81 / 135
2章 魔法使いとストッカー
17 お怒りのマーサ
しおりを挟む
「ジェリー先生に変わり、本年度から私が魔法陣を教えます。簡単ですが、私の経歴をお話しします」
お色気ムンムンのマーサに男子達はそわそわしている。授業に身が入るのかな?これ笑。
てか、ミーナ君の様子が変だったのはマーサだったのか。でも、マーサが先生?どうなってるの?
「私は特進科を経て上級学校を卒業しています。専攻は魔法陣です。その後、魔法庁の魔法陣部へ勤めます。まぁ、その後は色々ありまして、最終職歴は魔法庁嘱託研究員。魔法陣研究家です」
男子達はぽわ~んと目がハートマークだ。マーサの話が全く入ってなさそう。
「先生、ジェリー先生は辞められたのですか?」
おずおずと小柄でホワホワした女の子、カミラ君が質問する。
「ええ。ジェリー先生はいらっしゃるんだけど、お年の事もあり今後は監督役になりました。補佐的な感じです。授業は私が担当します」
「はい!先生は、独身ですか?」
勇者、マックス君が顔を真っ赤にしながら手を挙げる。
「ふふふ。そうね。今は募集中よ」
ざわざわ。男子達が『お~!』『やったぜ』と騒ぎ出す。
一方女子は。。。目が死んでいる。。。あはは。
「静かに。質問はもういいですね。では、授業を始めます。教本3ページ」
マーサは先生らしく、教本片手に授業を開始した。シンプルなワンピースに白衣。黒縁メガネが何だかエロく見える。
私はみんなと同じく授業に集中しようとするが、やっぱり気になるよね。てか、マーサの登場の時の『ニヤリ』が気になる。。。うぅ。
終了の鐘が鳴り第1回目の魔法陣の授業が終了した。今日はこれで全ての授業が終了です。
「ジェシカ。この後、放課後、先生の執務室まで来るように。魔法塔の方ね」
マーサはそれだけ言ってさっさと教室を出て行った。
「ミーナ君!」
私はバッとミーナを見る。
「ジェシカ君。すみません。ロッシーニ様に伺った際に内緒にするように指示されていまして。。。私も知ったのは昼食の席で。。。すみません」
私は小声でコソコソ話す。
「そう。。。いいの。わかったわ。マーサと私達の関係はクラスには内緒に」
「えっ?わかりました」
ミーナはハテナになっているが、今の所どうすればいいかわからないから秘匿する方向で行こう。帰ってロダンに確認だ。てか、その前に本人に会うか。。。とほほ。
授業が終わってザワザワするクラスメイト達。主に男子達。みんな顔にウキウキが出まくっている。
「やっぱり男子はバカばっかね。あんな美人。相手にされないっての」
メリッサ君は呆れ顔で愚痴っている。カバンを持っている、もう帰るようだ。
「ふふふ。女性の私でもドキッとするわ。しょうがないわよ」
私も教本など荷物をまとめながら話を合わせる。
「は~。しかし、ジェシカ君。早速呼び出しされてたけど、何かしたの?」
メリッサ君は純粋に私を心配してくれているのかな?。。。いや~、しでかしたって言うか、ねぇ?
