前世持ち公爵令嬢のワクワク領地改革! 私、イイ事思いついちゃったぁ~!

Akila

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2章 魔法使いとストッカー

19 ロッド先生

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私は学校から帰宅すると、部屋へ直行した。

「ロダン!ロダンは居る?」

着替えを用意していたケイトが驚いた様子で答える。
「いえ。。。おかえりなさいませ。緊急ですか?」

「ええ。それじゃぁお兄様は?」
私はロッド先生の『収』がどうしても気になってゾワゾワする。今直ぐ誰かに聞いて欲しい。

「ちょうど、ご主人様とロダン様は外出中です。夕方には帰って来られますよ」

「そうなの。。。ケイト、悪いのだけれど、夕食まで1人にしてくれる?」

ケイトは私を着替えさせると、何も聞かずに部屋を下がってくれた。

う~ん。ロダンに意見が聞きたい。

『収』。何だろう。。。パッと思いつくのは『収納』?

『収納』なら、前世の小説で言う所のマジックバッグみたいな?それか、どこかの実際の部屋か箪笥とかに物を瞬時に入れられる?

。。。それならいいけど。。。あとは。。。『収集』かな?物を集めて収めておける?それならさっきの『収納』と同じか。。。

何だろう。。。なぜかモヤモヤする。

『収』『収』と、文字だけが頭をぎる。

ロッド先生って怠い感じだけど、あのステータス、なぜ先生になったのか?

魔力量をチラッと見たけど7150。結構高めよね。ロッド先生の家名って何だっけ?

あれ?ステータスにも書いていたような。。。覚えていない。やばい。

私は急いでミーナが側近として日常の出来事や出会った人などの書き置きのメモを探す。

「あった!」

そこに書かれていたのは『ロッド・メンデル』。

メンデル伯爵!

21領主の家名。。。でも、先生って事は領主の兄弟か分家。。。どっちだ?

何れにしても魔力量は領主達に近い。

21領主達の魔力量は差はあるがだいたい3000~7000。王、エド様は13500。第二王子は確か8000ほどだった。

そう考えると、7150。結構な数値だ。なぜ先生なんかに納まって居るのか。

ダメだ。わからない事だらけで。。。ロダン、早く帰って来ないかな。

私はロッド先生について考えるが出口が見つからない。

と、その時、ロダンが帰って来た。

「お嬢様、私に緊急の用があるそうですね」
ロダンは帰ってくるなり私の部屋へ来てくれたのだろう。外套のマントを持っている。

「そうなの。帰ってくるなり申し訳ないのだけれど、私では考えがまとまらなくて」
泣きそうな私を見てロダンは私をソファーに座らせた。

「いいのです。。。お嬢様『檻』をお願いします」

私は『檻』を発動させて、さっき考えていた事を話す。

ロダンは目を瞑りじっと話を聞いてくれた。

「そうですか。。。先生が。しかし『収』。。。お嬢様は何が気になっているのでしょうか?それこそ『収納』がしっくりくるような気がしますが」

「ええ。なぜかゾワゾワするの。ロッド先生って隙があるようでないのよ。。。」

「う~ん。確か、メンデル領主の従兄弟。分家だったと記憶します。年はリットが近いので、何か知っているかもしれませんね」

「そうなの?分家か。。。余計気になるな」

「お嬢様、しかしその特化は未知の物。しばらくは接触をしないようにお願いしますね。先生なので、難しいでしょうが。。。物理的に触れないように注意して下さい」

「ええ。それは私も思ったの。だから極力触れないようにしているわ」

「お嬢様、ロッド先生の事は注意すると言う事でまずはお願いします。今後、こちらでも調査してみますね。くれぐれも、ご自身で探ろうとはしないで下さいね」
ロダンは私に釘をさす。

