。思いつきを話した時のミランの様だ。本当にもうウッキウキだ。
「俺は魔法陣を組んでみるよ。もし実現できたら大掛かりになりそうだ。魔力の方はジェシカ君中心に考えるよ。ウチには21領主のメリッサ君も居るしな。魔力が豊富だ!って、ジェシカ君は魔力が特に多いんだろう?」
イーサン君もやる気にスイッチが入ったみたい。いつもの面倒くさい感じがなくなっている。
「へ~。ちなみにどの位?」
マイケル君は魔力が少ないからうらやましいと詰め寄って来た。
「ほほほほ。隠すつもりはないけど、あまり言いふらさないでね。ここだけでお願いよ」
他のみんなも興味があるのかそれぞれに頷いて私を見る。
「魔法庁のトップ10に入るぐらい?と言われたわ。内緒ね」
小さな声で私が言うと『え~!!!』と教室にみんなの声が響いた。
驚いたロッシーニが教室に入って来る。
「何事ですか!ジェシー様!大丈夫ですか?」
ロッシーニは驚いているみんなを余所に、私に駆け寄りみんなを睨みつける。
「大丈夫よ。ロッシーニ。ちょっと私の魔力量の話をしたら。。。ね?」
『あ~』と納得がいったのかロッシーニは早々に教室の外へ出ていった。
「すごい!これは魔法陣が面白くなるぞ!想像していた色んな事が出来るかもしれない!あれもこれも実験できる!」
「イーサン君。対抗戦の魔法陣だからね!面白いとか無いから!お願いだから派手にしないでね。てか、私で実験しないでよ!あくまで対抗戦なのよ!」
『あぁ』と言っているが顔はそうは言っていない。イーサン君は上の空だ。
何だか不安だ。すんごい不安だ。
「主将も副将も止めてね!何だか怖いわ。イーサン君の事お願いよ!」
「まぁ~まぁ~。暴走したら流石に止めるよ。大丈夫、大丈夫」
オリバー君はそう言ってくれるが、のほほんとしているので不安しかない。
あ~、前途多難。言わなきゃよかった。。。ぐすん。
魔法科の教室で、副将のウィリアム君が提出された、それぞれの系統からの資料を見ながら話し合いを開始した。
ロッシーニから『OK』が出たので、側近達は同じ教室で待ってくれている。一応、作戦会議だからね。対抗クラスのロッシーニは外で、1年のニックは中で警護?に当たっている。ミーナ君は私の側にいるが黙って付き添う。
「そうだね~。系統別に話し合ったけど、結局どう連携させるかだよね~」
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「そうだよね。ジェシカ君は何か案はある?参謀じゃん?」
攻撃担当のマイケル君が話をフって来た。
「えぇ。急にはまだ。。。ただ、話し合いでも問題になったのだけれど、テーマの『砂漠』が中々の曲者よね」
「そうだな。。。みんなが思っている様に足場が砂になると思うんだよ。漠然とでもいいから作戦の道筋をつけないと、時間が限られてるし、早く練習したいんだよなぁ」
ウィリアム君は早々に演習に入りたい様子。
「そうねぇ。足場が砂なら魔法陣で固めるって意見もあったけど、私は砂漠を上手く利用すれば良いんじゃないかと思うの」
「ん?砂だよ?利用方法って。。。固めなきゃ足を取られるじゃん。他のクラスも固めてくるんじゃない?」
面倒臭がりのイーサン君が胡散臭いな~って目で見てくる。
「みんな、海は見たことがあるかしら?」
そこで私はぱっと思いついた案を提案する事にした。
みんなはフルフルと首を振って否定する。
「そう。説明が難しいな。。。あのね、砂を海の波みたいにザッパ~ンって唸らせて攻撃部隊を送り込むのは?」
私は手で波を表現するが上手くいかない。
みんな海の波自体を知らないからね。目が点だ。
う~ん。
あっ!そうだ!