「そうだよ、ジェシカ君!着いて行ってあげようか?初日に呼び出しなんて心細いだろう?」
マックス君はどうにかマーサに会いのか欲望が駄々漏れている。
「あはは。ありがとう。でも大丈夫よ。多分、編入した関係じゃないかな?1年生の時の授業の事とかの。。。正直わからないけど」
「マックス君。バカだな。そんな簡単にマーサ先生に近づこうとしても無駄だよ。上級生に睨まれるのがオチだ」
フィン君はマックス君の肩に手を落として慰める。
「しかし、すごい美人だったな。あれで元魔法庁だろ?実力で行ったのかな?」
魔法陣研究に興味があるテオ君は、ちょっとマーサの外見によからぬ印象を受けたようだ。
「美人でも頭がいい人はいるわよ。いくら魔法庁でも顔で入庁させないわ。実力もあるのでしょう。。。いいわね、何でも持ってる人は」
メリッサ様はマーサを認めた?のかな?ちょっと羨ましそうだ。
「ふふふ。そうね。私たちもがんばりましょう」
と、ミーナ君が話をまとめたので、今日はこれで解散した。
私はロッシーニとニックを待ってから、みんなで魔法塔へ移動する。
「ロッシーニ、びっくりしたわ。なぜ秘密だったの?」
魔法塔へ行く道すがらロッシーニに問い正す。
「はい。申し訳ございません。私は昨夜知ったのですが、マーサ様よりジェシー様の耳に入れないように言われておりまして」
「そう。。。何で私だけ?」
「さぁ。。。しかし、今からお会いになりますし、直接聞かれては?」
「そうね」
魔法塔の1階に着いた私達は受付に学生カードを提示して2階へ通される。
階段を上ると左側にフロアがあり、応接セットがいくつか並ぶ。右側に部屋がずらっと並んでいる。『マーサ・クルス 魔法陣教諭』のドアを見つけ、ロッシーニがドアを叩いて入室を伺う。
コンコンコン。
「はい。あら?皆さんお揃いで。ふふふ。折角だけど、お嬢様以外は向かいの応接間で待機していて」
「いえ。マーサ様。私は口を挟みませんので、後ろにつきたいのですが」
「ダメよ。内容が内容だから。。。お嬢様にはアレがあるから大丈夫よ。それにここは学校よ。警備も万全よ」
マーサはロッシーニ達を下がらせ、私を中に案内する。
「お嬢様はこちらに。まだ、荷ほどきが出来ていなくて申し訳ないわ」
部屋に入ると、応接用のソファーがあり、奥に机と資料の棚、その奥にはドアがある。
「ええ。マーサ先生?でいいのかしら?びっくりしたわよ」
「ふふふ。ここでは先生でお願いします。私もジェシカとお呼びしますよ。お許し下さいね。でも、びっくりしたのなら成功ね。私はお返しをしたんです。ふふふ」
マーサはお茶を入れてくれて、向かいに座る。
「お返し?私何かしたかしら?」
「まぁ、自覚がないの?私の人生を勝手に決めようとしたでしょう?私、心底びっくりしたのですよ」
。。。まさか、もう話が行っていたのか。。。早すぎる、アダム様。
「そ、それに関してはごめんなさい。アダム様の件よね?」
「ええ。まずはジェシカ、『檻』を。警備は万全でも、万一を考えて。防音も兼ねてお願いします」
私は『檻』を発動した。
「お嬢様、昨日、お嬢様がエルメダ様のお屋敷へ行っている間に、ご主人様の立会いの元アダム様に話を伺いました。私の事なのに。。。青天の霹靂とはこの事ですよ」
「そなのね。私はアダム様がマーサにどのくらい話をされているのかわからないわ」
「あぁ、そうですね。では、昨日宰相様から私の研究レポートをお嬢様から預かった事を聞きました。それで、まず宰相様だけで精査するのに時間がかかるので、少し待って欲しいと言われました。そして、待っている間、王城へ来る事も打診されました。これはわかります?」
しまった。。。エド様の事かな?しかし、アダム様、ストレートすぎでしょ。はぁ。
「あぁ!その顔、やっぱり。お嬢様の仕業ですね。もう!!!私、いきなり『王様の事は男性として見れるか?』って質問されてびっくりしたのですよ。心臓が止まるかと思いました」
「ご、ごめんね。アダム様ったら。。。」
「アダム様はお嬢様の意見とは言ってませんよ。さっきのお嬢様の顔でわかりました。。。もう!」
「すみません。。。マーサの身の安全を考えられる最上が王様だと思ってね。あれでも顔はいいし、年もそんなに離れてないかな~なんて。。。マーサの気持ちも確かめないで、勝手にごめんなさい」
「いいですよ。お嬢様の気持ちはわかりました。ごほん。それで、いきなりそんな事聞かれたので、なぜそのようになったのか聞くと、『この研究が明るみになった際は、後ろ盾や警備の問題が出て来る。あなたの身が危険だ。もし、王を男性として愛せるなら王妃にならないか?または、第二夫人でもいい』と言われたのです」
「そう。。。で?」