しないよ。。。多分。

「はい」
私はロダンに話したおかげで少しスッキリした。

「あ~、そうそう。お嬢様、本日はご主人様と学校へテーヌ服を売り込みに行っていたのです」
ロダンはころっと話を変えてきた。

「えっ!そうなの?それで居なかったのね」
私はすっかりテーヌ服の今後の行方が気になり出してくる。

「ええ。学校長と魔法塔の責任者のジュリー殿と話した結果、採用されそうです」

「そう!良かったわ~これでテーヌ服が平民にも早く浸透しそうね。王都でバンバン売れそう!」

「ふふふ。そうですね。学校側も動きやすい服という事で、主に乗馬服が用いられていたらしいのですが、一部の者が乗馬服を派手に改造したり、スカートを着たりと、授業をするには少々困っていたそうです。『動きやすい服』にきちんとした規則がなかったので『これはいい』とおっしゃっていましたよ」

そっか。多分、派手な感じは文芸科とかかな?そう言えば、過去に高位なお嬢様でドレスで授業を受けた人がいると言っていたな。

「そう。では、ミランとナダルに話が聞きたいわ。もう服は形になっているのかしら?」

「はい。お嬢様の下絵を元にサンプルが出来ております。来週、学校側へ見せに行く予定です」

わ~!そうか~。早く見て見たいな~。色とか決めたいよね。

私のワクワクがわかったのかロダンはミランを呼びに行ってくれた。

「お嬢様、失礼します。テーヌ服の事でお呼びとか?」
ミランはすぐに来てくれた。ロダンは私の後ろに控えてお茶を用意してくれる。

「ええ。さっきロダンに『運動服』のテーヌのサンプルが出来たと聞いたの。どんな感じ?」

ミランは笑顔でソファーに座り説明を始める。
「ははははは。お嬢様、そんなに楽しみですか?サンプルは今ナダルの店にありますのでお見せは出来ませんが、口頭でよろしければ説明しますね」

「ええ」
私はワクワクしながら目を輝かせる。はよう!

「まず、名前は『運動服』で決定しました。以降はそう呼びます。平民用をテーヌ服とします。それで、トップは男女共にセーラー型です。お嬢様のテーヌ服と同じですね。ただ、男性も着ますので色は灰色にしました。お嬢様が、以前、学年ごとに色が違っていたと仰っていたので、これも採用しました。色はスカーフで分けます。現在の1年生は黄色、2年生は白、3年生は水色です。男女共に違和感がない色にしました。どうでしょう?」

「いいわね。スカーフで色分けか。それなら簡単よね。しかし男子もセーラーか。。。騎士科の人達がちょっと面白そうね。ふふふ」

前世の海軍?のセーラーぽいのかな?ぷぷぷ。

「あはは。そうですね。でも、慣れれば問題ないですよ。下履きは男性はクルブシまでのストレートパンツ、女性はテーヌガウチョです。あとは『運動靴』として編み上げブーツを指定しておきました。色は黒です。曖昧にすると、また改造や派手なのが出て来そうだと言っていたので『始めから全て指定すればいいのでは?』と提案した所、そうなりました」

お~。ほぼ決定じゃない?そっか~、グレーか。かっこいいね。

「結構、詰めて話して来たのね。その様子だと決まりそうね」

「はい。お嬢様のおかげです。これで平民用のテーヌ服も、貴族用の運動服も固定されます。お嬢様が領でテーヌ服を着回っても遜色ありませんよ」

「ふふふ。そうね、いきなりの訪問者にびっくりしなくていいわね。王都でも着れるんじゃない?屋敷とかで」

「そうですね。運動していたと言い訳はできますね。ははは」
ミランはそう言うと、来週学校へ持って行く前に運動服のサンプルを見せてくれると約束してくれた。

は~。楽しみだ。ロッド先生の事が吹っ飛んだよ。

そうだ!ロッド先生の事はイーグルにも相談しよう。イーグルならお家事情を知っているかもしれない。


私は週末にイーグルに聞く『相談する事リスト』にロッド先生を付け加えた。

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