70 / 135
2章 魔法使いとストッカー
06 レクリエーション2日目1
しおりを挟む
塔見学ですっかり仲良くなったテオ班は、学校の裏手にある森に集合している。もちろん、他の班も。他のクラスもだけど。
今日はレクリエーション2日目で学年毎に森の散策だ。
ガヤガヤ集まっている生徒達。こうして見てみると、クラスによって色?と言うか、雰囲気が全く違う。
女性が多いのは文芸科かな?かわいく髪をアレンジしている子が多い。女子校みたいで背景がお花畑だ。乗馬服?も白やピンクのジャケットなど、かわいい服が多いように思う。
そことは正反対なのが、騎士科だ。多分そう。だって、がっしり身体のマッチョが多い。男ばっかだし。他のクラスに比べて人数も少ない。てか、見た目が汗臭い。
あとは、特進科だね。エルメダ様がいるので一目でわかった。クラス全体が大人し目のお上品な感じがする。ここもウチより人数が少ないみたい。
最後は普通科だね。結構、雰囲気は魔法科に近いのかな?でも。。。ガラが少~しだけ悪いような。。。第一印象だからわからないけど。。。
「2年生。こちらに集合して下さい」
メガネのふっくらマダムな先生が手を挙げる。
ぞろぞろと生徒達が移動する。早速文芸科のお嬢様達は騎士科や特進科の男子を値踏みしているようだ。目がギラついている。笑
「クラス毎に縦に並んで下さい」
私達は班毎に集まって、クラスの列に並ぶ。
「では、本日はみなさんの交流会です。この森には魔獣はおりませんので安心して下さい。森を散策し、ここより西北へ進んで下さい。湖がありますので、そこがゴールです。そちらで昼食にします。何か質問はありますか?」
ガヤガヤして、半分は話を聞いていない。。。無理もないか。
「無いようなので始めますね。先日、各クラスで班分けをしていると思いますので、班長はしおりを取りに来て下さい。しおりを確認したら各自出発するように。森へ入る際は、担任へ一言言ってから入って下さいね」
テオ君がしおりを取りに行く。
「ジェシカ君。楽しみですね。他の班とも仲良くなりたいです。あっ!他のクラスですが私の友達も紹介します。本好きの仲間なんです」
ミーナ君はワックワクだ。かわいいな~。
私は。。。ちょっと考えただけで疲れている。。。
前世でもあったよ?新歓登山とかね~。でも、あの時のワクワクが無いんだよ。昨日の方がよっぽどワクワクしてた。。。だって、疲れるのが目に見えてるじゃん。おばちゃんにはこのイベントが精神的にきつい。とほほ。
「そうなの。それは楽しみだわ」
私は極力楽しそうに振る舞う。
「あれ?ジェシカ君。元気ないですね?」
フィン君が心配してくれる。。。純真な16歳が眩しい。
「ええ。大丈夫よ。ちょっと体力に自信がなくて。。。ほほほ」
「あっ、そっか。。。静養してたんだもんね?無理なら先生に言って見学?できるかわからないけど、休んで良いんじゃない?」
マックス君も心配してくれる。
。。。今更めんどくさいと言い辛い。。。
「大丈夫よ。今日は行けそうだわ。ちょっと不安になっただけ。心配かけてごめんね」
「いいんです。ゆっくり行きましょう」
みんなはうんうんと頷いて、私に合わせてくれる。
「ありがとう」
「ん?どうした?」
テオ君がしおりを持って来た。
「あ~、今日はゆっくり行こうかと言っていたんだ」
フィン君が答えた。
「そうだな。ジェシカ君は病み上がりだしな」
テオ君も内心心配してくれていたらしい。
ほんっとイイ子達。感動する。私が高校の頃ってこんなんだったっけな?心が洗われる。
「ありがとう。みんな」
私達はロッド先生に出発の挨拶をして森へ入る。
「ジェシカ、無理するなよ。体調崩したら最寄りの先生に伝えろ」
ロッド先生も気にかけてくれた。