「もちろん断りましたよ。私は死んだ主人をまだ愛しています。。。生涯で恋をし愛したのはあの人だけですから。そしたら『断られては王城に招く理由がない。今この研究の事がある以上、一時的だが王城に近くて警備が万全な学校へ行ってくれ』と言われて。。。分かってはいます。私が身を寄せているロンテーヌのお屋敷にいるのは領主一族を守る為の領騎士達ですからね。。。それで私は昨日の今日で慌てて引っ越しですよ!大変だったのですよ」
そっか。。。アダム様、第2案まで用意しているとは。。。でもよく先生なんて手配できたよね~。さすが宰相なだけはある。
「それは、ご苦労様。。。でも、あの研究はそれぐらい危険な物になりかねないの。残念だけど。学校なら色々な人の目があるし警備上でも安心ね。アダム様考えたわね。しっかし、マーサ、白衣が似合っているわ。男子生徒がメロメロになってたわよ。ふふふ」
「はぁ~。もう、お嬢様は。。。それで、今後ですが私は研究結果について『放棄』しようかと思っています」
「えっ!どう言う事???」
「ですから、世に出るのなら『発案者は私』と言うのを王様に譲ろうかと思いまして」
何で!!!私はびっくりしすぎて声が出ない。
「ふふふ。長年行き詰まっていた研究は完成し良い結果が出ました。でも、これはお嬢様やランド様がいて完成したようなものです。それに王様、国が主権を握って王族に帰した方が、兵器ではなく良い方に活用してくれると思うんです。。。それに私はやっぱり3食屋根付きの研究三昧なロンテーヌ領が大好きなのですよ。生涯、ロンテーヌ領に骨を埋める覚悟があるのです。研究が形になった時に薄っすら考えてはいたんですよ」
マーサは生涯研究と言っていた、大事な大事な子供のような存在の研究結果を手放すと言っている。
「そ、そうなの。。。本当にいいの?これはお兄様は知っている?」
「いえ。宰相様もご主人様も、誰にも言っていません。お嬢様だけです。宰相様の精査が終われば、多分話し合いが設けられるでしょう?その時に言おうかと思っています」
「わかったわ。今回、私が勝手にアダム様に話してしまったし。。。この事は誰にも言いません。約束するわ」
ええ。マーサは憑き物が取れたようにスッキリな雰囲気になっている。自分の中で区切りがついたのかな?
いや~でも。そっか。。。エド様振られたか。。。は~。どうなるのかな。いい方向に行って欲しいな。
お色気ムンムンのマーサに男子達はそわそわしている。授業に身が入るのかな?これ笑。
てか、ミーナ君の様子が変だったのはマーサだったのか。でも、マーサが先生?どうなってるの?
「私は特進科を経て上級学校を卒業しています。専攻は魔法陣です。その後、魔法庁の魔法陣部へ勤めます。まぁ、その後は色々ありまして、最終職歴は魔法庁嘱託研究員。魔法陣研究家です」
男子達はぽわ~んと目がハートマークだ。マーサの話が全く入ってなさそう。
「先生、ジェリー先生は辞められたのですか?」
おずおずと小柄でホワホワした女の子、カミラ君が質問する。
「ええ。ジェリー先生はいらっしゃるんだけど、お年の事もあり今後は監督役になりました。補佐的な感じです。授業は私が担当します」
「はい!先生は、独身ですか?」
勇者、マックス君が顔を真っ赤にしながら手を挙げる。
「ふふふ。そうね。今は募集中よ」
ざわざわ。男子達が『お~!』『やったぜ』と騒ぎ出す。
一方女子は。。。目が死んでいる。。。あはは。
「静かに。質問はもういいですね。では、授業を始めます。教本3ページ」
マーサは先生らしく、教本片手に授業を開始した。シンプルなワンピースに白衣。黒縁メガネが何だかエロく見える。
私はみんなと同じく授業に集中しようとするが、やっぱり気になるよね。てか、マーサの登場の時の『ニヤリ』が気になる。。。うぅ。
終了の鐘が鳴り第1回目の魔法陣の授業が終了した。今日はこれで全ての授業が終了です。
「ジェシカ。この後、放課後、先生の執務室まで来るように。魔法塔の方ね」
マーサはそれだけ言ってさっさと教室を出て行った。
「ミーナ君!」
私はバッとミーナを見る。
「ジェシカ君。すみません。ロッシーニ様に伺った際に内緒にするように指示されていまして。。。私も知ったのは昼食の席で。。。すみません」
私は小声でコソコソ話す。
「そう。。。いいの。わかったわ。マーサと私達の関係はクラスには内緒に」
「えっ?わかりました」
ミーナはハテナになっているが、今の所どうすればいいかわからないから秘匿する方向で行こう。帰ってロダンに確認だ。てか、その前に本人に会うか。。。とほほ。
授業が終わってザワザワするクラスメイト達。主に男子達。みんな顔にウキウキが出まくっている。
「やっぱり男子はバカばっかね。あんな美人。相手にされないっての」
メリッサ君は呆れ顔で愚痴っている。カバンを持っている、もう帰るようだ。
「ふふふ。女性の私でもドキッとするわ。しょうがないわよ」
私も教本など荷物をまとめながら話を合わせる。
「は~。しかし、ジェシカ君。早速呼び出しされてたけど、何かしたの?」
メリッサ君は純粋に私を心配してくれているのかな?。。。いや~、しでかしたって言うか、ねぇ?