「ちょっと、待ってくれる?」
私は入り口にいたニックとロッシーニに箱に水を入れて持って来てもらう事にした。説明に水で代用すればわかりやすいよね。
2人が学校中で箱を探して持ってくる間に、私は絵を描いて補助説明する事にした。
「砂を魔法陣で操作するのだけれど。。。攻撃者はそうね。。。板の上とかに乗って砂の上を移動するの。大きな砂の波にすれば相手の陣地にも被害が出ると思うし、何より波を大きくすれば上から攻撃できるわ」
サーフィンする人とその人が攻撃する様子を簡単に描いて説明するが、絵が。。。人がマッチ棒の様になってしまった。とほほ。
「この波?と言うものは、実際はこんなに大きな物なのかな?実現できるかなぁ?」
イーサン君以外は絵を見ながらハテナになっている。
「ジェシカ君。魔法陣で操作と言っても。。。波を見たいなぁ。これはひょっとするとひょっとするかも」
流石!操作系の魔法陣が得意なだけあるよね。イーサン君が喰いついてくれた。
「ジェシー様。用意ができました」
と、タイミングよくニックが30cm四方の水槽に水を張って持って来てくれた。
「ちょうどよかったわ。みんなこれを見て」
私は水槽を横に揺らして小さな波を作る。
「ちょっと波とは言い難いけど。。。揺らすと水面が揺れるでしょう?横から見ると水が上に上昇するじゃない?この起伏、もっと大きなこんな感じの波を想像して欲しいの。それで、砂を操作してこの水みたいに、さっき言ったザッパ~ンってやるの」
手で波を表現しながら説明してみる。
。。。上手く言えない。理解してくれたかな?難しい。私はドキドキしながらみんなの出方を待つ。
「上昇させて唸らせるのかな?板は足場の確保って事で良いのか。人を運ぶ感じ?。。。これってめちゃくちゃ練習が必要だよね」
オリバー君は概ね賛成なのかな?そう言いながら水槽を揺らして波を作っている。
「練習するにしても、実際砂漠は本番しかないしなぁ。魔力も結構いるなぁ」
イーサン君はブツブツと言いながら、紙に操作系の魔法陣を早速書いている。
「そうだ!レクリエーションで行った森の湖は?練習に使えないかな?」
マイケル君は乗り気になってくれた様で、砂の代わりの水場を提案してくれる。
「そうだな。。。まずはどんな波になるか実験が必要だ。先生に聞いてみるよ」
ウィリアム君はまず波自体が作戦に使えるかどうか確かめようと言う。
「そうだね。まずは見てみよう。僕らは波を知らないからね」
これで足場の問題はとりあえずクリアになった?のかな?
「でも、この波作戦は規模次第じゃ何回も使えないな。トーナメント戦だから、勝ち進めば何回か試合があるし」
「そうだな。。。でもこの波作戦を工夫すれば良いよ。対戦ごとに波を変えればいけるんじゃない?」
オリバー君とウィリアム君はもう波についてあーだこーだと話し合っている。
「でもさ~ジェシカ君、よく海を砂漠に転換したね?しかもその上に乗るって。。。実際、見た事があるの?」
マイケル君はニコニコしながら私に話しかける。
あっぶな。どうしようか。。。
「え?えぇ。。。お、お隣がミサ領なのよ。小さい頃に海を見た事があって。。。ち、父親同士が友人で遊びに行ったりしてね。ほほほほほ」
「ふ~ん。実際見たのか~」
と、ニコニコ顔のマイケル君。ごまかせたかな?ふ~。
「あとは、攻撃と守備に分けてグループを作らないとね」
こうして、オリバー君を中心に話が進められて、作戦がなんとなく形になってきた。
「じゃぁ、次の授業は攻撃と守備に分けて話し合いだね。再来週の授業では対抗戦用の魔法の練習をしたいし。それまでに一度、湖で波を確認しよう。上手く使えそうなら、水の波で練習しないといけないしね」
「そうだな!本当にこの作戦、上手く行けば俺たちは1位になれるかもしれない!がんばろうぜ!」
ウィリアム君はウキウキになっている。思いつきを話した時のミランの様だ。本当にもうウッキウキだ。
「俺は魔法陣を組んでみるよ。もし実現できたら大掛かりになりそうだ。魔力の方はジェシカ君中心に考えるよ。ウチには21領主のメリッサ君も居るしな。魔力が豊富だ!って、ジェシカ君は魔力が特に多いんだろう?」
イーサン君もやる気にスイッチが入ったみたい。いつもの面倒くさい感じがなくなっている。
「へ~。ちなみにどの位?」
マイケル君は魔力が少ないからうらやましいと詰め寄って来た。
「ほほほほ。隠すつもりはないけど、あまり言いふらさないでね。ここだけでお願いよ」
他のみんなも興味があるのかそれぞれに頷いて私を見る。
「魔法庁のトップ10に入るぐらい?と言われたわ。内緒ね」
小さな声で私が言うと『え~!!!』と教室にみんなの声が響いた。
驚いたロッシーニが教室に入って来る。
「何事ですか!ジェシー様!大丈夫ですか?」
ロッシーニは驚いているみんなを余所に、私に駆け寄りみんなを睨みつける。
「大丈夫よ。ロッシーニ。ちょっと私の魔力量の話をしたら。。。ね?」
『あ~』と納得がいったのかロッシーニは早々に教室の外へ出ていった。
「すごい!これは魔法陣が面白くなるぞ!想像していた色んな事が出来るかもしれない!あれもこれも実験できる!」
「イーサン君。対抗戦の魔法陣だからね!面白いとか無いから!お願いだから派手にしないでね。てか、私で実験しないでよ!あくまで対抗戦なのよ!」
『あぁ』と言っているが顔はそうは言っていない。イーサン君は上の空だ。
何だか不安だ。すんごい不安だ。
「主将も副将も止めてね!何だか怖いわ。イーサン君の事お願いよ!」
「まぁ~まぁ~。暴走したら流石に止めるよ。大丈夫、大丈夫」
オリバー君はそう言ってくれるが、のほほんとしているので不安しかない。
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