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ボルドー城
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門を抜け堀を渡ると大きな扉が開き何人もの兵士が走り寄ってくる。
そこでようやく馬を下りると馬を誰かが引き取り馬屋に連れて行く。
ポチは寂しそうに私を呼ぶように嘶いていたが、ポールの馬と共に連れていかれた。
中庭を抜けると使用人らしき人たちが走り寄ってきて、リシャールと私の鎧や肘、膝当てなどを脱ぐのを手伝ってくれる。
いつの間にかポールの姿は見えない。
慣れない状況にあたふたしていると、リシャールが振り返り笑顔を見せる。
「埃を落としにいくぞ。」
もう数日も体を拭いていないので随分と汚れているのは確かだ。
こんな格好でいては偉い人の前には失礼に当たるのだろう。
そこそこ臭いし。
そう思い頷くと、リシャールは近くに居た人物に何やら話をすると私の手を引き、ずんずんと建物の中に入っていく。
「ダクスの風呂もよかったけど、ここの風呂もまぁ悪くないんだぜ?」
上機嫌で歩くリシャールだが、後ろではバタバタと忙しそうに人が動いている。
リシャールはそのまま階段を上がると3階の奥の部屋へと進む。
開かれた扉の先はタイル張りになっており、トイレが設置されている。
トイレ兼、脱衣所といった所だろう。
物珍しさに気を取られているうちに扉は締められ、リシャールは私のシャツに手をかけ、慣れた手付きでシャツを脱がしてゆく。
「え。ちょ、ちょっと、リシャー・・・。」
慌てて止めようとするも、リシャールの口によって抗議を、大きな掌によって理性をさえぎられる。
熱を帯びた舌がぬるりと歯をなぞり、滑らかな指先が優しく撫でるように下着の中に侵入してくると、頭がじんわりと思考を鈍らせてる。
疲れも相まって熱は火照る体を流れ伝えるようにして二人を絡めていった。
天蓋付きのベット。
目が覚めて目の前に広がる光景だ。
初めて見た。
憧れた事はあるが、実際にそこに寝ることになろうとは想像もしなかった。
想像と違うのは規模だ。
ベットのサイズの木枠に布が垂れ下がっているものを想像していたのだが、ベットのサイズが部屋半分くらいあるのだ。
その天井には布が張り巡らされ、薄いカーテンの様になり幾重にも重なり床まで伸びているのだ。
視線を横に向ければ、隣でリシャールが相変わらずだらけた顔で眠っている。
今が何時なのかもわからない。
基本的に光を取り込める大きな窓は防衛上少ない造りになっているので、室内はいつも薄暗いのだ。
この建物に入ったが日暮れ前だったので、もう次の日にはなっているだろう。
天井高くにある明り取りから、光が差し込んでいるので昼間なのは確かだ。
昨日は砂も落とさぬまま達し、湯舟、ベットと、幾度となく体を重ね、もう動く体力もない。
もはや、なる様になれ、といった感覚で、現状況を受け入れている。
きっと怒られるならリシャールが怒られるんだろうし。
寝ているリシャールを眺めていると「ぐぅぅぅ」と音が聞こえる。
自分の音?
そう思っていると、リシャールの目がバチっと開く。
「・・・腹がへった。」
「あはは。おはようリシャール。もう、お昼っぽいよ。」
「・・・そうか。腹が減るはずだな。2食食いそびれてる・・・。」
そう言うとリシャールはベットの横に設置されている棚からベルを取ると大きく振る。
思いの外大きな音の出るベルか部屋に響き渡ると、扉が開き女性が姿を現した。
ーーーあとがきーーー
ポチ。って犬かよ。って、誰も突っ込んでくれませんね。
そこでようやく馬を下りると馬を誰かが引き取り馬屋に連れて行く。
ポチは寂しそうに私を呼ぶように嘶いていたが、ポールの馬と共に連れていかれた。
中庭を抜けると使用人らしき人たちが走り寄ってきて、リシャールと私の鎧や肘、膝当てなどを脱ぐのを手伝ってくれる。
いつの間にかポールの姿は見えない。
慣れない状況にあたふたしていると、リシャールが振り返り笑顔を見せる。
「埃を落としにいくぞ。」
もう数日も体を拭いていないので随分と汚れているのは確かだ。
こんな格好でいては偉い人の前には失礼に当たるのだろう。
そこそこ臭いし。
そう思い頷くと、リシャールは近くに居た人物に何やら話をすると私の手を引き、ずんずんと建物の中に入っていく。
「ダクスの風呂もよかったけど、ここの風呂もまぁ悪くないんだぜ?」
上機嫌で歩くリシャールだが、後ろではバタバタと忙しそうに人が動いている。
リシャールはそのまま階段を上がると3階の奥の部屋へと進む。
開かれた扉の先はタイル張りになっており、トイレが設置されている。
トイレ兼、脱衣所といった所だろう。
物珍しさに気を取られているうちに扉は締められ、リシャールは私のシャツに手をかけ、慣れた手付きでシャツを脱がしてゆく。
「え。ちょ、ちょっと、リシャー・・・。」
慌てて止めようとするも、リシャールの口によって抗議を、大きな掌によって理性をさえぎられる。
熱を帯びた舌がぬるりと歯をなぞり、滑らかな指先が優しく撫でるように下着の中に侵入してくると、頭がじんわりと思考を鈍らせてる。
疲れも相まって熱は火照る体を流れ伝えるようにして二人を絡めていった。
天蓋付きのベット。
目が覚めて目の前に広がる光景だ。
初めて見た。
憧れた事はあるが、実際にそこに寝ることになろうとは想像もしなかった。
想像と違うのは規模だ。
ベットのサイズの木枠に布が垂れ下がっているものを想像していたのだが、ベットのサイズが部屋半分くらいあるのだ。
その天井には布が張り巡らされ、薄いカーテンの様になり幾重にも重なり床まで伸びているのだ。
視線を横に向ければ、隣でリシャールが相変わらずだらけた顔で眠っている。
今が何時なのかもわからない。
基本的に光を取り込める大きな窓は防衛上少ない造りになっているので、室内はいつも薄暗いのだ。
この建物に入ったが日暮れ前だったので、もう次の日にはなっているだろう。
天井高くにある明り取りから、光が差し込んでいるので昼間なのは確かだ。
昨日は砂も落とさぬまま達し、湯舟、ベットと、幾度となく体を重ね、もう動く体力もない。
もはや、なる様になれ、といった感覚で、現状況を受け入れている。
きっと怒られるならリシャールが怒られるんだろうし。
寝ているリシャールを眺めていると「ぐぅぅぅ」と音が聞こえる。
自分の音?
そう思っていると、リシャールの目がバチっと開く。
「・・・腹がへった。」
「あはは。おはようリシャール。もう、お昼っぽいよ。」
「・・・そうか。腹が減るはずだな。2食食いそびれてる・・・。」
そう言うとリシャールはベットの横に設置されている棚からベルを取ると大きく振る。
思いの外大きな音の出るベルか部屋に響き渡ると、扉が開き女性が姿を現した。
ーーーあとがきーーー
ポチ。って犬かよ。って、誰も突っ込んでくれませんね。
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