「そうだよ、ジェシカ君!着いて行ってあげようか?初日に呼び出しなんて心細いだろう?」
マックス君はどうにかマーサに会いのか欲望が駄々漏れている。
「あはは。ありがとう。でも大丈夫よ。多分、編入した関係じゃないかな?1年生の時の授業の事とかの。。。正直わからないけど」
「マックス君。バカだな。そんな簡単にマーサ先生に近づこうとしても無駄だよ。上級生に睨まれるのがオチだ」
フィン君はマックス君の肩に手を落として慰める。
「しかし、すごい美人だったな。あれで元魔法庁だろ?実力で行ったのかな?」
魔法陣研究に興味があるテオ君は、ちょっとマーサの外見によからぬ印象を受けたようだ。
「美人でも頭がいい人はいるわよ。いくら魔法庁でも顔で入庁させないわ。実力もあるのでしょう。。。いいわね、何でも持ってる人は」
メリッサ様はマーサを認めた?のかな?ちょっと羨ましそうだ。
「ふふふ。そうね。私たちもがんばりましょう」
と、ミーナ君が話をまとめたので、今日はこれで解散した。
私はロッシーニとニックを待ってから、みんなで魔法塔へ移動する。
「ロッシーニ、びっくりしたわ。なぜ秘密だったの?」
魔法塔へ行く道すがらロッシーニに問い正す。
「はい。申し訳ございません。私は昨夜知ったのですが、マーサ様よりジェシー様の耳に入れないように言われておりまして」
「そう。。。何で私だけ?」
「さぁ。。。しかし、今からお会いになりますし、直接聞かれては?」
「そうね」
魔法塔の1階に着いた私達は受付に学生カードを提示して2階へ通される。
階段を上ると左側にフロアがあり、応接セットがいくつか並ぶ。右側に部屋がずらっと並んでいる。『マーサ・クルス 魔法陣教諭』のドアを見つけ、ロッシーニがドアを叩いて入室を伺う。
コンコンコン。
「はい。あら?皆さんお揃いで。ふふふ。折角だけど、お嬢様以外は向かいの応接間で待機していて」
「いえ。マーサ様。私は口を挟みませんので、後ろにつきたいのですが」
「ダメよ。内容が内容だから。。。お嬢様にはアレがあるから大丈夫よ。それにここは学校よ。警備も万全よ」
マーサはロッシーニ達を下がらせ、私を中に案内する。
「お嬢様はこちらに。まだ、荷ほどきが出来ていなくて申し訳ないわ」
部屋に入ると、応接用のソファーがあり、奥に机と資料の棚、その奥にはドアがある。
「ええ。マーサ先生?でいいのかしら?びっくりしたわよ」
「ふふふ。ここでは先生でお願いします。私もジェシカとお呼びしますよ。お許し下さいね。でも、びっくりしたのなら成功ね。私はお返しをしたんです。ふふふ」
マーサはお茶を入れてくれて、向かいに座る。
「お返し?私何かしたかしら?」
「まぁ、自覚がないの?私の人生を勝手に決めようとしたでしょう?私、心底びっくりしたのですよ」
。。。まさか、もう話が行っていたのか。。。早すぎる、アダム様。
「そ、それに関してはごめんなさい。アダム様の件よね?」
「ええ。まずはジェシカ、『檻』を。警備は万全でも、万一を考えて。防音も兼ねてお願いします」
私は『檻』を発動した。
「お嬢様、昨日、お嬢様がエルメダ様のお屋敷へ行っている間に、ご主人様の立会いの元アダム様に話を伺いました。私の事なのに。。。青天の霹靂とはこの事ですよ」
「そなのね。私はアダム様がマーサにどのくらい話をされているのかわからないわ」
「あぁ、そうですね。では、昨日宰相様から私の研究レポートをお嬢様から預かった事を聞きました。それで、まず宰相様だけで精査するのに時間がかかるので、少し待って欲しいと言われました。そして、待っている間、王城へ来る事も打診されました。これはわかります?」
しまった。。。エド様の事かな?しかし、アダム様、ストレートすぎでしょ。はぁ。
「あぁ!その顔、やっぱり。お嬢様の仕業ですね。もう!!!私、いきなり『王様の事は男性として見れるか?』って質問されてびっくりしたのですよ。心臓が止まるかと思いました」