「わかりました」
森へ入ると、早速前方には文芸科女子と騎士科の男子の一団。
『きゃっ』『ははは』『ん~もう~』と、黄色い会話が繰り広げられていた。
私達はその後を付いて行く感じになる。。。ずっとこいつらの後?気が滅入るな。
「ねぇ、テオ君。しおりにはなんて書いてあったの?」
ミーナ君が忘れていたしおりの存在に気がついた。みんなは『ハッ』となる。
「あぁ。。。そうだった。しおりには森で3カ所周ってリボンを受け取るように書いてある」
「えっ!早く教えてよ。まだ1カ所目は通り過ぎてないよね?」
マックス君が焦っている。
「まだ入り口だろ?大丈夫だよ。それより。。。あれ追い越すか?」
テオ君も前の集団が気になるようだ。
「そうね~。。。大きい道になったらさっと横を通り過ぎましょうよ」
私は無難な道を選ぶ。
万が一、変な連中で絡まれたら困る。これからの平穏な学校生活がかかっているんだ。
「そう?抜かせば良くない?」
フィン君は早く視界から消したいみたいで、クイっと親指でその集団を指差す。
「そうだな。。。怪しく映るかもしれないが、走って追い抜くか?それなら接触もないだろう?」
テオ君は走るのは大丈夫か?と私を心配している。
「そうね。このままじゃ、グダグダになるし」
満場一致で走り抜ける事になった。私達は目で合図し走り抜ける。
横を通り過ぎる時、チラッと見たがあの子達に私達は映っていなかった。目の前の獲物達に夢中である。
「はぁ、はぁ。。。そんなに気にしなくてよかったね。話に夢中だったみたいだし」
マックス君が息を整えながらみんなを見る。
「そうね。でも、これで歩きやすくなったわ」
ミーナ君は視界に入らなくなってよかったと言っている。
「じゃぁ、ポイントを探そう」
『お~!』と、テオ班は改めて出発した。
森はちゃんと手入れがされているようで、木漏れ日がいくつも差して、若葉が美しかった。歩道もあり、森のような、前世の外国にあるような大きな公園っぽい感じだ。歩いているとリスや子ウサギが時折顔を出した。
「ここは、どう言う森なのかしら?きれいわね」
「ここは、騎士科の訓練場でもあり、週末は寮生活の貴族の遊び場になっています。森でデートする人もいますよ」
フィン君が教えてくれる。
「そうなのね。デートには持ってこいね。とても爽やかだもの」
「俺は、もうここでデートは済ませたんだ。去年の秋」
マックス君が自慢げに話してくる。
「「「「えっ?」」」」
みんな一斉に振り向いた。一番ない感じだったので驚いた。
「えっ?何だよ!俺に彼女がいちゃおかしいのか?」
マックス君はちょっとプンプンだ。
「いや~。意外だなと思って。。。まだ続いているのか?その彼女とやらは?」
テオ君は正直者だ。。。って、もうちょっと言い方があるよね?
「ちゃんといるし。普通科の幼馴染だよ」
「。。。それって、付き合ってるの?」
フィン君もグサッと突っ込むな~。
「。。。付き合おうとは言ってないけど。。。ここに2人っきりで誘ったんだから意味は同じだろ?」
「「「「。。。」」」」
テオ君とフィン君は無言でマックス君の両肩をポンポンと叩く。
「えっ!何?違うの?」
マックス君はパニックだ。テオ君に必死にどうしようかと聞いている。
あはははは。青春だな~。こそばゆいよ、私には。
「あっ、あそこ!先生がいます。ポイントでは?」
ミーナ君が指差した先には先生らしき人が立っていた。
「お~。君たちで3組目だよ。はいリボン」
私達はリボンを受け取り、次へ進む。
そんな感じで2本目、3本目と受け取り湖へ到着した。
「意外と簡単でしたね」
私達は上位組のようで、他はまだ4組しかいなかった。
「あっ!ルキア!」
ミーナがブンブンと手を振る先には。。。
まさかのエルメダ様!
「みなさん、ちょっと失礼します」
と、ミーナは特進科の班へ向かって行った。
「友達かな?てか、エルメダ様じゃない?」
マックス君はなぜかテオ君の影に隠れている。テオ君とフィン君が私を見る。
「私はエルメダ様を存じ上げないのよ。同じ公爵でも交流がないの」
みんなは『へ~』と頷いて、ミーナの行動を観察している。
ゲッ!!!こっち来くるよ。集団で。
テオ君に目配せしこそっと耳打ちする。
「テオ君。今から社交モードに戻って下さい。みんなは私の後ろで話さなくていいから。安心して」
と、3人は頷くと私の後ろへ下がった。
特進科の4人を引き連れてミーナが戻って来た。
「ジェシー様。申し訳ございません。こちらのエルメダ様がご挨拶したいとの事です」
ミーナも側近モードになっている。
「初めまして。エルメダ・ロストと申します。一昨年の成人の儀でお見かけしましたわ。お話しするのは初めてですね」
おっとり美人のエルメダ様が満面の笑みで一礼してくれる。
「こちらこそ、初めまして。ジェシカ・ロンテーヌと申します。本年より編入して来ました。よろしくお願いしますわ」
私も一礼する。
「突然で申し訳ございません。21領主のご令嬢の方がいるとミーナから伺いまして、しかも同じ班に。私も公爵令嬢の身でありながら特進科へ進みましたでしょう?ぜひ、仲良くしていただきたいわ。今度、お茶にお誘いしてもよろしいかしら?」
「あら、ぜひ伺いますわ。ほほほほほ」
「では、これ以上お邪魔はできませんので。。。失礼しますわ」
ふふふふふ、とエルメダ様達は元の位置に戻って行った。
「ふ~。びっくりした」
マックス君が額の汗を拭いている。
「あ~、ごめんなさいね。これから、ああ言う時は、後ろに下がっていてね。手間をかけるわね」
「いえいえ、大丈夫です。俺達とは違うんですから。。。気にしないで下さい。てか、謝らないで下さい。いつも思っていたのです。本来は俺達にごめんなさいもありがとうも言わなくていいんですよ。俺達が甘えてしまってるんです」
フィン君は真剣な顔で詰め寄って来た。
「ええ、でも、私は学校では友達として接して欲しいのよ。これは私のワガママだから。。。私があなた達を巻き込んでるの。これからもあると思うから。。。よろしくね」
「「「「はい」」」」
「ジェシカ君。すみません。お友達がいたのでこそっと話をしに行ったのですが、人が少ないせいか、エルメダ様に聞かれてしまって。。。浅はかでした」
ミーナ君はしゅんとしている。
「いいのよ。次からは考えて行動してね。でも、今回はどうしようもないわ。それに、これからどの道会わなければいけない相手でしょうし」
ミーナ君を慰めて、班で固まってそのまま待機する。
1時間ほどした頃、最後の班。もとい、集団が到着してお昼になった。
今日はレクリエーション2日目で学年毎に森の散策だ。
ガヤガヤ集まっている生徒達。こうして見てみると、クラスによって色?と言うか、雰囲気が全く違う。
女性が多いのは文芸科かな?かわいく髪をアレンジしている子が多い。女子校みたいで背景がお花畑だ。乗馬服?も白やピンクのジャケットなど、かわいい服が多いように思う。
そことは正反対なのが、騎士科だ。多分そう。だって、がっしり身体のマッチョが多い。男ばっかだし。他のクラスに比べて人数も少ない。てか、見た目が汗臭い。
あとは、特進科だね。エルメダ様がいるので一目でわかった。クラス全体が大人し目のお上品な感じがする。ここもウチより人数が少ないみたい。
最後は普通科だね。結構、雰囲気は魔法科に近いのかな?でも。。。ガラが少~しだけ悪いような。。。第一印象だからわからないけど。。。
「2年生。こちらに集合して下さい」
メガネのふっくらマダムな先生が手を挙げる。
ぞろぞろと生徒達が移動する。早速文芸科のお嬢様達は騎士科や特進科の男子を値踏みしているようだ。目がギラついている。笑
「クラス毎に縦に並んで下さい」
私達は班毎に集まって、クラスの列に並ぶ。
「では、本日はみなさんの交流会です。この森には魔獣はおりませんので安心して下さい。森を散策し、ここより西北へ進んで下さい。湖がありますので、そこがゴールです。そちらで昼食にします。何か質問はありますか?」
ガヤガヤして、半分は話を聞いていない。。。無理もないか。
「無いようなので始めますね。先日、各クラスで班分けをしていると思いますので、班長はしおりを取りに来て下さい。しおりを確認したら各自出発するように。森へ入る際は、担任へ一言言ってから入って下さいね」