「ご、ごめんね。アダム様ったら。。。」
「アダム様はお嬢様の意見とは言ってませんよ。さっきのお嬢様の顔でわかりました。。。もう!」
「すみません。。。マーサの身の安全を考えられる最上が王様だと思ってね。あれでも顔はいいし、年もそんなに離れてないかな~なんて。。。マーサの気持ちも確かめないで、勝手にごめんなさい」
「いいですよ。お嬢様の気持ちはわかりました。ごほん。それで、いきなりそんな事聞かれたので、なぜそのようになったのか聞くと、『この研究が明るみになった際は、後ろ盾や警備の問題が出て来る。あなたの身が危険だ。もし、王を男性として愛せるなら王妃にならないか?または、第二夫人でもいい』と言われたのです」
「そう。。。で?」
「もちろん断りましたよ。私は死んだ主人をまだ愛しています。。。生涯で恋をし愛したのはあの人だけですから。そしたら『断られては王城に招く理由がない。今この研究の事がある以上、一時的だが王城に近くて警備が万全な学校へ行ってくれ』と言われて。。。分かってはいます。私が身を寄せているロンテーヌのお屋敷にいるのは領主一族を守る為の領騎士達ですからね。。。それで私は昨日の今日で慌てて引っ越しですよ!大変だったのですよ」
そっか。。。アダム様、第2案まで用意しているとは。。。でもよく先生なんて手配できたよね~。さすが宰相なだけはある。
「それは、ご苦労様。。。でも、あの研究はそれぐらい危険な物になりかねないの。残念だけど。学校なら色々な人の目があるし警備上でも安心ね。アダム様考えたわね。しっかし、マーサ、白衣が似合っているわ。男子生徒がメロメロになってたわよ。ふふふ」
「はぁ~。もう、お嬢様は。。。それで、今後ですが私は研究結果について『放棄』しようかと思っています」
「えっ!どう言う事???」
「ですから、世に出るのなら『発案者は私』と言うのを王様に譲ろうかと思いまして」
何で!!!私はびっくりしすぎて声が出ない。
「ふふふ。長年行き詰まっていた研究は完成し良い結果が出ました。でも、これはお嬢様やランド様がいて完成したようなものです。それに王様、国が主権を握って王族に帰した方が、兵器ではなく良い方に活用してくれると思うんです。。。それに私はやっぱり3食屋根付きの研究三昧なロンテーヌ領が大好きなのですよ。生涯、ロンテーヌ領に骨を埋める覚悟があるのです。研究が形になった時に薄っすら考えてはいたんですよ」
マーサは生涯研究と言っていた、大事な大事な子供のような存在の研究結果を手放すと言っている。
「そ、そうなの。。。本当にいいの?これはお兄様は知っている?」
「いえ。宰相様もご主人様も、誰にも言っていません。お嬢様だけです。宰相様の精査が終われば、多分話し合いが設けられるでしょう?その時に言おうかと思っています」
「わかったわ。今回、私が勝手にアダム様に話してしまったし。。。この事は誰にも言いません。約束するわ」
ええ。マーサは憑き物が取れたようにスッキリな雰囲気になっている。自分の中で区切りがついたのかな?
いや~でも。そっか。。。エド様振られたか。。。は~。どうなるのかな。いい方向に行って欲しいな。
52
よろしければお気に入り&感想お願いします!
お気に入りに追加
6,395
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。
レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。
【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。
そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。

どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。