テオ君がしおりを取りに行く。
「ジェシカ君。楽しみですね。他の班とも仲良くなりたいです。あっ!他のクラスですが私の友達も紹介します。本好きの仲間なんです」
ミーナ君はワックワクだ。かわいいな~。
私は。。。ちょっと考えただけで疲れている。。。
前世でもあったよ?新歓登山とかね~。でも、あの時のワクワクが無いんだよ。昨日の方がよっぽどワクワクしてた。。。だって、疲れるのが目に見えてるじゃん。おばちゃんにはこのイベントが精神的にきつい。とほほ。
「そうなの。それは楽しみだわ」
私は極力楽しそうに振る舞う。
「あれ?ジェシカ君。元気ないですね?」
フィン君が心配してくれる。。。純真な16歳が眩しい。
「ええ。大丈夫よ。ちょっと体力に自信がなくて。。。ほほほ」
「あっ、そっか。。。静養してたんだもんね?無理なら先生に言って見学?できるかわからないけど、休んで良いんじゃない?」
マックス君も心配してくれる。
。。。今更めんどくさいと言い辛い。。。
「大丈夫よ。今日は行けそうだわ。ちょっと不安になっただけ。心配かけてごめんね」
「いいんです。ゆっくり行きましょう」
みんなはうんうんと頷いて、私に合わせてくれる。
「ありがとう」
「ん?どうした?」
テオ君がしおりを持って来た。
「あ~、今日はゆっくり行こうかと言っていたんだ」
フィン君が答えた。
「そうだな。ジェシカ君は病み上がりだしな」
テオ君も内心心配してくれていたらしい。
ほんっとイイ子達。感動する。私が高校の頃ってこんなんだったっけな?心が洗われる。
「ありがとう。みんな」
私達はロッド先生に出発の挨拶をして森へ入る。
「ジェシカ、無理するなよ。体調崩したら最寄りの先生に伝えろ」
ロッド先生も気にかけてくれた。
「わかりました」
森へ入ると、早速前方には文芸科女子と騎士科の男子の一団。
『きゃっ』『ははは』『ん~もう~』と、黄色い会話が繰り広げられていた。
私達はその後を付いて行く感じになる。。。ずっとこいつらの後?気が滅入るな。
「ねぇ、テオ君。しおりにはなんて書いてあったの?」
ミーナ君が忘れていたしおりの存在に気がついた。みんなは『ハッ』となる。
「あぁ。。。そうだった。しおりには森で3カ所周ってリボンを受け取るように書いてある」
「えっ!早く教えてよ。まだ1カ所目は通り過ぎてないよね?」
マックス君が焦っている。
「まだ入り口だろ?大丈夫だよ。それより。。。あれ追い越すか?」
テオ君も前の集団が気になるようだ。
「そうね~。。。大きい道になったらさっと横を通り過ぎましょうよ」
私は無難な道を選ぶ。
万が一、変な連中で絡まれたら困る。これからの平穏な学校生活がかかっているんだ。
「そう?抜かせば良くない?」
フィン君は早く視界から消したいみたいで、クイっと親指でその集団を指差す。
「そうだな。。。怪しく映るかもしれないが、走って追い抜くか?それなら接触もないだろう?」
テオ君は走るのは大丈夫か?と私を心配している。
「そうね。このままじゃ、グダグダになるし」
満場一致で走り抜ける事になった。私達は目で合図し走り抜ける。
横を通り過ぎる時、チラッと見たがあの子達に私達は映っていなかった。目の前の獲物達に夢中である。
「はぁ、はぁ。。。そんなに気にしなくてよかったね。話に夢中だったみたいだし」
マックス君が息を整えながらみんなを見る。
「そうね。でも、これで歩きやすくなったわ」
ミーナ君は視界に入らなくなってよかったと言っている。
「じゃぁ、ポイントを探そう」
『お~!』と、テオ班は改めて出発した。
森はちゃんと手入れがされているようで、木漏れ日がいくつも差して、若葉が美しかった。歩道もあり、森のような、前世の外国にあるような大きな公園っぽい感じだ。歩いているとリスや子ウサギが時折顔を出した。
「ここは、どう言う森なのかしら?きれいわね」
「ここは、騎士科の訓練場でもあり、週末は寮生活の貴族の遊び場になっています。森でデートする人もいますよ」
フィン君が教えてくれる。
「そうなのね。デートには持ってこいね。とても爽やかだもの」
「俺は、もうここでデートは済ませたんだ。去年の秋」
マックス君が自慢げに話してくる。
「「「「えっ?」」」」
みんな一斉に振り向いた。一番ない感じだったので驚いた。
「えっ?何だよ!俺に彼女がいちゃおかしいのか?」
マックス君はちょっとプンプンだ。
「いや~。意外だなと思って。。。まだ続いているのか?その彼女とやらは?」
テオ君は正直者だ。。。って、もうちょっと言い方があるよね?
「ちゃんといるし。普通科の幼馴染だよ」
「。。。それって、付き合ってるの?」
フィン君もグサッと突っ込むな~。
「。。。付き合おうとは言ってないけど。。。ここに2人っきりで誘ったんだから意味は同じだろ?」
「「「「。。。」」」」
テオ君とフィン君は無言でマックス君の両肩をポンポンと叩く。
「えっ!何?違うの?」
マックス君はパニックだ。テオ君に必死にどうしようかと聞いている。
あはははは。青春だな~。こそばゆいよ、私には。
「あっ、あそこ!先生がいます。ポイントでは?」
ミーナ君が指差した先には先生らしき人が立っていた。
「お~。君たちで3組目だよ。はいリボン」
私達はリボンを受け取り、次へ進む。
そんな感じで2本目、3本目と受け取り湖へ到着した。
「意外と簡単でしたね」
私達は上位組のようで、他はまだ4組しかいなかった。
「あっ!ルキア!」
ミーナがブンブンと手を振る先には。。。
まさかのエルメダ様!
「みなさん、ちょっと失礼します」
と、ミーナは特進科の班へ向かって行った。
「友達かな?てか、エルメダ様じゃない?」
マックス君はなぜかテオ君の影に隠れている。テオ君とフィン君が私を見る。
「私はエルメダ様を存じ上げないのよ。同じ公爵でも交流がないの」
みんなは『へ~』と頷いて、ミーナの行動を観察している。
ゲッ!!!こっち来くるよ。集団で。
テオ君に目配せしこそっと耳打ちする。
「テオ君。今から社交モードに戻って下さい。みんなは私の後ろで話さなくていいから。安心して」
と、3人は頷くと私の後ろへ下がった。
特進科の4人を引き連れてミーナが戻って来た。
「ジェシー様。申し訳ございません。こちらのエルメダ様がご挨拶したいとの事です」
ミーナも側近モードになっている。
「初めまして。エルメダ・ロストと申します。一昨年の成人の儀でお見かけしましたわ。お話しするのは初めてですね」
おっとり美人のエルメダ様が満面の笑みで一礼してくれる。
「こちらこそ、初めまして。ジェシカ・ロンテーヌと申します。本年より編入して来ました。よろしくお願いしますわ」
私も一礼する。
「突然で申し訳ございません。21領主のご令嬢の方がいるとミーナから伺いまして、しかも同じ班に。私も公爵令嬢の身でありながら特進科へ進みましたでしょう?ぜひ、仲良くしていただきたいわ。今度、お茶にお誘いしてもよろしいかしら?」
「あら、ぜひ伺いますわ。ほほほほほ」
「では、これ以上お邪魔はできませんので。。。失礼しますわ」
ふふふふふ、とエルメダ様達は元の位置に戻って行った。
「ふ~。びっくりした」
マックス君が額の汗を拭いている。
「あ~、ごめんなさいね。これから、ああ言う時は、後ろに下がっていてね。手間をかけるわね」
「いえいえ、大丈夫です。俺達とは違うんですから。。。気にしないで下さい。てか、謝らないで下さい。いつも思っていたのです。本来は俺達にごめんなさいもありがとうも言わなくていいんですよ。俺達が甘えてしまってるんです」
フィン君は真剣な顔で詰め寄って来た。
「ええ、でも、私は学校では友達として接して欲しいのよ。これは私のワガママだから。。。私があなた達を巻き込んでるの。これからもあると思うから。。。よろしくね」
「「「「はい」」」」
「ジェシカ君。すみません。お友達がいたのでこそっと話をしに行ったのですが、人が少ないせいか、エルメダ様に聞かれてしまって。。。浅はかでした」
ミーナ君はしゅんとしている。
「いいのよ。次からは考えて行動してね。でも、今回はどうしようもないわ。それに、これからどの道会わなければいけない相手でしょうし」
ミーナ君を慰めて、班で固まってそのまま待機する。
1時間ほどした頃、最後の班。もとい、集団が到着してお昼になった。
49
よろしければお気に入り&感想お願いします!
お気に入りに追加
6,379
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。